−出来るだけ「自給飼料」で頑張る−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 石川里紗さん)
今回訪れたのは富士宮市にある乳牛牧場「土井ファーム」。「土井ファーム」の「土」ですが、本当は点の付いた「土」です。ただこのホームページ上では表記できないものですから「土」で代用致します。申し訳ありません。
お父さまの土井一彦さんと息子の良太さんが応対して下さいました。「土井ファーム」では乳牛100頭ほど飼育しています。
土井ファームでの飼育の重点は「牛の健康」。目標である「美味しい牛乳」を作るためには何よりも乳牛が健康である事に尽きる…とおっしゃいます。そのためにはストレスの少ない環境作りが非常に大切なので「フリーバーン牛舎」(左写真)を採用しているそうです。
「フリーバーン牛舎」というのは、牛が好きなところで餌を食べ、好きなところで寝そべる…「放牧スタイル」に近い飼い方の出来る牛舎のことです。
また、搾乳は「アブレストパーラー」と言う搾乳専用の区画(写真)で行っています。ここで一頭一頭の健康状態を日々チェックしながら、スムーズな牛乳生産への努力をしているのです。写真の女性は良太さんの奥さま「まり子」さんです。
出来るだけ「自給飼料」で頑張る努力もしています。というのも、自分で手掛けた餌が一番分かり易いからだと言います。牧畜と飼料栽培の二刀流になりますが、当然飼料の市場価格の変動に影響されにくいことも強みです。
飼料用のデントコーン・エンバクを始め、強風対策で植えられるソルゴー(写真)も飼料として栽培しているのです。デントコーン・エンバクは発酵させて与えています。もちろんすべてが自給出来るわけではないので、大豆なども加えて栄養バランスも考えた独自のブレンド飼料を作っています。
またJAふじ伊豆も「耕畜連携」といって牛糞を発酵させた堆肥を稲作農家に提供し、農家から稲わらを提供してもらって飼料用として活用する実証試験を去年から行っているそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「ミルク茶碗蒸し」
作り手は「土井ファーム」の牛乳を使ったパンとジェラートのお店
《バール・ジェラテリア》の土井智子さん(一彦さんの奥さま)
作り方は、普通の茶碗蒸しのだし汁の部分をだしを加えた牛乳に置き換える形です。具も鶏肉・椎茸・ギンナン・三つ葉といった「茶碗蒸し」らしい物。もっともブロッコリーやウインナーなどを入れたバージョンも作って下さいました。
牛乳をもっと消費して欲しい。牛乳は洋風だけでなく、和風にも合うということをもっともっと理解して欲しいとの思いからのメニューでした。
・私は鶏肉・椎茸・ギンナンなどの和風バージョン。
・志帆ちゃんはウインナー・コーンなどの洋風バージョン。
試食した感想ですが、正直ミルクが主張すると思っていました。ところがミルクが入っている感がほとんど無いのです。本当に美味しい! ミルクが入っているというのは、きめの細かいなめらかな感触、そしてコクに表れています。ミルクが苦手という方にも受け入れて頂けると思いました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 石川さん)
《今回の一枚》
ソルゴーという植物、初めて出会ったのはごちそうカントリーロケの最初の頃。プチヴェールの畑でした。防風植物として植えられており、プチヴェールに合わせて背丈も低く抑えられていました。
でも実際は上の写真で、志帆ちゃんとの対比でお分かり頂けると思いますが3mを超える植物でした。飼料としても茎が甘く牛が好むということで栽培して与えています。
刈り取った後は左の写真のように、細かく砕いて幅広テープで巻いてストックします。そして適宜使用していくのです。
写真の作業車はソルゴーを砕いてまとめ、テープで巻く作業を1台で完結してしまう優れもの。普通は砕くマシーンとまとめるマシーンの2台別々だそうです。メイン写真を見るとテープ巻き作業の終盤には、上から次のソルゴーを投入しています。
−独特の香りにはイライラや頭痛を和らげる効能が−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回訪れたのは浜松市西区にある松本徳政さんのセルリー畑。畑の脇で取材車から降りた途端、セルリーの独特の香りに包まれました。苦手な方は閉口なさるかも知れませんが、私と志帆ちゃんはセルリーが大好きなので幸せ感一杯でした。
生産者の松本さん(左)も担当営農の刑部圭祐さんお二人とも「えっ?セルリーの香りがしますか?」と聞き返されました。日頃接していると慣れちゃうんですね。なんて感心していたら、30分もしない内に二人とも感じなくなっていました(^_^;)
静岡県はセルリーの収穫量は全国で第2位なんです。1位は長野県。以前も書きましたが、その長野県とは夏場生産は静岡県、冬場生産は長野県という生産連携を結んでいるという密接な関係が今もあります。その中でも浜松市はセルリーの一大産地なんですね。
セルリーは、露地では8月下旬に苗を植えて11月から収穫が始まります。露地が終わるとハウスものの収穫が始まり5月頃まで収穫が続きます。定植を上手にズラしながら、ハウスとの連携で出荷時期の長い作物として生産しているんですね。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
「セルリー」か「セロリ」かの問題ですが、放送でも触れましたように、英語の「celery」をフランス訛りで読むと「セルリー」なので生産地では「セルリー」と呼んでいるということで、日本語として根付いている「セロリ」を否定はしていません。どちらでもOKなんですね。
因みに英語の発音をクグると「セラリー」に近い感じがします。どんな外来語でも慣れ親しんだ自国の、それもその地方の発音に近いものを探して真似しますから、最初に英語で入ってきた時「セロリ」と聞こえたんだろうなと想像します。
《おいしいをつくりましょ。》
「フレッシュセルリー餃子」
作り手は女性部グループ「フレッシュミズ」の
(右から)江間あゆ美さん、金原麻弥さん、佐野陽子さん
セルリーは茎と葉に分けて茎は5mm角位、葉はみじん切りにする。塩を振り混ぜて水気が出たら布巾で絞る。すりおろしたショウガとニンニクと細かく刻んだニラを混ぜ、豚挽肉を加えて粘りが出るまでしっかり混ぜる。あとは餃子の皮で包み、フライパンで焼けば完成。今回は米粉の皮を使いました。
セルリーの香りと食感が餃子と合うのか興味津々でしたが、合うんです! そもそも香りが駄目という人は苦手かも知れませんが、その香りが肉の臭みを消してくれますし、5mm角に切った茎のシャキっとした食感は爽やかさが残ります。合うのかどうか疑念を抱いていた私、セルリーに謝りました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
セルリーの栄養ですが、葉の部分にビタミンB1やB2が多く含まれています。もちろんビタミンAやC・食物繊維などもたくさん含まれています。セルリー独特の香りは「アピイン」や「セネリン」という栄養成分からきているのですが、これらの成分は、精神を落ち着かせる沈静効果、つまりイライラや頭痛を和らげる効能があるんだそうです。あの香りは臭みの軽減に役立つので、肉と一緒に調理するのがおすすめだそうですよ。
またセルリーの種は低カロリーで、カルシウム・鉄・マンガンといったミネラルが豊富に含まれているそうです。種も食べてみたいですね。
−「おはよう」「こんばんは」…ユニークな品種名−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 及川友希子さん)
今回訪れたのは富士市大渕にある清水領二さんのブロッコリー畑。清水さんは18年ほど前に就農。現在はブロッコリーの他、お茶やトウモロコシなどを作っているそうです。
ブロッコリーに「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」という品種名があるのは知りませんでした。見た目は大きく違わないそうですが、収穫時期の違いが大きいと言います。清水さんは「おはよう」「こんばんは」と「はつみらい」という3種類を栽培。収穫が最も早いのが「おはよう」、次が「はつみらい」、一番遅いのが「こんばんは」だそうです。
「《こんにちは》は作らないの?」伺いましたら、「はつみらい」と収穫時期が重なってしまうとの事。収穫時期が「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」の順になっているのは納得だなと思いました。
写真は取材した畑にあった標識です。品種名「おはよう」と種を蒔いた日付けが書いてあります。これを見ると、本当にそういう品種名のブロッコリーがあるのだという事が分かりますよね。
《おいしいをつくりましょ。》
「ブロッコリーのアーリオ・オーリオ」
作り手は清水さんの奥さま絵美さん(写真右)と
助っ人に料理研究家の遠藤香苗先生が来て下さいました。
「アーリオ」はオリーブオイル、「オーリオ」はニンニクの事。オリーブオイルとニンニクの炒めものと言う意味になります。基本的にはブロッコリーとマッシュルームのニンニク炒めです。それにブラックオリーブを加え炒めます。最後に塩とブラックペッパーで味を調え、パルミジャーノ・レッジャーノを削って振り掛けて完成。
(撮影:JAふじ伊豆 及川さん)
文句なく美味です。志帆ちゃんと「オリーブオイルを多くしてアヒージョにしても美味しいよね」と話しました。
もう一品「プロッコリーのフリット」も作って下さいました。キモは「ホットケーキミックス」を炭酸水で溶いて衣にし、170℃の油で揚げる事。当然程良い甘さと炭酸水効果でフワッと仕上がります。これも美味!子どもも大喜びですね。
写真のシーンでの笑いが何だったのか思い出せません。それにしても絵美さん志帆ちゃん共に、屈託のない素直で素敵な笑顔ですね。レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 及川さん)
《今回の一枚》
というか三枚になりますね。お分かりのように志帆ちゃんが手にしているのはトウモロコシです。でもここはブロッコリー畑。
実はブロッコリーとトウモロコシを交互に作っているのです。トウモロコシの収穫が終わると、残ったトウモロコシの茎や根は緑肥として漉き込むのです。その際、見落とした実や未熟な実なども一緒に漉き込みます。その中の一部が芽を出して生長し、再び実をつけるのだそうです。
その中の1本をもいで志帆ちゃんが中身を確認しようとした一枚です。結構良く出来ている感じですが、粒の太り具合などはいまいちでした。枠写真は、これならベビーコーンとして生で食べられるかも…と清水さんと営農の藤森健さん(枠写真)が穫ってくれた実を試食しているシーンです。「甘い!美味しい!」と叫んでいました。
−有東木のワサビ田では肥料は入れない−
(撮影協力:JA静岡市広報 大長理恵子さん・保ア裕子さん)
今回訪れたのは静岡市葵区にある望月泰弘さんのワサビ田。望月さんはワサビ農家の3代目、ご自身も栽培歴40年のベテランです。静岡市葵区有東木はワサビ栽培発祥の地、その誇りを胸に熱い思いで栽培されています。わさび栽培は周年栽培。苗を植えて1年〜1年半で収穫されます。棚田形式で作られていますので、棚毎に植栽をずらして周年収穫可能にしています。
栽培に欠かせない水。水温は1年を通じて13度位。年間を通して変化の少ない事が、より大きく太く美味しいワサビを作れる条件なのです。
(枠写真左から望月さん、JA静岡市しづはた営農経済センター望月星哉さん)
(枠撮影:JA静岡市 保アさん)
望月さんによると有東木のワサビ田では肥料を入れません。砂礫や流水に含まれるミネラルを始めとする養分が栽培にピッタリだからだそうです。
栽培方式は中伊豆で石垣づくりの石工「熊太郎」が開発した「畳石式」と呼ばれる方式を採用。大きく太く美味しいワサビが安定的に作られているのです。
「畳石式」は、ワサビ田の一番下の層に大きな石、上層へ行くに従い石の大きさを小さくして積んでいき、最上層部には細かい砂礫を敷く作り方。豊富な湧水をかけ流すことで、不純物のろ過、水温の安定、栄養分や酸素の供給を同時に行える方法なのです。しかも濾過されながら下の田に流れていくので、ワサビ田位置の上下による水質の違いがほとんど無いというすぐれた方式で、今では全国のワサビ田に広まっている栽培方式となっています。
ワサビの表面の凹凸は年輪のようなもので、茎があった痕跡。成長するに従って下の茎が落ちていきますが、茎のあった部分が跡として残ります。上へと成長するに従って茎跡が積み重なっていく訳です。茎跡が詰まったものはじっくり成長した証拠で、内部の肉質が密で辛みも素晴らしいそうです。
写真は、それを実物を示しながら志帆ちゃんに説明している望月さん。ワサビの事になると話が尽きません。一つ質問すると次から次へと話が展開し飽きる事はありませんでした。凄い情熱です。
(撮影:JA静岡市 保アさん)
《おいしいをつくりましょ。》
「ワサビ漬け作り体験」
今回は私たちが「ワサビ漬け」を作る事になりました。
教えて下さるのは農林産物加工所「うつろぎ」の
宮原加代子さん(右)と白鳥茂子さん
「うつろぎ」の体験プログラムとして人気があったのですが、新型コロナのために丸3年出来ずにいたのです。今回私たちが3年以上ぶり、久々の体験参加者となりました。
材料は基本的にワサビと酒粕。ワサビの茎と根茎をみじん切りにしてよく揉みます。すると汁が出てきます。アクが含まれて出ているので布袋に入れて絞ります。水分が抜けたら酒粕と混ぜて完成です。
完成とは言っても、直ぐに食べてもワサビ漬けらしくはありません。酒粕にワサビの辛みが回っていくまで少なくとも一晩はそのままにしないとワサビ漬けらしくならないのだそうです。ワサビと酒粕を混ぜるのは手で、その手には混ぜたワサビと酒粕が少し残っています。それを舐めてみてと言われて舐めましたが、ワサビと酒粕が別々で確かに「ワサビ漬け」とは呼べませんでした。
でも一晩経てば爽やかに辛い、美味しい「ワサビ漬け」が出来上がっていました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
写真のワサビは私が収穫体験で穫ったものです。赤丸で囲った部分を見て下さい。根茎から芽が出ているのがお分かり頂けると思います。この芽を植えると生長してワサビになるのです。
もちろん種からでも生長しますがバラツキもあるため、望月さんは芽をカッターナイフなどで切り取ってワサビ田に植えていくそうです。当然親になる根茎のクローンですから、出来や味はハッキリ分かるわけですね。
−生産者数を昔並みに!産地復興に取り組む−
(撮影協力:JA遠州中央広報 田中成幸さん・村松穂波さん)
今回訪れたのは磐田市の水川和則さん(写真)のさつまいも畑。水川さんは農業にチャレンジして18年ほど。現在は「サツマイモ」と「お茶」を作っています。
磐田市はサツマイモをかなり昔から作っていたそうで、明治時代以降は「芋切干」の生産が盛んだったと言います。現在でも「芋切干」作りはやっていて、芋そのものの販売と半々位の割合だそうです。
ただ徐々に生産者が減少してきたので産地復興に取り組んでいる最中だとおっしゃっていました。現在サツマイモ生産仲間は9軒。JA遠州中央と協力して、積極的に生産仲間を増やそうと努力しています。
(撮影:JA遠州中央 田中さん)
サツマイモの品種は「紅はるか」。糖度が高くねっとりした食感で焼き芋・ふかし芋良し、「芋切干」にしても非常に美味しい種類の芋として絶大な人気を誇っている感がありますね。
近年スーパーやドラッグストアなどの出入り口で「石焼き芋」が販売されている姿が良く見られます。そこには銘柄も明示されていて「紅はるか」が非常に多い印象があります。他にも「シルクスイート」や「安納芋」も見かけます。やはり今の好みの主流は「甘くねっとり」でしょうか。
収穫は準備段階として蔓と葉を取り除いて保護マルチシートを剥がします。この作業、昔は人海戦術だったそうです。その作業を水川さんが実演して下さいました(最初の写真)。現在はトラクターに刈り取り用アタッチメントを取り付けて出来るので非常に楽になったそうです。
土と芋だけになったところでトラクターのアタッチメントを掘り起こし用に交換します。トラクターが土を掘り起こし、すぐ後を芋回収係の方が土から引き出していきます。掘り起こし直後に回収する事が大事で、そうしないと芋が埋もれたままになって回収し残すこともあるとおっしゃっていました。
(撮影:JA遠州中央 田中さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「サツマイモカステラ」
作り手は、写真左から女性部の沢 明美さん、
玉木津多子さん、栗田いく子さん
皮を剥いたサツマイモをサイコロ状に細かく切って茹でます。マッシャーでつぶしてから卵黄・バター・生クリーム・ハチミツ・砂糖を混ぜます。そして卵白を泡立てて加え、さっくりと混ぜて電子レンジで10〜11分(600W)加熱して蒸らせば完成。
名前はカステラと付いていますが、もっとしっとりとしていてスイートポテトに近い感じでした。とても美味しく、撮影用に2個作りましたがあっという間に関係者みんなのお腹に収まりました(^_^)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JA遠州中央 村松さん)
《今回の一枚》
私たちの仕事は言うまでも無く「しゃべる」ことです。作物を紹介し、栽培していく上での大変さや喜びの生の声を届ける事が使命です。
しかしインターネットの発展でホームページやインスタグラムに、PRもあって写真を含めた番組にまつわる情報が必要になっているのです。
放送局のホームページやインスタグラム担当のスタッフたちは、放送には載らないけどロケの雰囲気などが伝わってくる写真を撮ってきて欲しいと言います。それに応えて「出来る範囲で」と言いながら合間を見てはスマホで撮影しているという訳です。
このホームページにも必要ですしね(^_^)
そんな姿をJA遠州中央広報の田中さんが撮って下さいました。サツマイモと志帆ちゃんを私が撮影しているシーンです。枠内がその時撮った写真。ロケのサイド写真は自分たちだけでは撮れません。
(撮影:JA遠州中央 田中さん)
−レンコンは掘り出さなければ冬期は休眠状態−
今回訪れたのは掛川市の「蓮華(レンゲ)の郷(サト)」。「蓮華の郷」は、後継者がなく放棄された水田を生かそうと無農薬レンコン栽培に取り組んでいる掛川市和田岡地区の有志の農家でつくる会です。メンバーの一人、大場雄三(オオバタケミ)さんが説明してくれました。
レンコンは蓮の地下茎です。蓮池の土(泥)の中で節を作りながら伸びていきます。春に種芋(本当は種茎と言った方が正確です)を植えて9月下旬〜晩秋にかけて収穫します。
サツマイモやジャガイモなどの場合は発芽部分を見極めながら切って植えていきますが、レンコンは3〜4節をそのまま埋めるのだそうです。その節々のつなぎ目部分から地上に伸びる茎が出てきて分けつ(何本にも分かれる事)していき、最終的には種芋(種茎)の5倍以上収穫出来るそうです。
掘り出されたレンコンの鮮度は、冷蔵庫保存で1週間が目安だそうです。じゃ種芋(種茎)はどうやって保管していくのかを伺いましたら、ある区画を決めて掘り出さずにそのまま冬を越すのだそうです。成長してきたそのままの環境の中にいれば「休眠状態」のままだと言います。
そして植え付けの時に掘り出し、畑の中に植え広げていくというわけです。その状態の種芋(種茎)はそのまま出荷しても食べても良い状態だそうで、凄い植物だなと思いました。写真はレンコンの収穫体験をしてその格好のまま撮った写真。泥で濁ったレンコン畑、手探りしかありませんでした。
ちょうどレンコン畑の中に朽ちて黒くなった蓮の実がありました。(枠写真)実には穴が開いています。その穴には蓮の種が入っていた訳です。種が取れるんだから種を植えても栽培出来るのではないかと考えますよね。勿論種から発芽してしっかり成長します。
写真をご覧下さい。志帆ちゃんが右手に持っているレンコンが種から成長したもの。左手に持っているのが種芋(種茎)からのもの。節の太さの差は歴然ですよね。商品価値という意味では失格です。種からだと原種に近い状態の細いレンコンが出来るのだとおっしゃっていました。
太く美味しいレンコンを作るには肥料が大事。最高の肥料は菜種油の絞りかすなんだそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「フライドレンコンとレンコンチップス」
作り手は、大場さんご自身。実は大場さん、夕食を毎晩作るんだそうです。「ある意味《夫の鏡》ですねと言いましたら、
「自分が食べたい物を作るんだから苦じゃない」とおっしゃいます。さらに聞くと「くんちゃんと同じでお酒が大好き。だから勢い酒のつまみになりそうな物ばかりになりますけどね」と笑います。
「レンコンチップス」は当然横からの輪切り。繊維の向きに逆らって切ります。「フライドレンコン」は縦5〜6Cm位に揃え、繊維の向きに沿ってスティック状に切ります。そして素揚げした後、塩を適量かけて完成。
「レンコンチップス」は予想通り、シャキ感もあって最高のつまみの美味しさ。手が止まりません。
「フライドレンコン」はシャキ感・ホク感もありながら粘りも出てモッチリ感もありました。
切り方で変わる食感は楽しいなと思いました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
生産者の大場さんと出会った瞬間、大場さんが開口一番「ぼく小学生の時、ケッタウェイズの浜松でのコンサートに行ったんですよ!」と言ってくれました。
「浜松ならセカンドコンサートかな?」と問いかけましたら
「そうそれ!人が集まりすぎて2回コンサートした時!」と大場さん。
間違いありません。1980(S55)年3月16日浜松市民会館で開催された「Kettaways 2nd Concert」です。
左の写真は開場数時間前の写真です。この時はまだゆとりある状態でした。これからどんどん増えていき、1時間前には会館前の公道に小中高校生があふれて会館の席数を遙かに超えました。原因は歩留まりを予想して入場券(葉書)を多く発送した事でした。3,500枚ほど発送し、ほとんどの人が来てくれたのでした。
なので最初1回公演の予定を急遽2回公演に変更して開催したのでした。当時の大場さんが早くいらしていれば写真の中にみえたかも知れません。
−毎年10月16日は「国消国産の日」−
(撮影協力:JAおおいがわ 竹田勝俊さん)
今回訪れたのはJAおおいがわのファーマーズマーケット「まんさいかん藤枝」、そして今回のテーマは「国消国産」。国民が必要とし消費する食料は、できるだけその国で生産するという考えです。
第二次世界大戦終結の年、1945年10月16日に「国連食糧農業機関」が発足しました。その後1981年に国連はこの10月16日を「世界食料デー」にも定めました。こうした経緯の中、JA全中(一般社団法人 全国農業協同組合中央会)では2021年10月、10月16日を「国消国産の日」として制定したのです。
日本の食料自給率は40%弱。それを上げるためにも国産食料をもっと活用する事が大事なのです。
写真はファーマーズマーケットの姿勢を表す横断幕です。
具体的には、ファーマーズマーケットなどの食料品売り場で国産品を選び、国産品を食べるということを意識して購入すれば国産の農畜産物の消費は増えていく。それはとりもなおさず国産品の生産量や出荷量も自ずと増えるという事に繋がります、
また取材した「まんさいかん藤枝」には、JAおおいがわ管内以外の農産物や商品も置いてありました。全国各地の自慢の果物などで作られた「グミ」などや、JA遠州夢咲「石川小芋」(写真)も置いてありました。
管内の縛りや地域の枠を越えての取り組みなのだと宮下俊亮店長(枠写真)もおっしゃっていました。
(撮影:JAおおいがわ 竹田さん)
各JAでは、自慢のお茶アルミ缶を出しています。光を完全に遮断している事もあってその味には定評があります。今回「まんさいかん藤枝」には近隣の5つのJA「JAおおいがわ」「JAハイナン」「JA掛川市」「JA遠州中央」「JA遠州夢咲」のお茶アルミ缶が一袋に入った《5JA茶味くらべセット》を販売しています。
同じ静岡県中西部に位置する5JA、お茶の味も似てそうですが、少しずつ違いがあるそうです。それを分かってもらうために、あえてセットにして販売したと宮下店長がおっしゃっていました。
出荷農家の中に若い女性がいらっしゃいました。
榛葉未来(ミク)さんです。榛葉さんは新規就農者でスタートしてまだ数年。しかも農家の出身ではないというのです。でも農業に魅力を感じ、美味しく安全な物を作りたいと日夜励んでいるとおっしゃいます。
今回の出荷は「オクラ」。写真の榛葉さんと志帆ちゃんの間にある売り場に並んでいます。今は生産野菜などの種類は少ないのですが、もっともっと増やしていきたいと語ります。この笑顔を見ると間違いなく目標を達成する事でしょう。
その力を大いに感じる笑顔でした。
《今回の一枚》
オープニング・コントのリハーサル時の一幕です。
オープニング・コントは番組のスタートに大切な役割があります。その回が何をテーマに展開しようとしているのかを分かり易く、でもちょっと笑えるような雰囲気でテレビをご覧の皆さんにお伝えするのが役割。
一番は相方志帆ちゃんとの呼吸。息が合わないと突っ込みもボケも活きません。やり取りのセリフが間違っていなくても、うまくかみ合わなければ何回でもやり直します。というかその覚悟です。
幸いやり直しは数回で済んでいます(^_^;)
(撮影:JAおおいがわ 竹田さん)
−ギンナンは毎年同じ花芽から実が生る−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 石川里紗さん)
今回訪れたのは富士宮市の大久保公雄さん・陽子さんご夫妻のギンナン畑。大久保さんは農家の4代目ですが、ギンナンは大久保さんの代から栽培し始めたそうです。
我々が食べているギンナンは、イチョウの木になる実の中の、さらに殻に包まれた胚乳の部分です。実は黄色いさくらんぼのような形をしていますが、熟してくると非常に臭いが強くなります。果肉は私は食べた事はありません。あの臭いを嗅ぐと食べる気にはなりません。本当のところはどうなんでしょうか?
(撮影:JAふじ伊豆 石川さん)
イチョウの木は生命力が強いのですごく大きくなります。街路樹としての植栽も多いので、お分かりの方も多いと思います。
そこで大久保さんは、栽培管理をしやすくするために低い形に仕立てています。ただ粒の大きいギンナンを目指して、JAと手を携えながら研究努力しているそうです。
大久保さんは平成9年、公務員と農業を兼業していたころにギンナンを植栽し、試行錯誤の連続だったそうですが、立派なギンナンがなるようになったと胸を張っていらっしゃいました。
写真は収穫し忘れた実から発芽した苗木。
見回すと其処此処にありました。生命力の強さの証ですね。
収穫後、果肉の部分はミキサーのような機械で取り去ります。残った種部分は硬い殻に覆われていますので、中身の胚乳がちゃんと詰まっているかどうかを確認しなくてはなりません。判定には塩水を使います。問題は塩水の塩分濃度です。
適正な塩分濃度かどうかを確認するためには「比重計」を使います。写真のように比重計で適正塩分濃度の塩水に浸して、浮き上がった物は外していきます。
そうやって選別した後、天日干しをして出荷させるそうです。
因みにギンナンの胚乳部分は翡翠色と黄色があります。違いは実が熟す前は翡翠色、熟すと黄色になるのです。肥料に関係している部分もあるかも、という話しでした。
《おいしいをつくりましょ。》
「ギンナン入り山菜おこわ」
作り手は、奥さまの陽子さん
おこわは釜でお湯を沸かしその蒸気を使ってセイロで蒸すのが陽子さん流。普通の餅つき機や炊飯器で作ったことはないそうです。熱源はマキ。
セイロで作ったおこわはふっくらもちもち。ギンナンのホクホクモチモチ食感も活かされていて、本当に美味しさ爆発でした(^_^)
ギンナンを購入したら茶碗蒸しも良いですが、おこわもお勧めです。普通の餅つき機や炊飯器でもきっと美味しく出来ますよ。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 石川さん)
《今回の一枚》
ギンナンは花芽が非常に大事だそうです。毎年同じ花芽部分に花が咲き、当然そこに実が生ります。写真の矢印部分がそうなんですが、この木は樹齢20年。花芽が積み重なって伸びています。とても大事なので、収穫作業の時駄目にしないように気を付けるそうです。
収穫は下にシートを敷いておき、木や枝を揺すったり叩いたりして落下させる方法がメインです。それでも落ちない実は手で穫るそうです。収穫体験しましたが、思ったよりしっかり付いていて棒で思いっきり叩いて落としました。それでも落ちない実もかなりあり、大久保さんが「栄養状態が良いからしっかり付いているね」と笑っていました。
−小松菜生産者と料理人の素敵な二刀流−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 竹田勝俊さん、寺岡真由美さん)
今回訪れたのは島田市にある潟sュア・グリーンの小松菜ハウス。潟sュア・グリーンというのは、お茶やお米の栽培をしていた松野孝男さんと松浦 元さんの二軒の農家が協力して法人化した会社なんです。
法人化するにあたり、設立要領や資金面、生産対象農作物についてJAおおいがわに相談。営農経済部と金融部が連携して設立する事が出来たのだそうです。
ハウスで展開する事、栽培作物は小松菜が適している事などをアドバイスされ、二反プラスα(約600坪+α)のハウスを作り2年前から法人としての生産販売を始めました。
(写真左から松野孝男さん、営農五嶋圭太さん、営農山中爽平さん)
(撮影:JAおおいがわ 竹田さん・寺岡さん)
取材に応じて下さったのは代表取締役の松野孝男さん。小松菜栽培について伺うと、周年栽培で1年中収穫出来るのがありがたいとおっしゃいます。種を蒔いてから収穫までの期間は季節によって差がありますが、夏場で1ヶ月、冬場で2ヶ月位だそうです。
因みに現在は6畝で栽培、最初の畝に種蒔きして1週間後に次の畝に種蒔き、その1週間後にまた次の畝…と6畝目に種蒔きをしたら最初の畝が収穫出来るペースだそうです。無駄の無い栽培収穫ですね。
ところで松野さんは元々料理人でいらっしゃいました。静岡市の有名居酒屋で10年勤務していらっしゃったそうです。実家がお茶とお米の農家だった事から、跡を継ぐ事になり将来を考えて法人化に踏み切ったわけですが、居酒屋時代の料理人仲間にも声をかけ社員になってもらいました。
そして、料理人仲間の力があれば更なる事業展開が可能と考え、まんさいかん各店舗でお弁当や総菜を販売する事にも着手されています。写真は料理コーナーの一場面ですが、前掛けの締め方も含めて料理のプロ感半端ありませんでした。
(撮影:JAおおいがわ 竹田さん・寺岡さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「小松菜とタコのガーリック炒め」
作り手は、代表の松野孝男さん自身
前述した通り松野さんは元々料理人。このコーナーも松野さんが担当して下さいました。小松菜とタコの組み合わせは私は食べた事がありませんでしたが、たっぷりのオリーブオイルとニンニクで最初はアヒージョを思わせる展開。その時点で、頭の中は美味しいに違いない想像が渦巻きました。
とにかく、ご飯のおかずでも晩酌のつまみでもドンと来い! 最高の瞬間が待っていました。カルシウムは牛乳並みの小松菜、子どもにも高齢者にも大切な野菜です。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
松野孝男さんとの2ショットです。今回の出演者は松野さんお一人でした。ごちそうカントリー9年半の中で、通してお一人だけというのは初めてでした。
素晴らしい笑顔の松野さんですが、料理人でいらした頃は「厳しい表情の方が多かった」とおっしゃいます。お客様に納得いく料理を提供しなくては…という責任感からあまり笑っていなかった…農業に打ち込むようになってから、そして法人化で仲間と協力していく過程で笑いが多くなったともおっしゃっていました。
そんな事を伺ってこの写真を観ると、現在の充実した生活が見えてきますよね。それにしても料理人でいた事はすごく役に立っているそうです。
−1年の行事の中で特別に作られるお弁当「箱寿司」−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 井上郁子さん)
今回訪れたのは岩田和男さん・早苗さんご夫妻の田んぼ。岩田さんの家は、こしひかりを導入し始めたころからの米作りだそうです。50年近いんですね。
栽培開始当初に比べると、栽培方法も確立しコンバインなども導入されてだいぶ楽になったとおっしゃいます。
御殿場は富士山麓の豊富な伏流水と、標高のお陰もあって朝晩の寒暖差でより甘く美味しい「ごてんばこしひかり」が望めるとの事。今年の出来も良いとのことで稲穂を見る目も満足気でした。
(写真左から、営農の内野美里さん、岩田和男さん・早苗さん)
コンバインの入り口作りのための稲刈りシーンです。刈り取っているのは奥さまの早苗さん。畦のギリギリまで植わっている稲を、コンバインでいきなり刈り取り作業するわけにはいきません。
まず田んぼのどこかにコンバインが入れる場所を作らなくてはいけません。そのために隅の一部分の稲を手で刈り取る必要があるわけです。
最小面積はコンバイン一台がすっぽり入る大きさ。「この作業は私の仕事なんだよね」と早苗さんは笑います。
「カントリーエレベーター」にも伺いました。ここは農家で刈り取られた籾(もみ)を穀物の集荷、乾燥、選別、貯蔵などを行う施設。
何故「カントリーエレベーター」と言うのか? 調べてみましたら、アメリカの農村地帯で、穀物を貯蔵サイロに入れるための装置(バケットエレベーター)が、港湾で船に穀物を搬入する施設であるターミナルエレベーターに似ていることから、カントリーサイドにあるエレベーターということで名づけられたという説が有力だそうです。
写真の赤丸内の軽トラック列は新米籾搬入待ちの車列。いよいよ新米刈り取り最盛期突入です。
《おいしいをつくりましょ。》
「箱寿司」
作り手は、JAふじ伊豆御殿場地区の「ふるさと工房」の3人
左から芹澤みや子さん、杉山道枝さん、梶 美恵子さん
すし飯の上にマグロ赤身の刺身、マグロフレークや人参・椎茸の煮物などを乗せたものです。入れる容器がこの地方に古くから伝わる木製の箱。現在は非常に少なくなったそうです。
一年の行事の中で特別に作られるお弁当。5〜6月の蚕を飼い始める前や田植えが終わった後に作られたそうです。箱には1〜1.2合のすし飯が入り、田植えを手伝う女性「早乙女さん(地元では《そうとめさん》と呼ぶそうです)」に提供し、さらに一箱お土産に渡すそうです。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
女性アナウンサーの皆さんは、スマホの扱いに長けています。何でも新しく購入すると触りまくるそうです。搭載されている機能を手探りで探し出していると言います。そう言えば最近のスマホには取扱説明書が付いていない物も多くありますからね。
写真は、彼女たちに刺激されて自撮りにチャレンジしたものの1枚。自撮りというと不安もあってついつい映っているディスプレイを見てしまいがちですが、視線をカメラに向けない自撮りもひと味違います。それを頑張った結果の1枚です(^_^;)
−掛川で生まれた幻の栗「八高」を大切に継承−
(撮影協力:JA掛川市広報 袴田真司さん)
今回訪れたのは掛川市上垂木にある早川正實さんの栗園。掛川市は県内でも有数の栗の産地、JA掛川市は県内で唯一栗の集荷を行っています。
掛川の栗は実が大きく 甘みが強いのが特徴で「極上」と評されるそうです。歴史も戦後あたりから 栽培は既に行われていたとの事。とは言いながらごちそうカントリーでは初めての取材です。
早川さんが栽培しているのは早生品種の「国見(クニミ)」や中生の「有磨(アリマ)」、それに幻の栗と言われる「八高(ハッコウ)」です。
「八高(ハッコウ)」が何故「幻の栗」なのか?
実は八高は昭和50年ごろに掛川で生まれた品種。ただ書物に記載はあるものの、品種登録をしなかった事から「幻の栗」と言われるようになりました。大きな粒で見た目や形が良く、あっさりとした味わいが特徴だそうです。絶やさないためにも作り続けていると早川さんはおっしゃっていました。
写真は今回ピンチヒッターの岩本美蘭アナの掌に左上の毬に入った3個の実を持ってもらったものです。ご覧のように本当に大きい実で、食べでがあるだろうなと思いました。
というのも試食は出来なかったのです! 残念…
栗の収穫は、落ちている毬(イガ)を拾う事から始まります。成熟したら自然に落下するそうで、ほぼ茶色くなった毬が目印。グリーンの毬は未熟なので拾いはしますが出荷はしないそうです。
毬を剥く作業はその場でする農家もあれば、作業場に持ち込んで作業という農家もあるそうで、早川さんは作業場派だとの事。毬剥きも一つ一つやっていると大変ですが、早川さんの作業場にはJA掛川市と早川さんが共同改良した「栗の毬剥き機」があり次々に実を分離取り出していました。
ただ「八高」に関しては、大きいので実を傷つけてしまう恐れがあるため足と手での毬剥きにせざるを得ないとおっしゃっていました。(撮影:JA掛川市 袴田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「栗ごはん」
作り手は、JA掛川市の「あぐりきっちん」スタッフ山本磨央さん
炊飯器で水分を程良く吸った米にむき栗を乗せ、炊きあげます。むき栗作りは硬い皮と渋皮が強敵です。剥きやすくするためには、1分位湯がくのがコツだそうです。皮も渋皮も適度に軟らかくなって、作業しやすいとおっしゃっていました。
栗の栄養ですが、「ビタミンB1」が糖質やアミノ酸の代謝をサポート。「タンニン」が老化やガン予防につながる抗酸化作用への期待。「カリウム」がむくみ解消・高血圧予防に期待。この他「ビタミンC」「食物繊維」といった有用成分の含まれた凄い食べ物です。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
前述しましたが、今回は今年のSDT新人アナウンサー岩本美蘭さんがピンチヒッター登場しました。志帆ちゃんの夏休みに伴うものだったのですが、先週のロケに同行して志帆ちゃんからいろいろ教わっていましたから、何も心配は要りませんでした。スムーズに展開していき、楽しいロケとなりました。
一番やりにくいかもと思われた、対象農作物紹介のオープニングコントも難なく演じてくれました。今回のオープニングコントの柱は「栗を英語で何というか?」
「marron(マロン)」と言いたくなりますが、マロンはフランス語。英語でいうと「chestnut(チェスナット)」、勉強になりました。
因みに「marron(マロン)」は栗ではなく「トチ(マロニエ)の実」のことだそうです。フランス語で「栗」は「chataigne(シャテーニュ)」や「chataignier(シャテニエ)」と言うそうです。英語と通じるものがありますね。
(撮影:JA掛川市 袴田さん)
−稲作の次代を担う品種になるか「にじのきらめき」−
(撮影協力:JAハイナン広報 岡田阿佑美さん、大島 恵さん)
今回訪れたのは吉田町の岩村俊佑さんの田んぼ。岩村さんは稲の新しい品種「にじのきらめき」に取り組んでいます。品種名が初耳だったのでネットで調べてみましたら、2018年に国の研究機関である農研機構が開発した新品種。虹のように多彩な特性を持つこと、ご飯の炊きあがりが艶やかであることから「にじのきらめき」と命名されたのだそうです。
特徴は、病気に強くて夏の暑さにも強い点。温暖化による高温の影響でお米の品質低下が問題になっている中、注目を集めているのです。
また稲は生育するにつれて茎の根元から新しい茎が出てきます。最初は苗を4〜5本ずつ植えていきますが、最終的には20本以上の茎になります。「にじのきらめき」はその本数が多く、しかも太いのです。写真は今までの品種「キヌヒカリ」との比較です。明らかに「にじのきらめき」の方が茎の数が多く、太い事が分かります。従って収量も多いのです。
しかも稲の丈が短いので強風にも強く倒れにくいという長所も持っていて、このところの気象で心配される台風にもめげない強さも期待されているのです。
お話しを伺っていくうちに、「にじのきらめき」は稲作の次代を担う品種になるかもしれないと思うようになりました。注視していくべき存在のような気がします。
岩村さんが取り組み始めたのは2年前。研究しながらの栽培です。それでも生育は良く、出来も上々との事。炊きたてを食べてみたいと思いました。
《おいしいをつくりましょ。》
「ライスゼリー」
作り手は、女性部の塚本里子さん、西田純子さん、
サポートが女性部の島野さよ子さん、吉永和子さん
写真のようにグラスにサイダーゼリー、あんこ、ミルク粥、ぷるぷるデザートの順に重ね入れて冷蔵庫で冷やして完成。トッピングは湯むきしたミニトマトを砂糖水漬けにしたもの。
【サイダーゼリー】…かき氷のみつ(ブルー)を水とレモン汁で薄めて粉寒天を煮溶かして1分。沸騰したらサイダーを2回に分けて混ぜ、粗熱を取る。
【ミルク粥】…炊いたご飯を入れた鍋に、牛乳を加えてかき混ぜながら作る。
【ぷるぷるデザート】デザートベースと牛乳を混ぜて作る。
試食は、全部を一サジにのせて一口でいきました。最初はそれぞれの味と米の粒々を感じていましたが途中からまとまりを感じてきました。しばらく咀嚼していく内に「あんこ」が良い役割を演じていることが分かってきました。志帆ちゃん曰く「あんことお粥の組み合わせって《おはぎ》みたい」…そう「おはぎ」感が全体の要として、良い役割を演じたようです。美味しくて完食しました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(枠写真:左から島野さよ子さん・吉永和子さん・塚本里子さん・西田純子さん)
(撮影:JAハイナン広報 岡田さん、大島さん)
《今回の一枚》
田んぼでの記念写真です。インタビュー収録が終わっても、スタッフには「ブツ撮り」」という大事な仕事があります。その間、生産者や営農の方といろいろな話をします。
その中で、岩村さんが米の他に何を作っているのかという話になりました。聞けば、米・茶・レタス・キャベツ・ブロッコリー・枝豆・トウモロコシ・カボチャと結構な数になります。
「凄いね」と言うと、「何が売れるのか、売れなくなるのか。気象によっても穫れたり穫れなかったり…、つまり将来を見据えたリスク回避の意味合いもあるんですよ」との言葉。なるほどね…コンスタントに売れたり穫れたりとはいかないかもしれない。「それも考えておかないと」とおっしゃっていました。
写真は左から営農鈴木洸希さん、岩村さんです。一番右はSDT新人アナの岩本美蘭さん。実は次回のロケは志帆ちゃんの夏休みの関係で、ピンチヒッターとして登場してくれるのです。そのための見学で同行したという分けです。
−新規就農の強力な味方「いちじくウェルカム講座」−
(撮影協力:JA遠州中央広報 田中成幸さん)
今回訪れたのは磐田市東原にある立花 毅さんのいちじく畑。立花さんは元々サラリーマンでいらっしゃいました。定年退職後に以前から興味のあった農業にチャレンジしたいと就農したそうです。
いちじくに取り組むキッカケは、JA遠州中央の「いちじくウェルカム講座」でした。「いちじくウェルカム講座」というのは、新しく農業経営者としていちじく栽培を始めたい人を対象に、いちじく栽培の基礎から収穫まで、実際栽培畑を訪れながら学べるという実践的な講座で、年間4〜5回行われるそうです。
立花さんのいちじく作りは6年目になります。
(撮影:JA遠州中央 田中さん)
栽培品種は「桝井ドーフィン」、安定したいちじくの品種です。いちじくの樹は自然に任せておくとズンズン大きく伸びていきます。放っておくと5m位の高さになるので、手入れはもちろん収穫も大変になります。
これまでのいちじく取材でもそうでしたが、立花さんも「一文字仕立て」という仕立て方で管理をし易く、収穫も楽に出来るような状態に作り上げています。具体的には写真のように一株の中で選定した枝(主枝)を左右に広げていき、その途中から出た枝を上方に伸ばしてその枝に実を生らせるという栽培法です。
取材した日は雨が降ったり止んだりの不安定な天気でした。写真は透明なアクリルの傘をかけてあるいちじくの実、収穫近くなると出来るだけ雨に当てないようにかけるそうです。
立花さんの畑では一列に9株、全部で11列構成です。実を生らせる枝は一株当たり 12本。合計99株、1188本の収穫枝があるというわけです。
「一文字仕立て」にすることによって収穫作業や 管理作業がしやすいのはもちろん、どの枝にも万遍なく日光が当たるので色付きが良くなり、風通しがいいので病害虫に強くなると言う事でした。
《おいしいをつくりましょ。》
「冷しゃぶのいちじくサルサ」
作り手は、女性部の篠田貞子さん、鈴木幸恵さん、
そして女性社会人サッカーチーム「静岡SSUボニータ」所属の選手大間由樹さん
豚肉の冷しゃぶにいちじくを使った野菜ソースを和えたものでした。使う野菜は、トマト・玉ねぎ・ピーマン・ニンニクなど。味付けは酢と塩こしょう。最後にいちじくを加えて、豚肉の冷しゃぶと和えれば完成。
サルサとはソースという意味ですから、「いちじくソース?」とどんな風になるのか興味津々でした。試食したら、これがいけたんです。いちじく自体はそう主張が強いわけでは無いので、それぞれの野菜の美味しさと豚肉にはまり込んで噛んでいく内にいちじくの味が顔を出してくるという感じ。気が付いたら自分に割り当てられた分は完食していました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JA遠州中央 田中さん)
《今回の一枚》
いちじく畑の中に「えっ?」と言いたくなる枝がありました。写真を良くご覧下さい。主枝の下をくぐっている枝がありますね。どうしたことかと立花さんに尋ねましたら「いちじくは成長も早いので、遊び心でやってみました」という返事。
「え〜っ!」と驚いて写真にも収めてきたという訳です。こんな状態でも実はしっかり付いて収穫も出来るんですから、いちじくという植物は強いですね。感心しました。立花さんは「盆栽みたいなところもあります」と笑っていらっしゃいました。
(枠写真:JA遠州中央 田中さん)
−遠州夢咲牛の繁殖から肥育まですべてを家族で−
(撮影協力:JA遠州夢咲広報 石谷春菜さん)
今回訪れたのは御前崎市佐倉にある清水義雄さんの牛舎。繁殖牛や子牛も入れて150頭ほど飼育しています。育てている牛が「遠州夢咲牛」。平成4年にJA遠州夢咲管内のJA遠州夢咲肉牛委員会に所属する黒毛和牛の生産者が立ち上げたブランドです。
日本食肉格付協会の肉質等級3等級以上という厳しい基準をクリアした枝肉を「遠州夢咲牛」として認定しているそうです。ですから遠州夢咲牛と名乗れるのは、正確には出荷処理された肉が基準に達しているものだけなんです。
清水さんは28歳の時にお父様の急逝で急遽家業を受け継いで47年。そして仲間や家族の支えの中、和牛のオリンピックと言われる「全国和牛能力共進会」の品評会で功労者表彰を受けました。
この品評会は5年に一度開催されるもので、清水さんは第8回・第9回・第10回に静岡県代表として出品。そして3回県代表として出品出来た生産者が受けるのが功労者表彰なのです。3回連続して県代表となった、つまり15年かけて勝ち得た表彰だったのです。
優秀な牛に育てるためには、とにかく牛の健康状態を見ることだとおっしゃいます。朝昼晩はもちろん夜中も様子を見るそうで、牛のことが頭から離れない毎日だといいます。
牛舎を見てみると、扇風機が回ってミストも出ています。牛は暑さに弱い動物ですから欠かせない設備なんですね。
それにしても牛は好奇心旺盛です。カメラを向けている私をのぞいている眼が何とも言えず可愛いです。
今回は御前崎市池新田にある、焼肉「南大園」を訪れました。もちろん目的は遠州夢咲牛の試食です。
試食に快く応じて下さったのは「南大園」店主の杉浦直樹さん・さゆりさんご夫妻。お店自体は創業50年で、ご夫妻が切り盛りするようになって4年だそうです。杉浦さんはその前から店の手伝いはなさっていたそうですが、受け継いでからはロースとカルビは遠州夢咲牛と決めています。理由は、肉質にブレが無いことだそうです。
試食感想は、推して知るべし。ロースもカルビどちらも口の中で溶けると言うか、ほどけます。少し咀嚼すると喉をスルッと通っていきます。極めて美味! 年齢を重ねて歯も含めて咀嚼力が思うようにならなくなっても、食べられそうです。カロリーを忘れて箸が進んでいる自分が怖くなりました(^_^;)
(枠写真:「南大園」の杉浦直樹さん・さゆりさん夫妻)
(枠撮影:JA遠州夢咲 石谷さん)
《今回の一枚》
写真は生後1週間の子牛です。生後1週間経つとお母さんと離れて独り立ちします。あまりの可愛さに志帆ちゃんも釘付けになっていました。。この後お母さん牛は、次の妊娠のための準備に入ります。何歳くらいまで繁殖に関わるのかを伺いましたら、5〜6歳までだそうです。。多くの肉牛農家は、子牛を購入し育てて出荷というサイクルが多いのですが、清水牧場は、繁殖から肥育までのすべてを行っています。それだけに愛情も湧くので…と少し複雑な表情をなさっていました。
子牛は当たり前ですが病気にかかりやすいので、生後7か月位までは目が離せません。その子牛たちの管理を主に担当しているのが、清水さんの息子快充(ヨシミツ)さん(写真右端)。
さらにお孫さんもその後を継ぐべく三重県の牧場で勉強しているそうです。清水牧場はさらに何十年かは安泰のようですね。お母さまのりつ子さんも安心しきった様子で余裕が感じられました。
(写真は左からJA静岡県経済連畜産センターの中島一寿さん、お母さまのりつ子さん、清水義雄さん、息子の快充さん)
(撮影:JA遠州夢咲 石谷さん)
−販売所にズラっと人の列…目的は朝穫れの梨−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 及川友希子さん)
今回まず訪れたのは富士市で富士梨の生産をしていらっしゃる、飯島正道さん・若菜さん夫妻の梨畑。と言っても5軒の農家で共同生産しているそうで、地元の方に大人気の梨生産共同体なんです。
午前8時過ぎに伺いましたら梨園に隣接する販売所にズラっと人の列…梨を買い求める姿に出会いました。朝穫れの梨を求めてひっきりなしに車がやって来ていました。
(撮影:JAふじ伊豆 及川さん)
実は奥さま若菜さんの実家が梨などを栽培する農家で、正道さんは農家出身ではありませんでした。ただ結婚を機に、若菜さんのご両親の気持ちを汲んだ正道さんの方から後継者の名乗りを上げて12年ほど前に就農したのだそうです。
「ご両親は喜んだでしょう?」と問いかけましたら、若菜さんが頷いていらっしゃいました。国の根幹を支える農業…就農に対して若者が魅力を感じられる国の政策をお願いします。写真は飯島さんご一家。奥さま若菜さんと娘さんの瑞葉ちゃん・千影ちゃん。
(撮影:JAふじ伊豆 及川さん)
作っている梨の品種は「幸水」と「豊水」。収穫時期は「幸水」が8月上旬〜8月下旬位。「豊水」は8月下旬〜9月上旬位と少しずれています。だから逆に良いと言えますね。
と言うわけで、今の時期は「幸水」。冷やしておいて下さった「幸水」の甘いこと、水分量もたっぷりで、買い求めに来る皆さんの気持ちが良く分かりました。「豊水」の水分量は名前のごとく豊かですから、こちらもとても楽しみだなと思いました。
(撮影:JAふじ伊豆 及川さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「富士梨とモロヘイヤの和え物」
作り手は、生産者夫妻の奥さま飯島若菜さん
今回作って下さったのは「富士梨とモロヘイヤと丸オクラ(大きく成長しても硬くならない)の和え物」と言った方が正確です。
モロヘイヤと丸オクラを小さく切って茹でておきます。富士梨も八等分して5mm幅位に切っておきます。茹でたモロヘイヤは細かく刻んで粘りを出させ、めんつゆとワサビを加えて丸オクラと混ぜます。そこに小さく切った富士梨を加えて出来上がり。
驚きました。モロヘイヤと丸オクラは粘りもの同士ですから味も想像付きますが、梨との相性はどうかと思っていました。ところがところが合うんです、これが。梨の甘みが粘り軍と非常に良く合うんです。一言「美味しい!」
この料理はご夫妻の小学生のお嬢さん二人が好きで、良く食卓に出るのだそうです。伺いましたら、少量入れるワサビが美味しいとのこと。えっ?小学生が?と思いましたら、若菜さんが入れる量が絶妙だそうで、お嬢さんたちに大好評とのことでした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(枠撮影:JAふじ伊豆 及川さん)
《今回の一枚》
農家の必須アイテム「軽トラック」。でもこの軽トラ、何か変ではありませんか?そうです、屋根もフロントガラスもありません。
梨園は受粉作業や収穫作業など一つずつ手作業が必要な場合が多いので、木の高さは低く剪定してあります。となると収穫した梨の運搬はもちろん、作業に必要な道具などを運ぶなど軽トラが入れないと困る場合が出てきます。荷台に乗っての作業もあります。そのため屋根とフロントガラスを撤去したという訳なんです。
もちろん梨園専用。
それにしても「軽トラック」って本当に働きもの! 四輪駆動ターボ仕様となれば最強です。
「一台あると良いな」と言うと、決まっていつも「いつ使うの?」…言葉を呑み込みます(^_^;)
−川根茶飲帖を手に13拠点を制覇する楽しみ−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 竹田勝俊さん)
今回まず訪れたのは、川根本町まちづくり観光協会。そこで1年前取材でお世話になった観光協会事務局長の土屋和明さん(左カウンター内)と再会しました。
そして川根本町の茶農家や茶専門店を中心に、ある試みを始めたことを伺いました。観光協会で「川根茶飲帖(カワネサインチョウ)」を購入(500円)し、参加する13の茶農家や茶専門店を巡れば川根茶を試飲出来ると同時にそれぞれの御朱印を押して貰えます。そして13の御朱印が揃ったら、川根路ならではのプレゼントがあるという趣向です。プレゼントは何か?
始まったばかりでまだ確定はしていないそうですが、じきに決定するとのこと。楽しみですね。
(撮影:JAおおいがわ 竹田さん)
川根茶飲帖を手に訪れたのは川根本町の相藤(アイトウ)令治さんの茶園。併設の古民家で早速スタンプを押して頂きました。相藤さんが「お茶の試飲は出来ますが、このイベントとは別のお茶体験も出来ますよ」とのこと。それをリクエストすると茶畑の端にあるウッドテラスに案内されました。景観が素晴らしく大井川の河原と流れ、その先にある大井川鉄道の線路も臨めます。去年(1922年)の台風15号で家山−千頭間が列車運休状態ですから、本来ならばSLや機関車トーマス列車も観られるウッドテラスなので、「全線開通」が待ち遠しいと相藤さんはおっしゃっていました。
(撮影:JAおおいがわ 竹田さん)
ウッドテラスでは温かいお茶を頂きました。そして続いて先程スタンプを押して頂いた古民家へ。こちらでは冷茶(水出し茶)を頂きました。去年も紹介したシャンパングラスでのお茶体験です。温かいお茶も良いのですが、暑い日は冷茶もありがたいですよね。
志帆ちゃんに外のお茶畑バックでの写真も撮ろうよ…と声をかけ美味しそうに飲む姿を撮影しました。グラスの口が狭いのでお茶の香りが非常に良く分かります。相藤さんのこうしたお茶体験は「農泊」という農山漁村地域に宿泊、または滞在し食事や体験などを楽しむイベントの一環で行っています。
(枠撮影:JAおおいがわ 竹田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「お茶ゼリー」
作り手は、JAおおいがわ女性部の仲田裕子さん
人肌に冷ましたお湯と煎茶をミキサーで混ぜます。
鍋に寒天・砂糖・水・塩少々を入れ、かき混ぜながら中火でゆっくり沸騰させます。沸騰したらボウルに移し、一回り大きい氷水を入れたボウルに、沸騰したボウルを浸けてかき混ぜながら寒天を冷ましていきます。その間にお湯と煎茶をミキサーで混ぜたものを一緒にして、さらに混ぜ合わせます。
後は、カップやガラスなどゼリー用の容器に流し入れて冷蔵庫で固めて果物などでトッピングしたら完成。なお今回はアンコも入れました。アンコは先にゼリー用の容器の底に入れておきました。
お茶のほのかな渋味がゼリーの甘さとマッチして美味! アンコ好きの私は底にあるアンコをほじくり出しながら一緒に食べて、さらに満喫しました(^_^)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
前述した「川根茶飲帖(カワネサインチョウ)」です。表紙と相藤園の御朱印です。御朱印は本来神社やお寺を参拝した「参拝証明」、ですがこれはそれをもじった「お茶の体験証明」とでも言えそうですね。正真正銘ロケ時に相藤さんに押して頂いたものです。
参加13茶農家や茶専門店の「お茶の体験証明御朱印」を集めるのはいかがですか? 全部集めて何が貰えるか…ちょっとワクワクしますね。川根本町まちづくり観光協会に確認してみて下さい。
−裾野市で「夏の新そば」が作られています−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 大嶋知美さん)
今回訪れたのは、裾野市にある眞田卓八(タクヤ)さんの蕎麦畑。今回のテーマ「夏の新そば」に疑問符一杯でした。「新そば」と言うと私に限らず秋、それも晩秋〜初冬をイメージする人が多いと思います。ところが静岡県内の裾野市では7月に新そばの刈り取り、8月には新そばが食べられると聞いて驚きでした。
ロケで伺ったのは7/20。畑には収穫時期を迎えた蕎麦が一面に広がっていました。
通常通り「秋の新そば」も同じ畑で栽培していますので、収穫は年2回出来る事になります。早生・中生・晩生のように品種が違うのかと思い、伺いました。すると驚きの答え! なんと同じ「北早生(キタワセ)」という品種なんだそうです。1つの品種で夏・秋の2回新そばが穫れるなんて本当に凄い品種です。
その昔、知り合いの蕎麦店店主の方が「南半球のタスマニアには蕎麦作りに適した土地と気候がある。季節が反対の日本の夏に新そばが店に出せるかも知れない」とタスマニアを何回も訪れていました。しばらくしてそれが実現した時の喜びようも覚えています。
それが、静岡県裾野市で夏の新そばが出来るなんて! 知らなかった私は感動すら覚えました。長野県では作られていますが、全国的には珍しいとの事です。
(撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん)
蕎麦の花は白くて小さく可憐です。花が枯れて自然落下する頃が収穫時。花の直下に蕎麦の実、つまり種が出来るわけです。
収穫すると乾燥させ出荷という運びですが、コンバイン収穫は下から20cmより上をゴッソリ穫りますのでまだ黄緑色の未熟な蕎麦も入ります。未熟な蕎麦は乾燥させればそば粉に出来るそうです。
蕎麦もご多分に洩れず鹿と猪の害がひどいそうで「電柵が必須なので大変」と眞田さんはおっしゃっていました。
(撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「そばいなり」
作り手は、手打ちそば店「五竜庵」の根上栄子さん
好みの固さに茹でたそばに寿司酢をあえて、いなり寿司用に煮た油揚げに入れます。さらに刻んだ紅ショウガとカイワレをトッピングして完成。
感覚的には甘辛い油揚げと酢と紅ショウガの個性に蕎麦が負けちゃうんじゃないか…と思いましたが、あに図らんやちゃんと引き立て合って美味しいお稲荷さんでした。
収穫が始まったばかりで、新そばはまだ製粉前。食べられなかったのが残念でした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん)
《今回の一枚》
志帆ちゃんに収穫時の蕎麦の実がなっている様子を私が撮影しようとしているところです。JAふじ伊豆広報の大嶋さん(左下枠)がそのシーンを撮って下さいました。
まさに自分たちでは撮れない写真です。前回も書きましたが、各JA広報の皆さんとは撮影データの交換でもつながっています。口頭ですが、お互いに自由に使用しようという取り決めをしてあります。ホームページや広報誌などお互いの媒体で幅広く掲載し合えば、大きな効果が期待できるのではないかと思っています。
(撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん)
−コマツナに含まれるカルシウム量は牛乳に匹敵−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回訪れたのは、浜松市西区にある松本祥吾さんのハウス。祥吾さんは七代目だそうです。農業歴は10年、お父さんと協力してコマツナを栽培しています。浜松のコマツナはハウスでの周年栽培。種を蒔いて夏場は30日、冬場は60日で収穫できます。一年で7回転するそうです。
種から収穫まで夏場30日というのは驚きです。ただもともと寒さに強い冬野菜ですから、温度管理と水管理が難しそうです。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
お父さんとの役割分担ですが、省吾さんは営農有谷昇悟さん(右下枠内)の協力で収穫後の土壌分析のけっんを見て適切な施肥作業を主に担当。お父さんが水管理なども含めて栽培の主たる部分を担当しているそうです。お父さんにはお目にかかれませんでした。
土作りが一番難しいとおっしゃっていました。新しい畑は肥料を工夫しても満足できる土になるまで5年はかかるんだそうです。
コマツナの栄養が半端なく、もっと食べようと思いました。β‐カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維といった栄養素が含まれています。特にカルシウムは牛乳に匹敵するんですから凄い。野菜の中でも突出しているそうです。
コマツナを食べていれば疲労回復や免疫力強化が期待でき、子どもの成長にもGood。加齢による骨のもろさにも対抗できそうです。
味もアクやクセが少なく下処理必要なし。凄い野菜なんです。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「コマツナとシラスの混ぜご飯」
作り手は、生産者の奥さま 舞佳(マイカ)さん
コマツナを葉と茎に分け、それぞれを1Cm幅くらいで切ります。鍋にごま油を引いて、まず茎から炒めます。ある程度火が通ったら葉も加えて水気が飛ぶまで炒めます。
鍋の火を止め、酢・みりん・砂糖・釜揚げしらす・ゴマを加えて混ぜます。それを炊きたてご飯とよく混ぜたら完成。
コマツナのクセの無い味としらすが絶妙に合います。塩をかけなくてもしらすの塩気だけで十分。何と言ってもコマツナのシャキ感が最高でした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
以前にも書きましたが、志帆ちゃんはJAとぴあ浜松広報担当の山田さん(手前)に撮影してもらうのを楽しみにしています。スマホとは異なる背景の自然なボケ具合が良いのです。
山田さんも志帆ちゃんのリクエストに快く応じて下さいます。各JAにはそれぞれ広報担当の方がいらして、私たちでは撮れない写真を提供して下さっています。それらの写真が私のこのホームページを始め、番組のホームページやインスタグラムを彩って下さっているのです。
この時に撮影して下さった写真です。因みに上の3枚目の写真もこの時に山田さんが撮影して下さったものです。
なおこのホームページ掲載の写真6枚中4枚が、山田さん撮影データです。
−「地ばい栽培」で作業量軽減、収穫量はアップ−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 川口亜紀子さん)
今回訪れたのは、伊東市にある増井 勲さん・憲子さんご夫妻のハウス。アイランドルビーは新しいブランド野菜として7年前にあいら伊豆地区が導入したトマトです。アイランドルビー増井さんは導入当初から栽培に取り組んでいらっしゃいます。
「クッキングトマト」とも言われ、調理…つまり加熱するとその特徴が顕著になってさらに美味しくなるトマトなんです。
現在11軒の農家が取り組んでいるそうです。
実は4年前の2019年夏、増井さんのハウスにお邪魔しています。その時、アイランドルビーの木は低い支柱に被さる形でありました。今回は支柱が見当たらないので伺いました。
実は今年から支柱は止めて、アイランドルビー本来の形(地面を横に這っていく「地ばい栽培」)で栽培しようという取り組みを始めました。そうしましたら収穫量がグッと伸びたんだそうです。
増井さんによると、支柱を設置する手間が要らずとても楽になったとのこと。肥料は3月の苗の植え付け時に1回だけ。後は5月下旬〜7月一杯、三番花まで収穫するとのこと。一般的にトマトはわき芽を取る作業(芽かき)が必須ですが、それも要らないそうで年齢を重ねても続けていけそうだと顔をほころばせていらっしゃいました。
収穫体験をした時、増井さんが「そのまま食べてみる?」とおっしゃいましたのでもちろん食べました。
加熱して美味しく食べるというイメージがありましたので、どうなんだろう?と少し躊躇しながらの試食でしたが「美味しい!」と叫んでいました。
調理用だから皮も厚いのではないだろうか…と覚悟していましたが、なんてことはありません。そんなに抵抗はなく歯が入っていきます。熟しているのを収穫するせいか、甘さもしっかりあってサラダにしても絶対美味しいと思いました。
《おいしいをつくりましょ。》
「アイランドルビーを使ったラタトゥーユ」
作り手は、JAふじ伊豆あいら伊豆地区クッキングトマト部員の
お母さま 稲葉富士子さん
ラタトゥーユはフランスの野菜炒め煮。オリーブオイルをひいた鍋にニンニク・ナス・カボッキー・タマネギを一つずつ加えながら炒め、最後にアイランドルビーを入れて蓋をして熱を加えていきます。(カボッキーはズッキーニと同じカボチャの仲間)
そうするとアイランドルビーから驚くほど水分が出てきて、煮込み状態になります。アイランドルビーを皮ごと入れても、自然に剥けてきます。皮は食べても良いし、外してもOK。
20分ほど煮込んで野菜が軟らかくなったら塩と胡椒を振って完成。アイランドルビーは生でも十分甘かったのですが、さらに甘さが増して本当に美味しい。気になっていたカボッキーは、煮込むとトロッとした感じになり味は素直なので全体の旨味を吸収して素敵な脇役といったところでしょうか。
野菜のトマト煮ですね。それにしても生で食べた時はそんなに感じなかった水分が、あんなに出てくるのは驚きでした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
今回、初めて「カボッキー」という野菜を食べました。見た目は太めのキュウリのような感じです。「加賀太きゅうり」だと言われたら信じちゃったかも知れません。
「韓国かぼちゃ」と言われるようにカボチャの仲間です。その韓国かぼちゃを未熟な状態で収穫した物だそうです。そのせいか種が気になりませんでした。伊東のファーマーズ・マーケットに並んでいましたので、結構栽培されてきているんですね。ズッキーニのような使い方が出来る美味しい野菜です。
−新しいお茶の品種「しずゆたか」と「ゆめすみか」−
(撮影協力:JA静岡中央会広報 持塚一範さん)
今回は静岡茶に8年ぶりの新品種が出来たということで、菊川市にある静岡県の茶業研究センターを訪ねました。その新品種というのが2つあり、「しずゆたか」と「ゆめすみか」という名前が付きました。
「しずゆたか」は、今までの主流品種「やぶきた」の2倍収穫出来るという生産者にとっては夢のようなお茶。
「ゆめすみか」は、香りに特徴のある新しいお茶ファンが期待出来そうなお茶。
どちらも次の時代を切り開いてくれるような新品種です。
淹れるお湯の温度ですが、「しずゆたか」は「やぶきた」と同じで一煎目は60度〜70度だそうです。驚いたのは「ゆめすみか」。一煎目から湯沸かしポットから出てくる90度〜100度で淹れるそうです。
飲んだ感想ですが、「しずゆたか」は「やぶきた」とほぼ同じ。淹れ方によってはより深みのある味になるかもと思いました。
「ゆめすみか」は香りが全く違います。ほんのり花の香りが感じられるのです。何の花か?何とも言えません。伺うと「台湾の烏龍茶のような、スミレの花のような香り」という言葉。でも台湾の烏龍茶は飲んだことがありませんし、スミレの花の香りってどんな香りだったか?正直分かりませんでした。ただ、淹れた直後は非常に心地よい香りがします。でも主張が激しいわけではなく奥ゆかしい感じでその香りに包まれたらゆったりリラックスしそう…という安心感のようなものを感じました。温度が下がってくると香りも薄くなりました。二煎目も一煎目と変わらぬ香りが出るのか確認しなかったのが残念です。これからが楽しみな品種だと思いました。
荒茶段階で「やぶきた」と色を並べてみると、「しずゆたか」は少し濃いめ、「ゆめすみか」は少し淡いように思いました。濃い方から「しずゆたか」→「やぶきた」→「ゆめすみか」という風に見えました。
「しずゆたか」は茶葉の密集度が極めて高いそうです。それを確認したかったのですが、既に試験刈りが終わっていて見られませんでした。「ゆめすみか」は新茶を刈り取ってから伸ばしてあるというので、見に行きました。伸びた枝から出ている新芽は少し赤みがかっていました。(写真)
島田市湯日(ユイ)にある「グランピングポート結(ユイ)」を訪ねました。5種類の1棟貸切タイプの大型テントが21棟並ぶグランピング施設です。
実はこの施設、昔小学校だったところ。写真にあるように学校に因んだイベントを用意してくれています。美術・家庭科・図工・社会科・体育etc. お風呂が元校長室だったりして楽しい施設です。
志帆ちゃんが「友人と宿泊する予定があったんだけど、その時は行けなかったので残念」と言っていました。
そのグランピングポート結でお茶生産者宮村智久さんのもてなしを受けたんです。もちろんお茶…ですが何とシェイカーで作ったお茶でした!(宮村さんの右手側奥にあります)
本当にカクテルを作る時のシェイカーにティーバッグを入れ、必要量の水を加えて20〜30回のシェイク。あっという間に水出し茶の出来上がり。
水出しですから渋味もほとんど無く、コクのある濃いめのお茶が手軽に作れます。ティーバッグを入れた水筒を一晩冷蔵庫で…でなくて良いんです。すぐ飲みたい時にバッチリですね。
《今回の一枚》
生産者宮村智久さんのお茶にかける情熱は半端ではありません。どんどん出かけてお茶のPRに励んでいるそうです。服装にしても圃場での作業着といった格好ではなく「本当にお茶農家?」と思われるくらいになるべく実践しているとおっしゃっていました。
本当にオシャレで熱い人でした。学生時代に水泳で静岡県1位の記録を持つ宮村さん。長身でカッコイイんです。「背も高いし力もありそう」と言ったら「ダッコしましょうか?」と。「本当?お願いします!(^_^)」と言ったら…即!。
恐らく物心ついてからの人生で最初で最後の「お姫さまダッコ」です(^_^;)
−まろやかな辛さのヤマツ葉しょうがは「魚カス」がキモ−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 奥村彩恵さん)
今回訪れたのは三島市塚原地区、箱根西麓三島野菜で有名な所ですね。いろんな野菜を作っていますが、何年か前に葉しょうがの種も生産していて「静岡市久能の葉しょうが生産者の方に送っている」という話を聞きました。苺の苗を富士山麓で生産しているという話も聞いていたので、生産協定を結んでいるんだな…くらいの感想でした。
ところが葉しょうが自体も作っている、しかも30年位前から…という事実を今回知りました。種を作っているのに「食用葉しょうが」は作っていないと考える方が不自然だった訳です。
お邪魔したのはヤマツ葉ショウガ部会の部会長川崎耕平さん(写真後)のハウス。仲間の前島弘和さんもいらっしゃいました。お二人にはごちそうカントリーの初年度(2015年)に「タイニーシュシュ(ミニ白菜)」の取材でお目にかかりました。
実は川崎さんも前島さんも、ショウガ部会とは別に「のうみんず」という若手生産者のグループを作っていて「ごちカン」初年度からお付き合い頂いています。
とにかく「葉ショウガ部会」にしても「のうみんず」にしても研究熱心な人たちの集まり。葉ショウガについても爽やかな辛みは特徴だけど、もう少しマイルドな辛さの葉ショウガを作りたい…と肥料を研究。試行錯誤して「魚カス」にたどり着きました。
もちろん「魚カス」だけではなく他の肥料とのバランスも大事。その比率などにも苦労したそうです。「魚カス」は焼津から取り寄せているそうです。
少し気になるのが「種」の供給先静岡市久能地区との関係です。これがすこぶる良いとのこと。久能地区は生産量では圧倒的に多いし歴史もあるので、栽培ノウハウも含めて教わること大。情報の共有も含めてありがたい存在だとおっしゃっていました。
そして収穫時期をずらしているのだそうです。久能地区の収穫時期は3月中旬〜6月上旬、三島塚原地区の収穫時期はハウスが6月中旬〜7月中下旬、露地が7月中下旬〜9月上旬。県内バトンタッチがうまく成立していて、ライバルではなく仲の良い生産者仲間になっているとのことでした。
(写真左から前島さん・川崎さん・営農佐野瑛海さん)
(撮影:JAふじ伊豆 奥村さん(右下))
《おいしいをつくりましょ。》
「肉巻き葉生姜のスパイシーてりやき」
作り手は、三井友見さんと岡本雅世さん
三井さんは「Cooking Studio My Table」で料理を教えている先生です。岡本さんはグラフィックデザイナーで、はじかれ野菜活用プロデューサーとしてフードロス問題などに取り組む方。お二人共箱根西麓三島野菜に深く関わっている方です。
料理は、まず葉生姜をスティック状に切り分ける。豚薄切り肉を広げて、大葉、スライスチーズの順に乗せ、葉生姜に巻き付ける。
醤油・みりん・酒・砂糖でタレを作る。フライパンで肉巻き葉生姜を中火で焼く。片面に焦げ目が付いたら裏返し、タレを絡めながら肉に火を通す。仕上げに黒胡椒を振れば完成。
食べて驚いたのは、大葉・チーズ・葉生姜のコンビネーションが最高だったこと。とにかく合うんですこれが。「料理としては簡単な方なのでみんな試して!」とお二人がおっしゃっていました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
前述したように、岡本さんは規格外や捨てられる野菜など「はじかれてしまう野菜」たちを何とかしたいと活動なさっています。
ヤマツ葉ショウガについて言えば、出荷時には切り捨てられてしまう生姜の先端部を集めてオイル煮にしたり砂糖煮にして消費してもらおうと製品化しました。名付けて「旨い醤(ウマイジャン)」とそのままのネーミング「砂糖煮」。
試食はしませんでしたので感想は言えませんが、ネットには「旨い醤」は冷奴や納豆に、砂糖煮はアイスやヨーグルトにかけるのがおすすめと書いてありましたので是非お試しあれ。絶対美味しいはず! 因みに2枚目写真で前島さんが持っているのも「旨い醤」と「砂糖煮」です。
(写真左から岡本さん・三井さん)
(撮影:JAふじ伊豆 奥村さん)
−原種に近い「折戸なす」を絶やしたくないという思い−
(撮影協力:JAしみず広報 見宮正章さん)
「一富士二鷹三茄子」ということわざがあります。初夢で見ると縁起が良いとされるものを順番に並べたフレーズとして有名ですが、徳川家康が好んだものという説もあります。
特に三番目の茄子は清水で作られていたナス「折戸なす」だと言われているんですね。
その「折戸なす」が今回の主人公野菜なんです。実は丸く、中身は詰まっていて食感も良くコクのある濃厚な味わいのナスです。
今回の生産者は折戸なす栽培歴10年の窪田正昭さん。折戸なすはハウス栽培されていました。露地栽培で風が吹くと実のヘタや茎の部分にある細かいトゲで互いの実に傷が付いてしまうのだそうです。管理のし易さを考えるとハウスだとおっしゃっていました。
2月に種を撒いて5月〜12月位まで収穫出来るそうですが、窪田さんはエダマメやトマトも手掛けているため、収穫は夏一杯で終えるそうです。
収穫すれば次々と花が咲き実が生ります。12月まで頑張れば一株通算100個ほど穫れると言います。希少価値で単価はある程度高いのですが、エダマメ・トマトの売上には敵わないので…とおっしゃっていました。
(撮影:JAしみず 見宮さん)
(枠写真:JAしみず営農望月星輝さん(左)と生産者窪田正昭さん)
折戸なすは明治時代、農業情勢の変化で完全に消えていた存在でした。それを復活させようと地元の皆さんが協力して調べた結果。国の研究機関で種が保存されている事が分かったのです。働きかけた結果、譲り受けることに成功。2005(H17)年に復活しました。
折戸なすは原種に近いナスです。ナスに付き物の「トゲ」、原種に近いせいか特に固く鋭いのです。葉や茎にもありますが、実のヘタ部分が特に鋭い。
また改良を重ねた野菜にある「先祖返り現象」もありません。ただ病気や虫がつきやすく、デリケートなので手間がかかると言います。
収量も一般的なナスより、はるかに少ない。窪田さんが栽培を始めた理由は、原種に近い「折戸なす」を絶やしたくないという思いからで、それは今も変わらないそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「折戸ナスの生ハムマリネ」
作り手は、野菜ソムリエ 上級プロ 遠山由美さん
折戸なすを1.5Cm角に切ってポリ袋に入れ、オリーブオイルを加えて、ポリ袋を膨らませてシャカシャカと振り馴染ませます。砂糖・レモン汁・塩・黒胡椒・生ハムを順に一つずつ加えては、その都度シャカシャカします。冷蔵庫に入れて1時間ほど置き、大葉を混ぜて完成。
「ポリ袋を膨らませてシャカシャカ」がこの料理のキモです。本当に良く馴染みます。オリーブオイルでコーティングされた折戸ナスは変色しません。見た目もキレイですし、生ハムとの相性も抜群。美味しく食べました。お酒との相性もバッチリですね。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
「ポリ袋を膨らませてシャカシャカ」にチャレンジする志帆ちゃんです。このシーンは放送には登場しません。ロケ収録後にチャレンジしました。
前項でも書きましたが、オリーブオイルが折戸ナスに満遍なく絡んで、見事にコーティングされます。一つ加えてはシャカシャカ。偏りも無く隅々まで行き渡る混ぜ方で、これは見習いたいテクニックだなと思いました。
遠山さんには「ごちカン」も何回かお世話になっていますが、毎回教わることがたくさんあります。
余談ですが、遠山さんの旦那さまは「ごちカンのオープニングトーク」が気に入っていらっしゃるそうです。「あのダジャレ混じりの小芝居が好きだ」とおっしゃって下さっているとか。ありがたいお話です。ただ今回のオープニングトークにダジャレはありませんでした。
何か申し訳ありませんでした(^_^;)
−1個1個の実に袋かけして大事に育てる−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 平野美紀さん)
今回の生産者は浜松市南区の伊藤 崇(タカシ)さん。以前は飲食業界で働いていて食材を使う側でしたが、4年ほど前に就農したそうです。伊藤さん曰く「料理の腕で美味しくするのも良いが、素材が良ければより美味しく仕上がるはず」と転向した理由をおっしゃっていました。
とにかくパワフルで行動力の半端ないこと!
挨拶した途端、自分の姿勢を分かって欲しいとしゃべりまくります。その熱意には良い意味で周りが引っ張られているんだろうなと思いました。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
畑がキレイなのです。見た目も美しい。そして、無農薬をめざし有機農法を極めようとなさっています。勉強熱心で探究心も半端ない方なのです。有機肥料も選び方で、調理時の火の通り方にも違いが出てくると感じているそうです。
トウガンの他にエシャレットも栽培されていて、有機肥料効果か収穫直後の糖度は20度超え。辛さよりも甘さが勝るそうです。それを天ぷらにすると更に甘さが増し、小さな子どもでも喜んで食べるとおっしゃっていました。収穫直後の糖度20度超えエシャレット、食べてみたい!と心底思いました。
トウガンに対する手のかけ方も半端ない。1個1個の実を大事にして、下になった部分に太陽光をあてるための透明プラ敷台を置き、袋かけをしています。まだ幼児クラスのトウガンに袋かけをしている様子を見たらブドウの袋かけを見る思いをしました。かけてある袋を見たらなんと本当に「ブドウ用の袋(写真)」でした。実が袋を破るまで生長したら、不織布で覆うのだそうです。
時々見落としもあって、長さ1m、重さ10kgまで大きくなった物もあるそうです。普通の出荷サイズが3kg〜5kgですから、お化けですね。もちろん出荷しません。でも味は変わらないそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「トウガンのキーマカレー風」
作り手は、浜松市中区鍛冶町にあるイタリアンレストラン
「Bar ri Otto(バル リ オット)」シェフ 八田 哲(ハッタ サトシ)さん
八田さんはイタリアンのシェフですから、トウガンをお店のメニューにすることは余りありません。でも伊藤さんが料理屋さん時代からの友人ということで、考えて下さいました。
トウガンは皮を剥いてから一口大に切っておき、鶏ガラスープの素などで5分ほど茹でて下味を付けておきます。フライパンに細かく切ったタマネギと湯剥きしたミニトマト、そして牛挽肉を炒めます。そこに下茹でしたトウガンを加え、細かく切ったカレールーを入れて少し煮込んで完成。「カレールーはブロックで入れないようにしてね」とおっしゃっていました。
下茹ででトウガンの青臭さがかなり抜け、カレールーで変身したトウガン。カレーと合うのかなと思っていましたが、トウガン自体は素直な食材なので違和感なく美味しく食べました。トウガンの茹で時間で硬めにも軟らかめにも出来ますから、幅広い年代に食べられる料理になったと思います。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
SDT新人AN岩本美蘭(ミラン)さんが、研修の一環として同行しました。これから経験していくであろう「まるごと」を始めとした番組の、リポーターとしての外ロケの実際を学ぶのが目的です。
「なるほど、こうやるのか」「自分だったらこうするかな」など、さまざまな事例を体感していくのが主目的です。
ただじっと見ているというのは、かなり疲れる事です。番組実放送時間の何倍もの時間をかけて角度を変えながらインタビューしていく…この仕事の醍醐味と同時に根気と集中力の必要性を感じていたようでした。
志帆ちゃんが帰り道で「疲れたでしょ?」と訊いたら、素直に「疲れました」と述懐。早晩いろいろな番組に登場すると思います。応援してあげて下さい。
写真はトウガンを手にした岩本AN。JAとぴあ浜松広報の山田さんがスティール撮影して下さるということで、私もレフ板(太陽光反射板)をあてる役を担いました(^_^)
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
−南半球原産の花「カンガルーポー」を北半球で栽培−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 平野美紀さん)
今回の対象作物はオーストラリア原産の「カンガルーポー(Kangaroo paw)」という花です。「カンガルー(Kangaroo)」は、あのカンガルー。オーストラリアの代表的動物の一つですね。「ポー(paw)」は足。この場合は前足の事を指すそうです。
名前の由来は、花の細長い筒状部分を腕、6つに裂けた先端を掌と見立て「掌を広げたカンガルーの前足に似ている」ことからきているそうです。そう言われてみれば…そんな気もしますよね。生け花などでは、ポイントになる花として人気があるのだそうです。
生産にあたっているのは河津町の鳥澤和義さん。鳥澤さんは元JA職員でいらっしゃるそうです。鳥澤さんに何故「カンガルーポー」を生産しようと思ったかを伺いましたら、
・オーストラリアは南半球で日本と季節が逆であることが大きな要因の一つ
・元々生け花需要などを中心に輸入をしていたが、向こうの冬(日本の夏)は品物が無く輸入出来ない
・ならば夏場を迎える時季に栽培したら良いのではないかと思った
とお話しなさいました。
日本国内で作っている所はいくつかありますが、そんなに多くは無いそうです。従って希少価値も高い。オーストラリアなど南半球に輸出することも視野に入れているそうです。現実に国産は珍しくて市場では人気があるそうです。作りがいがありそうですね。
多年草ですから、毎年新たに苗を植える事はしません。一株で5年くらい収穫可能だとおっしゃっていました。また一株で30本くらい収穫出来るそうです。収穫時期は、5月中旬から6月中旬ぐらいまで。結構短いですね。収穫後は茎や株を整理して来年に備えるそうです。来年になるとまた茎が伸びて花が咲くということでした。
今回は「カンガルーポー」を中心にしたフラワーアレンジメントにチャレンジしました。先生は下田市の「フラワーアレンジART.フラワーショップ」鈴木颯人さん。
使う花の種類は鈴木さんが選定し、二人とも同じです。これまでは花選びからスタートしていましたので、別の戸惑いと楽しさがありました。
志帆ちゃんは可能性に向かって自由に羽ばたく若々しい作品、私は周りと融和し和やかな雰囲気作りを目指した作品になりました。
《今回の一枚》
「カンガルーポー」の花の色は赤、ピンク、黄色、オレンジ、緑などあり、さらにグラデーションや色の混じった物もあるので色数は定かではありません。人気のあるのはピンク系や赤系だそうです。
鳥澤さんのハウスでは5種類くらい栽培されているというお話しでしたので、目に付く限り撮ってみました。同じ株の中でもグラデーションの具合など、微妙な違いもあり気に入った物を探すのも楽しいかも知れません。
今回は1枚は1枚でも、4種類の色違いを載せてみました。
−買い取り制度もあって新規就農も安心−
(撮影協力:JAしみず広報 横谷伸治さん・見宮正章さん)
今回の生産者は清水区駒越中の大塚洋司さん。今年記念すべき1回目の収穫時期を迎えました。そうです、大塚さんは新規就農者。一年間の研修を経て、去年の11月に独り立ちしました。
元々はIT関連の仕事に就いていたそうですが、子どもの独立を機に以前から興味のあった農業の世界にチャレンジなさったそうです。大きな理由は、自身が清水出身で、とにかく昔から「清水のエダマメ」が大好きだった事。自分で栽培するようになって、思いっきり食べられるのが幸せだとおっしゃっていました。
写真は大塚さん。
清水のエダマメ栽培の特徴の一つに周年栽培があります。一年中エダマメが栽培・出荷できる産地は全国でも清水だけなのです。それも清水での新規就農に「エダマメ」を選んだ理由だとおっしゃっていました。
元IT関連の仕事ですから「畑違いでは?」という疑問が湧きます。でも大塚さんは「温度管理を始め、前職の知識が役に立っている」とおっしゃいます。そうですよね。周年栽培ですから夏もあれば冬もある。季節変化の中で、ハウス内の環境を最適なものにコントロールしていく方法としてコンピュータの知識は欠かせないし役に立っている、とおっしゃっていました。写真左はJAしみず営農高山玄也さん。
(撮影:JAしみず 横谷さん)
JAしみずは新規就農のサポートをすると同時に、買い取り販売にも力を入れています。農家にとってみれば、生産作物を安定的に買い取ってくれるのは非常にありがたいシステムです。安心して栽培できると同時にモチベーションも上がりますよね。
まて大塚さんのように新規就農農家も、ちゃんと買い取ってくれるのであれば不安も少なくて済みます。初年度の大塚さんの表情にも安心感が漂っていました。
写真は、鞘からエダマメがプニュッと出てくるシーンを撮ろうとして、志帆ちゃんが鞘を優しく押さえたものの豆がポンと飛び出てしまって大笑い…というショットです。
(撮影:JAしみず 見宮さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「美味しい塩ゆでエダマメの作り方」
作り手は、静岡市紺屋町の海鮮料理店「魚膳」店長伊妻好文さん
「別に特別なことは無いんだけどね」とおっしゃる伊妻さん。でもプロが作る「塩ゆでエダマメ」、興味津々でした。
使ったのは枝付きで販売されている「駒豆(コマメ)」。大事なことは枝は取らずに茹でること。枝付きでの販売はエダマメの保存期間を長くする目的。豆の瑞々しさを保たせていると同時に豆の乾きとウイルス感染を防ぐ効果があるそうです。
袋から出した駒豆を洗い、沸騰したお湯に粗塩(適量)と共に入れ数分茹でます。茹であがりのポイントは、いくつかの鞘が口を開いて中の豆が見え始めること。お湯を切って、粗塩をかければビールのお供としての最強つまみが完成します。
問題は茹でる時の粗塩の量。伊妻さんは感覚で入れていて、数値としての量が分かりませんでした。ネットをググると「ゆでる水に対して4%の塩」と出ていましたので、まずは1リットルに対して40gを目安に茹でててみて、好みで増減するしかないかなと思います。
味は当然申し分ありません。ビールが欲しくなったのは私だけではありませんでした(^_^)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
JAしみずが開発・販売する「手もぎ雅(みやび)」という商品があります。我々が慣れ親しんでいるエダマメとは少し違う、茶豆風味のエダマメを使った商品で、そのままレンジ加熱が出来る袋に入っています。
やり方ですが、まず袋から出したエダマメを水洗いし袋に戻します。そして粗塩を加えて袋のジッパーを閉じ、800W3分、500W4分30秒を目安にレンジ加熱し完成。ほとんど手間いらずで美味しく塩ゆでエダマメが食べられるというわけです。
−「誉富士」から「令和誉富士」へバトンタッチ−
(撮影協力:JA静岡経済連広報 佐々木宏明さん・三浦諒太さん)
今回のテーマは酒米。「令和誉富士」という静岡県産の新しい酒米です。静岡県産酒米としては「誉富士」があります。「誉富士」は1998(H10)、静岡県農林技術研究所で「山田錦」の人工変異種として開発されました。背丈は低く、たんぱく含有量が少ない特徴を持っていますが、多くの収量が望めません。
収量も多く品質も更に良いものの開発に取り組んできた結果、「令和誉富士」が誕生しました。写真は「令和誉富士」生産者の八木栄幸さんのインタビューシーン
(撮影:JA静岡経済連 三浦さん)
普段食べる食用米と酒米は本当に違います。左が食用米、右が酒米です。決定的な違いは粒全体が半透明なのが食用米、中心近くに「心白(シンパク)」と呼ばれる白く不透明な部分があるのが酒米です。
心白の内部は隙間が多く光が乱反射するために白く見えるのですが、この隙間が大事なのです。この隙間のお陰で麹菌が米の内部まで根を伸ばして酒造りに適した米麹を作っていくのです。
精米つまり玄米からの削りですが食用米で10%ほど、酒米は本醸造酒で30%以上、大吟醸酒で50%以上削ります。従って精米機も食用米と酒米では別の物になります。
写真が経済連パールライス袋井工場の酒米用精米機。食用米用とは全く違います。酒米の場合は削り幅の種類がさまざまなので、機構も複雑になるというわけです。
削って心白だけにすると、たんぱく質や脂質の含有量が少ないのですっきりとした味わいになります。吟醸酒や大吟醸酒がこれです。
(枠写真:パールライス袋井工場 長橋隆史さん)
今年2023年から「誉富士」は「令和誉富士」に栽培が切り替わり、静岡県内の酒蔵26蔵で「令和誉富士」の日本酒の生産が始まります。本格発売はこの冬12月頃からになります。
今回伺った由比の神沢川酒造場も「誉富士」を使った日本酒を造ってきました。今年からは「令和誉富士」を使っての日本酒造りになります。
と思ったら、昨年の試験栽培米を使って「令和誉富士」の大吟醸酒があるとのことで、試飲させて頂けることになりました!
透明感のあるフルーティで香り高い日本酒がそこにありました。
志帆ちゃんも「おじいちゃんに味あわせてあげたい!」と叫んでいました。
手にしているのはもちろん「令和誉富士大吟醸」です(^_^)
《今回の一枚》
神沢川酒造場社長の望月正隆さんとは25年以上のお付き合いです。学生時代の苦い思い出から日本酒を口にしなくなっていた私が、偶然静岡県の地酒に触れる機会がありました。その時、造り手のお一人として出会ったのが望月さんだったのです。
すでに静岡県の地酒は全国から一目置かれる存在になっていたことを知らなかった私は、それまでの自分が思っていたイメージと全く違う静岡県の日本酒に強烈に魅了されました。1986(S61)の「全国新酒鑑評会」で17蔵が入賞、内10蔵が金賞を受賞。静岡県工業技術研究所によって研究・開発された静岡酵母が大きな力となったのです。
静岡県酒造組合会長でもある望月さん、静岡県の地酒をもっともっと発展させたいと意欲満々です。応援していきたいと思います。
(撮影:JA静岡経済連 佐々木さん)
−生産時期は24時間稼働の「碾茶炉」−
(撮影協力:JA遠州中央広報 田中成幸さん)
今回の生産者は茶畑と碾茶工場を営む「天竜愛倶里ふぁーむ」の大石成身(ナルミ)さん。碾茶というのは、「抹茶」の原料になるお茶を言います。
「玉露」や「かぶせ茶」の高級茶に分類される緑茶と同じ様に、葉を摘む前に被覆(=日光を遮る)をして育てます。日光をあえて遮ることで、茶の木が光合成を行おうとする力を強め、葉を大きく薄く成長させます。そうする事で根に蓄えられている栄養を葉に集め、お茶に旨みや甘みを与えることができるということです。カテキン生成も抑えられるので「渋味」の少ない茶葉が出来るのです。
「玉露」や「かぶせ茶」との違いは製茶の工程です。発酵を止めるために蒸すのは同じですが、揉みません。
蒸した後、高さ7mの「散茶機」で吹き上げ乾燥して熱と水分をある程度飛ばします。これで葉が重ならないようになります。
羽毛(ダウン)をふんわりとするように乾燥させるやり方と非常によく似ているなと思いました。ネットの中を茶葉が舞っている様子が印象的でした。
そしてレンガ造りの「碾茶炉」で熱乾燥工程に入ります。炉には温度計が設置してあり、見たら210度を示していました。碾茶炉のレンガは腰の高さより下は熱くて触れません。腰より上は熱いのですが、短時間なら触れないことはありません。レンガって凄い!工場内の温度は平均40度だそうです。どう言おうと暑さは半端ありません。過酷ですね。
碾茶炉を通してじっくり乾燥させた後 葉の葉脈や茎を取り除き「碾茶」となります。出来上がりは砕けてパラパラになった状態です。食べてみましたら風味は少し違いますが、海苔の感じがしました。
大石さんに「ふりかけにして食べたら美味しそう」と言いましたら、農家の中にはそうして食べている方もあるという事でした。
(撮影:JA遠州中央 田中さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「おろし抹茶そば」と「サラダ風茶うどん」
作り手は、女性部の(写真左から)鍬下(クワシタ)昌子さん、金澤信子さん、宮澤すまさん、松本光枝さんの4人
「抹茶そば」は「天竜愛倶里ふぁーむ」で製造しています。「茶うどん」はJA遠州中央の製品。いずれもお茶を練り込んだ、茶産地ならではのそば・うどん。私は「抹茶そば」、志帆ちゃんは「茶うどん」を試食しました。どちらもお茶風味が活きた逸品、美味しいのは間違いありません(^_^)
茶産地の銘品を活かした、これからの暑い季節を見据えたメニューになりました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
「碾茶炉」のほぼ全景です。生葉搬入場所と碾茶炉の間の戸が開いていたので、自分が通った時何気なく閉めました。ハウスなどでは開けっ放しは厳禁ですからね。
ところが「駄目駄目!閉めたら駄目」と声が掛かりました。声の主は大ベテランの大繪タ裕(オオクワ ヨシヒロ)さん(枠写真)。おっしゃるには「戸を閉めたら中の酸素が無くなって、炉の火が消えちゃう。消えたら大変なんだ」
そうなんです。一度炉の温度が落ちたら、戻すまでロスが生じます。工程の途中なら碾茶作りが失敗するかも知れない…。そのため生産時期は24時間稼働なのだそうです。なるほどです。知らぬ事とは言え、反省しました。
−馬鈴薯の皮のマスクメロンのような凹凸は成熟した証拠−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回の生産者は浜松市北区三方原の磯貝将大さん。磯貝さんの馬鈴薯畑に伺いました。生産している三方原馬鈴薯の種類は「男爵」。でんぷん質を多く含むため、ホクホクとした食感が自慢。そして、肌がとても艶やかなジャガイモです。皮も薄くて食べ易く、生産者の皆さんは「絶対皮ごと食べて」と口を揃えます。
磯貝さんは、特別な三方原馬鈴薯も出荷されていらっしゃいます。三方原馬鈴薯の中でも厳選された畑で生産され、大きさ・形・成熟度など特に高品質なものを選び「赤土の恵み」というネーミングで出荷。生産しているのも全生産者百数十人の内の3人だけという稀少馬鈴薯です。
(枠撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
磯貝さんは「メイクイーン」も栽培されています。磯貝さんの「メイクイーン」は去年食する機会がありました。箱根西麓三島野菜の「メイクイーン」は有名ですが、磯貝さんの「三方原メイクイーン」もとてもなめらかで美味。西と東、甲乙付けがたいです。
畑の写真、左側が「メイクイーン」右側が「男爵」です。中央の花は「メイクイーン」の花です。よく見ると葉の大きさが違います。「メイクイーン」の方が小ぶりですね。
日本での標準和名は「メークイン」とされていますが、原産地イギリス名は「May Queen」ですので「メイクイーン」の方がしっくりきますね。
畑の中に緑の葉に混じって黄色くなった葉も結構あります。この黄色い葉は馬鈴薯が成熟している証拠で、収穫の合図なんだそうです。
そして成熟と言えば、志帆ちゃんが「美味しい馬鈴薯の見分け方を教えて欲しい」と言いましたら「馬鈴薯の表皮に薄くマスクメロンのような凹凸が出来ていたら成熟した証拠。ジャガイモを購入する時の着目点の一つ」と教えて頂きました。
写真で分かりますか?
《おいしいをつくりましょ。》
「三方原馬鈴薯の味噌汁」と「石焼きジャガバター」
作り手は青年部の菊池竜人さん。
ポイントは何と言っても馬鈴薯を皮ごと調理すること。「味噌汁」は馬鈴薯も1個を6等分くらいにざっくり切って、やはり6等分くらいにざっくり切ったタマネギと一緒に馬鈴薯に竹串がスッと通るくらいまで中火で煮ます。火が通ったら顆粒だしを加え弱火にして味噌を溶き入れたら完成。味は当然バッチリです。口の中でホロッと美味しく崩れます。
「石焼きジャガバター」は石焼き芋用の石をアルミホイルを敷いた鍋に入れて、十字の切れ目を入れた馬鈴薯をその上に置き蓋をします。そして、やはり馬鈴薯に竹串がスッと通るくらいまで中火で加熱します。馬鈴薯の皮がはぜてくればバターを乗せて完成。好みの量塩コショウを振って食べます。とにかく皮につく焦げ目が香ばしくて美味しい!
併せて一個半の馬鈴薯を完食しました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(枠撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
三方原馬鈴薯青年部の皆さんはとにかく仲が良いのです。いつのロケでも写真のように集まれるだけ集まって下さいます。ロケ中に何かあればすぐに動ける体制でいて下さるのです。そんな中、一人だけ青年部のポロシャツを着ていないメンバーがいました。写真の向かって左後列の長谷和英さんです。
訳を聞くと、青年部を卒業したのだそうです。そして上の年代の部にという流れ。でも他のメンバーから「卒業して欲しくない」という声が出ていると言います。三方原馬鈴薯を盛り上げていこうという気持ちがあれば年代など関係なく密な交流をしていきたい…という声です。
組織としての体制では無く、意見や情報の共有を図っていく全年代に亘る集まりを作れないかという案が持ち上がっているのだそうです。そこで「もしその集まりが実現したらどんな名前が良いと思う?」と訊かれました。
志帆ちゃんがすぐ「ジャレンジャーズはどう?」と発言。「ジャガ」「馬鈴薯の鈴(レイ)」などをもじったネーミング。呼び慣れたらハマるかも…と皆で笑いました。
実現も含めてどうなりますか(^_^)
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
−「ぐり茶」は精揉工程が無いので丸まっている−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 大嶋知美さん・塚本早紀さん)
今回の生産者は沼津市の庄司龍生(タツオ)さん・志保さんご夫妻。愛鷹山麓にある茶畑でのロケになりました。
一口に「沼津茶」と言っても一括りには出来ないんです。というのは「やぶきた」を中心に様々なお茶が作られています。煎茶、深蒸し茶、ぐり茶など、各生産者が「美味しい」と思うお茶を生産しているそうなんです。ラインナップが豊富なのも特徴のひとつとおっしゃっています。
どんなお茶を生産するにしても、温暖な土地柄・愛鷹山からの良質な水・広大な傾斜地などお茶栽培に適した土地柄なんです。
庄司さん自身は「ぐり茶」を中心に生産しています。「ぐり茶」は伊豆地方で非常によく飲まれているお茶で、伊東などでは推しのお土産ともなっています。
「ぐり茶」という変わった名前、由来は?と伺うと「葉が丸まってぐりっとしているから」とおっしゃいます。確かに真っ直ぐな煎茶に比べると丸まっていますよね。形状からの命名とは知りませんでした。
ぐり茶は他のお茶と同じ「やぶきた」を使いますが、終盤の工程が違います。お茶の製造工程は、刈り取り→蒸し→冷却
→粗揉(ソジュウ)=熱風を当てながら葉を揉む(水分を少し飛ばす)
→揉捻(ジュウネン)=水分が均一になるように葉を揉む
→中揉(チュウジュウ)=さらに水分を飛ばすために熱風回転ドラムにかける
ここで「ぐり茶」は、ほぼ完成です。
「煎茶」はさらに精揉(セイジュウ)工程で葉が細く針状になるように乾燥成形します。
だから「ぐり茶」は葉が丸まっているんですね。
(資料写真提供:庄司龍生さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「沼津茶香るあじの干物ずし」
作り手は生産者奥様の志保さん
淹れた沼津茶を使ってご飯を炊きます。炊きあがったら熱いうちに寿司酢を混ぜておきます。
鯵の干物を焼いてほぐし、レモン汁を振っておきます。そこに青じそ・梅干し・ミョウガ・ショウガ・煎り胡麻を加え茶酢飯とザックリ混ぜて完成。
不味いわけありません。干物自体の美味しさと香味野菜や薬味の香りが全体を包んで、その奥にお茶の香りがまとめ役になっているという感じでした。
まさに沼津尽くしのちらし寿司と言えますね。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(枠撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん・塚本さん)
《今回の一枚》
ロケが一段落すると、私たちはホームページやインスタ用に写真を撮っています。志帆ちゃんは、これまでのロケでお茶の新芽の味は知っていますので「食べてみる?」と聞いてみました。当然快諾でした。
庄司さんに許可を頂いて、早速写真撮影。想像通りの味わいに大満足の志帆ちゃんでした。この後もちろん私も食べました。ちょっとほろ苦くて美味しい!
(撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん・塚本さん)
−茶畑を臨むテラスで飲むやぶきたの浅蒸し茶は最高−
(撮影協力:JA静岡市広報 保ア裕子さん)
今回の生産者は吉本邦弘さん。平成9年に静岡市足久保の茶農家50軒が集まって発足した「足久保ティーワークス茶業組合」の代表です。足久保のブランド茶「本山茶(ホンヤマチャ)」を全国更には世界に広まるよう日夜勉強し日々向上を目指し組合員と頑張っていらっしゃる方です。
本山茶の産地は安倍川や藁科川の上流域。静岡県のお茶の産地の中で最も古い歴史を持つ所なんですね。足久保ティーワークスで管理している圃場は、写真のように綺麗ですが非常に傾斜のきつい斜面です。
お茶について最近は濃い緑の「深蒸し茶」に人気が集まっていますが、吉本さんはあえて「浅蒸し茶」にこだわって作っています。
考えてみれば、かつてお茶と言えば「浅蒸し煎茶」でした。淹れたお茶の色は黄色に近く「清涼感」のある爽やかな香り。軽い渋味を感じる、飲み飽きないお茶です。吉本さんはそれを目指してお茶作りに励んでいます。
お茶を絶やさないように「和紅茶」を生産したり、オーナー制度で茶畑の維持を図ったりと様々な取り組みをしています。
足久保ティーワークスではこの茶畑に木製テラスを作りました。靴を脱いで上がると足裏に優しい木の感触が実に気持ちいい!
作った目的は茶畑の美しさと清々しさを感じながら、ゆっくり浅蒸し茶を味わってもらおうという試みです。1回一組(予約)ですから一日数組という贅沢な体験イベントです。
テラスまでの急坂を歩いて上がってもらうのも趣向の一つ。上がりきったところで、景色と鳥のさえずり風の気持ちよさを感じながら、足久保浅蒸し煎茶をより美味しく味わったもらうのが目的です。
(枠撮影:JA静岡市 保アさん)
クラウドファンディングなどで外部からの助力を得ながら、加工工場の横にカフェも作りました。カフェ前にテーブルと椅子をセットしてあって、煎茶・和紅茶、それらを使ったフローズンなどが味わえます。
志帆ちゃんは「和紅茶フローズン」、私は「苺フレーバー和紅茶かき氷」を試食しました。
「和紅茶フローズン」志帆ちゃんは少し粘度のあるシェイクに近いものを想像していたようですが、サラサラとした喉ごしだったと言っていました。和紅茶がとても生きた優しい味わいだそうです。
「苺フレーバー和紅茶かき氷」フワフワです。苺フレーバーの和紅茶で仕上げたかき氷でトッピングには苺シロップのかかった生クリームと苺のドライフルーツが乗せてあります。苺と和紅茶のコラボで美味しくいただきました。かき氷は、放送日の翌日5月1日からの提供です。
(撮影:JA静岡市 保アさん)
《今回の一枚》
足久保ティーワークスのカフェでフローズンなどを作って下さったのは、宇野明日真(ウノ アスマ)さんとおっしゃる24歳の若者。北海道出身だそうで、東北地方で足久保のお茶を飲む機会があったそうです。その美味しさに惹き付けられたのがそもそも。
SNSで足久保ティーワークスでのスタッフ募集を知り、お茶に興味があったこともあって縁を感じ応募。スタッフになりました。
働き始めて2年。今や吉本さんを凌ぐほどの足久保のお茶好きとなりました。吉本さんに「こんな風にPRしましょう!」と提案するくらいの熱の入れよう。お茶作りも実践しながら、ティーワークスで働き、メニューなどにもアイディアを出していらっしゃいます。
ところで代表の吉本さんですが、私は22年前の2001年SBSテレビ「お〜い!トムソーヤ」という番組で「足久保ティーワークス茶業組合」を訪れていました。吉本さんはその時に私が書いた色紙を大事に残しておいて下さっていました(^_^)
(撮影:JA静岡市 保アさん)
−ミルクをたくさん採るために発達した「乳静脈」−
今回の生産者は函南町の片野恵介さん。函南町丹那地区の酪農家三代目です。
片野さんは大学を卒業して1年弱アメリカ・カルフォルニア州で農業実習を学び、日本に戻ってから家業につきました。実は片野さんの所には何度か取材でもお邪魔していて、最初にお目にかかった時は独身でしたが、今は3人のパパ。ごちそうカントリーもこの4月で9年目に突入しましたからね。時の経つのは速いものです。
写真は片野恵介さんと3番目のお子さん雄介くん(1歳)、後に見えるのは先代の片野敏和さん。
牛乳には「三大栄養素」(たんぱく質・炭水化物・脂質)とカルシウムやカリウム・リンなどのミネラルやビタミン類も豊富に含まれています。
三大栄養素+ミネラル・ビタミン類の、いわば「五大栄養素」をバランスよく含む食品は他にあまりありません。手軽に五大栄養素を体に摂取できる「牛乳」は、すごい食品と言えるでしょうね。
写真は、志帆ちゃんに興味津々の乳牛です。
「乳静脈(ニュウジョウミャク)」というのをご存じですか?
ミルクがたくさん採れるように改良されたホルスタインなどの乳牛に特有の、乳房に向かう太い血管の事を指した言葉です。多量のミルクを身体の中で作るためには多量の血液が必要です。その多量の血液を運ぶ道は太くなければ処理しきれません。そのために乳静脈が太く発達したという訳なんですね。
何回も訪れているのに初めて知りました。まだまだ知らないことだらけですね。興味は尽きません。
《おいしいをつくりましょ。》
「厚揚げと小松菜のミルク煮」
作り手は野菜ソムリエプロの神尾かほりさん
フライパンにごま油をひいて鶏もも挽肉を中火で炒め、油抜きした厚揚げを加えます。さらに加熱した小松菜を加え、牛乳・顆粒和風だしの素・三温糖を入れてひと煮立ち。煮えたら火を止めて、醤油・水溶き片栗粉を加えて加熱。とろみが付いたら完成。
牛乳に溶け込んだ和風だしと三温糖・醤油が油抜きした厚揚げにしっかり入り、とろみが味を小松菜にも厚揚げにも絡んでこれが美味しい!
神尾さんのオリジナルレシピ。神尾さんは丹那牛乳の時はほぼレギュラーです。牛乳を使った料理については神尾さんは心強い存在です。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
茶色の牛が混じっていました。茶色ですがれっきとしたホルスタイン種です。通称「レッド」と呼ばれている牛で、ミルクも採れますが普通の白黒のホルスタインより収量が少ないのだそうです。
ただ「レッド」は健康面が非常にすぐれていて病気に強い特質を持っていることから、その特質+ミルク収量も多い乳牛を何とかして作り出したい…という思いで同居させているんだと片野さんはおっしゃっていました。
作り出せたら画期的ですね。
−苗を買う時は「接ぎ木」したものを選ぼう−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 鈴木和幸さん)
今回の生産者は焼津市宗高の横山文哉さん。ハウスで60品目200種類の苗を生産しています。販売対象の多くは家庭菜園などを想定しています。生産者に対してはJAの育苗センターが担当していますものね。今の時期はトマト・キュウリ・ピーマン・スイカ・ナスなどを生産しているそうです。
横山さんは野菜の苗を作って30年。お花の苗も作っています。苗は要するに「赤ちゃん」ですから非常にデリケートです。温度にはものすごく敏感。1〜2度違っただけで発芽しない場合もかなりあるそうです。「例えば…」と言いながら見せて下さった苗床には半数以上が発芽していませんでした。
(写真:横山さん(奥)と営農の加藤陽介さん)
苗の成長は種類によっても違いますが、キュウリを例にとってみました。写真の右から種蒔き直後・一週間後・二週間後→四週間後の成長です。キュウリの場合、四週間後の姿が出荷時になります。
園芸店やホームセンターで苗を購入する時に、大事なことがあります。多少高くても「接ぎ木」してある苗を選んだ方が良いのだそうです。
というのも土壌感染性の病害虫は、青枯病・根腐病・ネコブセンチュウなどいくつもあります。病気に対して接ぎ木した物の方が強く、また品質の良いものが育つそうです。
また家庭菜園だと限られた畑地で作らざるを得ず、畑地を交代させながらの栽培は難しいものがあります。同じ場所で毎年同じものを栽培していると「連作障害」が起きてしまいます。
対策として「接ぎ木」してある苗が非常に有効であると言う事なんだそうです。
接ぎ木とは台木と呼ばれる根の部分と、目的の農作物を茎同士をくっつけることです。台木の茎に切れ目を入れ、栽培したい苗の茎を薄く削いで台木に挟んでクリップで留めることで完成します。
《おいしいをつくりましょ。》
「トマトのわらび餅」
作り手は女性部の(左から)池谷和江さん・大畑幸子さん・八木みよ子さん
トマトは種を含んだゼリー状の部分を除いて細かく切っておきます。そしてわらび粉と砂糖・水、そして先程のトマトを混ぜて鍋に入れ、混ぜながら中火で加熱。混ぜる手は止めてはいけないそうです。半透明になったら弱火にしてさらに混ぜ続け、透明になってからもしばらく混ぜて完成。
ここできな粉をかけたいところですが「かけないで食べてみて」と言われ試食しました。トマトの味と香りはありますが、砂糖の甘みと相まってただのわらび餅とは違う美味しさを感じました。
その後もちろんきな粉をかけて食べてみましたが、きな粉の味と香りが強くトマトがあまり感じられなくなっていました。どちらも美味しいのですが、トマトを感じたかった僕は個人的にきな粉無しで食べたいな、と思いました。そうは言いながら最後はきな粉をたっぷりかけて食べていました。きな粉も美味しい!(^_^;)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAおおいがわ 鈴木さん)
《今回の一枚》
横山さん一家との自撮り写真です。奥様の横山悠子(ユウコ)さん・長男敦哉(アツヤ)くん・次男横山煌哉(コウヤ)くんの四人家族。男の子二人は活発でしたが収録している最中は非常に協力的で、楽しく、でも静かに見ていてくれました。
接ぎ木に使う台木についてもう少し。キュウリの台木はカボチャ、スイカはカンピョウだそうです。台木も今はさらに進化していて、連作を嫌うスイカも厳選されたカンピョウ台木のお陰で連作出来るそうです。
さらに、これまでは同系統の植物でないと接ぎ木できないというのが常識でしたが、異なる系統の植物でも接ぎ木が可能になる技術が開発されつつあるそうです。接ぎ木技術がさらに進めば、栽培場所などの条件も乗り越えていけるかもしれませんね。
−ハウスで一年7〜8回は収穫できるチンゲンサイ−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回の生産者は浜松市浜北区の浅田嵩之さん。チンゲンサイを栽培し始めて3〜4年だそうです。ハウスなので、一年を通して栽培出来、年7〜8回は収穫できるとのこと。
周期としては、種から苗まで2週間ほど。苗から収穫まで夏場は30日、冬場は40日ほどだそうです。
そのためハウスの中は苗から収穫適期の大きさまで様々な段階のチンゲンサイがあります。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
浅田さんは背の高い方です。身長は192センチ。若い頃はバスケットをなさっていたそうで、頷けます。
浜松出身ではなく、出身地は京都。作り出していく世界を求めて長野県の農業法人に就職したそうです。11年前その長野県の農業法人が浜松に展開することになり、責任者として移り住んだことから浜松との関係が生まれました。最初はレタスでスタートし、その後キャベツも栽培。
そして6年前に独立。浜松に根を下ろす事になりました。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
種から苗まではJAの育苗センターで育てます。写真は定植したばかりの苗。元気いっぱいの瑞々しい苗たちです。畝の間をよく見ると、そこにも苗が育っています!
どうした訳なのか浅田さんに伺ったら、定植する時小さかったり元気の無い苗は植えずに脇に置いておくそうです。そんな中でも枯れないで頑張る苗もあり、それが育った結果なんですね。なんと健気な!
十分に育ったものは収穫して出荷してあげるとおっしゃっていました。
《おいしいをつくりましょ。》
「チンゲンサイとじゃこの炒め物」
作り手は女性部の大橋和子さん
チンゲンサイは株ごと葉と茎の部分を切って分ける。葉はそのままに、茎は縦に櫛切りもしくは細切りにする。
フライパンに油を入れて熱し、チンゲンサイの茎・マイタケ・ちりめんじゃこ・チンゲンサイの葉の順に加えて炒めて、大さじ一杯のめんつゆを回し入れて火を通せば完成。
熱が入ってもシャキ感が無くならないチンゲンサイとマイタケ・ちりめんじゃこの相性は抜群です。出汁なども入っためんつゆとじゃこの塩味がマッチしてあっという間に完食しました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
志帆ちゃんが、JAとぴあ浜松広報の山田さん(右下枠)にワンショット写真を撮影してもらっているシーンです。
私たちが撮影に使っているカメラはスマートフォンの付属カメラです。かなり性能は上がりましたが、広報の方たちの使用カメラは一眼レフです。やはり一眼レフは一眼レフ。出来上がりの写真のグレードは上です。
そのグレードで撮影して欲しい志帆ちゃんなのです。女性のその気持ちは良く分かりますね。さらに脇でレフ板と呼ばれる光反射銀板で太陽光を顔に当て、逆光であっても綺麗に撮影できる機材も駆使しての撮影。スマートフォンでただ撮るだけの写真とは雲泥の差がある訳です。
なおレフ板で光を当てているのは営農の大石 弥さん(右上枠)です。
(枠内撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
−原木シイタケ栽培は自然循環型の農業−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 梅原綾花さん)
今回の生産者は伊豆市の石井隆一さん。ハウスで原木シイタケ栽培をなさっています。あいにくの雨で、ハウスがとてもありがたいロケとなりました。雨で無ければ露地栽培の予定でした。
シイタケの栽培は大きく言って「原木」と「菌床」の二種類があります。「原木」は字の通りクヌギやコナラなどを切り出してきて、栽培しやすいサイズにカットしたもの(=ホダ木)を使います。
「菌床」はおがくずを主成分として固めたものをホダ木代わりにして栽培するものです。ハウス栽培がメインになります。
ホダ木にシイタケ菌を打ち込んでシイタケを発生させる方法が「原木栽培」です。ホダ木にドリルを使って程良い間隔で穴を開けておき、シイタケ菌を蔓延させた円筒形の木片(=種駒)をそこに打ち込んでいきます。写真の白く円い所が種駒を打ち込んだ所です。
種駒からシイタケの菌糸がホダ木の中で伸びていきます。菌糸が十分蔓延すると其処此処にシイタケの素になる「原基(ゲンキ)」と呼ばれる菌糸の塊が出来、そこからシイタケが発生してくるという訳です。種駒を打ち込んだ所(赤丸)から出てくるという事ではないそうですよ。
(撮影:JAふじ伊豆 梅原さん)
確実に発生させるためには温度刺激や移動刺激、更には空気の遮断刺激などが必要だそうです。
効果的な方法が「浸水」という作業。要するに水に浸けるんですね。「浸水作業」が温度刺激や空気遮断刺激刺激をしてくれるという訳です。その作業の他にホダ木を置いてある環境によって向きを変えたりの工夫もあるという事で、駒打ちをしたら発生を待つだけ…とはいかないそうです。
駒打ちからシイタケの発生までの期間ですが、露地では1年半、ハウス1年だそうです。
(撮影:JAふじ伊豆 梅原さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「しいたけアヒージョ」と「しいたけ山芋焼き」
作り手は女性部の鍵山恵美子さん
「しいたけアヒージョ」
ニンニクはみじん切りにしておき、鍋にオリーブオイルとみじん切りのニンニクを入れ火にかけます。ニンニクの香りが立ったら、軸を取ったシイタケを入れて数分煮ます。火が通ったらパセリを散らして完成。
「しいたけ山芋焼き」
軸を取ったシイタケの傘の中に擦った山芋を入れてアルミホイルに並べ、オーブントースターで山芋に焦げ目がついたら完成。
どちらもシンプルで、なおかつ美味しい!
完成品を撮影(物撮り)してから試食。アツアツが美味しいのは決まってますが、冷めても美味しかった…のが素直な感想でした。シイタケって本当に美味しい! オリーブオイルとの相性は抜群ですね。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 梅原さん)
《今回の一枚》
ハートの形をしたシイタケ(赤丸)を見つけ、早速志帆ちゃんと記念撮影。自然のモノですから似てはいても一つとして同じ形はありません。どういう加減でその形になったのかは分かりませんが、ハートの形は嬉しくなっちゃいますよね。
生っている場所も配置も様々ですから、生長度合いの違いも含めて見ていて飽きません。ダンゴ三兄弟のような並びを見て笑ってしまったのは私だけではありませんでした。
「使えなくなったホダ木はどうするんですか?」と尋ねましたら、「自分は砕いて菌床にする」とおっしゃっていました。また畑に漉き込む生産者も多いそうです。石井さんも畑への利用もなさるとのことです。いずれにしろ最終的には土に還るので自然循環型の農業と言えそうです。
−地元米農家の稲わらで牛を育てる−
(撮影協力:JA遠州中央広報 松下奈美さん)
今回の生産者は写真の3人、左から近藤一彦さん・永田慎次さん・岩瀬早人さんです。といっても3人が同じ牛舎で働いている訳では無く、それぞれの牛舎を営んでいらっしゃいます。今回は近藤さんの牛舎を訪問しました。
3人登場の訳は、昨年「遠州袋井牛」という新ブランドを一緒に立ち上げ商標登録をした仲間だからです。袋井に新たなブランド品を作り地域を活性化させると共に、自分たちに続く若い担い手を作りたいという思いからだったそうです。
(撮影:JA遠州中央 松下さん)
「遠州袋井牛」は黒毛和牛とホルスタインをかけ合わせた品種。黒毛和牛の良質な肉質を持ちつつ、脂量は適度で良質というヘルシーさが特徴だという事です。写真真ん中の牛はホルスタインの「白」が頭と後ろ脚に出ています
良く知られている事ですが、牛には4つの胃があり反芻する特性があります。反芻は横になってすることが多いそうです。「食べて直ぐ横になると牛になるよ」と注意されたものですが、食べて直ぐ横になるのは血液が胃に集中するのでむしろ良い事だそうです。
牛たちはとにかく好奇心旺盛です。我々が到着した瞬間から一斉に視線を投げかけます。志帆ちゃんが近づくとご覧の通り。
ただしばらく経つと目慣れてくるのか、そんなに気にしなくなります。「取りあえず敵ではなさそうだし、放っておけばいいか」といったところでしょうか。牛たちの澄んだつぶらな瞳は本当に「けがれ」というものを感じさせません。
ここの牛たちはほとんど雌だそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「袋井牛とレタスの湯引きサラダ」
作り手は女性部の近藤眞由美さん・寺島芳子さん・鈴木寿子さん
近藤眞由美さんは近藤一彦さんのお母様です。
まずキュウリと新玉ねぎを薄切りにしてボウルに入れておきます。そしてしゃぶしゃぶ用に薄切りした袋井牛をさっと茹でて引き上げます。茹でたお湯はアクをすくい、レタスをちぎって入れてさっと茹でます。牛肉の脂と旨味をレタスにまとわせる訳ですね。
茹でた袋井牛とレタス、先程のキュウリと新玉ねぎをボウルの中でざっくり混ぜて盛り付け時に甘夏を散らして完成。地元JAの赤じそドレッシングをかけて頂きました。
袋井牛はどちらかというとあっさりした肉で、サラダに良く合います。赤じそドレッシングと甘夏の程良い酸味が肉の美味しさを引き出してくれました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JA遠州中央 松下さん)
《今回の一枚》
牛たちに与える飼料ですが地元との連携と品質の確かさもあって、飼料の柱である稲わらを地元の米農家から分けてもらっています。乾燥した稲わらは、牛にとって必須の良質繊維質。もりもり食べていました。
またさらに大切な飼料が塩とミネラル。塩は一見レンガのような飼料用塩をえさ箱に適度な間隔で並べてありました。
ミネラルですが「古代海洋堆積物飼料(枠内写真)」を与えているそうです。約3千万年前に異常繁殖した海藻及びプランクトン・サンゴ類の堆積物だそうで、家畜には欠かせない要素だそうです。良質な珪酸や種々のミネラルが含まれていて、内蔵機能の向上や食欲増進・肉質の改善・整腸作用などの効果が期待されるそうです。
−葉ねぎたっぷりの「ねぎダレ」最高!−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回の生産者は浜松市西区の中村神之輔さん。浜松を代表する農産物「葉ねぎ」を栽培されています。
JAとぴあ浜松では、葉ねぎを「グリーンスティック」や「おしゃれねぎ」、「おねぎちゃん」という名前で出荷しています。ごちそうカントリーでは以前「おしゃれねぎ」を紹介した事がありました。その時は後継者である若者3人を取材しましたが、今回の中村神之輔さんも志帆ちゃんと同年代で、「葉ねぎ」作りに情熱を注いでいる若者です。
浜松の葉ねぎは周年栽培をしています。種をまいて夏場は2か月、冬場は3か月で収穫します。周年栽培で気を遣う事は「途切れないように出荷する」ことだそうです。そりゃそうですよね。お陰で消費者の我々が一年中味わえるわけで、それを当たり前と思ってはいけないなと感じました。
栽培はどうしても連作になりますから、連作障害にならないようにJAと土壌改良や肥料についての連携を取りながら頑張っていらっしゃいます。中村さんは葉ねぎ栽培9年目。今ではかなり自信を持って取り組んでいる印象を受けました。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
収穫体験の際、始めて目にする道具がありました。収穫に欠かせない道具、通称「フォーク」という言い方をなさってました。
収穫時にただ引っ張って抜いただけでは茎が切れてしまう恐れがあります。「フォーク」を根元の外側から地面に入れて土をほぐすと綺麗に抜けます。白い根もしっかり付いていて、美しい「葉ねぎ」収穫成功という訳です。
私たちも綺麗に収穫出来ました(^_^)
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「葉ねぎの肉巻きとねぎダレ」
作り手は神之輔さんの奥さま、ほの香さん
「葉ねぎの肉巻き」はたっぷりの葉ねぎを豚バラの薄切りを並べて巻き、フライパンで焼いたもの。豚バラから油が出るので油は引きません。味付けは塩を軽く振る程度です。
「ねぎダレ」がキモです。葉ねぎ一束を小口切りにしてボウルに入れ、そこにごま油・鶏ガラスープの素・ニンニク・蜂蜜・レモン汁・塩・黒胡椒を入れて混ぜて完成。
焼いた肉巻きにこの「ねぎダレ」を載せて食べたら、もう美味しいのなんの! ご飯かお酒が欲しいと思いました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
中村さんご夫妻は20代の若さですが、お子さん4人の6人家族です。少子化が叫ばれて久しいですが、頼もしいご夫婦ですね。4人の名前は、凱神(かいしん)くん6歳、花愛(はんな)ちゃん4歳、神偉(かむい)くん2歳、天神(てんしん)くん6ヶ月です。
奥さんの「ほの香」さんに伺ったら、自分も4人兄弟だったので4人は欲しいと思っていたそうです。その夢が叶った今の感想を伺うと「戦争です」と笑いながらおっしゃっていました。ほぼ2歳間隔の4兄弟。片時も目の離せない状態が展開されていました(^_^)
本当の少子化対策は子育てが安心して出来、仕事も十分出来る社会作りをしていく事ですよね。4人の子育て真っ最中の中村さんご夫妻の奮闘ぶりに頭が下がりました。
−大田市場での決定価格は日本全国の市場の指標−
(JA静岡経済連広報 中瀬諒亮さん)
今回は東京都大田区にある農産物を扱う中央卸売市場「大田市場」を訪ねました。東京には11の「中央卸売市場」がありますが、「大田市場」が最も広く日本でも最大級の市場です。
JA静岡経済連が大田市場に「東京事務所」を構えていることから、あまり知る事の無い事業活動を教えて頂こうと伺ったわけです。大田市場は、東京にある11の中央卸売市場の中で唯一「青果」「水産」「花き」の取扱いがある市場なのです。特に青果部・花き部では、日本一の取扱規模を誇っており、大田市場での決定価格は、日本全国の市場の指標となっているそうです。
(写真はJA静岡経済連東京事務所 所長中村大作さん 撮影:JA静岡経済連 中瀬さん)
大田市場の一日の流れですが、
・前日の夕方〜午前4時頃まで「品物の入荷」作業
全国各地や海外から運ばれてきた品物が種類ごとに卸売場に並べられます。
・午前4時〜7時頃まで「取引の準備(下見)」
せりに参加する人たちが買いたい品物の下見を行ったり、種類によっては午前4時半からせりも始まります。せりは午前9時頃まで行われます。
・午前7時〜11時頃「買出人への販売」
品物が市場の中にある店舗に運ばれ、街の小売店等の仕入れに来る人たちが買い易い大きさや量に分けられて販売されます。
・午前11時頃「清掃・翌日の準備」だそうです。
東京の中央卸売市場「大田市場」にJA静岡経済連の東京事務所が置かれている役割ですが、何と言っても京浜市場での消費動向、他の産地からの出荷や着荷などの動向といった情報を収集し、県内JAや関係先に発信する事が大きな柱です。
また他県との生産連携の交渉や構築・調整も大きな仕事です。セルリーやロメインレタスのように冬場生産出荷は静岡県、夏場生産出荷は長野県といった連携の交渉は、中央卸売市場の中に東京事務所が置かれている事が非常に大事なわけです。
大田市場には日本全国各地からいろいろな農産物が集まってきます。沖縄からは「食用菊」が目に飛び込んできました。群馬県からは「小玉スイカ」が入荷していて、季節の強烈な早取りだなと驚かされました。もちろん静岡県の農産物にもたくさん出会いました。
海外からもトルコから「完熟乾燥イチジク」「レーズン」などが入荷されていましたよ。
《今回の一枚》
中央卸売市場「大田市場」の大屋根にナルホドなつまかざりがありました。取材拠点近くの大屋根には「かぶ」の飾りがあったのです。
パンフレットを見たら「4つの屋根に大きな飾りが付いています。かぶ・タケノコ・ぶどう・鯛と、すべて縁起の良いものを掲げています。」と書いてありました。見学も含めてチャンスがあったら探してみるのも一興ですね。
−香り高く爽やかな柑橘「スルガエレガント」−
(JA静岡市広報 徳田龍亮さん、岡山淑子さん)
今回の生産者は静岡市葵区の柑橘委員会委員長大塚博泰さん。スルガエレガントは甘夏と文旦を掛け合わせた柑橘で、普通の甘夏より甘くなるのが早く文旦の香りがする爽やかな柑橘です。
柑橘類の多くは収穫してからしばらく貯蔵庫で寝かせる事が多いのですが、スルガエレガントも1月に収穫し、2ヶ月から3ヶ月寝かせます。従ってお邪魔したのが圃場ではなく、貯蔵庫でした。寝かせる事で酸が切れて甘くなります。
(撮影:JA静岡市 徳田さん)
JA静岡市の選果場です。取材日(2/21)が初選果日。今の選果場はかなり進んでいます。最初は人の目と手で大雑把に検査します。明らかに痛んでいたり形の良くないものは取り除きます。
次いで光センサーで大きさ・形・傷をチェック。そしてやはり光センサーで糖度もチェック。
光センサーによる選別を経て自動的に振り分けられ、合致した段ボール箱に投入されていくのです。
大塚さんの説明を受けています。
(撮影:JA静岡市 徳田さん)
写真は大きさ・形・傷をチェックする場所です。次々に入っていき、瞬時に光センサーが光ります。チェックする箱内が光っているのがお分かり頂けると思います。
たくさん通過していきますが、センサーはものともせず確実に記録していきます。この箱の次に糖度チェックの箱があり、これも瞬時。スルガエレガントが滞る事はありません。当たり前のように処理されていますが、よく考えると凄い事です。
こうして選果箱詰めされたスルガエレガントは3/1から販売が開始されました。
《おいしいをつくりましょ。》
「スルガエレガントのサラダ」
作り手は、JA静岡市の古林留賀さん
まずドレッシングを作っておきます。材料はオリーブオイル・砂糖・塩・胡椒、それにスルガエレガントの果汁を絞って加えます。
次にスルガエレガントをホロも取って中身の実だけにします。それをレタスと和えておき、先程のドレッシングをかけて完成。
スルガエレガントの適度な酸味がドレッシングとしてとても良い仕事をしています。スルガエレガントの実もドレッシングによって甘さも引き出されます。スルガエレガントをほサラダにするというのが「どうかな…」という一抹の不安もあったのですが、美味しく爽やかに出来上がっていました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JA静岡市 徳田さん)
《今回の一枚》
ロケ前に担当の石川ディレクターから電話が入りました。「くんちゃん、エレガントな服装をしてもらえますか?」との事。
どうしたもんかと思いましたが、タキシードの時に着るウイングカラーシャツにすることにしました。そうしたらタイはどうするか? 蝶タイかアロータイかクロスタイのどれかにしよう。タキシードの上着を合わせたらちょっと仰々しい。そうだ、ベストにしよう!
と、考えた末のスタイルがこれでした。帽子は被らない方が「らしい」のですが、ごちカンのトレードマークですから被りました。変ですか?(^_^;)
(撮影:JA静岡市 徳田さん)
−ほのかな苦味がやみつきになるロメインレタス−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回の取材先は浜松市西区にある鈴木敏生さんのハウス。一般的にレタスは結球しますが、ロメインレタスは半結球タイプ。葉を巻かずに立った状態で成長する立ちレタスの一種です。シーザーサラダによく使われますよね。
ハウスの中だと、苗を植えてから冬場でも2か月位で収穫できるそうです。秋から春にかけて3回くらい収穫時期があるとおっしゃっていました。夏場は暑くて生産が難しいので長野県にバトンタッチするそうで、以前取材したセルリーと同じ生産連携を同じ長野県と結んでいるんですね。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
外葉の色は鮮やかな緑色。内葉は淡い緑色です。
収穫は根元をカッターナイフで切ります。余り抵抗なくスパッと切れるので作業自体は簡単です。
しかしこれが畑全部となると、他の作物と同じように腰にきそうです。なんといっても中腰ですからね。
収穫体験したロメインレタスをその場で食べてみました。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
外葉はしっかりとした食感でほのかな苦みがあります。非常にシャキシャキしていてしっかりとした葉です。だからといって固くはありません。ただ熱を加えた方が美味しさが増すなと思いました。
内葉は軟らかく甘みがあります。ほろ苦さも少しあります。軟らかいけどシャキ感はあります。生のままサラダに加えても美味しく食べられると思いました。ただ普通のレタスもそうであるように、熱を加えても栄養もそんなに損なわれないし、シャキ感もそんなに失われないという事で、内葉も炒め物や鍋などに良いと思います。。
《おいしいをつくりましょ。》
「ロメインレタスの肉巻き」
作り手は、ファーマーズマーケット白脇店の野菜ソムリエ
栗原昌代さん
豚バラ肉の薄切りをまな板の上に並べ、ロメインレタスの葉4枚を向きを交互にして置きます。そしてバラ肉でくるくる巻いて、フライパンで焼くだけです。
写真のように、好みの大きさにカットして完成。醤油・みりん・酒・砂糖を合わせた調味料をかけて食べます。
これが本当に美味しい! シンプル イズ ベスト そのものです。ロメインレタスのほのかな苦味とシャキ感が豚バラ肉と絶妙に合います。酒のつまみにも最適と思われます(^_^)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
試食シーンのトーク撮影が終わり、試食シーンの中に差し挟む動画を撮っている様子です。メインのシーンは撮影済みですから、リラックスしています。
栗原さんは、この番組にこれまで6回登場。今回が7回目です。野菜ソムリエとしてJAとぴあ浜松ファーマーズマーケット白脇店をベースに活躍されています。その栗原さんが調理担当でしたから、撮影も非常にスムーズでした。
「でも毎回緊張するんですよ」と笑いながらおっしゃる栗原さん。撮影が終わると一段と明るい笑顔が表れます。このシーンは映像撮影はしていますが音声は録っていません。それがリラックスにも繋がります。そういう表情を番組に挿入するためにも、こういうシチュエーションは大事なんですね。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
−水かけ菜の生葉は地元でしか販売されない−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 井上郁子さん)
今回の取材先は御殿場市にある勝又良治さんの水かけ菜畑。水かけ菜はアブラナ科の野菜です。
明治19年春、現在の静岡県小山町の喜多長平さんという方が越後を旅した際に、厳寒期にも関わらず湧水の中で育つ菜の栽培を見てその種を譲り受け栽培したのが始まりとされています。
霜から守るビニールがかけてある畝が収穫前、かけてない畝が収穫後です。御殿場・小山地区は、富士山の湧き水で年間を通して13度〜14度あり気温氷点下の冬でも凍らずに水かけ菜が栽培できるというわけです。
水かけ菜の名前の由来は、この辺りでは「水を流す」ことを「水をかける」と言うそうで「水かけ菜」になったとか。「かけ流す」からきているのでしょうね。
10月上旬に種をまいて、霜が本格的に降りる12月上旬から水を流し始めます。収穫は1月中旬から3月中旬にかけて行われます。
夏場はもち米を作っているそうです。御殿場・小山地区なのに何故「御殿場コシヒカリ」を作らないのか伺いましたら、原因は「水かけ菜」だそうです。
水かけ菜は、元々緑肥として使われていたそうで、非常に栄養価の高い植物なのです。水かけ菜の収穫が終わると残った葉や根は畑に漉き込みます。そこに「御殿場コシヒカリ」を植えると、成長しすぎて稲が少しのことで倒れてしまう恐れがあるので「もち米」にしたということでした。
水かけ菜は別名「とうな(薹菜)」とも言います。「薹が立つ」という言葉がありますが、「薹」は菜やふきなどの花軸を言います。要は花を付ける茎です。
その薹を収穫して塩漬けした物が「水かけ菜漬」なのです。収穫は薹を根元近くを手で折ります。根元は固いですが少し上の部分で簡単に折れるところがあり、そこから上を収穫するのです。
《おいしいをつくりましょ。》
「水かけ菜キンパ」
作り手は、ファーマーズ御殿場スタッフの
榑林由香里(左)さんと柳 祉緩(ユ チーワン)さん
「キンパ」とは韓国の海苔巻です。柳 祉緩(韓国の方)さんがメインで作って下さいました。日本の海苔巻と違うのは、寿司酢を使わない事と刺身など海鮮物を入れない事でしょうか。寿司酢ではなくごま油を使います。
具には、タクアン・ニンジン・卵焼き、それにタレで煮詰めたこぼう・炒めたボロニアソーセージ・炒めた竹輪・炒めたカニカマをいれます。
海鮮物は入れないけれど「カニカマ」は入れました(^_^)
巻き終えたら海苔の上にさらにごま油を塗って完成。美味しくないわけがありません。ごま油の風味が何とも香ばしく、次々に手が出てしまいました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 井上さん)
《今回の一枚》
畑での水かけ菜の生葉です。収穫した葉はすぐにしおれてきます。とても足が早いのです。ですから勝又さんは午前収穫、午後「水かけ菜漬」作りがシーズン中の日課です。
事実水かけ菜漬はスーパーに並びますが、生葉は見かけません。生葉は食べられないのか伺いましたら「おひたし最高だよ」とおっしゃいます。ただ残念な事にすぐしおれてしまうので、地元以外では生葉は出せないそうなのです。
「おひたし食べてみたい!」とお願いしたら出して下さいました。枠写真の左側は定番の「水かけ菜漬」、右側が「生葉のおひたし」です。同じアブラナ科の「菜の花」のおひたしに近いものがあります。うっすらとしたほろ苦さがお醤油とピッタリ合います。おかかが入ればもっと味が引き立ちます。
御殿場ファーマーズマーケットには「水かけ菜の生葉」を求めてお客様が開店時間に並ぶそうです。
で、直ぐ売り切れ。地元以外への出荷はこれからも無いとおっしゃっていました。
(撮影:JAふじ伊豆 井上さん)
−榛南地区は「榛南秋冬大根」として国の野菜指定産地−
〜防風垣に使われる「ベチベル」の根は精油が採れる素材〜
(撮影協力:JAハイナン広報 岡田阿祐美さん、大島 恵さん)
今回の取材先は御前崎市白羽にある増田重信さんの大根畑。1月〜2月頃に旬を迎える青首大根を栽培しています。写真を見て分かるように圃場は砂地です。砂地という事は水はけが良く根菜類の根が呼吸しやすい環境。大根栽培には適しています。
そのため、榛南地区は1968(S43)年に「榛南秋冬大根」として国の野菜指定産地になりました。
砂地のため収穫作業も抜く事は非常に楽だそうですが、1本1本の重さがあるので圃場でコンテナにまとめたりする作業は腰にきますよね。
砂地の利点の一つは理想的な真っ直ぐ大根が出来る事でしょうか。そんな中で時々面白い大根が出てきたりします。二人が持っている真っ直ぐ大根が収穫された大根のほとんどなんですが、枠写真で志帆ちゃんが持っているような変形大根も出現します。
原因を伺うと石ころのような障害物の場合もあれば、灌水の加減もあるようだとおっしゃっていました。
それにしても、まるで何かの動物のようですね。
味は何も変わりません。当然ですよね。
「此処とこっちでは成長の度合いが違うでしょ?」と増田さんがおっしゃいます。言われてみると確かに違います。御前崎地方は遠州と同様に風の強い所です。その風が大根の生育にも影響するのです。
それを和らげるために畑の境目に風除けの垣根「防風垣」が作ってあります。その防風垣に近い場所の大根は葉も大きく生長し大根自体も大きいのです。風が弱められる事と日光の反射も影響しているかも知れない、とおっしゃっていました。
この防風垣は「ベチベル」というイネ科の植物で、草丈は2mになるそうです。驚いた事に種では増えないので雑草化しない。踏みつけに強く、畑の土の流出止めに有効、さらに敷き草にもなると言う優れものだそうです。
ベチベルは「Vetiver」と綴り、根から精油(エッシェンシャルオイル)が抽出され、アロマ界では「ベチバー」と呼ばれます。
《おいしいをつくりましょ。》
「大根と鮗(コノシロ)の和え物」
作り手はJAハイナン女性部の鈴木てる恵さん(左)と増田泰江さん
大根の皮を剥いて千切りにして塩を混ぜて30分程置く。鮗は三枚におろして酢に浸して15分置いた後、皮を剥いで斜め細切りにする。大根を絞り、鮗と混ぜて完成。醤油か酢味噌で食べる。
試食しました。鮗は寿司ネタとして知られる「コハダ」の事ですから酢締めとの相性が抜群なんですね。そのままでも十分いけます。思わず「熱燗をお願いします」と言いたくなりました(^_^;)
旬の大根と旬の鮗、素晴らしい組み合わせでした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAハイナン 大島さん)
《今回の一枚》
実は今回の料理は「大根と地魚の和え物」という仮タイトルでした。取材当日の朝定置網に入った新鮮な魚との和え物にしようということで、魚の種類までは特定できていなかったのです。自然相手ですから当然ですね。
その地魚をゲットして来て下さったのが、同じ女性部の増田貴代子さんでした。番組には登場なさってはいません。早朝知り合いを頼って御前崎の市場に行き、競りにかかった魚の中から今回のコノシロを手配して下さったのです。まさに縁の下の力持ち、女性部の仲間のため、JAハイナンのため、ひいては番組のために尽力して下さったというわけです。本当にありがたい存在でした。
−元ボートレーサーが1から農業に取り組む姿に感動−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回の取材先は浜松市南区にある嶌(シマ)明憲さんのはるたま畑。作っている新タマネギの種類は「黄タマネギ」です。普通の産地では3〜4月に出回る新タマネギですが、浜松では1月から出回ります。それを一つの特徴に「はるたま」というブランド名を付けて出荷しているのです。
嶌さんは就農して8年目の33歳。実家の家業を継いだ訳ではありません。実は25歳までボートレーサーだったのです。農業に興味があったのと、物を作る仕事をしたいと思ったのが転業した理由だそうです。
ですから農業は1からの出発。とにかくJAと農家の方の協力でやれた…とおっしゃいます。そもそも分からないことが分からない。「何をどう聞いて良いのか」なんてさらさら分からない…というとんでもない状態からの出発だったのです。ひたすら頭を下げて教えを請い、聞きまくったそうです。農家の方は理解して下さって本当に親切に教えて下さったとの事。「高齢化が進んでいる中での若者の参入という事もあったと思う」と嶌さんはおっしゃいます。
「はるたま」を栽培しようと思ったのは、穫れた種から始められることだったそうです。つまり圃場で種を穫り、その種を育てて作物を収穫する。そしてまた種を穫って育てていく。つまり一度始めれば、その循環でずっと農業活動が続けられるという事が大きな魅力だったそうです。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
圃場で収穫体験したはるたまを、その場で食べてみました。最初思っていたのは「かじってしばらくは甘さが勝つけど、そのうちに辛さがやって来るに決まっている」…でした。ところがところが辛さはゼロではありませんが、ほとんど来ません。結局ほとんど感じずじまいでした。
タマネギの皮の剥き方を教わりました。穫りたての水分の多い物でないと駄目かも知れませんが、根のある方の部分に親指の腹を当てグッとこするとツルッと剥けてくるのです。剥けた下から艶やかなはるたまの瑞々しい肌が出てくると、ちょっと感動でした。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
《おいしいをつくりましょ。》
「オニオンリング」
作り手は女性部西地区支部の齋田麻紀さん(左)と河合智子さん
作り方は、まず幅1p程の輪切りにしたはるたまをバラバラにほぐしておきます。そして薄力粉・片栗粉・コンソメをポリ袋に入れてよく振って混ぜ、その中にはるたまを入れてよくまぶします。
次に衣作り。水・マヨネーズ・ポリ袋に残った粉をボウルでよく混ぜて衣を作り、衣を絡めたはるたまを170℃の油で揚げて完成。
塩は取りあえずいりません。そのままで十分甘く美味しい。畑で食べた生も美味しいけど火を入れたはるたまはさらに甘い。結局最後まで塩は付けずに食べました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
実は嶌さんはごちカン2回目の出演でした。1回目は2017年9月10日放送(左の写真)の「ジャンボ落花生」。農業始めて2年の27歳でした。奥さまの光さんとの出演、お子さん2人も交えてのほのぼのとした回でした。
あれから6年。双子のお子さんも生まれて「今4人の子持ちになりました」と笑っておっしゃっていました。
当時の相棒は山田桃子アナウンサーでした。
−村山ニンジンは驚きの長さと濃厚な甘みが際立ちます−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 石川里紗さん)
今回の取材先は富士宮市村山にある村山ニンジン畑。圃場の持ち主は鈴木昌知(マサノリ)さん。取材に対応して下さったのは、富士宮地区村山ニンジン運営委員会委員長の村松愼一さん(左)と副委員長の野澤正樹さんです。
実はある時期「村山ニンジン」の生産者が一軒だけになった時がありました。その生産者が鈴木昌知さん。これでは「村山ニンジン」生産が絶えてしまう…とJAが2012年に「村山ニンジン復活プロジェクト」をスタートさせ「富士宮地区村山ニンジン運営委員会」が作られました。
(撮影:JAふじ伊豆広報 石川さん)
村山ニンジンは正式には「国分鮮紅長人参(コクブセンコウナガニンジン)」と呼ばれる品種で、早生種であり、草勢は旺盛、病害にも強く肉付き・甘味・風味・栄養価にすぐれるニンジンです。
何と言っても大きな特徴は名前の通り、長いという事でしょうね。60〜80Cmはあります。1mを超える物もあるということで驚きました。1950年代から ここ村山地区を中心に盛んに栽培されていたそうです。収穫された長人参を売りに行った時、顧客から村山地区から来た人参という事で「村山ニンジン」と呼ばれたのが名前の由来だそうです。
生産者鈴木昌知さんのお話しの中で驚いたのが「肥料は与えない」という一言でした。
肥料を与えてしまうと分岐を起こしやすくなるとおっしゃいます。ネットで調べてみたら『「又根(分岐)」の原因にもなるので、種まき直前の施肥は避ける』との記述がありました。そうなんですね。
よく見たら畑の中にニンジン以外の植物もあります。鈴木さんによると雑草も生えさせて、収穫後にはその雑草も畑の土に漉き込むのだそうです。収穫時に切り落としたにんじんの葉も漉き込んでやって、次の村山ニンジンの栄養になっていくとの事でした。
村山ニンジンはたくましい植物ですね。
(写真は村山ニンジンのブラシ洗浄作業をする鈴木さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「村山ニンジンのかき揚げ」と「なんちゃってエビフライ」
作り手はJAふじ伊豆女性部の
大河原菊栄さん(右)、倉田喜代美さん(左)、神戸秀子さん(中)
どちらの料理も味付けは何もしないというのが特徴です。とにかく「村山ニンジン」は甘い!「えっ? 何もついてないの?」と聞き返したくらいどちらも甘くて濃厚な味がします。
「なんちゃってエビフライ」はニンジンの尻尾の部分を先だけ衣を付けずに揚げてあります。赤い尻尾の先がエビの尻尾に見えることから「なんちゃってエビフライ」。
子どもたちが「おかわりしたい」と叫んでいたのが良く分かります。私たちもそうでしたもの(^_^)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
今回のもう一つの主役は小学生たちです。JAと村山ニンジン運営委員会の皆さんは、地元の特産品「村山ニンジン」に子どもの頃から親しんでもらう目的で、富士宮市立富士根北小学校3年生の子どもたちに村山ニンジンの植え付けから収穫までを体験してもらう試みを続けています。
取材の日が丁度収穫作業の日に当たりました。その模様の写真です。右から2番目の方は今回の営農として出演して下さったJAふじ伊豆富士宮北部支店の齊藤佳行さんです。マスク無しの写真を枠写真として載せました。子どもたちの生き生きとした姿が印象的でした。
(撮影:JAふじ伊豆広報 石川さん)
−柑橘には付き物の「油胞」が無い「こん太」−
(撮影協力:JAしみず広報 見宮正章さん)
今回の取材先は静岡市清水区の高橋章夫さんのハウス。「こん太」はキンカンの代表的な品種「寧波金柑(ニンポウキンカン)」の枝変わりで清水区で発見されました。平均糖度が20度以上あり、メロン(平均16度程)よりも甘くJAしみずのブランドキンカンです。
とても甘くて皮も柔らか。そのまま丸ごと食べられるデザート感覚のキンカンなんです。よく見ると柑橘には付き物の皮の「油胞」がありません。皮がつるんとしているのです。実は油胞が柑橘独特の苦みを生みます。その油胞が無いということは苦みが全くなくて、とにかく甘いという事を指しているのです。
皮が軟らかいのも特徴で皮ごと一口で食べられますが、露地で栽培すると皮が固くなってしまうのでハウスでの栽培になります。ただ大変デリケートな柑橘で、病害虫も付きやすく、水分過剰になると実が裂けるので管理が大変だそうです。
ハウス栽培なのに水分過剰って?と思って伺いましたら「10月から糖度をあげるために水を切るようにしている。水を切っている時こん太は吸水力が高くなっているそうです。
そんな時たくさん雨が降るとハウスといえども雨が入ってきてしまい、こん太が一気に水分を吸収して実が急激に大きくなり皮が裂けてしまうという事でした。
(写真:左から高橋さん・営農三田さん)
(撮影:JAしみず広報 見宮さん)
皮が軟らかい分、収穫にはかなり気を遣うそうです。写真のように収穫籠の内側には通称プチプチ(気泡緩衝材)が貼ってあります。さらにある程度の量までしか重ねないそうです。ちょっとでも皮に傷が付くと商品価値が無くなるという事です。
ただ「こん太」は認知度がもう一つです。高橋さんも営農の三田さんもこの甘さ、美味しさを知らしめたい!とおっしゃっていました。工夫の一つとして手に取りやすい少量パックを作ったりしていますが、店頭で試食品を並べられないのが残念だともおっしゃっていました。生産量がまだ少ない事が大きな要因です。
《おいしいをつくりましょ。》
「生ハムこん太」
作り手はJAしみず青壮年部の望月崇弘さん(左)と青木雄基さん
作り方は至って簡単。クリームチーズの上にこん太を1個乗せ、それを生ハムで巻いて完成。一口でいきます。これが美味しいんです。最初は生ハムが来て、クリームチーズとこん太は最初別々なんですが、こん太の果汁で絡まり合うと渾然一体となり美味!
生ハムの塩気とクリームチーズのコク、こん太の甘味が絶妙にハーモニーを奏でます。試す価値ありですよ。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAしみず広報 見宮さん)
《今回の一枚》
JAしみず青壮年部の望月さんと青木さんはおそろいのTシャツを着用。前面プリントには「JA YOUTH SHIMIZU」の文字、背中にはJAしみずの産物名がぷりんとされています。
しかも、産物名全体がハート形になっていてJAしみず青壮年部の「しみず愛」が何とも微笑ましいTシャツでした。
−カリフラワーという名前の由来は「ケールの花」−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 望月 稜さん)
今回の取材先は富士市にある時田 守さん健太郎さん親子のカリフラワー畑。カリフラワーという名前ですが、由来はケールの花「ケールフラワー(kale flower)」からきているそうです。
そもそもケールはカリフラワーやブロッコリー、キャベツなど アブラナ科の野菜の原種とされていて、ケールの花「ケールフラワー(kale flower)」、または「アブラナの花(cole flower)」が変化して「カリフラワー(cauli flower)」と呼ばれるようになったとも言われています。
ご出演は時田 守さんと息子の健太郎さんお二人だったのですが、カリフラワー畑を管理・栽培されているのは息子の健太郎さんです。そもそもカリフラワー栽培を言い出したのは健太郎さんだったそうです。
お父さんの守さんは梨と米の栽培がメインだそうで、健太郎さんが守さんとは違う物を手掛けたいと調べて、栽培法やそれに伴う肥料などにかかる経済面も含めて総合的に判断して決めたそうです。
守さんは、提案を聞き任せてみて「良かった。頼もしく感ずる」と絶賛でした。
私たちが食べているカリフラワーの白い部分は「花蕾」と言います。文字通り花の蕾なんですね。食べてしまうから分からないけど、放っておけば当然花が咲きます。しかし花が咲くまで放っておくことはないですから目にすることはほとんどありません。残念ながら記録した写真も無いそうです。
富士市のカリフラワーは色白が自慢です。とは言いながら直射日光に当たり続けると黄色くなってしまいます。そのための工夫が「葉折り」。葉を折って花蕾を覆って育てます。そのため畑を見ただけでは花蕾を確認出来ません。
(枠内写真 : JAふじ伊豆営農 木村優太さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「カリフラワーの天ぷら」
作り手は女性部の宮ア邦子さん(左)と小林和代さん
お二人とも「こども食堂」スタッフだそうです。
作り方は本当にシンプル。カリフラワーに衣をつけて油で揚げる…そう「天ぷら」を作るだけです。
付けるのは岩塩。これが美味しい。想像通りの味です。ただ「カリフラワーを天ぷらにして食べよう」という発想が私達には無かったので、非常に美味しく感じました。
茹でてマヨネーズとかシチューやグラタンという発想しかなかった自分たちを恥じました。
カリフラワーは素直な食材ですから何にでも合いそうです。いろんな工夫が出来ますね。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 望月さん)
《今回の一枚》
久々富士山が見えました。畑での撮影が一段落したところでのショットです。撮影前は雲一つ無い富士山でした。
秋以降、これまでも富士山が見える日はあったのですが、畑からは見えない位置もあって富士山込みの写真がなかなか撮れませんでした。
やっぱり富士山は見えるとホッとすると同時に見とれてしまいますね。心の「ふるさと」です。
(撮影:JAふじ伊豆 望月さん)
−プチヴェールの発祥地は静岡県磐田市−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 大嶋知美さん)
今回の取材先は長泉町にある平野則之さんのプチヴェール畑です。プチヴェールはケールと芽キャベツを交配させた野菜です。かなり一般に浸透してきた感もありますね。
生り方も芽キャベツに似ています。茎の下部の根元近くから収穫していきます。
平野さんは沼津市で会社員として19年間勤務しましたが、お父さんが始めていたブルーベリー栽培を受け継ぐ事を決めました。普通の野菜などではなくブルーベリーという特殊な果物に魅力と可能性を感じたからだそうです。
それからいろいろな果物や野菜を手掛けてきて、今ではプチヴェールも栽培するようになりました。
プチヴェールというのはフランス語で「小さな緑」という意味を持つ静岡県磐田市で生まれたアブラナ科の野菜です。苦みのあるケールからつくられていますが、味にクセがなく、加熱するとほんのり甘くなるのが特徴。緑のバラのような見た目で、食卓に華を添えます。
旬は芽キャベツと同じくらいの時期で、11月頃から3月頃まで。気温が下がってくると葉に甘味が増してきて、さらにおいしく味わうことができます。寒さがきつくなる1月中下旬が甘みがのっておいしい時期だそうです。
収穫作業は大変です。手作業ですし、生っていることろが低いのでずっとしゃがんでの作業になります。結構しっかり茎に付いていて、収穫体験では志帆ちゃんが苦労していました。
左は志帆ちゃんがプチヴェール畑でしゃがんでいる写真です。これで収穫位置がお分かり頂けると思いますが、絶対腰にきます。
寒い時期の作業であることももちろん、大きさ・形・重さなどの選別の基準が結構細かいので大変だとおっしゃっていました。
《おいしいをつくりましょ。》
「プチヴェールのペペロンチーノ」
作り手は生産者の平野則之さん
実は平野さん、プチヴェールの他にブル―ベリー・キウイフルーツ・甘夏みかん・ゆず・すだち・シークヮーサー・かぼす・南高梅なども栽培しています。それらのジャムを無添加で栽培から加工まですべて行っていて、畑内に作られたカフェで提供しています。
今回を機に、プチヴェールを使った料理なども展開しようかと思っていらしたそうで、プチヴェールのペペロンチーノを試作して下さったのです。
私はシチューとか鍋に入れたり炒めたりして食べたことはありましたが、パスタは思い付きませんでした。先にも書きましたがプチヴェールは味にクセがなく、加熱するとほんのり甘くなるのでパスタとは相性抜群でした。ペペロンチーノそのものが、ニンニク・唐辛子を炒めることでオイルにしっかり香りを移し、パスタに絡めるだけというシンプルな料理。素直なプチヴェールがベストマッチだったのです。その緑がさらに食欲をそそります。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん)
《今回の一枚》
生のプチヴェールを畑でそのまま食べてみました。少し固い、歯応えがあると言えばよいでしょうか。頑張って噛んでいたら芯の部分がとても甘く感じられました。プチヴェールの糖度は11〜13度ほどだそうです。一般的なミカンやイチゴと同じ糖度です。でも上品なほんのりとした甘みを感じました。
でもやっぱり煮たり炒めたりと火を入れた方が甘味が増しますし、軟らかくもなるので体験は1回で良いと思いました。
一般に野菜に熱を加えて調理するとビタミンなどが失われてしまいがちになりますが、プチヴェールの場合は短時間の加熱調理で食べることができるため、栄養をあまり失うことなく摂取できる利点があるそうです。
(撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん)
−セルリーの袋入れに大活躍の便利ツール−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回の取材先は湖西市にある杉浦正樹さんのセルリーハウス。露地が多い印象のセルリーですが杉浦さんの圃場はハウスです。栽培しているのは、肉質が柔らかく香りもマイルドでクセが少なく食べやすいコーネル系品種のセルリーです。
静岡県の生産量は全国2位、1位は長野県です。中でも浜松・湖西地区が静岡県内の生産量の90%を占めます。以前書いたことがありますが、静岡県と長野県は生産提携をしていて夏場のメイン出荷は長野県、冬場は雪のこともあるのでメイン出荷は静岡県という棲み分けをしています。。
収穫した後、袋入れから箱詰めまで圃場で行います。その袋入れの道具がよく考えられています。静岡県のセルリー農家のほとんどが使っていると思われますが、鉄製で2本足の上にセルリーひと株分の大きさの輪があります。その輪にビニール袋をセットして上からセルリーを入れて「袋入れ」完成。2本の足を地面に刺しての固定なので、道具自体はかさばりません。
袋に入れるだけの作業ですがこのツールなくしてやろうとすると結構面倒で効率が悪くなります。1箱5株ずつの箱詰めまで、ほとんど手作業なので助かる道具なのです。
生産者の杉浦さんと営農の島津広祐さんは4歳違い。杉浦さんが先輩です。実に仲が良いのです。「二人の写真を撮りたい」とお願いしたらこのポーズ。収録が一段落したこともあって、すっかりリラックスした二人は自然と肩を組んでいました。
撮影用にひと株欲しいと申し出たら「ぼくが穫りましょう」と島津さん。
鎌を片手に穫りにいきましたが、杉浦さんが笑いながらダメ出し。
仲の良い生産者と営農担当者、明るい雰囲気はその中で生長するセルリーにも良い影響を与えているんだろうな…と思いました。
《おいしいをつくりましょ。》
「セルリーと豚肉の炒めもの」
作り手は湖西女性部の伊藤順子さん(右)、森岡麻紀子さん(中)、加藤恵理さん(左)
セルリーと豚バラ肉を炒め、だしの素と塩胡椒で味つけして完成。セルリーの美味しさをシンプルに引き出した料理です。
「簡単でゴメンネ」とおっしゃっていましたが、今夜は我が家もそうしようかな、思われた家庭もあったのではないでしょうか。
感想を頂く中にも「手軽に作れそうだからやる気になれる」というご意見も多く、素材の味や香りを素直に感じられる料理がごちカンにはピッタリだと思っています。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
私のこのホームページもそうですが、番組ホームページやインスタグラムのために私と志帆ちゃんはロケの合間に記録写真を撮っています。その撮影模様を撮影したのがこの写真です。
撮って下さったのは、JAとぴあ浜松広報の山田茂樹さん(枠写真)。私がごちカンを担当した初年度からのお付き合いです。私たちが撮った写真と山田さんのお撮りになった写真は交換する約束になっています。お互いの広報誌やホームページでの活用を認め合う関係なのです。この約束は他のJA広報の方とも交わすようになり、今では私にとっても無くてはならないものになっています。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
−白い部分を作り出すのに重要な土かけ作業−
(撮影協力:JA遠州中央広報 田中成幸さん)
今回の取材先は磐田市にある服部秀之さんの白ネギ畑。写真で見ての通り、ネギの下の部分がかなり高い畝になっています。お分かりの方が多いと思いますが、白い部分を作るためです。
そのまま伸びるままにしておくと出ている部分は日に当たることによって告Fになっていき白い部分が短くなると同時に、緑と白のコントラストの美しさが損なわれるそうです。
白ネギと言うからには白い部分が長くあって欲しいですものね。
高い畝はどうやって作られるのか?
定植する時、畝になる部分は少し掘り下げて植え付けるそうです。そしてネギの生長に従って土をかけていきますが、葉の分岐している部分(首元)より上に土をかけないよう注意するそうです。
土かけ作業はネギ管理機を使います。写真の機械で畝の高さを調節して土かけしていきます。
「この機械が導入されてから本当に楽になった」と服部さんは笑います。
苗は服部さん自身でも育てていますが、JAの園芸流通センターに委託して育ててもらっている苗もあります。管理された苗育成専用のハウスで各農家毎に作られているのです。
写真の4人の前の育成棚で青々と広がる苗が服部さん用の苗たちです。棚には「夏扇パワー」という品種名も書いてありました。
服部さんは、試験的に試しているものもあるので自分自身でも育成しているけど、生産という部分ではJAの管理された状態での育苗はありがたいし、確実だとおっしゃっていました。
(撮影:JA遠州中央 田中さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「白ネギのつくね」
作り手は女性部の岩澤真樹子さん(左)と新井みつ子さん
白ネギでつくねって?と臨みましたら、やっぱり鶏肉を使うと伺って「そうですよね」と納得しました。
まず白の部分を1cm位に切って片栗粉をまぶしておきます。そしてネギの緑の葉の部分をみじん切りにして鶏の挽肉と混ぜ合わせ、作り置きした白い部分3〜4個を包み込んでしまうのです。
そのつくねをフライパンにごま油を敷いて焼き、残った白ネギ部分を加えます。そして醤油とみりんで作ったタレをフライパンに投入。まぶした片栗粉のとろみが出たらつくねに絡ませれば完成。
つくねを噛んだ瞬間に飛び出す白ネギブロック。なんとも甘く、ネギの良さが一杯引き出された逸品となりました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
11月6日(日)放送の「紅心大根(磐田市)」の回をスタートに、インスタグラムで放送数日前からPR動画を流しています。作るのは私と志帆ちゃんの二人。志帆ちゃんの自撮りで作っています。
志帆ちゃんはスマホの手練れ!カメラワークも実に巧みです。
SDTの番組宣伝担当から紅心大根ロケの当日に頼まれた、と言っていました。「いつから作る?」と聞いたら「今日から頼む」とのこと。
えい!ままよ!と二人で一発撮りしました。今回は生産者の服部さんにもご出演いただいての動画になりました。メインインタビューの撮影後ですから、服部さんもバッチリしゃべって下さいました(^_^)
−自然薯畑の土に肥料として地元松崎町の鰹節を利用−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 岡村恵美さん)
今回の取材先は田口宏樹さんと奥さまのジェシカさんの自然薯畑。取材打合せの時はまだ葉や茎は緑だったそうですが、ロケ当日は収穫適期の茶色に変身していました。
早速掘り出しをお願いし、自然薯芋と対面することにしました。
それが長くて太い! 長さは130p位有り、重さは1.5Kg程。他の地区より長く太く作るのが松崎の自然薯の特徴だとおっしゃっていました。
(撮影:JAふじ伊豆 岡村さん)
栽培は各地で見られるように、地中で横方向に生長させる方法を採用していました。
本来は地中を縦に伸びていく性質を持っている芋を横向きに生長させるため、松崎では田んぼの畦を作るための塩化ビニール製「畦平シート」を使います。田口さんは一般的に多い「波板」ではなく、平らなアゼ板を温泉熱を利用して大きな雨樋のように変形させて、生長する自然薯芋の受けとして敷いていました。
(畦平シートと自然薯芋を手にするジェシカさん)
田口さんは松崎町自然薯研究会から「自然薯作りの名人」としても認定されています。目指しているのは、子どもの頃味わっていた「野性味溢れる個性のある自然薯」作りだそうです。
田口さんの作り方で一番ユニークなのは、畑の土に肥料として鰹節を利用していることでしょうか。鰹節を田の土に漉き込むことで地味を肥えさせます。
それは土中の微生物を活性化させ、自然薯芋に有用な栄養分を作り出します。鰹節の栄養自体も自然薯芋に生長と美味しさを与えているような気がするとおっしゃっていました。
《おいしいをつくりましょ。》
「さんまのすり身とろろご飯」
作り手は田口さんのお母様 多喜子さん
なんとさんまを使ったとろろご飯です。松崎町の郷土料理なんだそうです。まずは、すり鉢で自然薯をすってとろろを作っておきます。
さんまは三枚におろし、皮を剥いて細かく「鯵のたたき」のようにします。そして小さな団子状にまるめ、火にかけた熱湯の中に入れます。こうすると臭みが出ないのだそうです。アクを取りながら10分間煮ます。
そして、まずさんま団子をとろろの中に入れよくすります。残った煮汁に醤油と料理酒を加えて味を整えます。濃いめの方が良い。
少し冷ました煮汁をすり鉢の「さんまとろろ」に少しずつ加えて伸ばしていきます。煮汁を使い切ったら完成。
試食しましたら、魚臭さは全くしません。とにかく美味しい。昼食直後だったのに小さいどんぶりサイズのお茶碗一杯をほとんど食べてしまいました。でも胃もたれもしない。自然薯のお陰ですね。ただ翌朝体重計に叱られたことは言うまでもありません(^_^;)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
自然薯生産者の田口宏樹さんと奥さまのジェシカさんの仲の良さは特筆ものです。この写真が全てを物語っていると思います。
シンガポール出身のジェシカさん。結婚するまではプロゴルファーだったそうです。とにかく良い意味でストレートにものを言い、宏樹さんも真正面から話をする性格なので夫婦間で真意を探り合うことはないそうです。
また料理コーナーに宏樹さんのお母様 多喜子さんに出ていただきましたが、ジェシカさんとの嫁姑の会話がかみ合っていて素敵でした。多喜子さんも「良い嫁」だとおっしゃっていました。
宏樹さんに「素晴らしい奥さんですね。良い方と結婚しましたね」と言ったら「本当にそう思う」と照れずにおっしゃいました。その姿も本当に素敵でした。
−白マルチシートの目的は日光反射色付け促進と水分量調整−
(撮影協力:JAみっかび広報 本門佑希音さん)
今回の取材先は藤原亮浩さんのミカン畑。三代に亘っての青島ミカン農家です。
ロケの前日はかなりの雨が降りました。いくら水はけの良い三ヶ日のミカン畑でも雨の影響は残っているだろうと覚悟して行きましたが、畑の通路は全く問題ありませんでした。
水はけの良さは定評がありますが、斜面での栽培がさらに良い方へ働いてくれていると思います。
特筆すべきは一面に張られた白のマルチシート。すべての木の根元にあります。
目的は大きく二つ。日光を反射させてまんべんなく色付きさせることと、水分量のコントロールです。ロケ前日のような大雨が降ると、いくら水はけが良くても水分過多になります。水分過多になると水っぽくなって味も薄くなります。商品としては「三ヶ日ミカン」ブランドのレベルを下回るわけにはいかないのです。
水分量はマルチシートの下に設置したチューブによる灌水でコントロールしています。
その白のマルチシート、収穫時期になると畳みます。といってもどこかの倉庫にしまうわけではなく、根元に置いておくのだそうです。
問題は畳み方。「畳む」というより「巻き取る」という言い方の方が正しいのです。
通路に鉄パイプを折り曲げてクランクハンドルのようにした物が、其処此処にあります。それが巻き取る時のハンドルになるというわけです。ただその長さが半端ありません。見たところざっと20m以上はあります。それにくっつけてあるマルチシートを一気に巻き取っていくのです。
体験しました。最初の一巻きはいけます。でも二巻目から重いのなんの…。藤原さんがやってみると難なく巻けていきます。悔しいのなんの(^_^)
「コツがあるからね」と笑う藤原さん。
続けて志帆ちゃんが体験。何と結構軽々やってのけます! 志帆ちゃんは、女性の中では力がある方だと言っていましたが、それでも凄い!と思ったら…斜面の下に向かっての巻き取り。私は上に向かっての巻き取りでした。そんなに力があるわけでもないし、ましてや斜面の下から上に向かってなんて無理でした(^_^;)
早生ミカンは別として、柑橘類は穫って直ぐ出荷ではなく一定期間貯蔵して寝かせます。そうすることで酸味が抜けていき、甘味が際立ってくるからです。青島ミカンも例外ではありません。
藤原さんは今から収穫して1月一杯位寝かせるそうです。長いものでは3月一杯寝かせる物もあると言います。
穫ったばかりの青島ミカンを試食しました。それなりの酸っぱさを想像していましたが、あに図らんや酸味はありましたが濃い甘さもしっかり感じられ、寝かせた後の美味しさが想像出来ました。
−伊豆の国市のミニトマト生産者57人全員が農業新規参入−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 梅原綾花さん)
今回の取材先は伊豆の国市宇田朋幸さん千春さん御夫妻のハウス。宇田さん夫妻はニューファーマー(農業新規参入者)です。というか、伊豆の国市のミニトマト生産者57人が全員、他業種から農業に新規参入したニューファーマーなんだそうです。
宇田朋幸さんの前職は、ボウリング場の店長。朋幸さんの故郷が伊豆の国市ということもあり、ニューファーマーへの強力なバックアップ制度もあったので決心。
朋幸さんは伊豆の国市出身ですが、他の仲間は他県からの参入がほとんどだそうです。
そしてミニトマト生産量は伊豆の国市が県内トップと言いますからニューファーマーの力はすごい。
就農を決心した時、朋幸さんと千春さんは結婚していました。奥さんの千春さんはどう思われたのか伺いました。
当然戸惑ったそうです。医療関係の仕事をなさっていたこともあり、伊豆の国市に移住することと仕事をどうするのかは迷われたとおっしゃっていました。
現在はミニトマト栽培のお手伝いもしながら、伊豆の国市で医療関係の仕事に就く事も出来たそうです。ミニトマトの生長する姿が愛おしくなっている、とおっしゃっています。
宇田さんは就農4年目。高糖度トマトを目指すのでは無く、トマトらしい酸味と甘味のバランスの良いミニトマト作りを目指しているそうです。
(撮影:JAふじ伊豆 梅原さん)
ニューファーマーが自立して黒字経営になるのにはどれくらいの期間がかかるのか。かねて疑問に思っていました。
今回は宇田さんご夫妻に率直に聞いてみました。
答えは「初年度から」! 驚きました。
JAと伊豆の国市のサポートが手厚いとは聞いていましたが、それでも3年目位からやっとでは無いかと想像していました。
「黒字幅は少しですけど…」とおっしゃいますが、初年度から少しであっても黒字が出せるというのは驚きでした。
(撮影:JAふじ伊豆 梅原さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「ミニトマトのふうふう鍋」
作り手は生産者奥さま宇田千春さん
食べ易い大きさに切ったキャベツ・もやし・ニラ・しめじを鍋に並べ、水・鶏ガラスープの素を入れる。豚バラ肉とミニトマトをそのまま鍋の具材の上にのせて煮始めて途中味噌を入れる。煮立ったら完成。
とにかくミニトマトが熱い! 本当に「ふうふう」しながら食べないと…でした。でもトマトの酸味も少し抜けて、野菜・キノコも美味しく食べられました。
ミニトマトサラダも作って下さいました。このサラダの肝は、ドレッシング。湯剥きしたミニトマトをビニール袋に入れ、そこに好みのドレッシングを加えて一晩冷蔵庫へ。
ドレッシングが十分しみこんだ湯剥きミニトマトをサラダに添えてつぶしながら食べれば、これまた美味しいとおっしゃっていました。ただドレッシングをかけたものとは違った味わいがありました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 梅原さん)
ロケの雰囲気を如実に伝える1枚です。とにかくロケ現場は楽しくなければいけません。私も志帆ちゃんも思いは同じです。そんな1枚は自分たちでは絶対撮れません。
JAふじ伊豆広報の梅原綾花さんが、折に触れてはシャッターを切って下さった実に明るく楽しい瞬間の写真です。ただ残念ながら何の話をしている時なのか思い出せません。
JA広報担当の方の感性と努力の結果を使わせていただくことに感謝しています。
(撮影:JAふじ伊豆 梅原さん)
−正月飾りのだいだいは役目が終わったら寿司酢に活用−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 川口亜紀子さん)
今回の取材先は熱海市にある師岡 誠さん・蘭子さんご夫妻の畑。「だいだい」と言えば正月飾り、色も文字通り「橙色」ですが、取材時はまだ告Fが完全に勝っている状態でした。これまでも何回か取材していますが、今までのうちで一番告Fでした。
伺うと、現在収穫しているのはポン酢用ということで、わざわざ青いうちに収穫するということだったのです。
正月飾りのだいだいは、12月近くになってくると色づいてくるので12月から収穫を始めるとのことでした。
(撮影:JAふじ伊豆 川口さん)
畑のだいだいの木ですが樹齢は100年以上だそうです。でもまだまだ元気に実を生らせているということで生命力の強さを感じさせますね。
そして、ごちカンの収穫体験としては初の「ヘルメット装着」となりました。実はだいだいの木の高さが10m程あるため背の高い園芸脚立でないと穫り切れないのです。その園芸脚立でも届かないところの実は木そのものに登って収穫すると言います。「凄い!」と言ったら、奥さまの方が木登りは得意だそうで、そちらは奥さまに任せていると笑っておっしゃっていました。二度目の驚きでした。
残念ながら登っている姿は拝見できませんでした(^_^;)
(撮影:JAふじ伊豆 川口さん)
穫り立てのだいだいの味はどんなでしょう?収穫体験しただいだいを真ん中で切って試食してみました。
!とにかく酸っぱい! ただでさえ酸っぱいのに青いだいだいですからなおさらです。因みに生産者の師岡さんは「私はそのままでは食べないよ」とおっしゃっていました。
ところがです。志帆ちゃんの感想は「美味しい!」でした!
???どうして??? 皆目が丸くなりました。でも真顔です。私が猛烈に酸っぱがっていたのが嘘みたいです。ディレクターが「くんちゃん、本当に酸っぱかったの?」と聞いてきたくらいです。
嘘なんかついちゃいません!
収録が終わってから志帆ちゃんが「私、行きの車内で酸っぱいグミをたくさん食べたから酸っぱさに対して鈍感になっていたかも…」と言っていました。本当にグミの影響なのかよく分かりません(-_-)
《おいしいをつくりましょ。》
「豚肉のだいだいソース添え」
作り手はJAふじ伊豆女性部あいら伊豆地区本部稲葉まさ子さんと深辺ソノさん(下の写真)
お二人は結婚で姓が違いますが実の姉妹なんです。ですから息がピッタリ。
手順としては、塩胡椒して小麦粉をまぶした豚肉をフライパンで焼き、一旦豚肉を取り出します。その残り汁に、だいだい果汁・白ワイン・だいだいマーマレードを混ぜた物を入れて一煮立ち。アルコールが飛んだところで焼けた豚肉にかけて完成。
畑で試食した酸っぱくて参った果汁が、マーマレードの甘さでかなり緩和され、さらに豚肉と絡まって実に爽やか。軽い食感になって何枚でもいけそうです。
しかもお話ししているうちに、肉が軟らかくなってきて柑橘の良さが如実に感じられました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAふじ伊豆 川口さん)
正月飾りですが、飾り終わった「だいだい」はどのようになさっていますか?
処分するか、地域によってはどんど焼きなどにくべるのではないでしょうか。保ちが良いからといって来年用に取っておけるほど保つわけではありませんものね。
料理を担当して下さった稲葉さん(左)と深辺さんは
「正月を越えたら酸味がかなり抜けるので、絞って蜂蜜を加えて飲んだり(=蜂蜜だいだい)、砂糖を加えて寿司酢として使う(=だいだい寿司酢)手があるよ」とおっしゃいます。
さらに「《蜂蜜だいだい》は喉の痛みや風邪にとても良いし、《だいだい寿司酢》もお米に合って美味しいともおっしゃっていました。
お試しあれ!
−50年程の歴史がある富士川周辺のキウイフルーツ栽培−
(撮影協力:JAふじ伊豆広報 望月 綾さん)
今回の取材先は富士市にある谷津倉 寛さんのキウイ畑。栽培しているメイン品種は「ヘイワード」。日本でキウイフルーツと言えばこの「ヘイワード」、果実の色はグリーンです。甘味もありますが酸味も結構あるので、「酸っぱい」という受け止め方が多い印象があります。
実食してみると、長年作られてきただけに甘味と酸味のバランスがとれた爽やかだけど深みを感じる美味しいキウイでした。
ここ富士川周辺では、1972年頃からミカンの転換作物として栽培され50年程の歴史があります。現在生産者は34軒。年間100t程の収量をめざしているそうです。現時点では、70t程の生産量ですが、仲間も増やして増産していきたいとおっしゃっていました。
収穫はハサミいらずで比較的簡単です。果実のすぐ上の枝を人差し指で押さえながら手前に引くとすっと外れます。ただ非常にたくさん実が生っていますので、体験での1〜2個とは訳が違って大変だろうと思いました。摘花・摘果共にするそうですが果実の数は凄いものがあります。
(撮影:JAふじ伊豆 望月さん)
谷津倉さんは「東京ゴールド(写真上)」や「レインボーレッド」なども栽培されています。キウイフルーツは収穫したては固く渋くエグいのでとても食べられません。気温にもよりますが1週間から10日はエチレンガスの助けを借りて熟成させます。食べられる状態になったものを用意して下さいました。
贅沢にも三種類の食べ比べをさせてもらえたのです。「東京ゴールド」は果肉が黄色、「レインボーレッド」は黄色の果肉の中心に名前の通り赤色が入っています。味の特徴は、
酸味 … ヘイワード>東京ゴールド>レインボーレッド。
甘味 … レインボーレッド>東京ゴールド>ヘイワード
キリッとした酸味の好きな方も多く、甲乙付けがたいですね。
《おいしいをつくりましょ。》
「キウイフルーツを丸ごと使ったキウイ大福」
今回は私たちもそれぞれ作りました。先生は老舗和洋菓子店の「田子の月」で商品開発などに携わる尾鷲和文さん。なんと本物の和菓子職人の方に直接指導して頂きました。
材料はキウイと白あんとお餅。お餅は家庭でも作りやすいようにと、市販のお餅を小さく切って砂糖を混ぜたものを電子レンジでチン。砂糖を混ぜるのは餅が固くなるのをある程度防ぐためです。
白あんを掌で伸ばし、皮を剥いたキウイを乗せて包んでいきます。お餅を餅とり粉を付けて白あんの時と同じように掌で伸ばし、キウイ入り白あんを包んで完成。
結論。キウイと白あんの相性は良い! 従って大福にした時キウイの美味しさと白あんの美味しさが上手く混ざって「これはあり!」と思いました。
実際「田子の月」では、2日間だけ販売するそうです。評判が良ければ固定メニューになるかもです。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
何と言っても、ごちカンロケ久々のクッキリ富士山です。あまり雨には当たらないごちカンですが、富士山近くのロケでこのところその姿を見ることがありませんでした。晴れ渡った時でも圃場の位置などから見えなかったり、見えても電線や建物で美しい姿にならなかったりする場合が多かったのです。
写真は圃場に向かう途中の道路脇にある展望スペースから臨んだ富士山です。雪の白さ・大きさもバッチリでした。
午前中に撮影しました。午後になったらドンドン雲が出てくるからです。予想通り昼過ぎには雲がかなり出ましたが、夕方になってその雲が取れ「赤富士」になっていきました。ただ午後暖かくなったせいか、雪がかなり無くなっていたのがちょっと残念でした。
(撮影:JAふじ伊豆 望月さん)
−外見は「蕪(カブ)」でも実の中は赤紫がかったピンクの大根−
(撮影協力:JA遠州中央広報 田中成幸さん)
今回の取材先は磐田市にある伊藤和宏さんの畑。ごちそうカントリーでは初めての取材農作物「紅心大根」でした。
写真でのように、外見は「蕪(カブ)」です。でも伊藤さんが手にされているように名前通り中身は赤紫がかったピンクなんです。切り方によっては小さなスイカのようにも見えませんか?
中の赤い部分を食べてみると蕪のような柔らかさはなく、まさに大根です。サクサクして歯応えも十分あります。
ただ大根のような辛みはほとんど感じません。非常に食べ易いのです。サラダに入れると彩りも綺麗ですし、周りともマッチして食欲もそそると思いました。
外側の皮の部分はどうか?と伺いましたら、伊東さんは「生で食べたことは無い」と言います。やっぱり食べてみないことには何も言えない…食べてみました。少し固く辛い、でも強烈ではありません。爽やかな辛さと言っても良いと思います。千切りにしてサラダに入れるも良し。細切りにしてお味噌汁の具にしても…実はその晩やりました。火を通すことによって軟らかくなって辛みも無くなり、美味しく食べました。皮を剥いても、絶対捨ててはいけません。
収穫時期は最初の写真のように少し薄緑の蕪といった感じですが、収穫適期前は赤味を帯びているそうです。成熟してきて皮がしっかりしたら薄緑色になるんですね。
栽培で難しいのは、実が割れ易いことだそうです。降水量が多かったり、肥料の加減によっては皮の成長と中身の成長のバランスが崩れるのが原因。
水はけの良い土壌にしておくことと、肥料についても伊藤さんは植える前にするだけで追肥はしないそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「ほんやまじねんじょでとろろ汁」
作り手はJA静岡市女性部の山崎静子さん(左)と山ア己志子さん
「紅心大根のジャムパイとカラフル寿司」
作り手はJA遠州中央女性部の中崎佐知子さん(右)と伊藤京子さん
紅心大根をジャムに? 疑問を抱きつつも進行しました。メインは厚めに剥いた紅心大根と皮付きリンゴ。いずれもいちょう切りにしてたっぷりの砂糖と一緒に煮詰めていきます。それにしてもまぁ紅心大根から水分が一杯出てきます。それに赤紫の色素(アントシアニン)も出てきてリンゴも染まっていきます。煮詰めて水分をかなり飛ばしたところでレモン汁を加えると全体に透明感のある赤紫いろになります。
それをさらに煮詰め、パイ生地にクリームチーズを乗せ、その上にジャム、さらにパイ生地を被せてオーブンで包み焼きして完成。
あれあれ! 紅心大根とリンゴが区別がつかなくなりました。クリームチーズと相まって絶妙な美味しさ。知らずに食べて大根が入っているなんて気が付く人がどれだけいるでしょうか。工程を見ていたのに「えっ?!」でした。
写真右は、紅心大根の甘酢漬けを使ったカラフルちらし寿司
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
今回から番組のインスタグラムで、放送直前にPR動画を流す事になりました。撮影は志帆ちゃんの自撮り。
20〜30秒位で、というのが担当の方からのリクエストだそうです。それを聞いたのがロケ当日。何も考えず、二人でちょっと打合せ…とは言いながら、ほぼアドリブで20秒のPR動画を撮影しました。一発撮りです。
コンビネーションは二人の間柄で決まります。その場で再生。息ピッタリで安心しました。それにしても志帆ちゃんのスマホ使いの手練れ度は120%です!(^_^)
(撮影:JA遠州中央 田中さん)
−ビニールの筒と波板の上で真っ直ぐ育っていく自然薯−
(撮影協力:JA静岡市広報 大長理恵子さん)
今回の取材先は静岡市葵区新間にある藤田克巳さんの自然薯畑。栽培しているのがJA静岡市のブランド自然薯「ほんやまじねんじょ」です。
「ほんやま方式」という、2012年に特許を取得した栽培法で作られた自然薯です。山に自生している本来の自然薯は「根」つまり自然薯芋が生長していく過程で、障害物を除けて曲がりながら下に伸びていきます。ですから見つけても全体を傷つけずに掘り出すことは至難の業です。
「ほんやま方式」は筒状のビニールの中で育てます。種芋の発芽点をビニールの筒の端に置いて、ビニールの下には芋が曲がらないように波板を敷くのです。そして真横より少し斜めにずらし並べながら7層位にしていきます。
ポイントはビニールの中の土。無菌・無肥料にしないといけないそうです。そのかわり周りの土には肥料を与えて、伸びた根が栄養を吸い上げ太くて真っ直ぐで美味しい自然薯が出来るという訳です。痩せた山土で頑張って生きてきた自然薯だからの栽培法なんですね。
写真の溝は収穫用に重機で掘られたもの。70〜80センチの深さがあります。目的は2つ。
1つは、地面の直ぐ下にある7層ほどの自然薯を楽に収穫するため。腰の負担が全く違うととおっしゃっていました。
もう1つは翌年のために下の土と上の土をひっくり返すためだそうです。今まで何回か取材しましたが、そのまま上から掘っての収穫だったので、その深さに驚きました。
畑には一面ブルーのネットが敷いてあります。これは自然薯の赤ちゃんとも言える「むかご」を採取するためです。「むかご」は炒っても茹でても炊き込んでも美味しく食べられます。これを目当ての人もいる位です。酒のつまみにも最高!
ネットを敷いている目的は収穫もありますが、畑に落ちてしまうと山芋が出来てしまうのです。そうすると農業栽培の妨げになってしまうのです。自然に生えた自然薯は曲がりくねって暴れますからね。栽培用の養分も取ってしまいますし。
「完熟むかご」は生で食べられます。撮影以外の時に、志帆ちゃんと食べました。さくっとして、味はまさに自然薯です。何やっても美味しいわけです。その晩は「むかごの炊き込みご飯」にしました。素揚げも食べたい!
《おいしいをつくりましょ。》
「ほんやまじねんじょでとろろ汁」
作り手はJA静岡市女性部の山崎静子さん(左)と山ア己志子さん
お二人はJA静岡市藁科加工センター「さくら」で地域の特産品を加工販売しています。今回はシンプルに「ほんやまじねんじょ」を使った「とろろ汁」を作って下さいました。
ひげ根をガスバーナーで取った自然薯を、大きめのすり鉢の擦り面でそのまま擦っていきます。時間の関係もあるのでおろし金も併用しましたが、すり鉢直接の方がきめが細かいとろろが出来ます。もちろんおろし金の方もスリコギでしっかりすりますのでなめらかになっていきます。「ほんやまじねんじょ」は素直な形で大きさもあり、軟らかいのですぐに擦れるのがありがたいと思いました。もちろんお手伝いしました。
シンプル・イズ・ベスト、やはり擦って味噌汁で伸ばしたとろろ汁は白ご飯や麦ご飯との相性が抜群です。消化が良くて滋養に富んだ自然薯はいくらでもお腹に入ります。
《今回の一枚》
自然薯畑横の空き地で、季節外れのサクラが咲いていました。最初は似てはいるけどまさか! と思いましたが、だれかが「どう見てもサクラですよ」と言いました。10月中旬、秋真っ只中での開花。葉もしっかりあります。我が家の河津桜の葉は茶色になってかなり落ちてしまっているのに、しっかりグリーンです。
今年は各地の様々な花で起きている現象だと伺いました。それにしても珍しいので思わず撮影していました。志帆ちゃんも熱心に撮っていましたよ。
自然薯収穫の横に、季節外れのサクラの花… 面白い風景です。
−味に優れた「堆肥」と収量の上がる「化学肥料」の使用比率を試行錯誤−
(撮影協力:JAふじ伊豆なんすん地区広報 大嶋知美さん)
今回の取材先は「JAふじ伊豆なんすん地区 青壮年部 長泉支部」の管理する田んぼ。長泉町のブランド米「するがの極」が今回の主役。「するがの極」は品種名では無く、厳しい基準をクリアした1等米の「キヌムスメ」のことです。生産に当たっているのもJAふじ伊豆なんすん地区の青壮年部の皆さん。
出演して下さったのはそのメンバーの加藤祥行さん(左)と下山滝史さんです。
「するがの極」を作り始めて3年目です。より美味しい米作りを目指して、現在も試行錯誤が続いています。
(枠内撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん)
一番力を入れているのが肥料。田んぼを分けて一方は「堆肥」、一方は「化学肥料」を入れて実験しています。堆肥を使うと美味しい米が出来るのですが、収量がもう一つ。化学肥料を使うと収量は上がりますが、美味しさでは堆肥に負ける。合わせ技にしたいのですが、比率がまだ掴めないそうです。
何故「堆肥」なのか? ここは「あしたか牛」の産地でもあります。牛糞には事欠きません。発酵させれば素晴らしい有機肥料になる訳で、それを活かしたいとする地元としての思いもあるのです。
コンバイン全盛で余り見ることの無くなった「はざがけ」がありました。昔の米作りでは欠かせなかった風景です。お米を逆さまにして干すことで茎の栄養分が下になった米粒に下りていきます。アミノ酸と糖の含有量が高くなってより美味しくなると言うわけです。
また稲わらの需要が有るのでやっているという理由も。やはり長泉町特産の大和芋の畑などに、土の保湿・保温・雑草防除などの理由で敷くのです。中でも雑草を生えにくくすることが大きな目的だそうです。はざがけにする稲束が作業しやすいサイズ。コンバインでの刈り取りも稲わらを自動で束ねることも出来るのですが、大きい束になってしまうのでとおっしゃっていました。因みに青壮年部の田んぼはコンバインです。
収穫の目安は葉の色…葉色(ヨウショク)だそうです。高ゥら黄色になってきたら米粒に養分が行き渡ってきている印ということ。そろそろ刈り取っても良いと判断するそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「焼きおにぎりに長泉町特産物を使ったあんかけ料理」
作り手は営農の植松伸政さん(左)と青壮年部の井出大市さん
まずフライパンで焼きおにぎりを作ります。そしてあんかけ用のあん作り。何と言っても長泉町特産のあしたか牛、白ネギ、大和芋を使った「あん」が贅沢でした。好みの味付けをして熱々の焼きおにぎりにジュワーっとかけたら、虜になりますね。
当然「good!」でした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
プレゼント告知コーナーの収録直前の写真です。生産者や営農などの出演者の方にも一言ずつですがコメントしてもらいます。その内容を確認するために確認しながらリハーサルしている風景です。
とは言いながら、この番組収録でリハーサルはあまりありません。特にインタビューはノーリハーサルで臨みます。
そして在京キー局では当たり前のカンペ(カンニングペーパー)は存在しません。カンペは楽なようですが目の動きが不自然になるので「ごちカン」では採用していません。
ただ、その分アドリブ質問が多くなる傾向があるようです(^_^;)
(撮影:JAふじ伊豆 大嶋さん)
−「国消国産」ってご存じですか?−
今回のロケ地はJA静岡市のファーマーズマーケット「南部じまん市」でした。早朝、農業生産者の皆さんが収穫物を運び込みます。自宅でのラッピングから、マーケットのバックヤードでの生産者名・値段・バーコードを印刷したシールの作成と貼付作業を行います。さらに陳列作業も生産者の仕事。生産者は販売にも深く関わっています。
開店の午前9時前になるとお客さんが次々集まり、列を作って扉が開くのを待ちます。ところで今回のロケ地が何故ファーマーズマーケットなのか?
「国消国産」ってご存じですか?
「国消国産」とは「国民が必要とし消費する食料はできるだけその国で生産する」というものです。
国内生産の割合を示す指標「食料自給率」ですが、昭和40年頃の日本は70%位ありました。ところが現在は38%。そして有事の際には食料輸入がままならなくなる事も考えられます。真剣に取り組まないと国の存続に関わる状態と言えます。
そこで「国消国産」なのですが、具体的には地域の地産地消の推進が原動力です。
となると地産地消の代表とも言えるJAのファーマーズマーケットの取り組みが大事。という事で農家と消費者の架け橋ファーマーズマーケットが今回のロケ地になったというわけです。
そして放送日の10月16日は「国消国産の日」。理由は1945年に「国連食糧農業機関」が発足した日ということと、1981年に国連が「世界食料デー」に定めた日でもあるということで、JA全中が10月16日を「国消国産の日」として制定したそうです。
(写真左:「南部じまん市」店長 吉井健二さん、その後JA静岡市広報 徳田龍亮さんと大長理恵子さん、その後同じくJA静岡市広報 岡山淑子さん、JA静岡中央会広報 新澤大樹さん)
ところで今回馴染みの無かった野菜に出会いました。トウガラシの品種の一つ「ハラペーニョ」です。メキシコの青唐辛子で、辛さは中程度ということですがほとんど食べたことがありません。
この取材でお目にかかった喜納真樹さんが搬入。ピクルスにすると美味しいとの事で、試食させて頂きました。
写真は、その「ハラペーニョ」のピクルス。輪切りにして1年漬け込んだものです。1年という期間がマイルドな辛さにしてくれるそうです。種がたくさん見えていますが、種も美味しく食べられるとのことでした。
食べ方はクラッカーにクリームチーズを乗せ、その上にハラペーニョのピクルスを置いて一口で食べます。口に入れた瞬間は辛さは感じません。噛んでいく内にジワジワと辛さがやって来ます。でも1年漬け込んであることと、クリームチーズの働きもあって非常にマイルド。後を引く美味しさです。
「お酒との相性は抜群だね…」と志帆ちゃんと頷き合いました(^_^)
−「金芽米」とは特別な技術で精米した有機栽培「キヌムスメ」のこと−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 山田雅人さん)
今回の取材先は焼津市中新田の村松哲彦さんの田んぼ。
「金芽米」は品種名では無く、特別栽培米として有機肥料で育てられた「キヌムスメ」を特別な精米技術で精米したお米のことを言います。
【金芽(キンメ)】とは、胚芽から舌ざわりのよくない「幼芽(ヨウガ)」や「幼根(ヨウコン)」を取り除いた胚芽の底の部分のことで、専門用語では「胚盤(ハイバン)」と言います。この胚盤にはビタミンB1やビタミンEが豊富に含まれています。
そして「金芽」と同時に大事なのが「亜糊粉層」なんです。
【亜糊粉層(アコフンソウ)】とは、白米の表面とヌカ層の境目にあるミクロン単位の非常に繊細な層で、おいしさを感じさせるうまみ成分であるオリゴ糖類、食物繊維などを多く含んでいます。
普通の精米方法では削り取られてしまうので、「均圧精米法」という特別な精米技術を使います。米同士をゆっくりこすり合わせる精米法で「金芽」と「亜糊粉層」を残すことが出来る精米法だそうです。
それを無洗米加工して「金芽米」の完成という訳です。
【金芽米をおいしく炊く方法は?】
金芽米は無洗米仕上げをしているので、とぎ洗いする必要はありません。おいしく炊くコツは水加減と浸水。
亜糊粉層は、水を多く吸収するのでお米1カップにつき、水の量は普通より水を5〜10%プラスして炊いて欲しいそうです。水加減が少ないと、ご飯がまずくなったり、冷めた時に硬くなったりするんですって。
この炊き方で「金芽米」を頂きました。
炊いて下さったのは、JAおおいがわの寺岡奈津子さん(左)と京谷百夏さん
炊く時は、1時間程度浸水することで、よりおいしく炊きあがるそうです。そして炊飯器に付属しているカップで計る時は、くどいですが水を5〜10%多くする事を忘れないようにとの事でした。
ただし、「金芽米」には専用カップが付いています。そのカップでお米を量ると水加減は普通に炊くときと同じになるので、気にしなくて良いそうですよ。味は文句なしです。キヌムスメは元々粒が大きい品種ですが亜糊粉層による水の吸収のせいか、より粒の大きさを感じさせ食べた感も増します。亜糊粉層のお陰か甘味旨味がより強く感じられるような気がしました。
(撮影:JAおおいがわ 山田さん)
《今回の一枚》
本編放送時には流れませんが、15秒のPRスポットを作っています。今回のPRスポットラストシーンをJAおおいがわ広報の山田さんが撮って下さったショットです。
澤井:(お茶碗を差し出して)お代わり!
國本:(炊飯器のお釜を見せて)もうないよ。
というシーンなんです。撮影は少しの遊びを入れながら、楽しい雰囲気を感じて頂けるように考えながら作っています。
最後に…しつこいようですが金芽米を炊く時の米の量は、普段より1割少なく!
亜糊粉層のお陰で、少ないお米でいつもと同じ量のご飯を炊くことができる事をお忘れ無く!
つまりいつもと同じ量のご飯でもカロリーがカットできるんです!
(撮影:JAおおいがわ 山田さん)
−美味しいチンゲンサイは根元が大きく膨らんでいて固いもの−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回の取材先は浜松市東区にある 川合 翔さんのハウス。ドーンと奥行きのある広いハウスです。お邪魔したときはまさに収穫の真っ最中でした。
チンゲンサイの本来の旬は晩秋から春、気温の低い時期が美味しいとのこと。ただハウスの場合は周年栽培していて、時季にもよりますが今の時季は植えてから40日位で収穫出荷だそうです。
ただ寒い時季が得意なチンゲンサイ。高温多湿が苦手なので、特に夏は細かな換気と温度調節が欠かせないとおっしゃっていました。
周年栽培ですから、ハウス内には苗から始まっていろんな成長段階のチンゲンサイが並んでいます。順繰りに植えては収穫となるわけですが、異なる成長段階のチンゲンサイが同居しているので細かいケアが必要だとおっしゃっていました。時季によってはなかなか休めないとも…。
傍目には一年中収穫出来て実に効率が良いのではと思っちゃいそうですが、なかなか大変なんですね。
美味しいチンゲンサイの選び方ですが、葉が大きくシッカリしていて、根元が膨らんで固いものを選ぶと良いそうです。
チンゲンサイは、調理の熱にも強く色あせないし味も落ちないという優れもの野菜。素直な味なのでどんな料理にでも合う食材なんです。
そして、浜松が有数のチンゲンサイの産地ということも知ってほしいと川合さんはおっしゃっていました。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「シュウマイ風チンゲンサイ包み」
作り手は女性部の土屋友子さん(左)と小池太江子さん
チンゲンサイを葉と茎の部分に切り分け、葉は包む事を考えて600Wで1分加熱しておきます。茎の部分を細かく切って600Wで2分加熱してから水分を切り、挽肉と混ぜます。そこにすり下ろした生姜と醤油と中華だしを加えて、チンゲンサイの葉で丸く包んでシュウマイのような形にします。
そして600Wで5分加熱すれば完成。
そのままでも美味しかったのですが、スダチを少しかけたら本当に味がスッキリ爽やかになって素敵なおかずにも酒のあてにもバッチリという感じでした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(枠内写真撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
ハウスでの出演者とJA広報の山田さんも交えた志帆ちゃんの自撮り写真です。志帆ちゃんのすぐ後が生産者の川合さん、その後が営農の阿久津浩樹さん、そしてJA広報の山田さんです。
撮影が一段落したところで、雰囲気もすっかりほぐれた状態での写真ですから自然な表情が表れていて大好きなショットです。
余談ですが、川合さんと阿久津さんは高校での2年違いの先輩後輩。親近感がより増して、いろいろな協力関係に良い影響を与えてくれる…と二人で笑っていました。
−肥料に「菌(微生物)」と「米ぬか」を混ぜて、より品質の高い米作りを−
(撮影協力:JAふじ伊豆御殿場地区広報 井上郁子さん)
今回取材をお願いしたのは御殿場市の勝又靖雄さんの田んぼ。全国的にもその実力が認められてきている「ごてんばこしひかり」ですが、勝又さんは更なる品質向上を求めて努力なさっています。
その一つが「水温管理」。御殿場は標高が高いので夜間は気温が下がります。気温が下がれば田んぼの水温も下がります。そうすると米の生育が遅れるそうです。
勝又さんと仲間の皆さんは田んぼと用水の水温を測って、田んぼの水温が用水の水温よりも下がる夜間に用水から給水することでスムーズな生育を図ってきました。太陽が昇れば田んぼの水温は上がりますので気を付けなければいけないのが夜から朝にかけてなんですね。
対策は取水口の開閉とそのタイミング。開閉は勝又さんたち「ヒトの力」なので大変なのです。質の高い米をより多く収穫するための不断の努力をしているのですね。
もう一つの工夫が「菌を培養して肥料に混ぜて使う」。写真のペットボトルの中身が「菌(微生物)」なのです。どんな菌が入っているかというと、「納豆菌・光合成細菌・酵母菌・放線菌など」だそうです。
・納豆菌の仲間は、土壌環境を整えてくれる
・光合成細菌は、イネの根腐れの原因となる硫化水素や悪臭の原因となるメルカプタンなどを栄養分として取り込み、植物や微生物などが栄養分として欲するアミノ酸や核酸などを作り出します。
加えて、ごてんばこしひかりの米ぬかを肥料に混ぜて再利用しているそうです。米ぬかはその栄養分もさることながら、雑草対策・害虫対策にも効果があるそうです。
勝又さんと仲間たちは「ちりちり」という陶器の鉢を作っています。焼き物作家に依頼して、ごてんばこしひかりを刈った後に出るわらを使って模様を付けています。イノシシの毛などを使ったものもあります。
使い方は自由。植木鉢になっていますので、そのまま植木鉢として利用しても良いし、一輪差しなどの入れ物としても良し。飾り物として鑑賞もOK。自由な発想で楽しんで欲しいという姿勢です。
全体のモチーフは、見ての通り御殿場の象徴「富士山」です。
《おいしいをいただきましょ。》
「釜炊きごてんばこしひかり」
味わったのは、御殿場肉処「くうら」。釜で炊き上げた炊き立てのごてんばこしひかりを頂きました。
おかずは何もありません。塩も無しです。炊き立てのごてんばこしひかりだけを味わおうという趣向です。
何度味わってももちもち感と噛めば噛むほど感じられる甘み。昨年暮れに開催された「第18回お米日本一コンテスト」で最高金賞を受賞するなど、納得の食味でした。
(写真:御殿場肉処「くうら」店長堀出哲也さん(左)と川口拳気さん)
《今回の一枚》
今回生まれて初めてコンバイン(米の刈り取り機)の試乗体験をしました。最初まごついたのはタイヤではなくキャタピラである点。方向転換が自動車よりもはるかに小回りできます。
もう一つ知らなかったことは稲の茎を刈る事によって生ずる粉塵の凄さです。事前に聞きましたので想定はしていましたが、マスクがとてもありがたかったです。肌の露出しているところに粉塵が付着すると、お風呂に入るまでかゆいと言っていました。
現に志帆ちゃんは直後から「首の周りが、かゆい」と言っていました。機械で刈るのは楽だと思ってはいけません。農家の大変さの一つを知った思いです。
(撮影:JAふじ伊豆 井上さん)
−未成熟な落花生「しなす」も人気−
(撮影協力:JAふじ伊豆富士宮地区広報 大塩里紗さん)
今回のスタートは、ファーマーズ・マーケット「う宮〜な」。開店8:30前から行列が出来ています。
お目当ては「落花生」。開店と同時に落花生売り場に一目散。次々に買い物籠に入れていきます。
中でも「しなす」と呼ばれる落花生が人気です。「しなす」は未成熟な落花生のこと。未成熟だからこそ、とても軟らかいのです。成長し始めの、殻も透明感のある「しなす」は殻ごと食べられるので地元の人には喜ばれます。
ただ売り場には写真のような注意書きがあります。要は「しなす」を知らない方が「不良品の落花生を買ってしまった」と誤解しないように掲示してあるのです。実際以前にはそういうクレームもあったそうですが、大分浸透してきているようだとおっしゃっていました。
売り場には「しなす」だけを入れた袋の他、「しなす」も含めたいろいろなサイズを混ぜた袋もあって好みに合わせて楽しめます。
取材圃場は富士宮市北山にある小澤慎吾さんの畑。写真はマシーンで根こそぎ大きく掘り起こしているところです。掘り起こした後は手作業です。落花生が付いている実を外していくのです。
雨が降ろうと収穫は休めません。生育が待ってくれないということではなく、出荷の取り決めがあるからです。実の外し作業も傷つけないように気を付けながら行います。小澤さんも含め5人の皆さんでの根気強い作業です。
(撮影:JAふじ伊豆 大塩さん)
作業場に持ち帰り洗浄機で洗浄。そして乾かし、更に汚れを落とし選別していくのです。小澤さんはサツマイモも栽培しており、洗浄機は本来芋用だそうですが落花生も綺麗にしてくれるので重宝しているとおっしゃっていました。
この地の落花生栽培は100年以上の歴史があるのですが、去年3月に改めて「富士宮落花生部会」を設立。独自の出荷規格を定めて高品質の統一化を図っています。生産量は毎年50d以上あり、県内有数の産地となっているのです。
(撮影:JAふじ伊豆 大塩さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「塩茹で落花生」
作り手は小澤さんご本人
材料は落花生2Kgと塩150g。大鍋に落花生2Kgを入れ、被る位の水を注ぎ込みます。そこに塩150gを入れてかき混ぜ、火にかけます。途中であくが出てきますが、構わず1時間半ほど茹でて完成。
シンプルですが、落花生の美味しさをストレートに味わえる調理法です。「富士宮の伝統食」としてこの時期富士宮地区の人は「塩茹で落花生」を楽しむのだそうです。
塩が落花生の甘味を引き出して、食べ始めたら止まりません。もちろん「しなす」もありましたから、志帆ちゃんもその溶けちゃいそうな柔らかさを堪能していました。
撮影の残りを頂いたので、帰ってからスタッフ皆で分けました。前回の石川小芋同様アルコールの素晴らしいお供でした(^_^)
(撮影:JAふじ伊豆 大塩さん)
−石川小芋は「石川早生丸」という里芋品種の孫芋−
(撮影協力:JA遠州夢咲企画広報課 浅原直樹さん)
今回の取材先は掛川市浜野にある杉浦 智(サトル)さんの畑。石川小芋は「石川早生丸」という里芋品種の孫芋を指すブランド名で、掛川市の大東・大須賀地区の特産物です。
小ぶりで形がまん丸いのが特徴で、まん丸に近いほど高値で取引されるため、杉浦さんを始め生産者「石川小芋委員会」の皆さんはまん丸の孫芋を栽培するために様々な工夫をされています。杉浦さんによると「まだ手探り部分がありますが、肥料かなと思って実践しています」とのことです。
石川早生の名前の由来は、大阪府南河内郡の石川村がこの芋の原産地とされることによるそうです。
里芋は中心になる親芋の周りに子芋が出来、その子芋に孫芋が付いてきます。その孫芋を「石川小芋」として出荷しています。
因みに子芋は「里芋」という普通の名前で出荷しています。親芋は茎と同化したような感じで硬いので食用にはしないとそうです。
親芋が美味しく食べられるのは磐田市の天竜川水系などで栽培される「海老芋」と、沼津市の愛鷹山麓で栽培されてきた「大中寺芋」が挙げられます。
栽培ですが、収穫した芋を土に埋めて貯蔵保管し、翌年の春掘り出して子芋・孫芋を種芋として芽を出させます。4月中旬位に植え付けると種芋から出た芽の下部が親芋になって子芋・孫芋を作っていきます。収穫は8月下旬〜9月。では種芋はどうなるのか?
それが左の写真です。私が持っているのは逆さにした親芋、その下にシワシワになった物が付いています。それが成分を吸い取られた種芋の姿です。自然薯もそうですが、種芋が親芋になるわけじゃないんですね。
種芋の姿を見ていると身につまされるものがあります(^_^;)
(撮影:JA遠州夢咲 浅原さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「おつまみ石川小芋」
作り手は杉浦さんのお母様かね子さん
一番石川小芋の美味しさを感じることの出来る皮ごとの塩茹でです。芋がおおよそ被る位の水に塩を適量入れ、皮を付けたままの石川小芋を鍋に入れて20分程茹でれば完成。
好きなタレを付けて食べるのですが、楽しいのは適度な力で摘まむと中身がチュルンと出てくることです。皮の部分は摘まんだままタレを付けて口にこれまたツルッと放り込む。
芋自体は素直な味ですから、考えられるものには大体合います。
試食したのは、生姜醤油・カレールー・みたらし。全部OKでした。
(撮影:JA遠州夢咲 浅原さん)
《今回の一枚》
その「チュルン」、杉浦さんの指先アップ写真です。JA遠州夢咲 浅原さんが撮って下さいました。静岡県民の多くの方は「チュルン」をよくご存じだと思います。
今回出てきませんが、私の好きなタレは「焼き肉のタレ」。お酒にも良く合います(^_^;)
私のSBS静岡放送入社時、可愛がって貰った先輩ディレクターが自宅に私を招いては「チュルン」を振る舞って下さったのが忘れられません。その時のタレが「焼き肉のタレ」だったのです。
実は「チュルン」初体験だった志帆ちゃん。美味しさの虜になった事もあって直ぐに上達。「何個でも食べられる!」と叫んでいました。
(撮影:JA遠州夢咲 浅原さん)
−バレンタイン・誕生日などのイベントに人気が高まるマム−
(撮影協力:JA静岡市広報 徳田龍亮さん)
今回取材をお願いしたのは藤枝市大東町にある海野大夢(ヒロム)さんのハウス。およそ20品種のマムを栽培されています。実は3年前の2019年9月8日のごちカンで海野さんのハウスを取材していますので、今回は2回目の訪問でした。
お目にかかるなり、海野さんがちょっと困った顔をなさっています。訳を伺うと「今年は梅雨明けが早く、猛暑も例年にも増してきつかったので開花が遅れている」とのこと。
確かに小さな蕾み状態が圧倒的に多く、咲き誇っているというには程遠い状況でした。
写真は左は営農の岩崎朔也(イワザキ サクヤ)さん、右側が海野さんです。
(撮影:JA静岡市 徳田さん)
前回も触れてますが「マム」というのは「菊」のこと。菊の学名「クリサンセマム(Chrysanthemum)」の略なのです。日本では「和菊」に対して「洋菊」という括りで区別しています。
マムはつぼみの状態では出荷しません。開花後の花保ちがとても良いことから、開花してから出荷するのです。
写真は静岡市の「長田じまん市」。各地から集まっている早めの開花を迎えたマムが並んでいました。
「菊」は「仏花」というイメージが強いですが、特にマムの場合花の形・咲き方・色がバラエティに富んでいてお正月やバレンタイン、誕生日やクリスマス等に人気が高くなっています。
これから先いろいろな需要が予想され、マムの将来は有望です。
静岡県は愛知や沖縄のように生産量が多い産地ではありませんが、「静岡といえばこの品種!」と言われるような希少性と品質の高いマムを栽培している地域だそうです。
具体的には「マグナ」という名の赤いマムが人気だそうです。当然ながら今は「マグナ」は咲いていません。写真はイサビスという品種名のマム。それを愛でている志帆ちゃんの写真を撮りました。
年間を通して出荷調整しているマムですが、本来の旬を伺うと10月〜11月だそうです。「その時期は壮観ですよ」とおっしゃっていました。
今回も「フラワーアレンジメント」体験。先生は静岡市葵区鷹匠生花店「フローラ45」店長の杉山夢花(ユメカ)さん。お仕事にピッタリの名前ですね。お父さんがお付けになったとのこと。
製作テーマは「秋〜お月見〜」
用意されたススキの穂がまさに秋ですね。さぁどう作るか…。ススキを頂点にして、半球状にマムを配置していきます。土台はもちろん吸水スポンジ。
四苦八苦している二人の様子をJA静岡市広報の徳田さんが撮影してくれていました。
(撮影:JA静岡市 徳田さん)
完成した作品が左の写真。枠写真が先生の杉山夢花さんです。
志帆ちゃんはテーマがお月見なので、白いポンポン咲きマムをお月見団子に見立てて下に配置しました。そして黄色のマムを小さなものから上に行くに従って大きなものへと動きを付けた作品に仕上げました。この角度では見えませんが、真後ろに2輪の乱れ咲きマムがあり、それは志帆ちゃんと私ということでした。ありがたい!
私はというと白いポンポン咲きマムはススキの足元に月に見立てて置き、その下に月を愛でるように守るように乱れ咲きマムを配置しました。
志帆ちゃんの方がシッカリしたコンセプトでした。
(撮影:JA静岡市 徳田さん)
−豊かな土壌作りが基本、土壌中の微生物が農作物生育に大きな役割−
(撮影協力:JA静岡経済連広報担当 中瀬諒亮さん、JAみっかび広報 本門佑希音さん)
今回のテーマは、ごちカン初めての「肥料」です。農作物生産には欠かせない「肥料」、その世界は奥深いものでした。
最初にお邪魔したのは三ヶ日町にある内藤宏基さんのハウスミカン畑。ハウスミカンはそろそろ収穫時期です。内藤さんはハウス内の土を採取していました。何のための採取なのか。それが今回ロケの柱だったのです。
目的は土壌分析でした。この畑に適した配合の肥料を知るための分析をして何が足りていて何が足りないのかを知ることが目的だったのです。
(撮影:JAみっかび広報 本門佑希音さん)
肥料が何故必要なのか?理由をググると
@植物自身が作り出すことができない
A土の中に十分に含まれていない
ということだそうです。
中でも肥料の三要素と言われる「窒素(N)・リン酸(P)、カリ(K)」は必須の物質です。その含有量を計測し、足りている物は控えて足りない物は補うという施肥計画を立てるわけです。従ってサンプル土壌を提出すると自分の畑の状態を知ることが出来、安定的な収穫を目指して適切な配合肥料を撒いていくのです。
(写真はサンプル土壌)
しかし肥料の三要素だけだと最初は良くても数年後には収穫出来なくなると言います。そこで訪れたのがJA静岡経済連大井川肥料工場です。工場長の小笠原紀征さん(写真)によると、三要素だけだと土地が痩せてしまい植物がその三要素を吸い上げることも出来なくなるそうです。
大事なのは豊かな土壌作り。そのために魚のあらからできたものや植物油の搾りかすなどを撒いて地味を肥えさせると、微生物が繁殖。その微生物が有機物を分解し栄養分に変えて、根から吸収しやすい形にしてくれるのです。三要素だけ撒いても駄目、植物が吸収しやすい環境作りが必要だとおっしゃいます。写真は有機肥料の原料サンプル群です。
(撮影:JA静岡経済連広報 中瀬さん)
各圃場から提出された土壌サンプルを分析し、足りている物と足りない物を調べるのもこの工場の仕事。
分析を担当するのはJA静岡経済連「大井川肥料工場土壌分析センター」の塚本大智さん(写真)。
その分析結果をJAに報告すると各JAの営農指導員がそれを元にそれぞれの圃場に最適な肥料配合を計画するという訳です。
分析はセットさえすればすべて自動的にマシーンが計測します。しかし計測が終了した容器の洗浄はすべて手作業。
「大変です」とおっしゃっていました。
様々な農作物があるが故に肥料も数多く作られています。同じ作物であっても、生産コンセプトによって微妙に異なります。隣り合った生産地であっても、配合要請は違う場合が多いのだそうです。
写真は三ヶ日ミカンの有機肥料の配合設定例です。とは言いながら我々に分かるのは言葉としての「なたね粕」と「肉骨粉」でしょうか。
話を伺えば伺うほど、肥料の世界も奥が深いなと思いました。
枠写真は、こうして生産された肥料を保管してある倉庫です。
−米ぬか配合飼料で脂質中のオレイン酸が豊富な肉牛を−
(撮影協力:JAふじ伊豆三島函南地区広報 奥村彩恵さん)
今回取材をお願いしたのは三島市にある前島昌夫さんの牛舎。
正直言って「箱根西麓牛」というブランド牛の名前を知りませんでした。
「三島函南肉牛委員会」という組織があって、現在4人の生産者が“箱根西麓牛”を育てているそうです。
12年前の2010年に「三島ブランド」の認定を受けたそうで、私が知らなかっただけで干支一回りの年月が経っているんですね。
箱根水系の良質な水とこだわりの餌で、肉質が柔らかくコクと旨味があり、味も濃い肉牛を育てているとおっしゃいます。
生後2ヶ月で購入し、24ヶ月で出荷。
その出荷3か月前からは、米ぬかを混ぜた配合飼料を与えているそうです。その効果で赤身の部分は柔らかく、脂身はオレイン酸を多く含むようになると言います。
牛肉はいわゆるサシの入りかたでランク付けされてきましたが、脂質中のオレイン酸を評価基準とする動きがあります。
その評価基準はオレイン酸が55%以上含まれているものを特に優れた和牛とするというものです。
オレイン酸が多く含まれると、濃厚だけどしつこくなく後味が幾分サッパリなのだそうです。
オレイン酸は動脈硬化を防ぐ役割が知られていますので、私のような団塊の世代には大歓迎の牛肉になるかも知れません。
(写真:前列左からJAふじ伊豆佐野瑛海さん・前島さん・営農吉岡武志さん・後列左広報奥村さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「箱根西麓牛のねぎ塩巻き」
作り手は、JA職員の下村真理子さん(上枠内)と宮内結菜さん
ネギを細切りにして水にさらし、水を切ったところでにんにく・ごま油・塩を入れて混ぜます。後は下ごしらえした「ねぎ塩」を、箱根西麓牛の薄切り肉で巻いてフライパンで焼けば完成。
試食しましたら、脂身はもちろん赤身も口の中で溶けると感じる位軟らかいので食べやすさ抜群でした。ねぎ塩が牛肉の旨さを引き立てていると思いました。
また牛肉の濃厚な味がねぎ塩の味をマイルドにしてくれて、良いコラボレーションでした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
ロケが一段落したところで、何やら声を掛けてきた方がいらしたので見ると今まで富士宮でしかお目にかからなかった上杉明正さん(写真左)とおっしゃる方でした。
「どうしたの?富士宮じゃないのに…」と言ってからハッとしました。そうか今年4月から富士宮以東のJAの多くが一緒になって「JAふじ伊豆」になったんだった、と思い出したのです。
新しい名刺をもらって確認したところ、上杉さんは現在JAふじ伊豆営農部畜産課の課長職にあります。
何年も前に初めてお目にかかった時、タレントの伊集院光さんに似ていらっしゃるなと思ったので上杉さんと呼ばずに「伊集院さん」と呼んだものです。それを許す気さくさが大好きで、ロケ現場に顔を出して下さったことに感謝しました。
(写真のもう一人は同じ畜産課 佐藤 功さん)
−農作物の後にある自然・人・農作業を知って欲しい−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 山田雅人さん)
今回取材をお願いしたのは、川根本町の土屋和明さん(枠写真右)んのお茶畑。土屋さんのお茶農園は全国茶品評会で2回も農林水産大臣賞を受賞している農園です。
でも今回のテーマは「お茶」ではなく「農泊」。「農泊」と言っても泊まることを主眼に置いているわけではありません。普段食べている野菜や果物の後には、どんな自然が有り、どんな人がいて、どんな風に栽培・収穫されているのか…それを肌で感じて貰いたいというスタンスでの企画です。ですから宿泊ありきではなく、日帰りOK。
推進者の一人土屋さんが実践しているのは「天空のテラス」。自身の傾斜した茶園の上部にウッドデッキを製作。眼下に茶畑と集落のある風景が広がります。「会話をやめると自然の音しかしなくなるでしょ?」事実会話をやめた瞬間、セミの声・鳥の声・木々をかすかに揺らす風の音がしてきます。新鮮な空気の匂いも感じられ、浸っているうちにナチュラルな自分がそこにいました。
(撮影:JAおおいがわ 山田さん)
「天空のテラス」にゲストを案内して、そんなお話をしながらお茶を淹れて下さいます。
今回はまずウェルカムティーとして「炭酸茶」。水出ししたお茶に炭酸を溶け込ませたものです。シャンパングラスに注いで提供して下さいました。
水出し茶とは全く違う味わい。炭酸のシュワ感が口に喉に心地よく、味も炭酸のほのかな酸味が爽やかさ一杯でした。最初少しずつ飲んでいましたが、途中からグーッと飲んでしまい、思わず一言「うまい!」
そして提供されたのが「氷出し茶」。蓋のある茶器に浅蒸し煎茶をそのまま入れ、そこに氷のかけらを2〜3個入れます。蓋をしてある程度氷が溶けるまで待ちます。この待っている時間に期待もあってお茶の話と周りの自然の話が弾んでくるのです。
氷が半分位溶けた頃、茶葉が冷たい水を一杯に吸って旨味がしみ出してきます。そして飲み方は蓋をちょっとずらして茶葉が口に入らないようにする「すすり茶」。渋味苦味成分のカテキンが出てきませんから、濃厚な旨味と甘味が口の中に広がります。多少時間はかかりますが試していただきたい淹れ方です。
《おいしいをつくりましょ。》
「らっか煮」
作り手は、JA女性部の小玉文子さん(左)と又平しづ江さん
「らっか煮」は昔からこの地域に伝わる郷土料理だそうです。
作り方は、まず生の落花生を指でつぶれる位軟らかく煮ておきます。そしてコンニャク・ゴボウ・ニンジン・シイタケなどを細かく切ったものと一緒に鍋に入れ、砂糖と醤油で甘辛く煮ます。少し時間はかかりますがシンプルでどこか懐かしい味で、おかずはもちろん、酒のつまみにもピッタリだと思いました。
作るときは大鍋で作るそうです。「食べきれないんじゃない?」と伺ったら「家々で味が違うから、交換し合うの。そのためなのが理由」とのこと。地域が和気あいあいとなって楽しそうです。事実摩擦があっても「らっか煮交換」で仲直りすることはよくあるそうですよ(^_^)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
今回の番組では触れていませんが、圃場出演者の土屋和明さんとは旧知の間柄です。お茶の生産者としてではなく、テレビ番組の制作ディレクターとしての土屋さんです。
以前の勤務先だったSBS静岡放送でいろいろな番組を一緒に作っていた仲なのです。特に今から24年前の1998(H10)11月から足かけ7年担当した「お〜い!トムソーヤ」という団塊の世代を中心ターゲットにしたTV番組でお世話になりました。スタジオ収録、ロケ収録…様々な仕事でチームを組んだ仲間でした。
事前に送られてきたごちカン収録スケジュールを見たとき「土屋和明?まさかあの土屋さん?」と思い、思い切って連絡してみました。勘は当たりました。とは言いながらロケ中は思い出話に浸る時間はありません。日を改めて、コロナ情勢を見極めながら一献傾ける日を楽しみにしています。
今は川根本町まちづくり観光協会事務局長でもいらっしゃる土屋さん。地域のリーダーとしての活躍も大いに期待しています。
土屋さんの一言「晴れた夜は天の川も見られるんですよ…」いつか、夜来たいと思いました。
−掛川市の2つの肉牛牧場が農林水産大臣賞と県知事賞に−
(撮影協力:JA掛川市広報 袴田真司さん)
今回取材をお願いしたのは掛川市遊家の遠山裕丞さん(左)と掛川市下垂木の堀内慎也さんの牛舎。
実は、昨年(2021年)12月第95回静岡県畜産共進会肉牛の部の審査が行われ、遠山さんの掛川牛が「黒毛和種去勢」部門で最高賞である農林水産大臣賞を受賞。また堀内慎也さんの掛川牛は黒毛和種雌部門で県知事賞を受賞しました。
同じ掛川市で農林水産大臣賞と県知事賞を受賞した牛舎が出たという事で、取材にお邪魔したという訳なんです。
(撮影:JA掛川市 袴田さん)
品質の高い肉牛を育てていく上で、遠山さんが最も気を付けている部分は、とにかく牛にストレスを与えない事だそうです。見た目で分かるのは、角を切らない、鼻輪をしないという事。
あと飼料はJA掛川市の「肉牛部会」の仲間で開発し、共通で使っているオリジナル飼料があるそうです。そして個々に微調整しながら高品質な掛川牛生産にいそしんでいらっしゃるわけです。餌を沢山食べさせればいいというものでもなく餌の量や与えるタイミングなどに今も気を遣っているそうです。…でしょうね。
黒毛和種去勢部門というのがあるんですね。「去勢」は睾丸を取ることですが、去勢する理由は飼育上の問題と肉質。
雄牛は去勢しないと特に発情すると気性が荒くなるので飼育しにくいのだそうです。また、雄牛の肉質は硬いのですが、去勢すると軟らかい肉質に。その柔らかさは雄と雌の中間位というよりは、かなり雌よりになるとのこと。なので肉牛の一部門となっているんですね。
なお去勢時期は生後4ヶ月、繁殖牧場での作業だそうです。
掛川牛の特徴を伺っていたら遠山さんが「とにかく食べてみて…」とおっしゃるので、紹介された掛川城の目の前にあるイタリアンレストラン「ペーザロ」を訪れました。
おすすめメニューは「ローストビーフ」と「ラザニア」。志帆ちゃんがローストビーフ」、私が「ラザニア」を食べました。食べる前に料理を撮影。「ラザニア」はとにかく熱そう。時間が経っているのに志帆ちゃんがスプーン上げをしてもしっかり湯気が!
それなりに猫舌の私、恐る恐る口に入れましたら丁度良い温度。料理長の高瀬遥平さんが食べ易い温度にしてくれてありました。何と優しい心遣い…最敬礼しました。
「ローストビーフ」は軟らかく美味しいコクのあるお肉。「ラザニア」は粗挽き肉で食べ応えがあり、ホワイトソースとのからまり方が絶妙でした。
《今回の一枚》
3枚目の写真の直後です。人なつこいのですが、鼻水が気になる牛でした。くしゃみでもされたら鼻水が飛んできそうだな…と思っていた矢先、鼻の付近になにやら音がしました。「これは来る!」と感じた私は、瞬間的に飛び下がっていました。
スマホを構えていた志帆ちゃんがすかさずその瞬間を撮影。私の表情と手などのブレが、慌てた様子をバッチリ捉えていました。写真を撮るときは常に冷静な志帆ちゃん…さすがでした。
それにしても、その様子を眺めている牛の不思議そうな表情。「何を慌ててるの?」とでも言いたげですね(^_^;)
−スイカは塩を加えるとスポーツドリンク−
(撮影協力:JAふじ伊豆(伊豆の国担当)広報 梅原綾花さん)
今回取材をお願いしたのは伊豆の国市田中山の伊藤 誠さんのスイカ畑。伊豆地方ではこの「田中山スイカ」と「函南スイカ」が非常に有名です。ブランド名になっている田中山は標高299.5メートルの伊豆の国市にある山で、スイカのほかにも大根が有名な所です。火山灰を含む良質で肥沃な土壌と、温暖な気候、天城山からの冷たい気流の寒暖差がスイカの甘味を増して、シャリ感のある美味しいスイカを育んでくれるそうです。
伊藤さんはスイカ作り50年の大ベテラン。この田中山スイカの苗はほとんど伊藤さんが作っているそうです。
楽しそうにスイカを抱えた志帆ちゃんの後の畑にビニールのトンネルがあります。何のためにあるかというと、まず4月頃の苗の植え付け作業時の寒さ対策が目的です。そして6月頃から受粉作業に入りますが、梅雨の時期と重なるため雨が降ると活着率(しっかり受粉する確率)がよくないので雨よけに使うためだそうです。
受粉作業は虫たちが活躍する時期になるまでは、伊藤さんの手作業。大変だとおっしゃっていました。
それにしても志帆ちゃん嬉しそうですね。
スイカにはカリウムが豊富です。カリウムは疲労回復や利尿作用があり、むくみ改善効果も期待できます。
また多くの人が食べずに捨ててしまうスイカの皮には、血流改善や抗酸化作用のあるスーパーアミノ酸「シトルリン」が含まれているため、血流状態をよくしてくれる働きがあります。シトルリンは他の果実にはほとんど含まれていない成分なので、むくみが気になる方はカリウムとシトルリンの多く含まれたスイカを食べると良いそうです。
私は皮の白い部分に塩をかけて一夜漬けにしたものが大好きです。
(撮影:JAふじ伊豆広報 梅原さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「ミキサーいらずのスイカスムージー」
作り手は、JAふじ伊豆女性部の日吉由里子さん
スイカを3cm位にカットして、種を取ってから半分に分けて一方は冷蔵庫、一方は冷凍庫で凍らせます。そしてポリ袋に 冷凍スイカと冷蔵スイカを入れて揉むのです。
手の温かみと冷蔵を合わせることによって冷凍したスイカが崩れてきたら塩を好みの量加えて完成。
自分たちが食べるのは自分たちでという事で、私も志帆ちゃんも揉み揉みしました。これが冷たい!でも当たり前ですがとっても美味しく出来ました。写真手前のガラスコップの中が完成したスムージーです。
志帆ちゃんがスプーン上げしているのは「スイカのピザ」。ピザとは言っても焼きはしません。輪切りにしたスイカに好みのフルーツやチーズなどをのせたデザートです。意外にもスイカとチーズが合うので驚きました。スプーン上のクリーム色のものがチーズです。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
今回の番組には出演されていませんが、田中山スイカ取材の最初の出演者が伊藤さんと仲良く並んでいらっしゃる伊賀賢治さんです。ごちカン2年目の2016年8月7日の放送回で出演されました。枠写真が当時のもの。一緒に写っているのは初代相棒の杉岡沙絵子アナウンサーです。
この時、伊賀さんが「スイカというのは、95%が水分なんだけどミネラルが非常に豊富で、塩をちょっと加えるだけでスポーツドリンクと言っても良い位の素晴らしい食品なんだよ」とおっしゃいました。なるほどです。この時からスイカに対する見方が変わりました。
−イチジクは皮ごと食べてアントシアニンや食物繊維を摂ろう−
(撮影協力:JAしみず広報 見宮正章さん)
今回取材をお願いしたのは静岡市清水区の杉山正義さん・孝子さんご夫妻のイチジクハウス。杉山さんは露地栽培もハウス栽培もどちらもやっていらっしゃいます。
それぞれの利点を伺うと、
ハウス栽培は
・収穫期が早くでき、長期の収量が期待できる
・天候の影響を受けにくく、害虫の予防がやり易い
露地栽培は
・直射日光の力で色も濃く、より甘いイチジクが期待できる
杉山さんの圃場での収穫時期は、ハウス6月〜8月、露地7月〜8月で、ハウスの方がひと月あまり早い時期に収穫可能だそうです。
イチジクは 下の方から熟していきます。そしてイチジクは「一葉一果」と言って、1枚の葉に対して 1つの実を付けると言います。ところが1枚の葉っぱの根元に2つ付いているものをいくつか見つけました。この場合どちらか摘果するのか伺いましたら、そのまま成長させるそうです。でも大きさに差が出てくるそうで、一緒に収穫するけど出荷するのは一方だけ。1個は杉山さんのお腹に消えるそうです(^_^)
(写真:前から杉山さん・営農 橋本悠孝さん・広報 見宮さん)
イチジクは実の様な「花嚢(カノウ)、熟すと果嚢」の中に花を咲かせるという特徴で知られています。志帆ちゃんが割った実の中のピンク部分が花ですね。我々は果嚢と中の花を食べている訳です。
雄花と雌花がありますが、日本での栽培品種は雌花だけを持つものが多く、受粉しなくても果実が大きくなる単為結果性の種類が栽培されています。本来イチジクはイチジクコバチが侵入して受粉を助けて果実が大きくなるのですが…イチジクって面白い。
(撮影:JAしみず 見宮さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「イチジクの簡単トーストと彩りサラダ」
作り手は、生産者杉山さんの奥様孝子さん
本当に簡単に出来るトーストでした。食パンにバターを塗り、皮を剥いたイチジクを8から9個の櫛切りにしてスライスアーモンドを適量乗せてオーブン(トースター)で焼いて蜂蜜をかけて完成。
イチジクが優しい甘さなので蜂蜜に負けちゃうかな…と思っていましたが、あに図らんや熱が入ったせいかイチジクの甘さは増していてしっかり感じられました。
ドレッシングとイチジクが合うのかどうか多少疑問でしたが、これも杞憂。ドレッシングの酸味がうまくマッチしていました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
皆さんはイチジクを皮ごと食べるか、剥いて食べるか、どちらですか?
私は10数年前の取材時、イチジク生産者の方に
「皮を剥かないで食べてみて欲しい。皮には皮の美味しさもあるし栄養もある、皮と実を一緒に食べることで本当のイチジクの美味しさが伝わると思う」
と言われて、その時皮ごと食べたら本当に美味しく感じました。事実、果皮や果肉にはポリフェノールの一種であるアントシアニンや食物繊維が多く含まれています。それまでは剥いた物しか食べたことが無かったので、損してたな…と思ったものです。
以前のごちカンで志帆ちゃんに話したら、その日から志帆ちゃんも皮ごと食べるようになったそうです。写真が如実に物語っていますね。
(撮影:JAしみず 見宮さん)
−下ごしらえ後加熱前の「牛乳リゾット」を冷凍保存が便利−
(撮影協力:JA函南東部広報 杉田裕紀さん)
今回取材をお願いしたのは函南町の石川和博さんの牧場。
石川さんが所有していた乳牛「プーリーブリツジ スカイチーフ エレガンス」は、5年に一度開催される日本ホルスタイン登録協会主催の平成20年乳牛コンテストで《305日及び365日乳脂量》で当時の日本記録を更新しました。
石川さんが手綱を握っている牛は、その「…エレガンス」の5代目に当たる乳牛で2歳です。これからまた大記録を出すかも知れない、未知の力を秘めた牛なのです。石川さんは初代を超えるかも期待しているそうです。
写真はその5代目「エレガンス」と我々の3ショットです。
この直後、私の右手の人差し指を舐められました(^_^)
初代「エレガンス」がどれ程すごいのかを伺ったら、平成20年の1年間(365日)の乳量は19,042kg。1日当たりおよそ52kg。牛乳1リットルは1kgを少し越えますが、牛乳1リットルパックを1日50パック分以上は生産する乳牛だったということですね。さらに乳脂量は1,171kg、一般的なホルスタインの3倍だったそうです。
乳脂量というのは、簡単に言えばバターになる成分の量のことです。
牛は暑さには弱い動物です。特にこの猛暑はミルクの出も悪くなります。それを改善する手段の一つがミストです。石川さんによると、ミスト噴射で4〜5度違うそうです。ただ、ミストを連続して出すよりもインターバル噴射の方が効果があるということでした。
例年に無く梅雨明け前から酷暑の今年、牛たちに少しでも快適に過ごさせようという石川さんたちの心遣いが感じられますね。
5代目「エレガンス」も初代に負けない位に素晴らしいミルクを出してくれることを期待します。
《おいしいをつくりましょ。》
「牛乳リゾット」
作り手は、野菜ソムリエプロ 神尾かほりさん
作り方がちょっと変わっていて、冷凍保存バッグに切った野菜、エビ、ご飯、牛乳、コンソメを入れてそのまま冷凍しちゃうのです。そして食べたいときに少し解凍して割って電子レンジで加熱するだけ。忙しいお母さんにぴったりとおっしゃいます。
これは神尾さんのオリジナル。神尾さんは「冷凍生活アドバイザー」の資格も持っていますので、このアイディアも納得。
冷凍前にご飯は炊いて冷ました物を使いますが、野菜は細かく切っておくだけ。エビも三切れ位にしておいて全部を混ぜるだけですから簡単そのもの。1ヶ月は保つということでした。おまけに冷凍すると細胞壁が壊れて味が染み込みやすいので出来上がりが良くなるともおっしゃっていました。
入れた野菜は、乳牛のふんをたい肥にし土づくりをした畑で育てたもので「函南めぐり野菜」と呼んでいます。農家でもある神尾さんの作った野菜なんです。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
牛たちの飼料になる干し草も全てではありませんが、自家製の物を作っています。その時に大活躍するのがトラクター。写真のトラクターで耕作アイテムや散布アイテムを利用することにより、耕したり種蒔きをしたり収穫したりと大活躍します。
このトラクター「NEW HOLLAND T6」と言って、なんと1台2000万円するそうです! でも干し草作りには欠かせない乗り物で、作業もとても効率よく楽にこなせる頼りになる存在とのこと。
「今のところ静岡県内で入れているのはうちだけかも」と笑いながらおっしゃっていました。私も運転席に座ってみましたが、視線の高さといい、居住空間の快適さといい、動かしてみたい気持ちが湧き上がりました。写真の志帆ちゃんもウキウキしていますね(^_^)
−作物転換や荒廃農地の再生もJA(協同組合)の地域貢献活動の一つ−
(撮影協力:JA掛川市広報 袴田真司さん、JA静岡中央会広報 新澤大樹さん)
今回のテーマは「協同組合」。世界の協同組合が毎年取り組んでいる「国際協同組合デー」は今年節目の100回目を迎えます。番組スポンサーの「JA」は農業協同組合ですから、「協同組合」を理解する回にしようと、まずは掛川市にある「大日本報徳社」を訪れました。大日本報徳社は、写真の像…二宮尊徳の「報徳」という考え方を現代に繋げ、道徳と経済の調和した社会を目指す全国組織の本社なのです。
二宮尊徳の道徳心を担保とした金融制度が「協同組合」の起源とも言えるということで訪問した訳なんです。
二宮尊徳といえば二宮金次郎。昔はどの学校にも二宮金次郎像が必ずありました。志帆ちゃんの最初の言葉は「初めまして」、そう初対面だったのです!
大いにショックでしたが、これも世の習い。今は無い学校が多いんですね。
二宮金次郎像も二宮尊徳像も小ぶりに造ってあるので考えもしませんでしたが、本物の二宮尊徳は身長185センチ・体重95キロの巨漢だったそうです。江戸時代や明治時代では相撲取りになれたのでは…という体格だったんですね。
左の写真は茶園の茶樹を粉砕する模様です。この粉砕作業はJA掛川市の地域貢献活動の一つなのです。「あぐりサポート掛川」という取り組みをしていて、農地の整備や新たな作物の導入を手伝っています茶園転換や荒廃農地の再生を手掛けているのです。
しばらく栽培をしなくなった茶園では、茶樹が大きな木に成長して近隣の迷惑になってしまいます。写真の右側にある木々は左のような茶園だったのですが、手入れがなされず伸びてしまいました。茶の木とは思えません
そうなってしまわないように根だけ残して粉砕するのです。その機械を農家が購入するのは頻度を考えてもあり得ません。従ってJAの出番となる訳です。
茶園を再開したい時は?と質問したらこのままで3年もすると元の状態になるそうです。驚きですね。茶の木の生命力を感じます。もちろん新しい茶の苗を植えることもあるそうです。
新しい茶の苗を植える時や新たな作物への転換の際は、当然ながら根を掘り起こして圃場整備をしていくのも「あぐりサポート掛川」の仕事なのです。
《今回の一枚》
JA掛川市では「あぐりサポート掛川」の他、地域の小学生を対象にした田植えやイモのツル挿し体験など「食農教育活動」にも力を入れています。またファーマーズ・マーケット「さすが市」に隣接する「あぐりきっちん」では一般の方も参加できる「料理教室」なども開催。お邪魔してみました。
リモートのパン作り教室が行われていて、その先生にタブレットを通して御挨拶している所の写真です。左のタブレットに写っているにこやかな先生。「どこにいらっしゃるんですか?」と伺いましたら「千葉です」というお答え… 本当に便利な世の中になりました!
(撮影:JA掛川市 袴田さん)
−トウモロコシのヒゲは低温で揚げれば食べられる−
(撮影協力:JA富士市広報 望月 綾さん)
今回の取材先は富士市の望月孝一さんのトウモロコシ畑。作っているのは「富士山麓わくわくコーン」です。「わくわくコーン」という品種は全国で作られていますが、富士ブランド認定品として、統一栽培法…特に肥料にこだわって作り、午前6時までに収穫という早朝採りを徹底しているトウモロコシです。
朝採りにこだわるのは意味があります。トウモロコシは昼間光合成によって出来た糖分を夜になって実に貯えます。太陽が昇ってからはその糖分を消費し始めるので日が昇る前の「朝採り」が一番甘くて 美味しいというわけです。
(撮影:JA富士市 望月さん)
望月さんは「わくわくコーン」の栽培は1年目。ただしトウモロコシ自体は10年位作っていて、新たに富士ブランド「富士山麓わくわくコーン」作りの仲間に入ったという訳です。栽培統一規格で他農家と一緒になって均質上質なトウモロコシを生産し、共同出荷の形でより安定経営が出来る事を目指したのです。
トウモロコシ栽培自体はやって来たことなので、まごつくことは無かったそうです。
(写真:左先頭から、望月孝一さん・営農森下知明さん・生産者植田 強さん・営農杉山雄一さん、
右志帆ちゃんの後は、広報望月 綾さん・営農加藤倫崇さん)
生でも十分甘い「わくわくコーン」、当然穫りたてを味わいました。皮も薄いので歯を立てた瞬間水分がほとばしり出ました。口の中いっぱいにコーンの甘さが広がります。志帆ちゃんは「全部食べてしまいたい!」と叫んでいました。撮影がありますので、そういうわけにはいきませんけどね。
食べきることの出来なかった「わくわくコーン」でしたが、調理シーンの撮影時ついでに茹でて頂きました。
(撮影:JA富士市 望月さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「わくわくコーンの包み揚げ」
作って下さるのは、望月美奈子さんと土井久美子さん
望月美奈子さんは生産者望月さんのお姉さん、土井久美子さんはJA職員で野菜ソムリエでいらっしゃいます。
包むのは餃子の皮、バター醤油で炒めたコーンを餃子の皮で包んで低めの160度〜170度で揚げます。もう一つ、ツナマヨと和えたコーンを同じように餃子の皮で包んで160度〜170度で揚げます
間違いなく美味しいに決まってる!料理でした。生でも甘い「わくわくコーン」、熱が入ることによりさらに甘さが増してさいこうでした。もちろんお酒のお供にもぴったりのメニューです。左のチャーハンのような料理はピラフでした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JA富士市 望月さん)
《今回の一枚》
皮付きトウモロコシを買ったらもれなく付いてくるヒゲ。あのヒゲはほとんどの人が捨てますよね。でも「食べられますよ」と言われました。外に出ている茶色くなった部分は残念ながら食べられません。でも皮に包まれている薄黄緑の部分は食べられるそうです。
どうやって?揚げて食べるのだそうです。ただ普通の170度〜180度で揚げるとはねるので150度〜160度で揚げましょうということでした。
料理の写真の右上にある茶色のモジャモジャが揚げたヒゲです。
味付けは塩少々でしたが、噛めば噛むほど得も言われぬコクを感じさせる味がにじみ出てきました。お試しあれ!
くれぐれも揚げ油の温度は低めに…。
(ヒゲの食べられる部分を示しているのは、望月美奈子さん)
−ズッキーニの「カリウム」含有量はバナナ・メロンとほぼ同等−
(今回の相棒も臼井佑奈AN)
(撮影協力:JA遠州夢咲広報 石谷春菜さん)
今回の取材先は御前崎市の増田雅己さん栄子さんご夫妻のズッキーニ畑。ズッキーニは形が“キュウリ”に似ていますが「カボチャ」の仲間です。もっとも同じ“ウリ科”ではありますが。
増田さんは春〜夏はズッキーニ、秋〜冬はメキャベツと二毛作をなさっています。ズッキーニはJA遠州夢咲が取り組みを始めた7年前から、メキャベツ栽培は15年のキャリアを持ちます。
無駄の無いサイクルが増田さんたちの生活の安定を作ってくれている、とおっしゃっていました。
ズッキーニはカボチャと同じような雌花と雄花を付けます。雌花は花の下に実の赤ちゃんが付いています。雄花には当然ながらありません。1枚目の写真で分かりますね。
花の中を覗いたのが左の写真。明らかに違います。雄しべ・雌しべの違いでハッキリ分かります。
雄花は受粉時期を過ぎると、花の下の茎部分でポロッと落ちます。雌花は実がある程度大きくなるまで付いています。ただ収穫サイズ(17〜18Cm)になると収穫の時に簡単に落ちてしまいます。
店頭に並んでいる時はツルッとしていて分かりませんが、ズッキーニには葉・茎・実に細くて鋭いトゲがあります。考えてみれば、トウガン、茄、キュウリなどトゲのある植物は結構多いですね。
料理コーナーでの飾り目的で、葉を頂くことがあります。今回もお願いしました。OKを頂いたので茎を2〜3本少し長めに切り、指の間で茎を挟んで持とうとしたら「痛!」となりました。
左写真で、実にも細かいトゲがたくさんあるのがお分かり頂けると思います。
《おいしいをつくりましょ。》
「ズッキーニのハニーマスタード肉巻き」
作り手は女性部の野末チヅルさん(上)と麻生佳美さん
薄切りの豚肉の上に、ピーラーでスライスしたズッキーニを敷いて、切った赤パプリカをくるくると巻きます。フライパンで焦げ目が付くように焼いて、ハニーマスタードソースを絡めて完成。
ハニーマスタードソースは粒マスタード・マヨネーズ・ハチミツ・醤油・酢を混ぜた物。何にでも合う素直な味のズッキーニと豚肉は焼くことによってうまくマッチします。そこにハニーマスタードソースが絡まることでご飯のおかずはもちろん、お酒にも良く合います。美味でした。
ズッキーニには、ビタミンもそうですが、カリウムがバナナ・メロンに劣らず豊富に含まれているそうです。体内の塩分排出に貢献してくれそうですね。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(枠内撮影:JA遠州夢咲 石谷さん)
《今回の一枚》
ミツバチが結構飛んでいるので受粉のため導入しているのか、養蜂家の巣箱でもあるのかと思って伺いましたら、自然にやって来たとのこと。よく見たらセイヨウミツバチより少し小型の在来種ニホンミツバチのようです。
増田さん曰く「以前は人工交配が必要で腰の痛くなる思いをしてきたのだけれど、ミツバチが来てくれるようになってからは本当に楽になった。ミツバチには感謝です」
養蜂家などに来て貰うことは?と伺いましたら、
「自然に来てくれているミツバチたちと摩擦が起きたら可哀想なので、自然に任せます。この土地の生物を大事にしたい」とおっしゃっていました。
上の2枚目の写真にもミツバチが映り込んでいます(^_^)
−高級茶「高嶺の香(ハナ)」の「氷出し茶」は独特の味わい− (今回の相棒は臼井佑奈AN)
(撮影協力:JAしみず広報 見宮正章さん)
今回の取材先は静岡市清水区で養豚業を営む北川雅視(マサミ)さんのご自宅。牧場には行けませんでした。というのは「豚コレラ」の流行と「新型コロナウイルス」の影響です。
北川さんは豚たちのストレス緩和と精神的安定を願って、ある程度の広さで飼育し、加えて「水出し茶」を飲ませているそうです。そして付けた名前が「TEA豚(ティートン)」。
北川さんの豚に対する思いは熱いものがあります。例えば繁殖。主流の人工授精ではなく自然受精。豚にだって三大欲があるのでそれも大事にしてやること…とおっしゃっています。
写真の方はJAしみず営農振興センター長 森 一真さん。JAしみずのカフェ「四季菜ジェラート&カフェきらり」店長でもいらっしゃいます。森さんはお茶揉みの達人。
お茶の揉み方一つでお茶の出来が全く違ってくるそうです。とは言っても手揉みではなく揉捻機(お茶を揉む機械)を使っての作業。ただし機械任せではなく。天候・気温・湿度などをみながら、揉み時間や葉への熱の加え方など微妙に変えていくそうです。この加減が難しく、品評会の時期は茶農家からの森さんへの作業要請が続出するので、有給休暇をとって対応するそうです。
静岡市清水区両河内地域で生産される「高嶺の香(タカネノハナ)」と言えば、静岡茶市場の初取引で毎年最高値を出している高品質なお茶。それを特別な淹れ方で試飲させて頂きました。それが左の写真「氷出し茶」です。上部に入れた氷が溶けてその下の茶葉にしたたり、最下部の容器に抽出されたお茶がたまる仕組みです。待つこと数時間、何とも贅沢な淹れ方です。その味は想像通り濃厚。渋みはあまり感じられませんが濃いだし汁のような感じ。味は普通に淹れたお茶を想像するとかなり違うので好みは分かれるかもしれません。
「氷出し茶」の抽出時の下から見た映像です。氷の下のにある茶葉を入れる容器のガラスに4箇所にスリットがあって、そこから抽出されたお茶がにじみ出てきます。それがゆっくり最下部のガラス容器にたまっていく訳です。
番組ではその模様を低い位置から撮影しました。そしてそのカメラ映像のモニターディスプレイを撮影したのが左の写真をクリックして出てくる動画。手持ちのスマホではとてもズームアップ出来ないので間接撮影になってしまったのです。それにしてもお茶って淹れ方一つでも味わいの違いが…奥深い飲み物ですね。
《今回の一枚》
そもそもJAしみずのカフェ「四季菜ジェラート&カフェきらり」を訪れたのは「TEA豚(ティートン)」を使った加工品目当てでした。出して頂いたのは「清水ドッグ」。TEA豚のソーセージとベーコンを使い、同じく清水産のレタスやトマトと清水尽くしのドッグです。
写真は、私がソーセージに届かないので懸命にかぶりついているシーン。この後は唇と鼻にケチャップとカラシが付いて困ってしまいました(^_^;)
枠写真は収録が終わってから、改めて新茶ジェラートをゆっくり食べているシーンです。落ち着いて味わっている表情がよく分かります。撮影して下さったJAしみずの見宮さん、ありがとうございました。
(撮影:JAしみず 見宮さん)
−「Tの字」のヘタの状態が食べ頃の目安になる−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回の取材先は浜松市西区にある古橋保治さんのハウス。「アールスメロン」と聞いて初耳という方もおみえかも知れませんが「マスクメロン」と表現すればお分かりかと思います。
ご存じの方も多いと思いますが「マスクメロン」というのは品種名ではありません。香料として知られるムスク(ジャコウ)のような香りを持つメロンの総称なんですね。代表品種が「アールスメロン」と言う訳です。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
一口にメロンと言っても赤肉系・青肉系・白肉系の3つに分類できます。赤肉系の代表が「夕張メロン」、青肉系は「アールスメロン」、白肉系は「ホームランメロン」という熊本県生まれのメロンが代表選手です。正直言って白肉系は見たことありません。マクワウリのようかな…と想像しています。
もう一つの分類が「ネット系メロン」か「ノーネットメロン」かということですね。
青肉系でネットのある「アールスメロン」がメロンの王様と言われています。
ところでメロンと言うと特徴的なヘタですね。あのTの字のヘタには意味があって、雑菌が入って腐らないようにするための工夫であると同時に、食べ頃の目安になるんだそうです。
メロンは常温で保管し追熟させていきます。追熟するにつれてヘタが少しずつしおれてきます。そのタイミングで、玉の下の部分に弾力が出てきたら食べ頃ということなんです。食べ頃の目安日付が書いてある場合も多いのですが、知識として持っていても損はありません。間違っても冷蔵保存はしてはいけません。
《おいしいをつくりましょ。》
「アールスメロンを使ったパンナコッタ」
作り手はお菓子教室の先生でもいらっしゃる女性部の古橋陽子さん
まずはパンナコッタから。粉ゼラチンを水に入れふやかしておきます。牛乳・生クリーム・砂糖を混ぜて熱します。時折混ぜながら沸騰させないようにします。ふちが沸々してきたら火を止めて作り置いたゼラチンを入れて混ぜ、氷水で粗熱を取って冷蔵庫で1時間冷やしてパンナコッタ完成。
その上に小さくカットしたメロンをトッピングして出来上がり。パンナコッタとメロンを口の中で融合させて楽しみます。パンナコッタのツルンとした食感とメロンの爽やかな甘さが最高でした。
その他にも古橋さんは「ロールケーキ」「100%メロンジュース」も用意して下さっていて、撮影終了後みんなで堪能しました。さすがお菓子教室の先生、手際の良さはさすがでした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
「アールスメロンを使ったパンナコッタ」は完成後すぐ食べることをお勧めします。メロンをトッピングした瞬間から、折角固まったゼラチンがトロトロになっていきツルン感が無くなってしまうからです。というのも生のメロンにはタンパク質分解酵素が沢山含まれているので、ゼラチンの固まろうとする力を奪っていきます。
古橋さん曰く
「メロンの酵素は50度くらいで働きを失うので、加熱したメロンを使ってみたけど味が変わってしまった。ましてや混ぜ込んでみたらメロンを感じなくなったので、メロンはトッピングにしてパンナコッタとメロンのそれぞれを壊さないようにしました」とのこと。
なるほどです。トッピングにしても時間をおくとメロン果汁が出てきてトロトロ。パンナコッタではなく「ナンテコッタ」になってしまいました。それはそれで美味しいですけどね(^_^;)
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
−希少品種「香駿」は茶葉の時点で個性的な香りのするお茶だった−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 山田雅人さん)
今回の取材先は仁木富也さん悦乃さんご夫妻の茶畑。川根茶は当然のように「やぶきた」が主流ですが、仁木さんは「香駿(コウシュン)」という品種も栽培しています。
「香駿」は1999年に品種登録された静岡県生まれのお茶。とにかく香りが高いのが特徴です。名前の通りですね。
畑だけ見ていると「やぶきた」との違いは分かりません。仁木さんは「比べると分かるよ」と笑います。
写真手前が仁木さんの茶畑。その中に志帆ちゃんがいます。
分かりますか?
写真は前日収穫した「香駿」と「やぶきた」を並べたものです。一晩経っていますので少ししんなりしています。「香りを比べれば分かると思う」と仁木さん。でも生葉の状態で未加工ですから素人の我々に分かるかどうか、甚だ疑問でした。
一つかみずつ手にして花を近づけます。一方は取材で慣れ親しんだ生葉の香り、もう一方は生葉の香りに加えてどこか果物の香りのようなものの感じがあります。
二人で「せーの!」と同じザルを同時に指差しました。
「正解!」、仁木さんの声が響きました。ホッとしました。
写真をクリックすると正解が分かります。「香駿」の方が濃い緑色ですね。
水出しもお勧めということでしたが、60℃〜70℃のお湯で淹れてもらいました。最初は一瞬渋みを感じましたが、不思議なことにその渋みがフルーツのような香りに変化しました。
もっと一般的に知られると、女性ファンがいっぱい出てきそうです。
取材時点は新茶の収穫が終わって、二番茶準備の真っ最中。新茶を刈り取った後、さらに綺麗に均(ナラ)して質の高い二番茶を生産する準備しています。
新茶収穫の後の枝には次の芽が準備をしています。その芽を傷つけないように均していくのが二番茶のための準備。人間の手でやっていてはとても間に合いません。もちろん機械作業です。でも機械では誤って芽も摘んじゃいそうです。
そこで登場するのが左写真のマシーン。なんとミリ単位の設定が出来る茶刈り機で、正確に刈れるんですって。その工夫の柱がパイプレール。畝の間に敷いてあり、ぶれること無く正確な「均し」が実現できるんですね。
《おいしいをいただきましょ。》
千頭駅前の「cafeうえまる」に伺いました。目的は川根茶を使ったスイーツ。
「お茶のロールケーキをのせたパフェ」と「緑茶ジェラート」
対応して下さったのは上田まり子さん、敦子さん母娘。
志帆ちゃんがパフェ、私がジェラートでした。志帆ちゃん曰く「お茶の香りが素敵なロールケーキ、中のクリーム部分に柚が入っていて甘い中にもさわやかさがある。お茶寒天とも良く合う」とのことでした。添えてあるジェラートはほうじ茶です。
私がいただいたジェラートの緑茶は上田さんの茶園で穫れたお茶だそうで、お茶の香りたっぷり。上田さんのお茶愛・川根愛が十分感じられるジェラートでした。
娘の敦子さんは日本茶インストラクターで管理栄養士の資格も持つ方。そして身長は175Cmあります。伺うと元バレーボール選手だったそうです。納得。
《今回の一枚》
茶畑で仁木さんが新茶収穫の後の枝を指して「ここを見て」とおっしゃいます。目をこらすと枝分かれした箇所に小さなわき芽が…二番茶の赤ちゃんです。
健気に「次は自分の番だ」と言いたげです。よく見るとそこここに芽吹いています。自然は止まっていることが無いんだな…という思いを新たにしました。
仁木さんに「香駿」作りについて伺うと「この香りを出すのが難しい、肥料と手入れが大切なので手はかかるお茶」とおっしゃっていました。生産量が少ないのも分かりますね。
−茶ガラは炒って「ふりかけ」にして有効活用を−
(撮影協力:JAふじ伊豆(なんすん地区)広報 市川英明さん)
今回の取材先は沼津市にある鈴木英二さん・さゆりさんご夫妻の茶畑。沼津のお茶は愛鷹山の恩恵をたっぷり受けたお茶です。代表格の「やぶきた」を中心に 生産者自身が「コレが美味しい」と思う様々なお茶を作っています。
製品となるお茶の種類も、一般的な煎茶・深蒸し茶を始め、伊豆地方で有名な「ぐり茶」などラインナップが豊富な生産地なのです。「ぐり茶」は深蒸し茶の一つで、荒茶工程で茶葉の形を整えないので茶葉自体が捻じれて「ぐりっ」としているところから名付けられたそうです。
沼津での茶栽培の歴史は江戸時代には既に行われていたという文献もあります。本格的には明治の最初、廃藩置県で職を失った士族が愛鷹山官有地を開墾したことから始まったと言えます。牧之原茶の始まりと共通点がありますね。
その沼津茶の功績に名を残したのが江原素六(ソロク)という人。愛鷹山官有地の払い下げに成功し、沼津茶の礎造りをしたということで毎年命日に顕彰会が行われています。名前を冠したブランド茶「素六」も作られています。
写真は乗用茶刈り機で刈り取り作業をする鈴木さん。
(撮影:JAふじ伊豆 市川さん)
左の写真で志帆ちゃんと茶畑の向こうに見えるのは、駿河湾と伊豆半島。かなり離れているのですが風の強い時は駿河湾から潮風が吹きつけるそうです。その影響、つまり塩害が発生すると言います。風の力はすごいですね。
塩害が発生すると茶葉が黒くなって商品になりません。でも黒くなった葉を摘み取ってはいけないそうです。摘み取ってしまうと新芽が出てこなくなるとのこと。でもそのまま放っておけば取り返すように新芽が出てくるんだそうです…自然ってすごいですね。
《おいしいをつくりましょ。》
「沼津茶を使った茶飯とふりかけ」
作り手は生産者の奥様鈴木さゆりさん
「茶飯」は茶葉をお茶パックに入れて水出し茶を作っておき、お米を炊く時にお茶パックを揉んで出来た濃い茶を水代わりに入れて炊きあげたもの。
「ふりかけ」は茶飯で残った茶ガラをフライパンで炒り、鰹節・じゃこ・白ゴマを入れ、塩で味を整えて完成。
茶飯にふりかけを乗せて試食。茶飯は水出し茶なので苦みはほとんどありません。軟らかいお茶の風味が立ち上ります。そこに炒った茶ガラの香ばしさが加わって素晴らしいハーモニーです。
トドメに温かいお茶をかけて「お茶漬け」にするとなお美味しい、と提案されました。正にお茶のトリプルパンチですね。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
ロケ時にかなりの頻度で撮影しているのが、出演者と撮影に協力して下さった皆さんとのグループショットです。
今回JAふじ伊豆営農担当者として登場したのが、2列目真ん中の茂呂宏太(モロ コウタ)さん。JAに入って2年目の若手です。茂呂さんは実家が農家とか、農業系の学校を卒業した訳でも無かったそうです。でも入ってから農業の面白さに目覚め、鈴木さんご夫妻も大変かわいがっているとおっしゃっていました。英二さんは「俺が鍛えて一人前にしてやる」と目を細めていらっしゃいました(^_^)
農家と若手営農担当の良い関係を見ました。写真前列は鈴木さんご夫妻。二列目左からJAふじ伊豆の市川さん、茂呂さん、足立卓信さん。後列私の隣が伊山克彦さん。
−収穫時期は「ライマン価」と呼ばれる数値を目安にする−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回取材をお願いしたのは浜松市中区にある天野 卓さんのバレイショ畑。取材日前日雨が降ったので収穫体験は諦めていました。
というのも三方原馬鈴薯は色が白いのが売りなので、当日はもちろん前日の雨でも収穫作業はしないのが通例です。理由は土が湿った状態で掘り起こすと土がついてしまうのと、馬鈴薯自体も濡れたり湿っていると皮が剥けやすくなるため商品価値が下がるので土の中が乾くまで収穫しないのです。
ところが天野さんは、前日の少々の雨でも収穫体験取材が出来るようにマルチ(ビニール)シートなどの対策をして下さっていました。そのお陰で収穫シーンの撮影が出来たのです。大感謝でした。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
収穫してみましたが、MサイズはもちろんL・2Lサイズがたくさん顔を出しました。志帆ちゃんは、初めての体験で掘り起こした土から顔を出した馬鈴薯に大興奮でした。
サツマイモの場合は文字通り芋づる式に根に付いた状態で出てきますが、三方原馬鈴薯は茎を持って引っ張ると根から離れてしまうものが多いなと思いました。
実際の収穫作業は機械を使って土ごと掘り起こし、後は手作業で土の上に並べていき表面を乾かします。掘り起こしてから少し経つと皮が乾いてきて白さが際立ってきます。皮は非常に薄くデリケートです。ですから収穫にはとても慎重になるとおっしゃっていました。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
天野さんの畑では4月末に試し堀りして、5月始めから収穫を開始したそうです。今年の出来は天候のバラツキがあって心配しましたが、上々だそうです。
収穫の目安ですが、まずは下の方の葉が黄色くなることと「ライマン価」という数値を見て決めるとのこと。
ネットで調べてみましたら、「ライマン価」というのは別名「澱粉価」とも呼ばれ、じゃがいも1つにどのくらいの澱粉が含まれるかをパーセントで表した数値だそうです。 でんぷんは水より重いので水に沈めて比重を測ることによって測定するんですって。
高いものほどホクホクした食感となり,食味評価も高くなるそうですよ。
《おいしいをつくりましょ。》
「黒胡椒まみれの手割ポテト」
作り手は女性部の加藤知代さんと野中芳子さん
三方原馬鈴薯ですからもちろん皮ごと食べます。水にくぐらした馬鈴薯を1個ずつラップで包んで電子レンジ600wで7〜9分加熱します。粗熱をとってから皮をつけたまま手で4〜5等分に割ってフライパンにサラダ油を1センチほど入れて馬鈴薯を揚げます(180℃)。
表面がカリカリになったら油から取り出し、ボウルに塩と粗びきコショウ・粉チーズを入れて混ぜた中に入れて全体にまぶしたら完成。
美味しいに決まっています。お昼ご飯を食べたばかりだったのに取り分けられた料理は完食してしまいました(^_^)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
馬鈴薯(ジャガイモ)の花です。今回の圃場では2色を見かけました。上品できれいな花です。このところ何年かの取材では青空に恵まれていなかったので、久々にきれいな写真が撮れました。
ごちカンを担当するまではジャガイモの花は見たことがありませんでした。上品で存在感のある花だな…と思っています。
ジャガイモの花は当然ながら繁殖するために咲きます。種が出来る訳ですね。花が散ると小さなトマトのような実が生るそうです。そこから種が出来るのですが、種から作ったじゃがいもは初めはビー玉くらいの大きさしかなくて、一般的に見かける大きさになるまでには数年かかるそうです。だから一般的には種芋から作るんですね。
−「有機栽培」にこだわる農家がたどり着いた「農林水産大臣賞」−
(撮影協力:JA掛川市広報 袴田真司さん)
今回の取材先は掛川市満水にある松下芳春さんの茶畑。松下さんは、昨年度の「全国茶品評会・深蒸し煎茶の部」で「農林水産大臣賞」を受賞された「お茶作り名人」です。
20年以上前から有機栽培に取り組んできた松下さん。有機栽培茶が全国一になるというのはJA掛川市としても非常に嬉しい、と営農の中村貴司さんがおっしゃいます。
極力農薬を使わない有機栽培は「虫」と「病気」との熾烈な闘いが大きな壁になります。取り組んで10年位経ってから要領も分かり、安定してきたと言います。また茶の木や周りの環境も有機栽培に適した状態になったとおっしゃっていました。
松下さんと中村さんが「テントウムシが多いね」という会話をしていたので、その意味を伺ったら「テントウムシがお茶の敵である虫を食べてくれるから嬉しい」とのこと。テントウムシはアブラムシの天敵です。お茶畑でも大活躍なんですね。農薬は茶栽培にとっての益虫も駆除してしまいますから散布し始めるとやめるわけにはいかなくなります。
茶畑にはクモの巣が一杯あります。クモも農家の大きな味方。「ありがたい存在」だと言います。益虫の存在も含めて有機栽培出来る環境が整い安定するまでの時間が必要なんですね。
(撮影:JA掛川市 袴田さん)
松下さんは、味わう人が美味しいと感じ、健康維持に役立ち、皆が笑顔になれる「安全で美味しいお茶作り」を信念にお茶作りに励んできました。自然と共にお茶を育てる環境作り、手間は掛かるけど次の世代へ繋げて行かなければいけない大切なことだと言って笑います。
営農の中村さんも「生産性の向上や農作物の安定供給を考えると、どうしても化学肥料や化学合成農薬に頼ってしまう…、でもそれを捨てて「有機栽培」に取り組む姿勢が凄い」と感嘆します。化学肥料や化学合成農薬を収入源の柱の一つにしているJAの営農担当者がこう言い切るところに、松下さんのすごさがあると思いました。
《おいしいをいただきましょ。》
今回は「いただきましょ」になりました。松下さんはお茶作りと共に、その味を美味しく味わってもらおうと
「農園カフェ Tea time まるは」を作りました。その「まるは」を切り盛りしているのが、娘さんの田米(タメ)千春さん。松下さんが作る有機茶をはじめ、有機茶葉を使って作る自家製の洋菓子や和菓子・ドリンク、夏場はかき氷が大評判となっています。
志帆ちゃんが「深蒸し新茶と抹茶のテリーヌ」、私が「深蒸し新茶と抹茶のシフォンケーキ」をいただきました。深蒸し新茶の香りとシフォンケーキのフワフワ感が絶妙でした。それに私の大好きな小豆あんで、満足中枢を大刺激!でした。両方食べたい私たちは、手の付いていない側を交換して試食。テリーヌのしっとりした美味しさを楽しんだ後、お茶がサッパリした後味にしてくれました。両方満足!
《今回の一枚》
各JAの広報の方にはいろいろなご協力を頂いています。写真もその一つ。我々自身には絶対撮れない写真を撮って頂けることがとてもありがたいのです。
今回の袴田さんの撮影データから一枚。撮影の合間に許可を頂いて新芽を生で食べてみよう、というシーンです。二人の自然な表情は広報の方だからこその写真に仕上がっています。感謝しています。
味は高フ香りと幾ばくかの渋みが春を感じさせてくれました。
(撮影:JA掛川市 袴田さん)
−ひと株から7本、そして気の遠くなるような70万本の芽かき作業−
(撮影協力:JAふじ伊豆(伊豆太陽地区)広報 岡村恵美さん)
今回の取材先は東伊豆町稲取の田村 丞(ジョウ)さんのカーネーションハウス。母の日も近いことから伺いました。田村さんは30種類10万株栽培されています。そしてひと株から7本作るので、出荷本数は70万本になります。
苗を植栽して少し成長したら、茎の先端を切り詰めると新しい茎が脇から左右に生えて上に伸びていくそうです。さらにその先を切り詰めるとそこからさらに新しい茎が左右に生えて茎の本数が増えるというのです。そうやってひと株7本に調整して育てて…結果70万本の出荷となる訳です。
カーネーションの種類は「スタンダード」と「スプレー咲き」の大きく二つに分かれます。左上の最初の写真は「スタンダード」の品種名「オアシ」と呼ばれるカーネーションです。カーネーションというと思い起こすのがこの「スタンダード」。一本の茎に一つの花が咲いている…正にスタンダード。
でもこの形にするのに手間がかかるのです。カーネーションは手入れをしないと茎の脇からどんどん芽(脇芽、矢印の部分)が出てくるのです。それを取らないと「一本の茎に一つの花」ではなくなると同時に、花が曲がってしまい商品価値が無くなってしまいます。しかし乱暴に取るとそれも曲がる原因になるので慎重に手で摘み取り作業(芽かき)をするのだそうです。それを70万本…気が遠くなると思いませんか?
ひと株7本仕立ても10万株に対しての作業…合わせて考えると気を失いそうです。
もう一つの種類「スプレー咲き」。枝分かれした茎の先に数輪の花がつくタイプです。「スプレー咲き」も芽かきをします。でないときれいなスプレータイプにならないそうです。ただしこれはわき芽では無く一番上の花を摘み取るのだそうです。そうやって商品価値のあるスプレーが作られると言う訳です。奥が深いですね。
写真はここ稲取で突然変異によって誕生した「スプレー咲き」種で、品種名「スターチェリーテッシノ」と呼ばれるカーネーションです。
《フラワーアレンジメントに挑戦しましょ。》
教えて下さったのは「とのおか花香園」代表進士真希さん
ドーム形のフラワーアレンジメントのやり方を教わりました。まず、用意して頂いたカーネーションの中から大輪系のスタンダードから3種類2輪ずつ位選びます。
そしてスプレータイプから2種類位選びます。
最初は吸水スポンジの下部にグリーンを挿していきます。そしてメインにする大輪系の一つを選び、吸水スポンジの真ん中に挿します。この時の花の高さがドームの大きさを決めるので全体を想像しながら挿します。その周りに大輪系を配置し、スプレータイプを間を埋めるように配置します。
最後にカスミソウを適宜配置して全体を優雅な感じに仕上げていきます。
《今回の一枚》
やっぱり花は女性が似合いますね。田村さんが栽培している30種類のカーネーションの半数ちょっとでしょうか。志帆ちゃんに持ってもらいました。素敵です。
花をプレゼントすると女性が喜ぶとはよく言いますが、それも女性が心から花が好きだからという理由に裏打ちされているのでしょう(^_^)
こぼれ話を一つ。スプレー咲きでつぼみがあると「咲くのが楽しみだな…」とワクワクしますが、カーネーションのつぼみは全部が全部、咲くわけではないそうです。少しガクの先端が開いて花びらがのぞいているものは咲く可能性がありますが、先端までしっかりと緑色のガクに包まれているつぼみは咲かないと思った方が良いそうです。
となると、咲いている花数が多い方が無難ですね。カーネーションは花持ちが良いそうです。
−「深蒸し茶」を作るための工夫の一つが被覆栽培−
(撮影協力:JAハイナン広報 岡田阿祐美さん)
今回取材をお願いしたのは牧之原市の太田宜孝さん。牧之原台地の一面の茶畑の一角です。良く知られた話ですが、牧之原台地の茶畑は明治になって職業にあぶれた徳川幕府の武士たちが集団で開墾したことから始まりました。
広々とした丘陵地に広がる牧之原の茶畑、川沿いの山間部のような川霧はなく日当たりも良いため生育が良く肉厚の葉が育ちます。そのため通常の蒸し時間で製茶しても、コクと旨みはありますが、苦味・渋みも残るお茶になってしまいます。そこで苦味・渋みを緩和させまろやかな味わいのお茶を作ろうと考えられたのが、蒸し時間を長くした「深蒸し製法」です。
牧之原は“深蒸し茶 発祥の地”と言われています。
「深蒸し茶」を作るための工夫の一つが被覆栽培です。新芽がある程度の長さになったところで、茶の新芽に遮光のための覆いを直接かけます。
遮光することで光合成が抑えられ、新芽が成長しても葉が硬くなるのを遅らせることができます。また保温効果により霜を防ぎ摘採時期を早めることなどの利点があります。
遮光の効果はそれだけでなく、葉の中のアミノ酸やうま味成分・テアニンなどが増えるのです。特にテアニンは日光を浴びるとカテキンに変化して苦みや渋みの素になりますが、それが抑制されるので苦みや渋みが少なくうま味や甘みが強いお茶に仕上がると言う訳なんですね。
さらに被覆の利点は、葉の色の緑色が鮮やかに濃くなることです。それでより告Fの鮮やかな、見た目にも深い色合いのお茶が淹れられるという訳なんですね。
被覆用の覆いは、最初二人で畝の両サイドからかけていきます。そんなに重くはないそうですが、新芽に被せていきますので負担のかかる被せ方はいけません。だからといって緩くかけると逆に風でこすれたりして良くないので、加減が難しいそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「お茶豚しゃぶ」
作り手はJAハイナン落合貴文さん
男性の登場でした。男性も作り手にいらっしゃることはありましたが、お一人でというのはなかなか希有です。
作り方は簡単で、だし汁の代わりに深蒸し茶を使うしゃぶしゃぶ。豚肉だけではさびしいので水菜も加えました。
これがいけます。深蒸し茶は苦み・渋みが少ないので、食べにくさは無いだろうと思ってはいましたが、結論として深蒸し茶は豚肉の脂と相性が良いのではないか…ということになりました。お試しあれ。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
JAハイナンにはアイドルユニット「Nozomigirl NEed(のぞみガールニード)」がありました。JAハイナンのブランド茶「望(ノゾミ)」を中心に、JAハイナンの農畜産物の良さをより多くの人に伝えるために誕生したヴォーカル&ダンスグループでした。追っかけもいて人気グループだったのです。
「お茶豚しゃぶ」の作り手JAハイナン落合貴文さんは、実はその「Nozomigirl NEed」の企画を手掛けた方です。活動最盛期にはグループのマネージャー的役割を果たしていました。残念ながら2018年8月31日をもって活動休止しましたが、落合さんの功績は大きいものがありました。
写真は料理コーナー収録後に関係の皆さんと撮った志帆ちゃんの自撮りです。
(志帆ちゃんの隣が落合さん、後列左からJA広報岡田さんと大島恵さん・JA茶業センター松浦友南さん)
−ナスはガク(ヘタ)・茎・葉にトゲがある−
(撮影協力:JAふじ伊豆三島函南地区広報 奥村彩恵さん)
今回取材をお願いしたのは三島市の望月正己さん。考えてみたら「ごちカン」でナスをメインで取材するのは初めてでした。またこの三島函南地区は県下唯一のナスの生産地なのだそうです。ナスも作っている農家はありますが、生産地域としてハッキリ打ち出しているのは、静岡県下ではこの三島函南地区だけだとおっしゃっていました。
望月さんを始めこの地区のナス栽培農家は全部ハウス栽培だそうです。ナスは本来夏野菜。旬は初夏から秋にかけてですが、ハウス栽培することで一足早く出荷しようという取り組みが行われているんですね。
ハウスに入ってまず感じたのは思ったより大きいこと。私の勝手なイメージは腰から胸くらいの高さだったのですが、2m位あったのです。これでも剪定してこれ以上高くしないようにしているのだそうです。「そうしないと収穫に差し支えるから…」と望月さんは笑います。そのまま伸ばしたらどこまで伸びるんでしょうかね?。
そして実の成長の全ての姿がみられるのです。花有り、赤ちゃんナス有り、収穫し頃有り。次々に花が咲いては成長していくので「収穫は2日に1回はしないと追いつかない」とおっしゃっていました。収穫は6月まで続くそうです。
知らなかったのですが、ナスはトゲの多い野菜でした。実のヘタ、つまり花のガク、茎にも葉にもトゲがあります。それが鋭い! 望月さんによると「これが刺さると痛いし、食い込んでくるんだよね」とのこと。収穫も気を付けながらしているそうです。「それでもやられるので辛い」とおっしゃっていました。
試しに触ってみました。痛い!先端が細く鋭いのでそれなりの深さまで刺さるのが想像出来ます。
《おいしいをつくりましょ。》
「ナスのユッケ風」
作り手は望月家のお嫁さん望月ひろみさん
@ナスを細切りにし、ごま油をまわしかけ、
レンジで3分加熱する。
Aナスを軽く絞って水気を切り、砂糖・しょう油・
コチュジャン・おろしニンニクを加えて混ぜ合わせる。
B卵黄をのせてごまをふりかけたら完成。
とても簡単で、想像通りご飯が何杯でもいけます。酒のアテにも最高です。
辛いのが苦手な方やお子さんは、コチュジャンの代わりに味噌でOKとのこと。実際ひろみさんは味噌を使う方が多いそうです。
隣のクラッカーの上にのっているのは「ナスのジャム」!です。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
大きなナスを見つけました。志帆ちゃんの顔と比べるとその大きさが分かると思います。
ところでナスは今「コナジラミ」の害が問題になっています。
コナジラミの被害でもっとも深刻なのは、葉の裏に寄生して水分や栄養分を吸うこと。結果、光合成を妨げたり伝染病を媒介したりで、ひどい場合は枯れてしまうこともあるそうです。
今までは農薬に頼っていましたが、今年から天敵を使った駆除法を試しているそうです。消費者の我々にしても農薬では無く、自然の働きを利用出来た方が安心ですよね。
結果が出るのはもう少し経ってから。有効だと嬉しいですね。
−お茶を淹れるお湯は沸騰させてはいけない−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 住田恭子さん)
今回取材をお願いしたのは島田市の大塚隆秀さん。お茶の取材は何回も行きましたが、ハウス栽培は初めてでした。何のためにハウス栽培しているかというと所謂新茶シーズンの5月上旬よりもずっと早く収穫するためです。
今年は何と3月15日に初摘みしたそうです。それでも一時期の冷え込みのせいで去年より少し遅くなったとか。でも3月15日に積んだお茶は、3月18日には大塚さんの経営するお店に並んだそうです。それが出来るのも大塚さんの会社で全ての工程をしているからこそなのです。
ところでお茶ハウスですが、温度管理のためのボイラーなどは一切使っていません。とすると冷え込む夜などはどうしているのでしょうか。
その秘密が「地中熱循環法」。ハウスの中は太陽が上がると温度がかなり上がります。その熱を換気扇を回して放出するようにしていますが、ハウスの上部には熱い空気がたまります。それを左写真に写っている上部に吸気ファンの付いた筒に熱い空気を取り込みます。その熱い空気はすべての畝の下に埋めてある熱伝導の良い特殊なパイプの中を通り、お茶の木の根っこの部分の土を温めながら畝の端から放出されます。
昼間の目的はハウス内の温度バランスを保つため。夜は再び吸気ファンを回すことによって地中にたくわえられた熱をパイプに移して各畝の足元に放出するのです。(写真:放出口)
目的は成長を促すと同時に凍霜害の無い状況を作り出すこと。
「地中熱循環法」は何十年も前に開発された技術だそうですが、私は始めて見ました。この循環のお陰で周辺の露地物より40日ほど早く収穫出来るということで、大塚さんの目指す区別化・差別化が達成されているということです。
今回の《おいしいをつくりましょ。》は、お茶マスター大塚さんによる「美味しいお茶の淹れ方」でした。
これまでの常識は、一煎目は60℃位に冷ましたお湯を茶葉の入った急須に入れて1分ほど置いて湯飲みに入れる…でしたが、大塚マスターによると茶葉にお湯を注いで茶葉が開きかけてお茶の旨味が溶け出し始めたところで湯飲みに最後の一滴までいれる…なのです。時間にして数10秒。
お湯の温度も理想は「64℃」。人間が一番美味しさを感ずることの出来る温度だそうです。
本当にまろやか・なめらかな上品な甘さが醸し出され、美味しいでも後味の爽やかなお茶でした。
(写真:JAおおいがわ 住田さん)
大塚マスターに質問しました。お湯の温度は沸騰させてから湯冷ましなどを利用して下げた方が良いのか、湧かしていく段階で目標の温度になったところで火を止めた方が良いのか…?
マスターは即座に「上がっていく段階で止める方が良い」と答えました。理由は「沸騰させると、溶け込んでいる空気が逃げて行ってしまうので」と言う事でした。実はお湯を注いだ時に「茶葉が踊る」ことが大事なんだそうです。踊らせているのがお湯に溶け込んでいた空気…特に酸素で、沸騰させたお湯では無くなっているので美味しく淹れられないとのこと。
因みに紅茶もそうだし、コーヒーも空気の溶け込んだお湯の方が美味しく出るそうです。沸騰させてしまった場合は水道水を足して温度を下げると良い…とも教わりました。
関係ありませんが、冷たい飲み物の理想温度は「4℃」だそうです。上も下も「4」なんですね(^_^)
−果肉が柔らかくゼリー状部分の少ない、甘く食べ易いトマト−
今回取材をお願いしたのは磐田市の田中敏正さん。「サンロード」というブランドトマトを栽培なさっています。一般的な品種である「桃太郎」とは異なる種類です。
「サンロード」は普通のトマトに比べて栽培が難しく、1本の樹から穫れる量も少ないトマトだそうです。
田中さん曰く「わがままなトマト」、非常に手がかかるトマトなんです。その代わり味は濃厚、マイルドな甘味と相まって深みのある美味しさだという説明でした。
味見しなくては何とも言えない…ということで、貴重なトマトですが収穫体験しました。
トマトは実のすぐ上の茎の「くの字」に曲がった節を「くの字」の逆方向へ力をかけると簡単に穫れるのですが、サンロードの場合は、ヘタや実にダメージを与えられないということでハサミで気を付けて収穫するんだそうです。
試食しました。果肉が柔らかい。ゼリー状部分が少ないので果汁がはじけ飛ばない。そして何と言っても深みのある甘さが普通のトマトとちょっと違いました。もっとも、従来のトマトのちょっと青くさい香りと味が好きな方もたくさんいらっしゃるとは思います。私もその一人ですが、それはそれ、これはこれ…と言う感じで別物と捉えても良いかなとも思います。
栽培法は「養液栽培」。栄養をやるタイミングや水の管理などコントロール可能な、効率の良い栽培法です。
30年ほど前は土耕栽培をしていましたが、「桃太郎」と違い非常に難しく収量も思ったようにいかなかったそうです。それで「養液栽培」に踏み切った訳ですが、「サンロード」は簡単ではなく「手のかかる、わがままなトマト」という表現をなさっているのです。
それでも「養液栽培」のノウハウが確立されてきて、安定した収量が期待できるようになったとのことでした。
《おいしいをつくりましょ。》
「サンロードを使った万能トマトソース」
作り手は女性部磯部ツヤ子さん(左)と後藤ちよさん
トマトを湯剥きしてぶつ切りにしておく。粗めに切った玉ねぎ・ニンニクをプライパンで炒め、玉ねぎに透明感が出てきたらぶつ切りトマトを加えてさらに炒める。水分が出てきたらコンソメ・ローリエを入れ塩胡椒で味を調え完成。
プレーンオムレツにかけて食べましたが、サンロードのコクのある甘さがオムレツにピタリ合います。「万能」を謳っていますので、何にでも合うと思います。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
現在の日本の農業の課題の一つは「高齢化」とそれに伴う「後継者問題」。田中さんも悩まれた一人ですが、娘の瑞絵さんと結婚した俊亮さんが「自分が飛び込んでも良い」と伝えたことから「憂い」が無くなりました。
以来知識を伝授しながら共同でトマト作りに励んでいるという訳です。ハウスが新しくてシッカリ出来ていますので、これは?と聞くと「婿のために建てた」とおっしゃっていました。「本当に嬉しい」とおっしゃるので「安心したでしょ?」と問うと「その通り!」と満面の笑みを浮かべていらっしゃいました。
写真は娘さん一家と田中さんの奥様久美子さんです。左から久美子さん・瑞絵さん・(長女)美有ちゃん・(次女)杏奈ちゃん・俊亮さん
−「スイートミルクベリー」という「白イチゴ」が気になりました−
(撮影協力:JAハイナン広報 岡田阿祐美さん・大石彩加さん)
今回取材をお願いしたのは牧之原市のイチゴ農家畠(ハタ)功樹さん。主に静岡生まれの「紅ほっぺ」を栽培なさっています。
「紅ほっぺ」は「章姫」と「さちのか」という品種の交配で誕生しました。「章姫」の大粒なのに強い甘さと、「さちのか」の酸味とコクのある食味を合わせ持っていて今や県内のいちご生産量No.1を誇ります。
畠さんももちろん「紅ほっぺ」の生産が主力です。しかし、もう一つJAハイナン管内で畠さんしか作っていないイチゴがあるのです。
(写真 : 畠さんと奥さんのミドリさん)
それが「スイートミルクベリー」という「白イチゴ」。写真の状態でほぼ収穫OKの状態なのです。12月のクリスマスシーズンはもっと白いと言いますから、その時期はまさに「白イチゴ」ですね。
ケーキなどでその彩り(と言って良いのかどうか)が興を添えてくれる、クリスマスシーズンにはある意味欠かせない存在となっているようです。
イチゴが赤いのは果肉の皮にアントシアニンが含まれていて、成長の過程で光に当たると赤くなっていきます。
しかしこの白イチゴは、光を当てない様に日陰で育てたわけではありません。品種改良の過程で「アントシアニンが形成されない」または「形成されにくいイチゴが誕生した」というモノなんだそうです。中の果肉も当然ながら真っ白。
紅ほっぺと比較すると幾分酸味が強いと言われますが、私にはそんなでもありません。甘さは「さっぱりした甘さ」という表現がピッタリ。章姫・きらぴ香・紅ほっぺなどの甘さを好きな方は「少し足りない」と感じるかもです。
《おいしいをつくりましょ。》
「いちごのヨーグルトプリン」
調理担当は、女性部の南城秀子さん(左)と鈴木由紀子さん
イチゴにヨーグルトと生クリームを混ぜて、それにゼラチンと砂糖入り牛乳を加えて冷蔵庫で1時間程冷やし固めて完成。
イチゴと乳製品の相性は抜群です。ヨーグルトの酸味とイチゴの甘さ、それに生クリームのコクで美味しくない訳はありません。私もペロッといけちゃいました(^_^)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(写真:JAハイナン 大石さん)
《今回の一枚》
圃場で収穫したイチゴを試食しているシーンです。イチゴは紅ほっぺ。大きなイチゴを収穫した二人。私が「ひと口でいこうか」と言って口に放り込んだところのスナップ。
結構大きなイチゴだったので、ひと口で頬張ったのを少し後悔しました。口からあふれ出そうでドキドキしました。
志帆ちゃんは私より大きいイチゴだったので、この直後嚥下に苦労して顔を赤くして苦しんでしまいました。
つまらないことを言わなければ良かった…と二重に後悔した私でした。志帆ちゃん、ゴメンm(__)m
(写真:JAハイナン 岡田さん)
−静岡県の新規就農者育成支援事業「ニューファーマー」−
(撮影協力:JA遠州夢咲広報 浅原直樹さん、JA静岡中央会広報 新澤大樹さん)
今回取材をお願いしたのは御前崎市にある渡邉裕介さんと南雲仁志さんのお二人。お二人はイチゴの栽培を手掛けていらっしゃいますが、取材対象はイチゴではなくお二人そのもの。と言いますのもJA遠州夢咲のイチゴ生産者の1/3が「ニューファーマー」、つまり新規就農者なんです。渡邉さんが就農10年目、南雲さんは就農1年目。南雲さんは今年初めて収穫・出荷した方だったのです。
「ニューファーマー」は静岡県の「新しい担い手(新規就農者)の育成」を目的とした支援事業です。
就農1年目でありながら南雲さんは、県の品評会で銅賞を受賞。渡邉さんはなんと金賞を受賞した優秀生産者でいらっしゃるのです。
(写真左前から南雲さん・渡邉さん・JA遠州夢咲 浅原さん・JA遠州夢咲営農 後藤賢哉さん・JA静岡中央会 新澤さん)
渡邉さんの前職は全国チェーンの飲食店の店長、南雲さんは出版社勤務。
渡邉さんはもっと自分の力を試したいと思って模索していた時に、この事業のことを知りパンフレットを取り寄せたそうです。載っていたキャッチコピー「農業経営者になろう」と「ニューファーマー」という名称に魅力を感じて応募。
そこから1年間は受け入れ農家の元で研修。万全の体制で1年目に臨みましたが、収穫が追いつかず熟しすぎて廃棄処分をした苦い経験を話してくれました。
その量440kg(1500パック)涙が止まらなかったそうです。
南雲さんのきっかけは、出版社勤務時代体調を壊し入院をした時に食べた病院食。その病院食も誰かが自分のために作ってくれたものと思ったら、美味しく感じたそうです。出版社の仕事はお客さんと直接かかわることが少ない仕事。物を作ってお客さんと直接かかわれる仕事もいいなと思い始め、農業大学に入学しました。
そして農業の展覧会などのイベントに足を運び、静岡県で新規就農者を募集していて就農までの技術の指導や販売、農地の確保までやってくれると知り応募したそうです。
今は農福連携にも取り組んでいます。志が高いですね。
実は今回が鳥越佳那アナのごちカンロケ最終回でした。丸4年相棒を務めてくれた佳那ちゃん。
料理コーナーでの仕切りの良さ。また私の頭の三角巾が歪んでいると「ちょっと良いですか?」と言って直してくれる優しさ。番組に少しでも貢献できたら…と「野菜ソムリエ」の資格を取得したこと。思い出したらキリがありません。
優秀なだけに次から次へと舞い込む仕事。ごちそうカントリーは出発が早朝。前日遅くまでの仕事をこなしてのロケ。大変だったと思います。
でも「ごちカンロケは、私にとって癒やしです」と言ってくれていました。どんなに疲れていても、花粉症で苦しくても、ずっと笑顔でいてくれた佳那ちゃんには感謝しかありません。
左の写真は、佳那ちゃんのごちカン登場の初回、挨拶と自己紹介のシーンです。
2018年4月1日(日)放送、袋井市のスイートピュア(高糖度トマト)の回でした。この頃は、エンディングギャグがまだ生きている頃で、受け応えもしっかり演じてくれました。
それからは気配りの佳那ちゃんの素晴らしさを発揮。私が注意力散漫だったり、動きに無理があると「くんちゃん気を付けて!」と声をかけ続けてくれていたことが忘れられません。
佳那ちゃん、4年間本当にありがとう! 心から感謝しています。
−「アメーラルビンズ」「ゴールド」「ショコラ」マーブルチョコを連想−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 野田忠志さん)
今回取材をお願いしたのは藤枝市にある株式会社サンファーマーズ藤枝農場。お目にかかったのは、総務部長であり自身も栽培をなさっている山川貴史さん。
ここで栽培されているのが、高糖度ミニトマト「アメーラルビンズ」です。アメーラルビンズは比較的新しい品種のミニトマトで細長い楕円形と鮮やかな朱色が特徴です。名前の由来はビーンズ(豆)の様な形でルビーの様な輝きがあることから合わせて「ルビンズ」。それに高糖度トマトのブランド名「アメーラ」を冠して「アメーラルビンズ」と命名されたのだそうです。
小さいままで成熟するように水をギリギリまで控える独自の技術で栽培。そのギリギリを見極めるのが難しいそうです。そのため甘さ・酸味・栄養価がしっかり濃縮されていると胸を張っていらっしゃいました。
今回見せて頂いたのが写真の3種類。「アメーラルビンズ」「ルビンズゴールド」「ルビンズショコラ」です。味が気になりますが、アメーラルビンズは甘さと酸味のバランスが良い中心的なルビンズ。ゴールドは爽やかな甘さ、ショコラは見た目通り濃厚でした。見た目ではマーブルチョコを連想しませんか?(^_^)
左の写真で二人が付けているマスクに注目して下さい。緑茶から生まれた「カテキンマスク」です。まさにお茶の香りがします。
実は農場を訪問する前に、「KADODE_OOIGAWA」(島田市)を訪れました。そこの福本作治社長(枠内写真)が「付けて貰おうと思って!」と「カテキンマスク」をプレゼントして下さったのです。茶処ならではですね。スタッフも全員付けました。
数時間後お茶の香りを感じなくなったので、志帆ちゃんにその旨伝えると、志帆ちゃん即座に外して外気を吸い「鼻をリセットしたら感じましたよ」と言います。言う通りにしたら「本当だ!しっかり感じる!」。それを聞いていたスタッフもすぐ試して「本当だ!」と感動していました。
(撮影:JAおおいがわ 野田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「アメーラルビンズとカマンベールチーズのオープンパイ」
作り手は、サンファーマーズの山川さん。
常温に戻したパイシートを一旦200℃のオーブンで10分程焼き、その上に放射状に12等分したカマンベールチーズを並べ、ブラックペッパーとバジルソースを適宜かけます。
アメーラルビンズと黒オリーブを写真のようにチーズの間に置き、さらにオーブンで8分ほど焼いて完成。
パイを放射状に8等分して試食、一口でいっちゃいました。ルビンズがチーズに埋もれちゃわないかなと思っていましたが、ちゃんと主張。味も栄養も凝縮されたルビンズならでは、と感じました。
(枠内写真:JAおおいがわ 野田さん)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
今回の取材きっかけの役割を果たしてくれたのが、JAおおいがわの農産物PRユニット「茶果菜(ちゃかな)」の皆さんでした。ごちそうカントリーにも何回か出演していて、華やかさを添えてくれてきました。その「茶果菜」が今年3月いっぱいで解散することになったのです。今回の出演がグループとして最後ということになりました。
2016年9月のデビューですから、5年半の活動でした。寂しいですが、若い皆さんですからどんな風に羽ばたいていくのか楽しみな部分もあります。皆さんも応援してあげて下さいね。(敬称は略しました)
−エシャレットとエシャロットは同じネギ属だけど別物−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
今回取材をお願いしたのは浜松市南区の村井正博さん。JAとぴあ浜松エシャレット部会の部会長です。浜松でのエシャレットの栽培は70年ぐらい前からだそうで、浜松が発祥地だと言われています。
エシャレットは軟白栽培した1年物の早採りラッキョウのことで、村井さんたちは甘酢漬けにしていわゆる「ラッキョウ漬け」としても食べるそうです。
エシャロットと言われる場合もありますが、エシャロットは玉ねぎの仲間で全く別物だそうです。同じネギ属ですから親族ではありますが。
(軟白栽培とは下の鱗茎(球根)になる部分に土を被せて、軟らかく白く栽培すること。白ネギと同じ栽培方法。歯応えありながらも食べ易い)。
採り立てを試食しました。2017年1月22日での放送で採り立てを試食していましたので、今回は2回目でした。
当時のオンエア同録を観ましたら「辛みが少ない」と言っていましたが、今回は辛みが結構来ました。当時は1月、今回は2月。成長度合い(大きさ)が違うのが録画ではっきり出ていました。同じ早採りでもひと月違うとよりラッキョウになっていっているんだな、と思いました。
でも美味しかった!でもやっぱり味噌が欲しかった!(^_^)
(撮影:JAとぴあ浜松山田さん)
JAとぴあ浜松のエシャレット部会女性部は「スカリオンクラブ」と言う名前を付けています。「スカリオン」って何なのか伺いましたら「エシャレットの花」とのこと。見たことがありません。
現在の畑では既に種を持っている状態の茶色くなった、「花」だったらしき物(左矢印)があるだけです。花が咲いているのは11月頃だそうで、JAとぴあ浜松広報の山田茂樹さんが写真を見せて下さいました。(左枠写真)
同じ科ということでヒガンバナに通じるものがありますね。
なお本来スカリオンは、ニンニク・タマネギ・ニラなどのネギ属全体を指す言葉のようです。
(枠写真撮影:JAとぴあ浜松山田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「エシャレットの天ぷら」
作り手は、「スカリオンクラブ」の大杉由美子さんと太田弘子さん
高フ部分が少し残る位の長さに切って、160度の低温で焦げないように揚げていきます。最初に高フ部分を持って下の部分を油に入れ、そっと寝かせるようにして全部入れます。熱が入ることによって辛みが甘味に変化していて、最高に美味しかった!お子さんでも抵抗なく食べられますね。そんなこと家族で話していたら長女が「私は子どもの頃から好きだったわ」と言っていました。
高フ葉の部分は枯れていなければ全部食べられるそうです。ネギ属ですから薬味には使えますし、肉などと一緒に油炒めにしても美味しいとおっしゃっていました。
そうですよね。間違っても捨てちゃいけません。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
今回はブツ撮りシーンでの「人間の盾」です。畑をバックにザル盛りのエシャレットを撮影しようとしているのですが、遠州名物「カラッ風」でザルが煽られてひっくり返りそうになります。そこで「人間の盾」の登場。
JA広報山田さんと生産者の皆さんが風の盾になって、撮影出来るように協力して下さっている光景なのです。
JAの広報担当のほとんどの方とは撮影仲間です。私たち撮影クルーが何をしようとしているのか、何をして欲しいと思っているのか、よく分かって下さっています。
皆さんの協力無しでは番組は成立しないのが良く表れている一枚だと思います。
ありがとうございました。
−JA伊豆の国苺委員会が日本農業賞「集団組織の部」で大賞−
(撮影協力:JA伊豆の国広報 梅原綾花さん)
今回の取材先は伊豆の国市にある飯田寿夫さんのハウス。飯田さんは以前は土耕栽培でしたが、今は高設でイチゴを栽培しています。何と言っても管理のし易さと、収穫時の身体への負担の軽減が大きな理由だとおっしゃっていました。JA伊豆の国全体では、土耕栽培はまだまだ多いそうです。それぞれの良さがありますものね。
飯田さんの栽培品種は「きらぴ香」ですが、JA伊豆の国全体で多いのは「紅ほっぺ」です。収量効率の良いのは「紅ほっぺ」だとおっしゃっていました。
JA伊豆の国苺委員会が第51回日本農業賞集団組織の部で大賞を取りました。1/31発表ですから湯気が出ていますよね。高品質なイチゴを生産するための様々な取り組みが評価されました。
実際JA伊豆の国苺委員会では委員会メンバーで情報交換したりしてみんなで技術を高めあっているそうです。想像しがちな「栽培のコツなどを他人には教えない」などという姿勢は皆無なんですって。だからレベルの高いイチゴが生産出来るんですね。
またニューファーマーの受け入れにも積極的で「ニューファーマーの相談」にも気軽にのっているそうです。
(写真:前から飯田さん・JA伊豆の国営農田中達也さん・JA伊豆の国広報 梅原綾花さん)
受賞の大きなバックボーンに、困ったときに助け合う「手間返し」の精神が強い地域であることも大きいでしょう。事実、台風や大雨などで農業に被害が出た時には、被害が軽微か免れた農家がいち早く駆けつけて手伝うそうです。
ある年、ハウスが水没した農家に皆で苗などを持ち寄って再開を応援した結果、それなりの量を出荷することが出来たというエピソードも飯田さんが語っていらっしゃいました。
「手間返し」とは労働には労働で返す助け合い精神の言葉です。
《おいしいをつくりましょ。》
「いちご御飯」
作り手は、女性部のイチゴ生産者の伊奈久仁子さん。久仁子さんという名前なので、小さい頃から「くんちゃん」と呼ばれてきたきたんだそうです。私が「くんちゃん」と呼ばれた歴史(^_^)よりも年季が入っているのです。
作り方は、本当にイチゴの炊き込み御飯でした。炊きあがった時イチゴは色がかなり抜けていました。御飯はというとピンク色です。全体からイチゴの香りがします。その御飯を油揚げに詰めて「お稲荷さん」にしました。ひな祭りをイメージした稲荷寿司というコンセプトです。食べてみるとイチゴ味というより薄めの酢飯といった感じでした。使ったのは紅ほっぺ。適度な酸味が酢飯風に一役買ったのでしょう。甘く煮た油揚げとうまく会っていました。
考案したのは伊奈さんご自身。沼津西浦のみかんジュースを使った炊き込み御飯にヒントを得て作ったそうです。今では仲間と機会を捉えては作っているとおっしゃっていました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
今回の3枚目の写真で、イチゴのすぐ上にPP(ポリプロピレン)テープが通っているのがお分かり頂けると思います。あれには大きな意味があります。
高設栽培では実を付けた茎が高設ベンチ(棚)の縁に当たって折れ曲がり、実に水分や栄養が行きにくくなります。土耕栽培は畝を作って定植しますので、全体が角の無い曲線になり、その問題は起きないのです。
そこでその対策として考案されたのが、あのPPテープ。棚の角を避けて茎が傷まないようにする工夫だったのです。3段階の距離設定が出来るようになっています。
−ミニトマトのリコピン含有量は普通のトマトの3倍弱(同量比)−
(撮影協力:JA遠州夢咲広報 浅原直樹さん)
今回の取材先は掛川市の柴田和慶さん由倭さん御夫妻のハウス。34歳と29歳の若いご夫婦。結婚して2年。和慶さんの実家は地元で「しばちゃん牧場」という名前で知られている柴田牧場。和慶さんもしばらくは牧場で働いたそうですが、ミニトマト栽培に出会って動物よりも植物に興味が湧き独立したんだそうです。
でも和慶さんと由倭さんが知り合ったのは柴田牧場。由倭さんは学校卒業時、全く違う分野の会社に内定していたそうですが、社会に出る前に経験しておきたいと柴田牧場にアルバイトで訪れたのが運命の出会いだったとか。
和慶さんはミニトマト栽培を始めて6年。作っている品種は「千果(チカ)」。粒が揃い易く、色は濃い赤・ツヤがあり、栽培し易く比較的病気にも強い品種。そして高糖度で食味が優れていることから決めたそうです。その場で試食しましたが、ミニトマトの中では柔らかめの皮でした。
ミニトマトは普通のトマトと栄養素はほぼ同じですが、同量で比較するとその含有量がだいぶ違うんですって。例えばトマトの代表的な栄養素リコピンは普通のトマトの3倍弱、ビタミンCは倍以上ということです。
取材したハウスの隣に新しいハウスがありました。出来立てホヤホヤのハウスでロケ日の前々日今月2月からの稼働だそうです。最新式の空調管理システムなどを導入したハイテクハウスで、ミニトマトにも働く人にも快適な空間を作り出してくれます。
今は稼働したばかりですから苗だけですが、そのうち鈴なりのミニトマトが見られるんでしょうね。
奥さんの由倭さんは「返済が心配です」とお話になっていましたが、JA遠州夢咲金融部の熊切高太さんが「大丈夫ですよ」と笑っていらっしゃいましたのでOKでしょう。
《おいしいをつくりましょ。》
「トマトチーズのお茶の葉ハンバーグ」
御前崎市にある「まるよ茶屋」という深蒸し茶を専門に扱う茶商「赤堀商店」が手がけるお茶のセレクトショップで頂きました。
ミニトマトを煮込んだソースに茶葉を練り込んだハンバーグを入れ、チーズをのせて加熱した煮込みハンバーグです。
作り手はキッチン担当岡村安希子さん。岡村さんによると、トマトに多く含まれる「リコピン」は、加熱することで栄養の吸収率が高まるので、加熱調理して食べるのがお薦め。
またリコピンは 油に溶けやすい性質なので、生で食べる場合 オリーブ油などと一緒に食べると吸収率がアップするそうです。ミニトマトソースの濃厚な味に茶葉の香りがするハンバーグが何とも言えないハーモニーを醸し出していました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
ミニトマトはコツを掴むと何の力も要らずに穫れます。ポイントは矢印で指した実に付いている茎の「く」の字に曲がった部分。「く」の山部分を軽く押してやるだけでポロッと取れてきます。分かってしまえば小さな子どもでも出来るくらい簡単です。
ただ1個や2個はいいんですが、出荷のための収穫はなかなかの労働量だな…と改めて思いました。
農家の皆さん、ありがとうございます。
−こん太は1〜3月が旬だが冷蔵すれば9月まで保つ−
(撮影協力:JAしみず広報 見宮正章さん)
今回の取材先は静岡市清水区柏尾の近藤喜美雄さんのハウス。取材対象は「こん太」と命名されたキンカンです。「こん太」は1990年にこの地区の近藤恭史さんが「ニンポウキンカン」の枝変わりを発見して2002年に品種登録されたものです。「枝変わり」は柑橘類の特徴でもありますね。
花は6月から9月ごろまで咲いては散ってまた咲いてを繰り返すとのこと。すべて結実するとは限らないそうで、実が大きくなりやすい6月の一番花の結実が欲しいとおっしゃっていました。繰り返し花が咲く理由は分かっていないとのことです。
特筆すべきは糖度で、驚異の20度以上ありメロン(14〜16度)を上回ります。さらに果皮の表面はツルツルすべすべ。苦みを感じる油胞(表面のボツボツ)もほぼ無いので苦みがほとんど無いと言って良い位です。
キンカンというと皮だけを食べたり甘露煮にして食べることが多いと思いますが、こん太は実も種を除いて全部食べられます。
実が大きくなるためには温度管理も大切なので「こん太」はハウス栽培が必須だそうです。また露地栽培をするとヒヨドリに食べ尽くされてしまうともおっしゃっていました。
収穫方法もみかんとは少し違い、同じ二度切りですが実についた枝を長めに切ります。するとそこから新しい芽が出て花が咲き新たに実が生るそうです。枝の生長は極めて早いとのことでした。
皮は非常にデリケートで傷つきやすいので収穫籠には柔らかい布が内張りされ、そっと置くようにして三段以上は積まないそうです。
こん太は1〜3月が旬ですが、冷蔵すれば9月までは保つとのこと。そこもみかん類とは違う点ですね。
近藤さんのおすすめはこん太を冷凍にしておくこと。一年中楽しめますし、半解凍でアイスクリームを添えると最高に美味しいそうです。
(写真は左から近藤さん、JAしみず広報見宮さん、営農三田渉瑠さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「チョこん太」
作り手は、近藤喜美雄さんの奥様京子さん
「チョこん太」とはチョコレートをかけたこん太のコンポート。こん太のコンポートは煮たら冷ましてを数回、2日かけて作るとのことなのであらかじめ作って頂きました。
製菓用のビターチョコを湯煎して柔らかいペースト状にする。それをコンポートこん太にコーティングしデコレーションして完成。右が佳那ちゃん作、左が私。
この作業は短時間ですが、コンポートに2日かかることを考えるとなかなかのスイーツですね。
こん太の甘さとチョコの甘さがマッチングするのかちょっと不安でしたが、バッチリでした。あんまり甘くないビターチョコが良かったかもです。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
番組は川の土手道で愛犬と散歩する近藤喜美雄さんと遭遇するところから始まります。
愛犬の名前は「ルナ」ちゃん。柴犬でとても人なつこいワンちゃんです。犬好きの佳那ちゃんが寄り添うと親愛の情を示し始めました。
そしてついには佳那ちゃんの顔をペロリ。佳那ちゃんも嬉しい表情。何とも言えない可愛いシーンになりました。近藤さんも喜んでいらっしゃいました。
お分かりかと思いますが佳那ちゃんの自撮りです。
そしてもう一枚。
そのオープニング、散歩中の近藤さんとの出会いのシーン撮影風景です。会った瞬間に犬目線に合わせようと腰を落とす佳那ちゃんの優しさが溢れています。
年齢のいった私にも細かな心遣いをしてくれます。ポンと溝を跳び越えようとした時も
「くんちゃん! 無理しないで!」…と(^_^)
(撮影:JAしみず 見宮さん)
−沼津みかんは7月〜翌年3月の9ヶ月間楽しめるラインナップ−
(撮影協力:JAなんすん広報 浅田智子さん)
今回の取材先は沼津市西浦にある吉田新生さんの寿太郎みかん貯蔵庫。吉田さんは栽培を始めて3年ですが、それ以前の5年間JAで働いていろいろな基礎を学び積み重ねてきた方です。美味しいみかん作りは身についているなという感じでした。
元である青島温州と同じく貯蔵庫で寝かすことによって酸味が抜け、味が濃くまろやかになるのです。貯蔵庫のみかんは昨年の12月に収穫した物。1ヶ月〜2ヶ月寝かせるそうです。
寿太郎みかんは西浦の山田寿太郎さんが1975年(S50)に“青島温州の枝変わり”を発見したことから始まり47年程の歴史があります。
正式に品種登録されたのは1983年(S58)で39年前。特徴として青島温州よりひとまわり小さいみかんで甘みが強い品種。実際貯蔵中のみかんを試食させて頂きましたが、多少の酸味は残っているものの甘味を強く感じました。
(写真は前からJAなんすん広報浅田智子さん、営農奥田涼太さん、生産者吉田さん、営農廣川知士さん)
志帆ちゃんが手にしているフリップは
「沼津みかんの種類と出荷表」。
7月上旬に「西浦のハウスみかん」が出荷され始め、
9月中旬〜「極早生温州」
11月上旬〜「早生温州」
12月中旬〜「青島温州」
翌年2月上旬〜「寿太郎温州」
3月中旬〜「寿太郎プレミアムゴールド」
と実に9ヶ月も出荷されているんです。確かにみかん処ですね。
《おいしいをつくりましょ。》
「西浦みかん寿太郎と鯛のカルパッチョ」
作り手はJAなんすんの浅田智子さん(左)と山本 舞さん
皮を剥いた寿太郎を5mm幅位に輪切りにします。鯛も同様に斜め薄切りにします。
ソースに寿太郎みかんの果汁と胡椒などのスパイスを混ぜたソースを作っておきます。ベビーリーフを敷いた上に鯛、そして輪切りした寿太郎をのせてソースをかけます。最後にカイワレ大根をトッピングして完成。
非常にシンプルですが、素材の味がストレートの伝わってきます。みかんと鯛は合うのかどうか心配でしたが、美味しく食べられました。酸味が残っている位が合うと思います。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
富士山がとてもきれいに見えたロケでした。何枚も写真を撮ってしまいました。そんな中の1枚です。
志帆ちゃんと富士山の間にある雲の辺りを風に乗って悠々と飛んでいる鳥が写っていたのです。雰囲気は「とび」のような気がしますが、はっきりは分かりません。
それにしても天気が良く光量もたっぷり。お陰で志帆ちゃんだけでなく、富士山も鳥もピンボケした感じがほとんど感じられない写真になりました。
−自家採種と地区農家の協力で早採れタマネギを作り上げた−
(撮影協力:JAトピア浜松広報 山田茂樹さん)
今回の取材先は浜松市西区馬郡の刑部(オサカベ)僚太さんのタマネギ畑。日本でいちばん早く出荷される新タマネギ「はるたま」を栽培しています。
「はるたま」は若採りしてから貯蔵せずに出荷するので、普通のタマネギよりやわらかくてみずみずしいんです。収穫体験してから穫ったばかりのはるたまをかじってみましたが、水分がはじけ出ました。最初辛さは全くなく、そのうち来るよねと待ち構えていましたが、少し来たものの涙が出て困るようなことはありませんでした。
今シーズンの出来は、昨年台風の影響が無かったので豊作だったそうです。
日本一早い出荷というので、本来タマネギの収穫最盛期はいつなのか伺いましたら「5月頃」とのこと。品種が違うんですか?と尋ねましたら「同じ」とのこと。
「はるたま」は黄タマネギで、特別早く採れるように改良したものだそうです。どのように改良したのかを伺いました。
驚きました。根気と団結のたまものだったのです。
私は企業で品種改良し早採り出来るようにしたものだと信じていました。ところが実際は農家自身の努力だったのです。
この地域では「自家採種」が当たり前。自家採種で栽培しているうち、早めに収穫出来る株の種を採取。翌年蒔いて育てます。
そしてその中から早期収穫出来る種をまた翌年栽培…これを何十年もかけて繰り返してきました。別の畑で良い株が出ればその種を分け合っての育成も。
地区の農家全体の協力関係でこんな早さが出来上がったという訳です。
《おいしいをつくりましょ。》
「新タマネギのチーズ焼き」
作り手は女性部の鈴木輝子さん
タマネギを八等分にくし切りし、グラタン皿に3つずつ並べて胡椒を好みの量をかけた上にとろけるチーズをのせて、グリルでチーズに焦げ目が出来るまで焼いて完成。実に簡単!
味は文句なしに美味しい!胡椒以外味付けらしきことはしませんでしたが、火の通ったタマネギの甘さとチーズま塩味が絶妙にマッチし、御飯にも合うし酒のあてにも良いと思いました。
あとサラダも辛みの少ないタマネギがトマトやツナと良いコンビでしたし、タマネギの輪切りを使った目玉焼きがアイディア賞ものでした。まさに月見焼き(^_^)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAトピア浜松 山田さん)
《今回の一枚》
試食シーンの撮影直後です。ひとしきり本番撮影が終了すると、別角度から食べながらの談笑シーンを撮ります。この時録音はせず、雰囲気撮影が主眼点になります。この場合も作って下さった鈴木さんの栽培話を伺っていました。この中の話から「自家採種」のこと、そして地域皆で苦労しながら日本一早出荷「はるたま」が作られたエピソードも伺うことが出来たのです。
頭が下がりました。
(撮影:JAトピア浜松 山田さん)
−「半生の干し芋」を冷凍保存し夏に食べると格別とか−
(撮影協力:JA御殿場広報 杉山和則さん、井上郁子さん)
今回の取材先は圃場ではありません。JA御殿場の「さつまいも加工施設」と隣接する貯蔵庫です。
説明に当たって下さったのは、さつまいも加工品生産組合の組合長勝間田利幸さん。昨年11月〜12月に収穫されたサツマイモは一旦貯蔵庫で寝かせます。規定サイズも丸干し用の小さい物から大きな物まで仕分けられて保存されています。
作っている品種は「紅はるか」。JA御殿場では紅はるか一本だそうです。
そして熟成させた後、隣接する加工施設で「半生の干し芋」や「焼き芋」になっていきます。
勝間田さんがおっしゃるには「半生の干し芋」を冷凍保存しておいて、夏場に自然解凍して食べると最高だそうです。また焼き芋を冷やして食べることも勧めていました。「紅はるかを冷やした甘味がとても美味しい。さらに再び温めると甘味が増し、より美味しい」とおっしゃいます。
お試しあれ(^_^)
加工施設で働いている皆さんはバイトの方も居ますが、中心はサツマイモの生産者の皆さんです。植え付けから、収穫、そして加工まで一貫して携わっているんですね。
JA御殿場ではそれが専用施設で協力しながら出来るシステムがあることで、より質の高い均質な干し芋が出来上がります。
写真左下の枠写真は干し芋のスライスツール。並んだ鉄線に通して均一な厚さにスライスする訳ですね。
《おいしいをつくりましょ。》
「干し芋のスイートポテトパイ」
作り手は、洋菓子店「グランディール」店主 平川利久さん
平川さんによると「紅はるか自体を使ったスイーツは作るけど、加工品の干し芋を使ったことはない」のだそうです。なので今回が初挑戦。
干し芋4〜5枚を4〜5Cm幅に切り、鍋に入れて牛乳・生クリーム・砂糖・コーンスターチを加え火にかけます。焦げないように攪拌しながらとろみが出るまで水分を飛ばしていきます。干し芋の形がある程度残った状態で火を止め、冷まします。これが餡。
常温解凍した冷凍パイシートを縦方向に麺棒で倍の長さになるよう伸ばし、冷めた餡を伸ばしたパイシート半分に乗せ、残りのパイシートを被せてオーブンで30分。
干し芋自体も残っていて、これが濃厚な甘味を感じさせます。美味でした!
パウンドケーキとタルトも用意して下さっていて、これまた美味。さすがプロの味でした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
加工場の写真でもお分かりかもしれませんが、ロケ当日は雪が降りました。降る雪を全身で感じている志帆ちゃんです。ただこの後も降り続き、東京を始めとして雪による交通障害が発生しニュースになった日でもありました。
ただダウンブルゾンがありがたかった一日でもありました。というのも、昨年暮れはロケの日が暖かく、ダウンを着ていっても脱ぎたい日が多かったからです。
−新しい農業資材「バイオスティミュラント」でより安定した栽培を−
(撮影協力:JAハイナン広報 大石彩加さん、岡田阿佑美さん)
取材先は牧之原市の山本孝佳さんの白ネギ畑。白ネギはお茶の転換作物として始まり、白ネギ委員会を立ち上げて、本格的に栽培を始めたのは5年前位前だそうです。
白ネギの栽培サイクルは、5月下旬から6月上旬にかけて苗を植えて12月上旬から1月中旬位まで収穫。
もちろんお茶栽培もやめた訳ではなく、夏場を収穫の中心としたお茶と冬場を収穫の中心とした白ネギで農繁期はうまく回るのだそうです。
農薬でも、肥料でも、土壌改良材でもない全く新しい農業資材「バイオスティミュラント」を使っていると伺いました。
初耳だったので色々聴きましたが、もう一つ分かりません。帰宅してからネットで調べてみました。ぼんやりと分かってきたことは、生ゴミ分解などに使われる「ぼかし」がそれに近いということ。「ぼかし」とは、米糠や油粕などに糖蜜や微生物を加え醗酵乾燥させたもの。生ごみの臭いや虫の発生を抑え、発酵を促進する効果があるそうです。
(撮影:JAハイナン大石さん)
「ぼかし」は日本で古くから使われていたもので、直接的に植物の栄養とはならないけれど根が強くなったり、夏の高温とか冬の低温・乾燥・多雨など不良環境への耐性が高くなるそうで一つのバイオスティミュラントと呼んで良いということでした。
現在もぼかしからヒントを得た農業資材が市販されているとも書かれていました。
写真は、収穫したての白ネギを許可を頂いてかじってみた時のものです。とてつもない辛さで参りました。かじってすぐマスクをした訳ですが、マスクの上の隙間から立ち上ってくる硫化アリルで涙が止まりませんでした(^_^;) (撮影:JAハイナン大石さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「白ネギのポタージュ」
作り手は、生産者の奥様山本麻美さんと女性部の縄巻味佳子さん、木下真紀さん
白ネギのポタージュは作り方もシンプル。斜め薄切りにした白ネギを炒め、牛乳と一緒にミキサーでなめらかになるまで攪拌。コンソメを加えて温め完成。白ネギらしさが失われはしないかと思いましたが、試食しましたら何の何のしっかりネギを主張していて、ネギ好きの私としては大満足でした。
もう一品「ネギ味噌焼き」も作って下さいました。3〜4センチに輪切りにした白ネギに味噌をのせ、その上にとろけるチーズを重ねてオーブンで焼いた物。
(写真:左から木下さん・縄巻さん、山本さん)
(撮影:JAハイナン岡田さん)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
ロケの記念撮影した一枚です。圃場でご出演下さった3人の方と撮りました。明るい皆さんで打ち解けてからはノリノリポーズをして下さいました。
こうしたノリの良さが生産者同士やJAハイナンの皆さんとの良いチームワークを醸成し、質の高い白ネギやお茶を生み出しているのだなと思いました。
(写真:左からJAハイナン営農水野優さん・山本さん、生産者加藤達実さん)
(撮影:JAハイナン大石さん)
−ダイダイの葉は大小2枚の葉が繋がっているような独特の形−
(撮影協力:JAあいら伊豆広報 高田 稔さん)
取材先は熱海市の岡野谷伸一郎さんのダイダイ畑。ダイダイは英語では「ビターオレンジ」と言います。ビターは苦みという意味ですから、苦みと酸味が特徴的なダイダイにはなる程という命名ですね。和名は代々の意味で年を越しても木に付いている事は有名ですよね。そのため摘花はするけど摘果はしないそうです。
果実の色は、11月頃までは緑色を帯びていますが、12月になると鮮やかな橙色になり、そのまま残しておくと春には再び緑色を帯びるそうです…不思議な柑橘ですね。
(撮影:JAあいら伊豆 高田さん)
岡野谷さんは農業の道に入って、まだ3年だそうです。でも情熱は人一倍。勧められてダイダイ作りに接してみたら大いに魅力を感じ飛び込んだとおっしゃっていました。営農の石坂 誠さんによると「意気込みが違っていた。この人はやる!応援しなくちゃ」と感じたそうです。
ダイダイは単独ではどんどん売れると言う物ではないそうで「加工品も含めて鏡餅や正月飾りだけではない販路を見出し、後に続く人を育てたい」と岡野谷さんはおっしゃいます。飛び込んで3年でこのコメントはすごいと思いました。
(写真:左からJAあいら伊豆営農石坂 誠さん・橙栽培見習い荻原穂花さん・岡野谷さん・JAあいら伊豆広報高田さん)
岡野谷さんの前職はトラックドライバー。現在はダイダイ作りの傍らタクシードライバーをなさっているそうです。「生活のためもあるけど、ダイダイの宣伝が出来るのが良い」とおっしゃいます。
シトラス(柑橘類)でトライ(挑戦)する「シトライ・カンパニー」を立ち上げ、タクシーの中にダイダイの宣材を置いたところ注文も来るようになったそうです。熱海は関東からのお客さんも多いですからね。
(撮影:JAあいら伊豆 高田さん)
(写真:左から営農石坂さん・岡野谷さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「ダイダイを使った紅白なます」と「ダイダイゼリー」
作り手は女性部の松尾敬子さん、峯野まき子さん、河井知代子さん
「紅白なます」はダイコンとニンジンの千切りにした物にダイダイ・マーマレードとダイダイ果汁を和えて完成。
「ダイダイゼリー」はダイダイ果汁に砂糖と粉寒天を加えて沸騰させたら粗熱を取って冷蔵庫で1時間ほど冷やし固めて完成。
「紅白なます」は酢の代わりにダイダイ果汁、砂糖の代わりにダイダイ・マーマレードで、非常にフルーティな香り高いなますに仕上がっていて「ダイダイ使える!」と言う感想。「ダイダイゼリー」は言うまでも無く爽やかでツルっと入ってきます。
ダイダイの酸味はレモン程鋭くなくマイルドなので、どちらも美味しくいただけました。身近でダイダイが売っていたら、作りたいなと思いました。(写真:左から松尾さん・峯野さん、河井さん)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
岡野谷さんが「ダイダイの実が付いていなくても、他の柑橘類と簡単に見分けが付きますよ」とおっしゃるので見分け方を伺いましたら「葉」を見るのだそうです。
どれどれ…としっかり見ましたら発見しました。付け根に近い方にくびれがあって大小2枚の葉が繋がっているような形をしているのです。「通常食べているミカン類とは明らかに違うのですぐに見分けが付きますよ」と笑っていらっしゃいました。
−実の若いうちに採る「若採り」で巻きが優しく鮮度を保つレタス生産−
取材先は森町の森一弥さん由美子さん御夫妻の畑。ここで栽培されているのが、静岡県レタス協議会のレタスの統一ブランド「うまレタ」。品質の高いレタスの穫れる静岡県ですが、中でも森町を始めとした静岡県西部地区は「遠州のからっ風」という冬の冷たい風が美味しいレタスを育みます。
森さんを始めとした森町のレタス部会では、冬場はレタス栽培ですが、夏場は稲作かトウモロコシ栽培をしています。
今年の夏は稲作だったそうですが、来年はトウモロコシ栽培になるとおっしゃっています。連作障害防止もあって、稲作やトウモロコシをはさむことがレタスの生育に良いのです。取材させて頂いた森さんの圃場は、レタス→稲作→レタス→トウモロコシ→レタスという循環だということでした。
いずれにしろ冬場のレタス栽培は歴史があるので、レタスありきの循環になっているとおっしゃっていました。
(写真:左から生産者森一弥さん・JA遠州中央営農松永岳彦さん)
収穫は「若採り」とおっしゃっていました。「若採り」とは、実の若いうちに採ることで、鮮度がよく保たれ、巻きがやさしく、シャキシャキ感に優れています。持ちが良いことから、マーケットに出荷しても消費期限を長めにとれる利点があります。食感が良く持ちの良い「若採りレタス」、選ぶ時は同じ大きさなら軽い方を選んだ方が巻きがやさしくて食べ易く品質の高いレタスと言えるそうです。JAでは収穫時期の基準として「収穫日予測」という資料を農家に渡しています。根拠になっているのは定植した日からの平均気温を合計した積算温度です。
《おいしいをつくりましょ。》
「ニコニコレタバーグ」と「レタスと寒ブリのしゃぶしゃぶ」
作り手は、生産者の森 由美子さん(左)とお友達の秋山みどりさん
一口大の俵形ハンバーグを作り、軽く茹でたレタスで巻いたもの。手がかかるのはハンバーク作りの部分だけ。レタスを茹でる時は、最初に葉先を持って芯部分から湯に浸けるのがコツ。葉は直ぐしんなりするので先に芯部分を柔らかくすると巻きやすくなるんですね。ロールキャベツのレタス版という感じですが、レタスは柔らかくなってもシャキシャキ食感が残っているのでそれを楽しみながら一口でいくのが最高です。
もう一品用意して下さったのは「レタスと寒ブリのしゃぶしゃぶ。ブリの脂とさっぱりしたレタスしゃぶとの相性もバッチリでした。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
今年の11/21放送の「沼津ねがた白ねぎ」の時の《今回の一枚》は、スマホのポートレートモードでの佳那ちゃん自撮り撮影で佳那ちゃんはくっきりでしたけど、少し後にいる私はボケボケでした。当然です。今までに何回かそうなったことがあり、面白いなと思いました。
今回は極端な例として佳那ちゃんをボカしてみました(^_^)
この写真で不思議な現象が起きています。佳那ちゃんの上半身は確かにボケています。
しかしズボン部分はほとんどボケていません。二つのカメラを駆使しての撮影ですが、コンビネーションが上手くいかなかったようです。
−紅白カブの大きさを揃える努力がセット販売の要−
(撮影協力:JA富士市広報 望月 綾さん)
取材先は富士市今泉の植松君夫さんのカブ畑。ここで栽培されているのが紅白カブ。名前が「桃富士」と「雪富士」、JA富士市のブランド野菜なんです。
で実は三年前の2018年7月1日の放送で、佳那ちゃんと私が命名したカブなんです。とは言っても関係者の方が「こんな名前だったら良いかな」という候補を用意して下さっていまして、その中から選んで…ということだったんですが(^_^)
赤カブは剥くとイメージがピンクだったので、佳那ちゃんが「桃富士」。白カブは富士山の雪化粧のイメージから「雪富士」。どちらも富士山の麓、富士市の特産ということで「富士」が付きました。
(撮影:JA富士市 望月さん)
それにしても剥き方も工夫されていますよね。包丁で切れ目を入れて、皮は手で剥きます。綺麗に剥けるんです。
上の写真のように飾り切りしてあるカブの皮をスーッと剥いて生で試食しました。これが甘くて美味しいんです。「雪富士」は全くクセがありません。「桃富士」の方が味に主張がある感じでしたが、これがまた良い。写真は「桃富士」が身までピンクがうっすら入っているあたりを見ているところです。
(撮影:JA富士市 望月さん)
「桃富士」と「雪富士」は一般的な小カブよりも二回り程大きめの品種です。そして紅白セット販売が喜ばれます。日本人なら分かりますよね。そこで問題なるのが大きさ。紅白揃った大きさの方が良いのは当たり前です。ところが「雪富士」の方が成長が早い…となると定植時期をずらす必要が出てきます。さらに販売期間を長くするために、畝ごとにずらすこともしているそうです。
カブの大きさを測るゲージが私が手にしている規定穴の空いた板。そこへ志帆ちゃんがしているようにカブを入れて確認している訳です。
(撮影:JA富士市 望月さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「桃雪べーコンパイ」
作り手は、JA富士市女性部の飯田澄代さんと太田 薫さん
フライパンでベーコンを炒め、長さ3p・厚さ5oほどに切ったカブを加えて塩胡椒。さらにしんなりするまで炒めたら取り出して冷まします。パイシートの上にパン粉を振って冷ましたベーコンとカブを敷き詰め、周りの生地を内側に折りたたみ、溶き卵をかけてオーブンで25分程焼いて完成。
カブとパイ、意外な組み合わせですがベーコンの塩味とコクが良いつなぎ役となって美味しかったです。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JA富士市 望月さん)
《今回の一枚》
カブのカットした一片が綺麗だったので、私が志帆ちゃんに「アップで撮って」と頼んた時の撮影シーンです。もちろん撮影はJA富士市広報の望月さん。枠内がこのとき志帆ちゃんが撮った写真。太陽に透ける白カブ「雪富士」の印象的なショットです。
このように記録写真は、今や私や相方たちしゃべり手のルーティンワークになっている感があります。その模様をさらに記録して下さるJA富士市広報の望月さん。今回の5枚の写真はすべて望月さん撮影のものになりました(^_^)
(撮影:JA富士市 望月さん)
−AIの技術を搭載した新選果場が今年から稼働−
(撮影協力:JAみっかび広報 小栗佑希音さん)
取材先は浜松市北区三ヶ日町の藤原将司さんのみかん畑。取材対象は「青島みかん」です。今は早生みかんの収穫が終盤、青島みかんの収穫作業に入るのは一週間程後になるそうですが、収穫体験と試食をさせて頂きました。
青島みかんは収穫してから1ヶ月以上寝かせて酸味を抜くのが当たり前です。当然今の時期に切ってすぐ試食すれば「酸っぱい」のは明らかです。恐る恐る口にしました。
あにはからんや「甘さが出ている!」。酸味は確かにあります。しかしそれを凌駕する濃い甘さが感じられるのです。藤原さんは「一番上の方の日当たりの良い畑で、白いシートによる反射光もあるからね」と謙遜なさいますが、三ヶ日の凄さを感じました。
藤原さんの畑では摘果の数が半端ないのです。写真でもお分かりのようにみかんの絨毯と言っても良い位の摘果みかんが通路に落ちています。もちろん藤原さんが承知の上でなさっていること。
葉の枚数との兼ね合いで三ヶ日みかんというブランドを守っていくためには欠かせない作業なんですよね。それらのみかんはまた畑の養分になって無駄になることは無いのですが、分かっていても「勿体ない」という気持ちが湧いてきますよね。
いくら摘果したものとは言え、踏んでしまうのを躊躇している佳那ちゃんがいました。
JAみっかびではAIの技術を搭載した新選果場が今年から稼働しました。これまで生産者が行ってきた外観での腐敗物や傷物の仕分け・等級の分別をAI技術を使った外部品質センサーを利用して、労力低減を図ろうというものです。
従来の大きさや糖度をチェックする光センサーはそのままに、通過していくみかんの写真を撮り瞬時に傷などをチェックしていきます。傷については、擦れなどによるものか病害虫によるものか、さらに病害虫の種類は何かなどを学習データから判定していきます。そのデータが蓄積していってより精度の高いチェックが出来るようになるということです。
《おいしいをつくりましょ。》の代わりに登場したのがキッチンカー。一番人気が三ヶ日みかんのソフトクリームだそうです。
やっぱり三ヶ日だとそうですよね。ミカンジュースを練り込んだソフトクリームにさらにミカンピューレをかけて完成。一つのソフトに三ヶ日みかんが3個分は入っているとおっしゃっていました。
かぶりついた瞬間からみかんが口いっぱいに広がります。私も一所懸命食べましたが佳那ちゃんのスピードにはかないませんでした(^_^;)
(枠内撮影:JAみっかび 小栗さん)
《今回の一枚》
畑でみかんの葉の裏に葉っぱとそっくりの告Fした虫を見つけました。「あっ!ウマオイだ」と思わず叫んでいました。小さい頃から親しんできた虫たちの中の一つです。
「スイッチョ」というローカル名で呼ばれることも多い虫ですが、うちに帰ってきてからネットでググってみました。さまざまな写真が出てきます。その中の「クツワムシ」の写真を見た途端「ウマオイ」と叫んだことに自信が無くなりました。そっくりなのです。鳴き声は明らかに違いますが、緑一色の「クツワムシ」の写真は衝撃でした。私の知っている「クツワムシ」は茶色が結構入っていたからです。
−セルリーは和名「オランダミツバ」と言う−
(撮影協力:JAとぴあ浜松 篠ヶ瀬愛菜さん)
取材先は浜松市の古橋守秀さんの畑。国内のセルリーの主な生産地は静岡と長野、2020年の全国の年間生産量は28,100トン、一番多いのは長野県で全体の42%を占めています。そして2位は静岡県で19%、セルリーは涼しい気候で育つ作物で夏場は高冷地の長野県がほぼ独占していますが、冬場は寒すぎて作れないので冬から春にかけては静岡県が日本一の生産量になります。冬場の静岡はセルリーの栽培に適した気候なんですね。
長野県との産地リレーについては去年も書きました。
二週間前の三島取材でも紹介した、畑でのセルリーの袋詰め用アイテムですが浜松でも大活躍でした。これだと一人で出来ますからね。省力化に役立っています。
三島では作業は見ていたのですが、撮影もあって写真が撮れなかったので今回は連写しました(^_^)
上の輪に出荷袋をセットし(枠写真)、上から差し入れたら下で袋を持って最下部まで入れる…単純な構造ですが実に合理的で効率の良いアイテムだと思いました。
前回2020年の浜松でのセルリー取材はハウスだったのですが、今回は路地栽培でした。二週間前の三島のセルリーも路地でしたね。定植時期を変えているためか、ハウスはまだ早いそうです。本格的な冬場に焦点を合わせているせいでしょうね。
ところでセルリーって和名で「オランダミツバ」と言うのをご存じですか?オランダ船で渡来したことからそう言われるようになったようだということでした。
私は始めて知りました。
(写真前列左から生産者古橋さん・営農木下和也さん、後列広報篠ヶ瀬さん・営農販売山口 徹さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「セルリーとお肉を使ったコロコロセルリー」
作り手は、JAとぴあ浜松女性部北地区支部の野島静代さんと野島素子さん
セルリーの茎の部分を豚薄切り肉で巻き、フライパンで焼いて一口大に切れば出来上がり。味付けは塩胡椒だけ。シンプルで「作る気持ち」になれるのが最高。改めてセルリーと肉の相性は抜群だと思いました。お互いを引き立てながら、セルリー自身のアピールもしっかり。焼けた肉の香りとセルリーの香りのコンビネーションとセルリーの歯応え…食欲を見事にかき立てられました。
もう一品「セルリーの松前漬け」も作っておいて下さいました。斜め切りにしたセルリーとスルメ・昆布を和えて冷蔵庫で一晩寝かせた物ですが、メチャメチャ美味しかった!お酒のあてにも抜群の威力を発揮すること間違いなし。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。 (枠写真:左から野島静代さん・野島素子さん)
《今回の一枚》
料理の箸上げシーンを撮影するカメラマンと見守るスタッフ、それを写真撮影する私と、その私も含めた写真が今回の一枚です。
当然撮影できるのはJAとぴあ浜松の篠ヶ瀬さん。「私たちがどうやっても撮れない写真を撮って頂けると嬉しい」と希望を伝えた結果、送られてきた中の一枚です。
今回のごちカンロケのクルー全員が写っています。私たちの誰にも撮影できない一枚でした。
(撮影:JAとぴあ浜松 篠ヶ瀬さん)
−土を盛っていく畝の高さは収穫時40Cm位までになる−
(撮影協力:JAなんすん広報 大嶋知美さん)
取材先は沼津市の渡邊祐樹さんの畑。この辺りはお茶栽培の有名な所で、渡邊さんはお茶の栽培もなさっています。ねぎとお茶は時期が被らないため好都合なのだとか。
ブランド名「沼津ねがた白ねぎ」の収穫期間は11月上旬〜翌年の4月中旬位まで。お茶が忙しくなるのは4月中旬位〜秋にかけてですから、丁度良いのですね。
販売高も順調に伸びていて2020年4月から12月の販売高は、前年同期比率の約2倍になったそうです。やる気が出ますよね。部会員(生産者)は部会設立当初の3人から15人に増えたそうです。
左は収穫体験直後の写真です。高フ部分はご存じのように袋状になっています。マーケットに並ぶ時はかなりカットされているのであまり知られていませんが、あの中には液体が入っています。非常にゆるいゼリー状で生産者の方たちは「ヌル」と呼ぶ場合が多いようです。本体は水溶性ペクチンで、ネットでググってみると免疫力を高める効果があるようです。カットされていても残った黒舶ェの内側に付着しているので高フ部分は捨てない方が良いのです。
(撮影:JAなんすん 大嶋さん)
「沼津ねがた白ねぎ」の縁の下の力持ち、いや立役者と言っても過言では無い方が左写真のJAなんすん営農足立卓信さん。お茶の栽培と被らず並行して栽培できる作物として着目し、沼津ねがた白ねぎ部会を立ち上げた方なのです。最初は3人の生産者でのスタートでした。
足立さんはねぎの白い部分を長く作ることと、高ニ白の境目がなるべくハッキリするように成長に従って白くなる部分に土を被せるようアドバイスしています。
白部分を長く仕上げるために遮光していく目的と、土をかけていくことで土が空気を含みふかふかなので成長に良い効果が得られるとのことでした。そのためねぎの根が畝の壁面にも一杯顔を出しています。(枠写真)
畝の高さは最終的に40Cm位の高さまでになっていくのです。
《おいしいをつくりましょ。》
「沼津ねがた白ねぎのチヂミ」
作り手は、JAなんすん職員の片桐喜美恵さんと石渡加純さん
沼津ねがた白ねぎを黒舶ェも含め斜め薄切りにする。ボウルに小麦粉・片栗粉・鶏がらスープの素を混ぜて卵を加え、水と合わせてさらに混ぜ合わせておく。その中に白ねぎを入れて均一になるように混ぜ合わせフライパンでお好み焼きのように焼く。
好みのたれで食べて良いのですが「沼津ねがた白ねぎの旨ねぎだれ(醤油とみりんベースで刻んだねぎがごろごろ入ったたれ)」で試食したらバッチリ合いました。当然ですよね(^_^) あのたれを県内各地で販売して欲しいな。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(枠写真撮影:JAなんすん 大嶋さん、左:片桐喜美恵さん・右:石渡加純さん)
《今回の一枚》
今回の圃場での佳那ちゃんの自撮り写真の一枚です。他の写真は私にもピントが合っているのですが、この写真だけポートレートモードになっています。
つまり後にいる私にはピントが合っていないのです。しかも当然ワザと…。その時は分かりませんでしたが、後で見たら何とシメシメとばかりにウィンクをしていました。
ヤラレタ!
−1人で出来るセルリーの袋詰め用ツールが楽しい−
(撮影協力:JA三島函南広報 奥村彩恵さん)
取材先は三島市の勝又誠さんの畑。ごちそうカントリーでは過去2回セルリーを取材していますが、露地栽培は初めてでした。セルリーの薄告Fが広がる畑が青空に映えて美しい風景でした。
箱根西麓三島野菜というブランドは県外にも定着してきた感があります。この辺りは水はけが良いのに保肥性(肥料分を保つ)も良いという野菜栽培に適した赤土であることが大きな理由ですが、そもそもはかつてあった富士山の噴火の恵みなんですね。
そんな環境の中で栽培されているセルリーが高い品質を誇るのも、勝又さんたちの努力も相まって当たり前かもしれません。
(枠写真上は勝又さん、下は同じ生産者の高梨翔太さん)
セロリという言い方がまだ一般的ですが、JAでは本来の発音である「セルリー」を広めようと努力しています。こちらのパッケージ名もセルリーを採用。「三島セルリー」というブランド名を付けて8軒の農家が生産しています。
そのパッケージ袋ですが、この圃場で袋詰めまで処理します。袋詰め作業の時に活躍するのが写真左側の道具。先の尖った2本の足を地面に刺して固定し、上の輪に袋をかぶせるようにセットします。そしてその上からセルリーを押し込むと袋詰め完成。1人でも出来る優れものです。
(撮影:JA三島函南 奥村さん)
今回出演して下さった勝又誠さんは、ごちカン2回目の登場です。前回は2015.11.8放送の「ブロッコリー」の回。ごちカン放送開始初年度です。右上枠内写真が当時の勝又さん。2回目と言うこともあり、非常にスムーズに収録できました。
ブロッコリーは勿論今も栽培していらっしゃいます。他にも野菜は手掛けていて、料理コーナーの具材にニンジンもいると聞き、さっと別の畑に走って2本抜いて持って来て下さいました。フットワークがメチャメチャ軽快で頼もしい方でした。
《おいしいをつくりましょ。》
「まるごとセルリースープ」
作り手は、生産者奥様の勝又佳恵さんと梨明日香さん
タイトル通りセルリーの茎から葉まで全てを入れたスープです。その他の具材はニンジンとベーコン、味付けはシンプルにコンソメだけ。食べる時に胡椒を好みの量で。
セルリーのシャキ感を残すため、セルリー投入は最後。「三島セルリー」はマイルドな香りでセルリーが苦手な人も美味しく食べられると思います。因みに営農の袴田さんは「苦手だったけど三島セルリーを知って好きになった」とおっしゃっていました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(枠写真左:勝又佳恵さん・右:高梨明日香さん)
《今回の一枚》
今回の圃場での出演者とJA三島函南広報の奥村さんを入れた志帆ちゃんの自撮り写真です。佳那ちゃんの回も含め、割と撮っています。
関わって下さった方を、整列した記録写真でなくフリーな感じで残しておくことが結構楽しいです。また振り返った時にも現場での楽しい雰囲気が思い出されて和みます(^_^)
(写真前列左から、高梨さん・勝又さん・広報奥村さん・営農袴田優大さん)
−パセリの根は白い人参のよう−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は浜松市西区にある宮澤諒太さん(写真上)のハウス。宮澤さんは7年前まではサラリーマンでした。現在所属する(株)ソラーレ代表取締役日比野稔さん(写真下)の誘いで農業の道に入り込むことになったそうです。
そして日比野さんの後押しとJAとぴあ浜松の協力でパセリ栽培を軌道に乗せ、今では同じように新規参入を志す人の就農支援もするようになりました。
今農業は新たな道を模索する人にとって大きな選択肢の一つになってきていますね。
日本ではパセリと言うと葉が縮れている物を指します(左上写真)。これは葉の縮れの多い縮葉種(カーリーパセリ)を主に生産しているからです。
葉が開いたものは平葉種と呼ばれイタリアンパセリに代表されます。ただ縮葉種であっても、イタリアンパセリのように葉が開いたものは出来てしまいます(左写真)。それは需要は無いとして出荷されないんだそうです。味は変わらないそうです。
綺麗な縮みを生むためには冬の寒さが大事だともおっしゃっていました。
パセリの根って見たことありますか?見た目が白い人参のようです。実はパセリは人参と同じセリ科の植物なんです。ですから人参の仲間とも言えるんですね。
宮澤さん始め多くの生産者は根は廃棄するか漉き込んで肥料にするかだそうですが、ググってみましたらヨーロッパの家庭ではこの根の部分も昔からよく食べられているそうです。煮込み料理・炒め物を始め幅広いレシピで使うことが出来るんだそうです。
食べてみたいですね。宮澤さんは「結構クセが強いよ」とおっしゃっていました。
《おいしいをつくりましょ。》
「パセリとベーコンの卵炒め」と「パセリの塩昆布和え」
作り手は、生産者の西野徳子さんと名倉節子さん
前者は当然フライパンでの炒め物。後者は茹でたパセリを使います。えっ?生じゃなくて火を入れるの?という声が聞こえてきそうですが、これがイケました。というより火を入れることによってパセリの香りがマイルドになり非常に美味しかったのです。
自分の認識がパセリは生という固定観念があったので大反省でした。前述した根についても食べてみたいと思いました。
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
摘みたてで試食したパセリが美味しかった佳那ちゃん。試食時にかじりついたパセリ束を「後ほど完食します」と叫び、コロナ禍で他の方への配慮もあって預けずにオーバーオール・ジーンズの後部ポケットに入れました。
その光景が面白かったので撮った1枚です。高ナはなくて白だったらバニーガールですね。あっ!バニーガールと言ってもお分かりになる方は少ないかもです(^_^;)。
−農家の強力な助っ人、収穫マシーン「ポテカルゴ」が大活躍−
(撮影協力:JA富士宮広報 大塩里紗さん)
取材先は富士宮市山宮の佐野幸治さんの畑。作っているサツマイモは「紅はるか」です。甘くてしっとり、最近の大人気サツマイモです。干し芋としても定着してきましたね。
富士宮ですから富士山の麓。でもこのところの不安定な天候で、富士山の眺望は諦めていましたが姿を現してくれました。本当にいつ見ても心が洗われます。
この富士山から噴出した「黒ボク土壌」がひときわ美味しいサツマイモを育んでくれると佐野さんはおっしゃっていました。
今回の取材で始めて見た収穫マシーンが「ポテカルゴ」。今まで、芋の下に刃を入れて芋を掘り起こすマシーンはありましたが、これは違います。
何が違うのかというと、マシーンで掘り起こした後そのまま根ごとベルトコンベアの様に上に運ばれるのです。そして両脇にスタンバイしていた方が上がってくるサツマイモを根から外し、ある程度大きさ別に分けてコンテナに入れていくのです。一番後が佐野さん。佐野さんは残された小さな芋と根を処理していきます。
とにかくスピーディーで安全、身体の楽さ加減もあって「ポテカルゴ」無しでは考えられないそうです。因みに値段は1800万円!
JA富士宮管内での導入は2台だそうです。(撮影:JA富士宮 大塩さん)
「ポテカルゴ」と一緒に記念写真。操縦してみたかったのですが、それは無理。それとは別で収穫時に同乗してコンテナ分別作業を誘われましたが、番組時間の関係もあり「やめておこう」ということになりました。
収穫したサツマイモは、そのまま焼き芋にしたり蒸かし芋にしても十分美味しいのですが、あえてひと月程寝かせ熟成させて出荷するそうです。これまで他の産地でも寝かせる話は聞いていました。熟成の目安は触ってみて少し柔らかくなった頃。甘さが増し、そのために柔らかくなるそうです。
(撮影:JA富士宮 大塩さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「スイートポテト」
作り手は、地元の県立富岳館高等学校の生徒3人の皆さん
「スイートポテト」と書きましたが、正確には富岳館オリジナルバージョン「スイート富岳ポテト」だそうです。
何が富岳館オリジナルなのかと言いますと、富岳館高校のオリジナル味噌を加えるところだそうです。元々は農業高校だったことから農業系分野に関しては強いので、活動の中で味噌造りもしているんですね。
サツマイモと味噌、どんな感じかなと思いましたが味噌の塩気がサツマイモ(紅はるか)の甘さとマッチして甘党で無い男性もいけると思いました。(撮影:JA富士宮 大塩さん)
(枠内写真:左から三枝 連くん・新見ひよりさん・遠藤美紅さん)
レシピに関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
番組には登場していないのですが、指導に当たっている富岳館高校の田島聖也先生。名刺交換の時に静岡大学在学時代に中継に参加したとおっしゃいました。
そう言われて静岡大学から「4時ら」(SBS-TV)の生中継をしたことを思い出しました。帰宅してから調べましたら、2005(H17)11/16(水)静岡大学農学祭を題材にした放送でした。
何せ16年前ですから、どの人が田島聖也先生か分かりません。当たり前ですがみんな元気溌剌、勢いのある中継でした。
−静岡県産米コシヒカリの新ブランド「静岡そだち」誕生−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
静岡県産米コシヒカリの新ブランドが昨年末立ち上げられました。その名も「静岡そだち」。県内生産の静岡コシヒカリの中で食味値83点以上のお米に対してだけ付けられる名称です。
食味値とは、赤外線分析器で下記の4つの成分を測定して点を付けます。
【アミロース】硬さの成分。低い方が良い。目標値16%〜17%
【タンパク質】少ないと炊き上がりはふっくら。目標値6.8%
【水分】目標値14%〜16%
【脂肪酸度】脂肪の酸化度。収穫直後は、10mg〜20mg
「静岡そだち」は昨年実績で全静岡コシヒカリ中7%という稀少米です。
(枠内写真:生産者の桑原成有さん、撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
食味値を計るためには、サンプルの抽出が必要になります。紙製の米袋からサンプルを取り出す道具が、佳那ちゃんが手にする短い刀の様なツール。断面が平たいUの字になっていて、米袋に刺して抜くとUの字の中に米が入って出てきます。袋は紙ですから穴が開きます。それを塞ぐのが右上写真の「検」マークの入ったシール。写真は貼られた状態のものです。
それにしても佳那ちゃん、マスクも相まって短刀を手にした「鬼滅の刃」の禰豆子を彷彿とさせますね。
取材で訪れた「パールライス袋井工場」では「無洗米」も作っていました。普通に精米しただけでは「肌ヌカ」は取り切れません。だから炊飯前の洗米が必要なのです。
こちらでの「無洗米」は「タピオカ式」だそうです。あの「タピオカ」にヌカを付着させ、取り除く方法を採用しています。
このほか無洗米製法で有名な方法に「BG無洗米加工」があります。「B」はBran(ヌカ)・「G」はGrind(削る・研ぐ)の頭文字で、肌ヌカの粘着力だけを利用して肌ヌカを取る製法です。
今回の料理は「土鍋で御飯を炊きましょう」
静岡市の焼肉店「駿府の肉処 静岡そだち」の店長久保田将希さん(枠内写真)に炊いて頂きました。
久保田さんによると、そんなに難しい炊き方ではないのでやったことの無い方も挑戦して下さいとのこと。
土鍋にしろ羽釜にしろ、炊いて出来る副産物「おこげ」。これが香ばしくて美味しいんですよね。私正直に「おこげ大好き!」と言ったら、佳那ちゃんが「私も大好き!」と叫びました。
炊き方に関しては番組ホームページをご覧下さい。
《今回の一枚》
「おこげ大好き!」の続きです。日本人なら「おこげ好き」の方は多いでしょうね。
写真は収録後の一枚です。収録時に平らげることなんて、そういう企画で無い限りありません。従って収録後に残りを頂くことになる訳です。そして佳那ちゃんが今正に口にしようとしているのが「おこげ」部分。「おこげ」部分は本番時に食べていますから、「おかわり」です。
本当に好きなんですね(^_^)
−組合組織で圃場を持つ県内唯一のわさび組合−
(撮影協力:JA伊豆の国広報 山下りえさん)
取材先は天城湯ヶ島の標高700mにある天城湯ヶ島山葵組合所有のわさび田。わさびの収穫は周年です。それを可能にしているのが豊富な湧水、それも年間通して水温が12〜13度と一定なのがそれを可能にしています。
この共同のわさび田で10数人の皆さんが収穫に精を出していました。組合副会長でJA伊豆の国山葵委員会販売部部長の浅田利哉さんからお話を伺いましたら、作業されている皆さんは自分自身のわさび田を持ち、独立してわさび栽培もなさっている方たち。その皆さんが役割分担をして作業をなさっています。
分担している役割は、収穫する「抜き手」・葉を落とし汚れた茎を落とす「分け手」・茎を切り落とす「切り手」・洗浄機でわさびを綺麗にする「洗い手」などです。
その目的は先人たちが培ってきた栽培技術を伝承し、新しい技術も取り入れながら効率の良いわさび栽培をさらに向上させようというものです。そのためにも誰のものでもないわさび田で共同作業をすることにより技術の均一化を図るなど、情報交換や仲間意識の醸成を含めたトライをしているのです。組合組織で圃場を持ち、共同栽培している例は県内唯一だそうです。
中伊豆のわさび栽培で忘れてはいけない「畳石(たたみいし)式」と呼ばれる栽培方法。「畳石(たたみいし)式」というのは地盤を掘り下げ大きな石から小さな石の順に敷き詰め、表面に砂をのせて田を作るやり方。水が石の間を通ることによって濾過されるのと同時に空気を含んで、わさびの根に常に新鮮で綺麗な水が均一に流れることにより、品質の高いわさびができる訳です。
また上流の田の汚れや濁りも取り除かれるので、上の田と下の田の均質化に役立っています。
《おいしいをつくりましょ。》
「わさびみそ」
作り手はJA伊豆の国女性部グループ「竹の子かあさん」の
堀江幸子さん・鈴木明美さん
作り方はシンプルです。
・味噌と砂糖を混ぜて火にかけ練り上げる
・生わさびをフードプロセッサーで細かくする
・味噌を冷ましたら細かくしたわさびを混ぜて完成
わさびの辛さが砂糖によってより辛くなるんですが、御飯との相性が抜群に良い。何杯でもいける感じでした。写真のようにいろいろな食材に付けてたべて美味しいのですが、左下のチーズの横にあるのが山芋を焼いたもの。これがイケました。山芋の風味はしっかりとありながらわさびみそとの融合が美味しかったです。
《今回の一枚》
我々が食べるわさびはいわゆるイモの部分ですが、本当は余すこと無くすべて食べられます。今回「わさびみそ」はイモの部分を細かくして混ぜ込みましたが、以前は根の部分を使っていたそうです。ひげ根を取った白い根は辛みが強く「わさびみそ」に最適だそうで、農家自身はそうやって作っていることも多いとか。
その根を沢の綺麗な水で洗って志帆ちゃんがかじってみた写真です。当然ながら「辛い!」と叫んでいました(^_^)
−「ゆら早生」は青くても甘い極早生ミカン−
(撮影協力:JA静岡市広報 徳田龍亮さん)
取材先は静岡市駿河区にある小野田潔和さんの畑。極早生ミカンの「ゆら早生」を栽培して7年だそうです。「ゆら早生」は和歌山県由良町で発見された品種で、「宮川早生」という早生品種の枝変わり品種。「枝変わり」というのは時折ある枝が突然変異でその木と違う性質を持ってしまう現象で、沼津の「寿太郎ミカン」なども「枝変わり」で発見された品種です。
極早生品種の中でも、非常に糖度の高い品種として知られ、露地物の早生ミカンとしては一番早いミカンです。
ゆら早生は青いうちでも甘さがしっかり感じられるミカンです。実際伺った際も黄色と緑のマーブル模様になっていました。見た感じ少し酸っぱそうかなという実も試食してみると甘い。優しい酸味がありますが、それがさらに甘味を際立たせて濃厚さを感じさせてくれます。
小野田さんに全体が黄色になることはあるのかを伺いましたら、11月の頭にはなるそうで素晴らしい甘さになるということです。考えてみたら生産量の関係もあり、その状態になるまでには売り切ってしまっていたので見たことが無かったという訳ですね。
(撮影:JA静岡市徳田さん)
写真左はJA静岡市のゆら早生の看板です。この中の人物キャラクターの作者は右側のJA静岡市広報の徳田龍亮さん。毎回撮影協力して下さっている方です。
JA職員の方40人以上の応募作品の中から徳田さんの作品が採用となりました。
頭の帽子部分がゆらの「ら」になっていますが、徳田さんの原画では麦わら帽子だったそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「静岡ゆら早生とふじのくにポークの角煮」
作り手は静岡市葵区にある日本料理店「覚弥別墅」の
和食統括料理長 勝呂文洋さん
まず「ふじのくにポーク」の豚バラ肉の塊をフライパンで焼きます。圧力鍋に醤油・酒・砂糖を入れ、その中に焼いた豚バラ肉を4p幅くらいで切って入れます。そしてゆら早生をスライスして加えて40分ほど煮込み、火を消した後ピンが下がったところで蓋を開け、盛り付けたら完成。
バラ肉がホロホロで食べ易いし、味もしっかり染み渡っています。そして何よりゆら早生の程良い酸味と旨味が全体を上品に仕上げていて最高でした。圧力鍋で煮込むのでゆら早生の香りも飛んでしまうんじゃないかと思っていましたが、どっこいしっかり香っていました。
ゆら早生を使っておろし和えも作って下さいましたが、酸っぱさに弱い方もゆら早生の優しい酸味なら大丈夫なのではないかと思いました。おろし和えの具材の一つに生ハムが入っていましたが、その塩味がゆら早生の優しい酸味と絶妙なハーモニーで美味しさをワンランクアップさせていました。
(撮影:JA静岡市徳田さん)
《今回の一枚》
生産者の小野田潔和さんは二度目の登場。2015年12月27日の放送に出演なさっています。その時の農産物は「とうのいも(唐芋)」、浜松などで海老芋と呼ばれる里芋の仲間です。もちろん小野田さんは今も唐芋を栽培されています。
多くの農家がそうであるように、一種類だけの農産物だけでは農閑期も出てきますからね。耕作地も他にいくつかあるということで、一年中忙しいそうです。
頑張っていらっしゃいます(^_^)
−「歓喜の風」は2018年に品種登録されたJA遠州中央のブランド米−
取材先は磐田市の袴田光彦さんの田んぼ。3年前の2018年に品種登録されたJA遠州中央のブランド米「歓喜の風」など4品種を栽培されています。今回の取材メインはもちろん「歓喜の風」。誰が歓喜するのかと言うと農家の皆さんだそうです。
新しい品種で、暑さに強いことが最大の特徴。温暖化もあってこのところ何年も猛暑が続いているだけに、暑さに強いことが農家にとってはありがたいこと。さらに収量も多いということでまさに農家が歓喜するお米なんですね。
ロケをした日は朝方大変な雨でした。私たちも東名高速道路を走っている最中、前が見えなくなるほどの雨に見舞われ困難なロケを覚悟しました。
ところが圃場に到着する頃には青空が広がり始め、信じられないようなロケ日和になりました。ただ早朝の雨は、刈る予定の田んぼの米も濡らしています。土壌も少し緩くなっているので田んぼに入ることは諦めました。
袴田さんはコンバインでの収穫作業をして下さっていましたが、途中で止まりました。どうしたのかと思いましたら、濡れた稲の茎がコンバインの刃に絡んだので止めたとのこと。「無理をして頂いた…」とちょっぴり後悔しました。
ところが沈着冷静な袴田さん。それもそのはず、袴田さんは元農業機械の整備の仕事をなさっていました。「ああ、どうと言うことはありません」とすぐ手入れし動作を再開。頼もしい姿でした。
実家が米農家だったことで継ぐことになったそうですが、米作りと整備どちらが楽しいですか?と訪ねたら「そりゃ米作りですよ。ちゃんと米が応えてくれますから」と即答。「整備の経験は非常に役立っていますが…」と付け加えることも忘れませんでした。
そんな会話を、畦に咲く彼岸花がそっと見守っていました。
《おいしいをつくりましょ。》
「塩むすび」(食べる本人担当)と
「キンピラふりかけ」に「レンコンと牛肉のネギまみれ」
おかず2品は女性部の兼子静代さん(左)と竜洋支部生活指導の今田絹子さん担当
「塩むすび」のキモは「塩玉」。おむすびの中心に塩をまぶした小さな御飯玉を入れます。それによって塩味が内側にも効いていて美味しいのだそうです。確かにね。
「歓喜の風」の食味は、旨みが強くて粘りはソフト。どちらかと言ってサラっとしている系の米。冷めても美味しいというのが特徴だそうです。
握って回す回数も3〜4回。フワッと仕上げるのがコツ。でも私はバラバラになりそうで、思わず6回握ってしまいました。佳那ちゃんから非難囂々でした(^_^;)
「キンピラふりかけ」に「レンコンと牛肉のネギまみれ」については番組ホームページをご覧下さい。「レンコンと牛肉のネギまみれ」は間違いなく「塩むすび」のお供に最高。「キンピラふりかけ」は文字通り茶碗の御飯にかけて食べると最高です。
《今回の一枚》
プレゼント品であるお米パッケージに添えてあった稲穂を借りて、霜村徳行ディレクターに撮影して貰った写真の一枚です。
稲穂を中心にいろんなポーズをとっているうちに、何故か稲穂が佳那ちゃんが手にする釣り竿のようになり、私が食いつこうとしている魚のようになったシーンです。
撮影中はそんなこと考えていなかったのですが、確認していったら…
ロケはいつもこんな感じです(^_^)
−去年のお米日本一コンテストで特別最高金賞と県知事賞のW受賞に輝く−
(撮影協力:JA御殿場広報杉山和則さんと井上郁子さん)
取材先はJA御殿場の青壮年部高根支部の田んぼ。田んぼは1軒の農家がそれぞれ別々に管理栽培するのが普通ですが、伺った田んぼは高根支部の5人の皆さんが共同で管理栽培しているそうです。
5人ですから、意見の違いやそれぞれの代々受け継がれてきた栽培方法の違いでぶつかり合うことは当然あります。でもだからこそ非常に勉強になるとおっしゃいます。「そういうやり方もあるのか!」と納得することも多いとか。若い力の切磋琢磨が期待されているわけです。
(写真上段は、原 文孝さん(右)と克幸さんの双子兄弟、
中段は勝又敬一郎さん、下段はJA御殿場営農でメンバーでもある勝又友之さん)
田んぼを管理栽培し始めて5年。そうした切磋琢磨が実を結びました。
去年のお米日本一コンテストで特別最高金賞の実行委員会会長賞を受賞したのです。全国の有名どころのお米も集まっての1位ということです。県内産のお米では初めての受賞という快挙でした。
原 文孝さんは「もちろん嬉しいが信じられない」とおっしゃいます。毎年出品しているけど、こんなに早く受賞するとは考えていなかったそうです。その純粋な無心さが良かったのではないかと思いました。
そして同じコンテストで県知事賞も受賞。こちらは2年連続だったとのこと。従って去年は特別最高金賞と県知事賞のW受賞という素晴らしい結果になりました。
原さんに刈り取り時期を伺うと、お彼岸過ぎくらいかなと。時期の見極めはどうするのか聞きましたら、穂先のお米がくっついている茎の部分で判断するそうです。
実が熟してくると、茎が高ゥら茶色へ変わっていきます。その茶色い茎が穂全体の三分の二くらいになった頃が刈り時だと言います。写真の手は原さん。原さんが右手の人差し指と中指で挟んでいるあたりまでが茶色になれば良いとのこと。そんな目安があるんですね。
「おいしいをつくりましょ。」はありません。「ごてんばこしひかり」の美味しさをストレートに感じるには「おにぎり」と「たまごかけ御飯」。
食べさせて頂いたのは、御殿場市中山にある「カフェぼんぼん」。JA御殿場が運営するおにぎりカフェで、JA御殿場女性部の皆さんが切り盛りされています。
メニューの柱である「おにぎりランチ」はおにぎり2個とおかずに味噌汁で500円。味わったごてんばこしひかり、期待通りのモチモチでおにぎりもまとまりが良く甘さも十分。美味しくいただきました。おかずも鶏卵もすべて地元産品。
写真はおむすびではなく「シフォンケーキ」です。こちらはスイーツや小さめのピザもあります。「シフォンケーキ」はごてんばこしひかりの米粉を使ったもの。これがもっちりフワフワ、美味しい!
その場でも食べましたが、おにぎりと共に自宅へ持ち帰り。翌日も美味しく食べられました(^_^)
《今回の一枚》
特別にお許しを頂いて田んぼの中に入って記念撮影、JA御殿場広報の杉山和則さんにお願いしてスマホのシャッターを押してもらいました。気持ちの良いことこの上ありません。佳那ちゃんの右手が指し示している方向に富士山があるのです。
実はここに来る少し前、富士山の頭が見えていたのです。でも近づくにつれて雲が増えてきてロケを開始する頃は隠れてしまいました。でも青空がある分だけ幸せです。何せ前回前々回はかなりの雨にやられましたから(^_^;)
午前中で田んぼロケは終了しましたが、終了後まもなく雲が空一面を覆っていました。
−収穫用マシーンで効率アップ、腰への負担も軽減−
(撮影協力:JA富士宮広報大塩里紗さん)
取材先は富士宮市北山の小林喜美さんの畑。あいにくの雨で取材出来るかどうか不安でしたが、畑に着いたら既に収穫作業の真っ最中でした。雨の降り方も半端なかったのでいつもの事ですか?と訪ねましたら、収穫期はタイミングがあるから雨が降っても収穫する必要があるとの言葉。写真のように全身カッパ姿での作業でした。
畑の中での作業は収穫した落花生の実だけを取ってコンテナに入れる事もします。そのために天幕だけあるテントを設置して作業なさっていました。
(撮影:JA富士宮大塩さん)
収穫方法ですが、今までの落花生取材では手で株を抜いての収穫でした。これは中腰仕事になりますから、腰への負担は大きくなります。
小林さんは収穫用のマシーンを使っていました。土の中の生っている実の下に刃を入れて水平に掘っていきます。しかも土と株が離れやすくなるように入れた刃が振動するようになっているそうです。ですから最初の写真のようにマルチシート(黒ビニール)を剥がすと実がスムーズに収穫出来るというわけです。刃の振動があるので土離れが良いのだとおっしゃっていました。
(撮影:JA富士宮大塩さん)
富士宮の落花生といえば食べ方は「茹で落花生」、もちろん作って下さいました。
落花生1kgに塩大さじ一杯(15g)、水は落花生がヒタヒタになる程度。小林さんは圧力鍋でつくるそうです。蒸気弁が回り始めたら、蒸気弁がゆっくり回るように火加減を調節しながら20分。そのあとさらに20分かけて圧力が抜けるのを待ちます。
そうして出来上がった熱々の「茹で落花生」が左写真です。美味しそうでしたが熱いので少々待たなければなりませんでした。
(撮影:JA富士宮大塩さん)
待ちに待った試食。とは言っても味は期待通りの美味しさです。圧力鍋を使っていることと時間も多めに茹でているので殻もスッと割れ、実も柔らか・なめらかに仕上がっていました。もう手が止まりません。
さらに「しなす」と呼ばれる未成熟な実がこれまた美味しい!「しなす」の殻と実の間にある綿のような部分がトロトロで、実の溶けるような柔らかさと相まって独特の美味しさを出してくれます。私も志帆ちゃんも小さいモノは皮ごと食べちゃいました。富士宮では「しなすファン」が大変多いというのが納得出来ます。
(撮影:JA富士宮大塩さん)
《今回の一枚》
左の写真をご覧下さい。覆面レスラーに見えませんか?覆面レスラーって古いですかね(^_^;)
実はこれ、ジャガイモなんです。小林さんが栽培したジャガイモです。収穫した小林さんも一目見た瞬間驚愕したと仰っています。そして「食べるのがもったいなくて取っておいたら芽が出ちゃった」と笑っていらっしゃいました。写真でも分かりますよね(^_^)
−小学生に農業のことを楽しく学んでもらう「あぐりスクール」−
(撮影協力:JAなんすん広報大嶋知美さん・浅田智子さん)
取材先は沼津市にあるJAなんすんの「あぐりスクール」の畑。「あぐりスクール」というのは小学生を対象に農業のことを楽しく学んでもらおうという、日本農業の将来を見据えた企画です。
栽培の基本から収穫体験まで1年を通して様々な作物を体験してもらい、いのちや農業、食べ物、健康の大切さや故郷に対する誇りや伝統も学んでもらえたらと企画されたそうです。
写真の新村 新(ニイムラ アラタ)さんが先生の一人。でも営農担当ではないのです。有志で集まったJA職員で、営農指導員でなくても農業の知識がある方が先生になって教えているそうです。
私たちも生徒になって教わったのが「サツマイモのつる返し」。何のことかと思いましたら、横に伸びていくサツマイモのつるを持ち上げて反対側に倒す作業。確かに「つる返し」です。
伸びていくつるにはある間隔毎に根が生えます。そのままにしておくとその根にもイモが出来ます。つまりメインの根についたイモを充分に成長させるためには、光合成で出来た栄養をメインに送る必要があるので新しい根は土から離してしまおうという訳です。
栽培期間中に1回だけやる作業と言う事ですが、畑全体のイモに対して行う中腰の作業は大変だと思いました。
子どもたちがそれを知ることも大事ですよね。
ロケした日は前線の影響で雨が降ったり止んだりの天気でした。前日からかなりの雨量だったため畑はかなりドロドロの状態。水田に入るのと変わらない状態になりました。
そこで主催側のリーダー、JAなんすん地域ふれあい課課長の樋口康平さん(枠内写真)が、コンパネ(耐水ラワン合板)を畑の中に敷いて下さいました。大変な作業だったと思います。
スタッフの一人が敷いていない所に足を踏み入れたら足首まで埋まりました。コンパネ無しではロケは不可能でした。
樋口さんに大感謝でした。
《おいしいをつくりましょ。》
「ぎょうざピザとピーマンの肉巻き」
作って下さったのは、JAなんすんあぐりスクール事務局藤井春奈さんと下山祐里子さん
レシピを作ってくれたのは、あぐりスクール参加の中西結菜(ユイナ)さん(小6)と中西達也(タツヤ)くん(小4)の二人。
もちろん主にお姉さんの結菜さんが考えました。
「ぎょうざピザ」はぎょうざの皮をピザ生地として使うことからのネーミング。皮は1枚では薄いということで2枚使用。
しっかりくっついてくれました。そして焼けてくると縁が内側に反ってくるので、お皿のようになってピザソースがこぼれるのを防いでくれていました。
(右枠内写真上から:結菜(ユイナ)さん・達也(タツヤ)くん)
(左枠内写真上から:藤井さん・下山さん) (撮影:JAなんすん大嶋さん・浅田さん)
《今回の一枚》
佳那ちゃんの箸上げもとい「手上げ写真」です。スマホ動画撮影していて、スーッと近づいたところで佳那ちゃんがスマホのカメラ目線になったショットです。これは偶然ではなく気配に敏感な佳那ちゃんならではの一枚になりました。
それにしてもよく見たら動画撮影している私は番組撮影カメラの正面にいました。これは完全に本番です。しかもOKテイクです。
料理アップですからバックはぼけてハッキリはしていなくても、私が映り込んでいると思われます(^_^;)
番組撮影カメラマンは、大石紳之さん。大ベテランで緻密、番組全体を把握していて撮りこぼし無し。尊敬しています。私は勝手に「巨匠」と呼んでいます。
−黒イチジク(ビオレソリエス)は糖度30度、焼き芋と同レベル−
(撮影協力:JA掛川市広報 袴田真司さん)
取材先は掛川市にある杉山浩一さんのハウス。イチジクの品種は120種類以上あるそうですが、最も流通量の多いのは「舛井(マスイ)ドーフィン」という品種。確かに一番見慣れたイチジクですね。杉山さんの作るイチジクの糖度は17〜18度、実はメロンと変わらない甘さなんです。収穫体験しそのまま頬張ったら、ほとばしる果汁とその甘さが素晴らしい! もちろん皮ごと食べるのが皮の美味しさも相まって食べ方の基本。
杉山さんの「舛井ドーフィン」は、ふるさと納税の掛川市の「お礼の品」になっています。
「舛井(マスイ)ドーフィン」も甘いのですが、さらに糖度の高い品種があると聞き見せて頂きました。
写真左は「ホワイトゼノア」。実際は白というより薄黄色といった感じです。黒っぽい斑点がありますが、熟している証拠。バナナの黒い斑点と同じだそうです。糖度は27〜28度! 非常に甘い。爽やかではありますが濃厚さも感じられる味でした。
写真右は「黒イチジク(ビオレソリエス)」。黒と言うより深紫色ですね。糖度は30度以上! 焼き芋と同程度という、さらにワンランク上の甘さです。でもイチジクの味はしっかりありました。
杉山さんは一昨年2018年9月2日放送の「ごちそうカントリー」に出演されています。その時に本業はスノーボードの選手でありインストラクターであると伺いました。あれから3年、今はイチジク部会の部会長でもいらっしゃるので「本業はイチジクになったんでしょ?」と問いかけましたら「いやいや冬は毎日のように《イエティ(裾野市須山のスキー場)》に行っています。選手は引退しましたがイエティのスノーボード教室の責任者なのでそちらもドップリです」とのこと。冬は昼間はイエティ、帰って来てから夜は剪定や芽摘みなどで大忙しだそうです。タフですね。
写真左は奥様の自穂(ヨリホ)さんです。
《おいしいをつくりましょ。》
「イチジクを使ったフルーツサンドとカルパッチョ」
作って下さったのは、奥様の杉山自穂(ヨリホ)さん
皮を剥いたいちじくを丸のまま2個使用します。食パン2枚それぞれに自家製のイチジクジャムを塗り、下になる方にホイップした生クリームをさらに塗ります。その上にイチジクを2個丸ごと乗せ、さらにホイップクリームを乗せてもう1枚のパンを被せて軽く押さえてラップでくるみます。
一時間ほど冷蔵庫で寝かせたら取り出し、イチジクの断面が見えるように切ったら完成。これが美味しい!
さらにサーモンと合わせたカルパッチョ。これもまた美味。イチジクというとそのままかぶりつくことしか考えなかった自分をちょっと考え直しました。
《今回の一枚》
佳那ちゃんの自撮り写真です。佳那ちゃんの帽子の上で私が踊っているような写真が撮れました。女性陣の自撮りの上手さとアイディアの良さは特筆モノです。
私に意図があってそういうポーズをした訳ではないのですが、その瞬間を切り取った佳那ちゃんのセンスがなせるワザですね。
こうしてロケの楽しさをさらに倍増してくれる相棒さんには毎回感謝です。
−新しく立ち上げたブルーベリーのオリジナルブランド「のびのび富士育ち」−
(撮影協力:JA富士市広報 望月 綾さん)
取材先は富士市岩本にある望月和宏さんの「岩本山ブルーベリー農園」。放送では話しませんでしたが、望月さんは「ごちそうカントリー」の初年度2015年6月14日に出演されています。お茶の栽培から転換して5年くらいの時期でした。
あれから7年、望月さんは現在JA富士市「ブルーベリー部会」会長です。そしてその部会がオリジナルブランドを新しく立ち上げました。その名は「のびのび富士育ち」。「富士山麓わくわくコーン」に続くJA富士市のブランド農産物です。
(枠内写真:望月さん御夫妻) (撮影:JA富士市広報 望月さん)
望月さんたち「ブルーベリー部会」では、品質の高いブルーベリー作りを目指して「自然農法」を採用しています。農薬はなるべく使わず、自然の力に任せているのです。
前回お邪魔したときは若木だった農園も、今は大きく育った木がたわわに実をつけています。「ブルーベリー狩り」もしていましたが、コロナ禍で中止しています。出荷だけだそうです。
収穫しどきのブルーベリーを見分けるコツは、実の付いている軸(茎)が赤くなったものを選ぶと良いそうです。
(写真:左から営農杉山 周さん・営農松坂真樹さん・望月さん)
(撮影:JA富士市広報 望月さん)
ブルーベリーを使ったパンメニューを考えて頂くために富士市松岡の「ベーカリーマルタ」を訪ねました。店主の齋藤孝人さんと妻優美さん、そして息子の大地さんで経営しているパン屋さんです。
天然酵母にこだわったパンパン作り。ロケ準備中も次から次へとお客様がお見えになっていました。「アレルギーのある子どもに安心して食べさせる事が出来るので」とおっしゃるお客様もいらっしゃいました。
(枠内写真:齋藤孝人さん・妻優美さん・息子大地さん)
作って頂いたのはこのお店の人気No.1という「マルタメイプル(メイプルロールパン)」を使い「富士山ブルーベリーフレンチ」と名付けたフレンチトースト。
卵をほぐして、砂糖・牛乳の順に混ぜたフレンチトーストのタレを作り、1.2Cmにスライスしたマルタメイプルを4枚タレにくぐらせてフライパンで両面を焼く。
パンに生クリームを絞り、さらにその上にパン・生クリームと繰り返し4段重ねにする。最上部にさらに生クリームを絞って、トッピングにブルーベリーをのせて完成。
ブルーベリーの甘酸っぱさとメイプルパンや生クリームの食感と甘さがマッチして、トーストというよりはケーキのような感じがしました。
(撮影:JA富士市広報 望月さん)
《今回の一枚》
「富士山ブルーベリーフレンチ」の試食シーンです。最初は重ねて2枚くらいだと思っていましたが…4枚!
倒さずに崩さずに綺麗にカットするにはどうするか…と思案しながら取り組んでいる様子です。試食シーン撮影では何とか上手くいきましたが、その後食べながら談笑するシーンで斜めに倒れてしまいました。
ケーキなどもそうですが、綺麗に食べるのはなかなか難しい!
と常々思っています(^_^;)
−生葉からお茶になるまでを体感できる「緑茶ツアーズ」−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 石川智浩さん)
取材先は島田市竹下にある、2020年秋オープンのお茶と農業の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」。
大井川流域の緑茶・農業・観光を、飲む・食べる・買う・体験することのできる施設で、お茶のことがよくわかる体験施設や地元の野菜を並べたファーマーズ・マーケット、その地元野菜をふんだんに使ったビュッフェがあります。家族連れで楽しめる場所ですね。ロケの日も家族連れがたくさん訪れていました。
地元のアイドルグループ「茶菓菜」のみゆうちゃん(写真左)とあいらちゃん(写真右)が案内役になってくれました。
二人が着ている緑色のポンチョは緑茶の茶葉をイメージしていて、これを着ることによって茶葉になりきり生葉からお茶になるまでを体感できる「緑茶ツアーズ」という空間が用意されています。我々も体感しましたが、残念ながら撮影禁止のため写真は撮れません。蒸されて揉まれて乾燥されての製茶工場の仕組みを学んでいく世界です。
なかなか迫力がありました。
(撮影:JAおおいがわ石川さん)
お茶エリアには「緑茶B.I.Y.スタンド」があり16種類のお茶を選んで楽しめます。ここでは500円で200ミリリットルのドリンクボトルとティーバッグが一つ付き、お湯スタンド(枠内写真)で緑茶を選んだ時に指定された湯温と抽出時間を設定して簡単においしい緑茶を入れることが出来ます。
ボトルは繰り返し使用でき、おかわりは200円。次回持ってくれば200円でまた淹れて飲むことが出来ます。16種類を制覇したら素敵なプレゼントがあるそうですが、それが何かは教えてもらえませんでした。
(撮影:JAおおいがわ石川さん)
農家レストラン「Da Monde(ダ モンデ)」は大井川流域の農産物をふんだんに使用した料理をビュッフェスタイルで食べることが出来ます(大人2200円、子ども1100円)。面積も広く取ってあり、ゆったりと食事が出来ます。家族連れもたくさん訪れていました。
感動したのは、地元野菜を中心とした「蒸し野菜」コーナー。好きな野菜を選んでカウンターに持って行くと専用の蒸し器で蒸し上げてくれますが、その時間なんと30秒! カウントダウンの数字も表示されるので待たされてる感が何もありません。私は椎茸・蕪・パプリカなどを選んで美味しくいただきました。
(枠内撮影:JAおおいがわ石川さん)
《今回の一動画》
今回の案内役は、地元のアイドルグループ「茶菓菜」のお二人。志帆ちゃんが「私メンバーになれるかな?」と笑って言いましたら「茶菓菜のキャッチフレーズを練習しましょう!」の一言。
志帆ちゃんは「やりましょう!」と応じ、練習すること何回か。私が「動画で撮るから頑張って」と声をかけ、三人で息を合わせてのパフォーマンスになりました。
左の写真をクリックすると動画が観られます(^_^)
−「競り」もタブレット端末でのリモートの時代へ−
(撮影協力:JAなんすん広報 浅田智子さん)
取材先は沼津市西浦木負にある大川善美さんの牛舎。取材対象は「あしたか牛」。ところが牛舎のある所は愛鷹山麓ではありません。「?」となって尋ねると、JAなんすんでは現在5軒の生産者で構成されている「あしたか牛推進協議会」という組織があり、大川さん以外の4人の牛舎は文字通り愛鷹山麓にあるそうです。
では何故大川さんの牛舎だけ沼津市西浦木負にあるのか? 実は大川さんは牛を育てて40年以上のベテラン。統一ブランド名「あしたか牛」推進目的の「あしたか牛推進協議会」の立ち上げ時のメンバーでもいらっしゃることが関係しています。
「あしたか牛」を定義すると
JAなんすん管内の沼津市・長泉町で育てられた牛で、
・厳選された飼料を与え、一定期間育てる
・定期的な畜舎の一斉消毒(月に2回)
・血液検査による健康チェック実施
などをクリアしたものということになります。
従って沼津市西浦木負の大川さんの牛舎で育てられ、基準をクリアした牛は紛れもなく「あしたか牛」なのです。
競りというと一ヶ所に一堂に会して…というイメージですが、今は写真をもとにパソコンやタブレット端末でのリモートが多くなっているそうです。
競り会場まで牛を連れて行く手間が省け、牛に対するストレスも回避できるという大きなメリットがあるとの事でした。
リモートであれば、遠隔地の牛も同じ土俵で競る事が出来ます。ただ実際に触って確認する事が出来ないのがもどかしいそうです。当然ですね。
《おいしいをつくりましょ。》
「あしたか牛のたたき 夏野菜添え」
作って下さったのは、JAなんすんの吉川亜優乃さんと山本舞さん
あしたか牛のもも肉ブロックに塩胡椒とニンニクを擦り込んで、フライパン中火で6面の表面だけゆっくり焼きます。フライパンの余分な油を捨ててバターを入れて香り付けした後粗熱を取ったら、ラップでくるんで冷蔵庫で一時間以上休ませます。そうする事で切りやすくなるそうです。
冷蔵庫から出したもも肉を薄く切り、キュウリ・ミョウガ・カイワレなどを肉で巻き、おろし(大根)ポン酢をかけて食べます。
私の中では赤身が美味しいイメージの「あしたか牛」。夏野菜も相まってサッパリ・アッサリ楽しめる仕上がりになっていました。
(枠内撮影:JAなんすん浅田さん)
《今回の一枚》
私も佳那ちゃんや志帆ちゃんに負けじ…と毎回自撮りにチャレンジしています。自撮りは画角を確認したりシャッターを押したりのために、顔が真剣になりがち。苦手意識があります。
そんな中、今回は奇跡の一枚が撮れました!
大川牧場の牛たちは非常に人懐こく、すぐに寄ってきます。その内の一頭が多分私を舐めようとしたのでしょう、長い舌を私に向かって伸ばしてきた瞬間が撮れていたのです。
幸い舐められずに済んだので笑えますが、以前知らないうちに背後からシャツを舐められベトベトになった事がありました。ロケが終わる頃には乾いてカピカピになった思い出があります。
−香りのマイルドな種類が栽培されている−
取材先は磐田市万松寺にある池之谷衛さんの香菜ハウス。メロン栽培用ハウスを転用して香菜栽培を始めて5年だそうです。
香菜は、・中国語でシャンサイ
・タイ語ではパクチー
・ヨーロッパではコリアンダー
と言い、どれも耳にした事のある名前ですね。呼び方が違うのにそれぞれ一般化しているのは珍しい野菜です。
香菜はハウスならば通年栽培が可能だそうです。種からの栽培で暑い時期は35日くらいで収穫出来ます。冬は60日くらいだそうです。
香菜というと東南アジアそれもタイというイメージですが、原産地は地中海。暑さには弱い植物なんですって。じゃ何故ハウス?って伺いましたら、一番は水のコントロールがし易いからといいます。
病害虫対策もハウスの方がし易いのかもしれません。
香りに特徴があり、好きな方も多いのですが苦手な方もいらっしゃる個性的な野菜です。収穫体験をしてその場で口にしましたが、独特の香りはありますが非常にマイルドな感じてしたので「品種」によるのか伺いましたら、マイルドな種類だそうです。日本ではどうやらサラダ感覚で食べられる香りのマイルドな種類が好まれているようです。本場タイなどのしっかりした香りのものは苦手な人が多いということですね。
池之谷さんは写真の通り、とても明るくて親しみやすい方でした。
《おいしいをつくりましょ。》
「鶏ささみのシャンサイ&チーズサンド」
作り手は、女性部の山本恵美子さんと高野千恵さんと白川素子さん
鶏ささみを包丁を入れて薄く開き、半分の上に香菜・スライスチーズの順に乗せ、もう半分を折りたたんではさむ。小麦粉を全体にまぶしたら油をひいたフライパンで焼いて完成。香菜・スライスチーズの相性が抜群でした。
もう一品「香菜とわさびのおにぎり」が出てきました。香菜の葉の部分を細かく刻んで山葵と御飯に混ぜて握ったもの。美味しい!
《今回の一枚》
毎回ではありませんが、ロケに参加して下さった皆さんの記録の意味もあって撮影する「関係者映り込みの自撮り写真」。インタビューなど撮影が一段落したところで撮りますから自然な表情がでます。
佳那ちゃんのすぐ後がJA遠州中央営農の佐藤智康さん、その後が生産者の池之谷さん・私の前がJA遠州中央広報新貝州一さんです。
撮り手はもちろん自撮りの手練れ佳那ちゃんです。
−東伊豆町は「ハウスみかん発祥の地」−
(撮影協力:JA伊豆太陽広報 岡村恵美さん)
取材先は東伊豆町稲取にある嘉瀬雄史さんのハウス。育っているのは早生みかんの標準的品種「宮川早生」。
東伊豆町は「ハウスみかん発祥の地」と言われていて、昭和39年キュウリハウスの中に温州みかんを植栽した事が始まりだそうです。その後昭和54年には栽培技術が確立して部会組織での栽培となりました。
とにかく鈴なりのみかんに驚いて「摘果はしないの?」と聞きましたら、花時点での「摘花」はするけど後はそのまま。たくさん実をつけることがストレスとなって、甘味が増すとのことでした。ストレスを与えて甘くなるなんてトマトを思い出しました。試食しましたが本当に甘さ十分でした。
嘉瀬さんはハウスみかん栽培5年目。奥さんの実家を継ぐ決心をして奥さんのお父さんから教わりながら経験を積んできました。「教わる事が一杯あって…」と笑いながらおっしゃいます。奥さんのお父さんは嬉しいんだろうな、と思いました。
加瀬さんのみかん切り用の鋏のホルダーがとっても素敵でした。革製で「向畑(ムカイバタケ)」と書いてあります。伊豆の農家や漁業に携わるお宅には必ずと言って良い程ある「屋号」でした。同姓の家も多いので屋号で識別する事も多いそうです。
ハウスの隣にやはり柑橘類の若木が植えてありましたので伺ったら、種類はニューサマーオレンジ。2年生の木を植栽して3年経つそうです。依然出演して下さった事のあるJA伊豆太陽営農の土屋明浩さんが管理していて、ニューサマーオレンジの単為結果性(受粉しなくても結実する)を利用して種無しの実を作る実験をしているということでした。
ニューサマーオレンジは「白鳥日向」という突然変異の日向夏と交配させると種が少ない物が出来ますが、全くの種無しは出来ません。それを可能にしようという計画なんですね。
《おいしいをつくりましょ。》
「ハウスみかんを使ったマリトッツォ風まんじゅう」
作って下さったのは、女性部の山田里美さんと山田敬子さん
小麦粉とあんこで作ったまんじゅうをマリトッツォのパンに見立てて、ホイップクリームをたっぷり挟み、輪切りにしたハウスみかんやドライフルーツを飾り付けた、まさに「マリトッツォ風まんじゅう」。私たちもクリーム入れと飾り付けをすることになり、悪戦苦闘しながら完成させました。
クリームとあんこの相性はもともと良いですから、甘さやまろやかさの中にみかんの甘さと適度な酸味が絶妙なコンビネーションをみせて、美味しさバッチリでした。
(撮影:JA伊豆太陽岡村さん)
《今回の一枚》
私たちの作った「マリトッツォ風まんじゅう」をそれぞれ手にしてみました。
志帆ちゃんはハウスみかんを前面に用いたテーマにピッタリの作品。私は材料としてあったブルーベリーがどうしても使いたくて、中途半端なハロウィーンの出来損ない作品になりました。眼がブルーベリー、鼻がみかん、耳はドライみかん、口(舌)はドライ苺です。
後にうっすら写っているのは山田里美さんと山田敬子さんです。
(撮影:JA伊豆太陽岡村さん)
−店内厨房で毎日作られる地元農産品にこだわったジェラート−
(撮影協力:JAしみず広報 見宮正章さん)
取材先は静岡市清水区北脇の「四季菜Gelato&Cafeきらり」。清水庵原球場横にあった、JAしみずのアンテナショップ「きらり」が清水区北脇の「レストラン四季菜」と合体して2021年4月29日にリニューアルオープンしたカフェです。
メインはジェラートとかき氷と地元農産品直売。ジェラートとかき氷も地元農産品を使っています。ジェラートも外部製作の持ち込みではなく、店内厨房でイタリア製のマシーンを使って毎日作っているもの。その日の気温や湿度によって設定を微調整しなくてはならないそうです。
写真は「本気のかき氷」のいちごバージョンに、プラムとミルクのジェラート二色盛り。
「本気のかき氷」のいちごは1パック以上の紅ほっぺときらぴ香を丸ごと凍らせて削ったもの。
また「プラムのジェラート」もプラムをそのまま使い、牛乳を使っていません。素材そのものの味を前面に押し出したものです。
いちごは佳那ちゃんが試食。「The満足」の表情でした。「プラムのジェラート」は二人とも試食しました。まんま「プラム」で甘味も足してあるため酸味を抑えて食べ易く仕上がっていました。
清水でプラムの栽培が盛んだということを始めて知った私たちは、JA清水の集出荷センターで入荷したプラムを見せてもらいました。取材時点での入荷種は、おなじみのソルダムやハニービート・サマーエンジェル・サンタローザに加えて「貴陽(キヨウ)」という漢字名のものがありました。
「貴陽(キヨウ)」は他の物に比べて大粒でした。写真で佳那ちゃんが手にしているプラムです。私が手にしているのはサンタローザという品種。サンタローザの大きさが一般的なサイズですから、貴陽がいかに大きいかが分かります。
貴陽を食した佳那ちゃん「すごく甘い!」と驚いていました。桃を思わせる大きさと甘味の強い品種で、平成8年(1996年)に種苗登録された新品種だそうです。
(枠内撮影:JAしみず見宮さん)
「四季菜Gelato&Cafeきらり」の地図です。当然開店前からの取材だったのですが開店時間近くになるとお客様が訪れ始めて、それから間を開けること無くお客様がお見えになっていました。
お目当ての中心はやはりジェラート。お店の掲示にもありますが非常に溶けやすいので持ち帰りは難しく、店内イートインスペースで食べられる方がほとんどでした。
最初の写真をよくご覧頂くとお気付きになると思いますが「Kids \108」の表示。小学生までのお子さんは108円でジェラートを楽しめるのです。嬉しいですね。
《今回の一枚》
本気のかき氷いちごバージョンの「スプーン上げ」撮影の一コマ。フワフワに削ってあるかき氷は非常に溶けやすいので、時間との勝負。スプーンに乗せたかき氷を撮るためにカメラマン自らサポートしています。
箸上げ・スプーン上げは非常にデリケート。形も重要な要素です。一旦スプーンに乗せた後、修正したり足したりは上げ役の人間には極めて難しい作業になります。両利きの佳那ちゃんもひと苦労。大石紳之カメラマンがサポートに乗り出したという訳です。
−害虫対策には天敵を呼び寄せる「スイートアリッサム」−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は浜松市南区白羽町にある山内 誠さんの畑。実は山内さんも畑も訪れるのは2回目。
1回目は2018年のこの時期でした。前回と同様実が葉に隠れて分かりにくいのですがたくさん生っています。
先日取材した函南スイカと同じウリ科ですが、生っている(生らせている?)量が違います。函南スイカはひと株に1個残して後は摘果しちゃいますが、トウガンは生るだけ生らせるそうです。
かなりの個数生りますが、出荷適サイズになるものも結構あるのであまり摘果はしないのだそうです。
受粉は手作業。雌花の下部には受粉前からトウガンの赤ちゃんが出来ています。受粉から3週間〜4週間で収穫出来るそうです。作業の敵は葉や茎にある細かい毛。細かくても産毛の様に柔らかい訳では無く、鋭い毛でチクチク刺さります。
「痛くないですか?」と聞きましたら「痛い」とのこと。実のクローズアップ撮影のため葉や茎をかき分けて押さえていたら辛いものがありました。
前回もそうだったのですが、トウガン畑の中にトウガンとは違う花が咲いています。「スイートアリッサム」という植物で、トウガンの花粉を食べてしまったり病原体の媒介をする恐れのある害虫「アザミウマ」対策で植えてあるそうです。
「スイートアリッサム」に寄ってくる「ヒメハナカメムシ」などが「アザミウマ」を捕食する天敵として有効であることが理由で、実際の効果を伺うと「かなりありますよ」とのことでした。
《おいしいをつくりましょ。》
「トウガンの和風肉巻き」と「トウガンサラダ」
作って下さったのは、山内さんの知人京平 遥(キョウヒラ ハルカ)さん
料理もお好きですが、プロの麻雀士という別の顔もお持ちでビックリしました。
「トウガンの和風肉巻き」は長さ4〜5Cm、幅1.5Cm位に切って豚肉の薄切りで巻きフライパンで炒め、種を取った梅干しと醤油を混ぜたタレをかけて完成。味付けはこれだけ。梅干しの酸っぱさを醤油がまろやかにしてくれて美味でした。
「トウガンサラダ」は皮を剥いたトウガンを薄切りスライサーで薄切りにして、さらに細切りにしたものに好みのドレッシングを絡めて完成。そうなんです、旬のトウガンは生で食べても美味しいのです。
一見タマネギか大根の千切りに見えますが食感はアッサリ・サクサク、トウガンの素直な味も相まってどんなドレッシングでも良いと思いました。
(撮影:JAとぴあ浜松山田さん)
《今回の一枚》
JAとぴあ浜松広報の山田さんが撮って下さった一枚です。私たちはスタッフも含めて、ちょっとした事でも笑いこけてしまいます。そんな一瞬を捉えて下さる山田さんの温かいまなざしを感じられる写真だと思います。
山田さんとは私のごちそうカントリー担当初期からのお付き合いです。
(撮影:JAとぴあ浜松山田さん)
−タマネギのたくましい生命力を見た!−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 石川智浩さん)
取材先は島田市金谷にある増田勇太さんの畑。茶所ですから周りは一面の茶畑。その中にポコンとタマネギ畑があります。もともと増田さんのおじいさんがなさっていた茶畑の一部をタマネギ畑に切り替えたそうです。ですからお茶とタマネギの二刀流。取材した日も午前中はお茶の収穫作業をなさっていたそうです。
タマネギの間隔が割と密なので理由を伺ったら、離すと大きくなりすぎてしまうのでわざと密にして栽培しているとのこと。そうは言いながらも立派な大きさのタマネギもたくさん育っていました。
(枠内撮影:JAおおいがわ石川さん)
増田さん(写真右)は、10年前おじいさんがやっていた茶畑を引き継ぐまでは自動車整備士だったそうです。タマネギは3年目。知り合いから教わり始めたそうですが、名産地である淡路島の農家にも教えを請い、出来るだけ早く高品質で安定した栽培出荷を目指して頑張っています。
その増田さんをサポートするのがJAおおいがわ営農鈴木崇也さん(写真左)。増田さんは35歳、鈴木さんは33歳。年齢も極めて近く話しやすさもあって非常に良い関係が見て取れました。 鈴木さんは7年間タマネギも含め野菜全般を担当勉強しており、それが役に立っているとおっしゃっていました。
(撮影:JAおおいがわ石川さん)
畑の中は栽培作物だけではありません。サイドは収穫物の運び出しのためもあって、通路としても使えるスペースがあります。そこに小さなタマネギがヒョコヒョコ立っています。不思議に思って伺ったら、機械にはねられた苗が自力で育ったとのこと。
実は昨年まで手植えでしたが、大変なので今年思い切ってトラクターを購入。ただ、機械では掴めないサイズや折れた苗があるので、サイド・スペースに放置しておいたら小さいなりにタマネギに成長したとのこと。生命力のたくましさを感じさせる光景でした。
無駄にせず、自家用として食べるそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「タマネギのチーズ焼き」
作り手は「KADODE OOIGAWA」シェフ瀧本万愉子さん
5mm幅程に切ったタマネギとベーコン・チーズ・トマト・本シメジ・片栗粉をボウルに全部入れ、かき混ぜます。それをフライパンに投入、中火で焼き目が付くまで焼きます。焼き目が付いたところでひっくり返してもう片面にも火を通したら完成。
味付けは塩だけなのですが、タマネギやベーコンなど具材からの旨味でコクのある美味しさに仕上がりました。
(撮影:JAおおいがわ石川さん)
《今回の一枚》
私たちは、インタビューシーンの撮影が一段落するとスマホでの写真撮影に取り掛かります。お互いを被写体にしたり、自撮りをしたりと結構たくさん撮影します。その写り具合などを時々確認し合います。その1シーンがこのショットです。当然JAおおいがわ広報の石川さんが撮って下さったものです。
番組撮影はほとんどがマスク姿です。ホームページ用など自分たちだけでの写真撮影は気を付けながらマスクを短時間外しての撮影をします。
圃場での自然体での雰囲気を感じて頂けたら幸いです。
(撮影:JAおおいがわ石川さん)
−トウモロコシはストレスで雄花が雌花化することがある−
(撮影協力:JA富士市広報 望月 綾さん)
取材先の富士市松岡地区のトウモロコシ畑で待っていて下さったのは、生産者の植田 強さんと坂本一吉さん。栽培されていたのが3年前から手掛けている「わくわくコーン」。
わくわくコーンには「わくわくコーン82」と「わくわくコーン88」があります。「82」は生育日数82日程度の極早生イエローコーン。「88」は生育日数88〜90日程度の中晩生(ナカオクテ)。今回の取材は極早生の「82」でした。
(撮影:JA富士市 望月さん)
(写真左から生産者植田さんと坂本さん・JA富士市営農森下知明さんと石垣涼司さん)
「わくわくコーン82」の特徴は極早生というだけでなく背丈が低いことです。120〜130Cm位。では実はどうかというと立派に450〜500g位に成長しています。背丈が低いと強風にも強いので、高値で引き取って貰えるハシリの時季に安定した収穫と実のしっかりした大きさ重さが大きな強みになっているのです。
味はどうか? その場で剥いて生で食べてと言われたので、当然甘いのは承知して食べたのですが、予想を超えた甘さで驚きました。糖度計で計ったら「17」超え。「17」と言ったら高級メロンの甘さです。
(撮影:JA富士市 望月さん)
トウモロコシは雌花が茎の途中に付き、テッペンに雄花が付きます。その雄花の花粉が降り注いで受精し、実となる訳ですね。
ところが変わった雄花を見つけました。左写真のようにモコモコっとした雄花を見つけたのです。「これは何?」と伺うと「雌花化した雄花です」とのこと。何で雌花化したのか伺いましたら「気温や降水量などのストレスからおきる現象」との事でした。
ごく一部の株に起きるので、今のところ大きな影響は無いとのことでしたが、驚きました。
《おいしいをつくりましょ。》
「わくわくコーンを使ったとうもろこしご飯」
作って下さったのは、自身も出荷者の遠藤勤子さんと坂本淑子さん
炊き込み御飯ですか? と伺ったら「そうなんですが、ちょっとしたアレンジが…」とおっしゃいます。
最初は普通に炊き込み御飯作りから始まりました。出汁が良く出るので芯も入れます。そして火にかけ炊きあがりを待つ間にフライパンで包丁で外したわくわくコーンの実を炒り始めました。火が入ったのを見極め醤油を入れさらに炒ります。
出来上がった炊き込み御飯に炒りコーンを混ぜて完成。正確に言うならば「わくわくコーンを使ったとうもろこし炊き込み混ぜ込みご飯」とでも言いましょうか。
炊き込まれて甘さを増したコーンに、香ばしさが鼻をくすぐる炒りコーンの贅沢な融合。美味しくない訳ありません。一升炊いて下さったので、生産者・JA営農・番組スタッフ皆でおなかいっぱい楽しみました(^_^)
(撮影:JA富士市 望月さん)
《今回の一枚》
この圃場は富士川河口の比較的砂地です。「わくわくコーン」は同じ富士市でも北の大渕地区では5〜6年前から栽培しています。こちらは黒ボク土壌。土質は違いますが、富士市の南に位置するこの松岡地区でも3年前から取り組み始め、JA富士市全体のブランド・トウモロコシ「富士山麓わくわくコーン」として展開しようという訳です。
大渕地区も全面バックアップしており、大渕地区農家のリーダー的存在である藤森 守さん(左写真)が協力しながらさらなる品質向上を目指しています。
藤森さんは〈ごちカン〉では農家の裏方として支えたり出演もしたりの、番組に欠かせない方の一人です。今回も出演はされませんが温かく見守って下さっていました。
(撮影:JA富士市 望月さん)
−採り時に見えてもココナツのような香りがする時はもう少し待つ−
(撮影協力:JA静岡市広報 徳田龍亮さん)
取材先は静岡市駿河区下川原の芝原俊晴さんのハウス。露地栽培も盛んですが、芝原さんを始め仲間の桃ハウスもズラッと並んでいます。長田地区はまとまった生産量では県内唯一の桃の産地。また全国1、2の早さで露地もの桃を出荷する産地としても有名です。
長田の桃栽培は明治時代から始まったと言われており、産地としての歴史もあります。地区全体としては6品種栽培しているそうです。収穫期間は5月中旬から7月上旬まで。1品種の収穫は1週間ぐらいで終わるそうですから、ひと月半、つまり6品種6週間というのは納得の数字です。
(撮影:佳那ちゃん)
桃栗三年というくらいで、桃は成長の速い木です。実も採り時が近くなると1日で2ミリ位のペースで大きくなるという成長の早さ。収穫期は気が抜けないということです。
収穫の目安は「香り」が大きな要素。見た目は採り時に見えても桃の香り以外にココナツのような香りがする時はもう少し待つのだそうです。
桃は木ですからそれなりに大きくなります。ある程度の大きさで剪定しますが、小さいハウスと言う訳にはいきません。一番高い所で7〜8mはあるでしょうか。頭上のシートは芝原さんが上がって張り替えるそうです!
ところで芝原さんは早期定年退職でお父さんの後を継いで桃農家へ。退職前のお仕事を伺ったら警察官でいらしたそうです。
芝原さんに「桃を食べる時、皮を剥きますか?」と伺いました。私は幼少時から皮ごと食べるのが好きなので伺ったのですが、答えは「ズボンで産毛をこすり取って皮ごと」。
「佳那ちゃんは剥いて食べて良いからね」と言いつつズボンで産毛をこすり取ったら、黄色い産毛が一杯付いちゃいました(^_^)
でも果汁があふれ出て美味しいのなんの!佳那ちゃんも皮ごと食べていました。
(撮影:徳田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「桃のシロップ煮」
作って下さったのは、自身も生産者の杉本吉乃さん
桃の皮をむいて種を避けながらザクザク5〜6片に切り、それを鍋に水・砂糖と共に入れて20分位煮て出来上がり。
試食は、プレーンヨーグルトにのせて頂きました。ヨーグルトの酸味はほとんど感じられません。知らなかった私が「プレーンだったらもう少し酸味が感じられるでしょうね」と的外れなことを言ったら「プレーンですよ、シロップ煮の甘さで十分です」とのお答え。長田の桃の実力を感じさせられました。
《今回の一枚》
芝原さんはハウス内でニワトリを5〜6羽飼っていらっしゃいます。あくまでもペットだそうです。あまりに懐いているので卵を孵化させたのかと思いました。孵化直後に最初に見た動く物を親と思う話を聞いていたからですが、生後100日程から飼い始めたそうです。
広いハウス内を走り回って生活していますから、卵も美味しいそうで「卵かけ御飯が最高」とおっしゃっていました。」
芝原さんの手から食べている物は、落下した桃だそうです!
−函南スイカは最終的にひと株に1個の栽培−
取材先は函南町の前川和彦さんと杉崎一之さんのスイカ畑。あいにくの雨の日になり、久しぶりに傘を差してのロケになりました。馬鈴薯などは雨天だと収穫作業はしないのですが、スイカは関係なく収穫するそうです。天候よりも収穫のタイミングをずらすわけにはいかないからだという事でした。
受粉してから50日が収穫の目安。他の作物同様摘果が必須ですが、函南スイカはひと株に1個だそうです。県西部地方のメロン栽培と同じですね。
受粉作業は媒介してくれる虫たちが活動する前は、すべて手作業。雌花を見つけ、近くの雄花の雄しべを露出させて雌しべに花粉を付けていきます。この受粉作業が大変だとおっしゃっていました。地面を這うようにして雌花を探しての作業ですから当然ですよね。
なお、受粉後実が大きくなっていく段階で摘果作業。最終一歩手前で2本の蔓に1個ずつ残し、最終的に出来の良い方1個だけにして最終収穫するのだそうです。厳しい競争の中で残った物を我々は頂いているというわけです。
函南スイカのランクは「秀・優・良」の3つ。打音検査と呼ばれる叩いて中に「ス」が入っているかどうかを確認していきます。
検査をするのはJA三島函南の長谷川大輔さん。歴代、打音検査担当者は一人なのです。基準のブレが無い事が求められるのですね。
左写真をクリックすると動画で打音検査の模様が見られます。「秀」は「ス」が入っていなくて形の良い物。「優」はそれに準ずる物。「良」は「ス」が入っている物。ただ「ス」が入っているのは完熟仕切ったことを意味しているので甘さは保証付きです。
(左の写真をクリックすると動画が観られます)
《おいしいをつくりましょ。》
「函南すいかの生ゼリー」
試食させて頂いたのは石舟庵(せきしゅうあん)函南店
ヨーグルトのババロアに函南スイカと寒天をサイコロ状に切った物を乗せ、ゼリーをかけたスウィーツ。
6月の初旬の9日間しか販売しないそうです。すべての食材が見事に調和した味で、短い期間だけの販売が残念な気がしました。
志帆ちゃんの食べっぷりが、とてもさわやかでした。女性のほとんどの方が絶賛されるだろうと確信しました。
《今回の一枚》
今回お世話になったJAの皆さんと自撮りしました。
左から広報担当の奥村彩恵さん、打音検査の達人長谷川大輔さん、営農の藤森亮太さん。お目にかかるのは、奥村さんはトウモロコシも入れて3回目、長谷川さんは2回目、藤森さんはすべてスイカで3回目。馴染みの顔になりつつあります。
皆さんの笑顔が函南西瓜チームの温かさを物語っています。
−空心菜は夏を乗り切る栄養がタップリ! 実は朝顔の仲間−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は浜松市北区都田町の伊藤美津江さんのハウス。空心菜は1年を通して栽培が出来る野菜。種をまいて1ヶ月半ぐらいで収穫出来るそうです。
30〜40Cmに成長したら根元から5〜6Cm位のところで収穫。わき芽を残して収穫すれば、そのわき芽がどんどん成長して繰り返し繰り返し収穫出来るそうです。
他の植物でも言える事ですが摘むとわき芽が成長し、さらに新わき芽が出るという循環を繰り返します。さらに南方の植物ですから暑い夏には強い。効率の良い野菜と言えますね。
(撮影:佳那ちゃん)
空心菜はヒルガオ科の野菜ですから、我々に馴染みの深い朝顔の仲間です。茎の中が空洞になっているため空心菜という名が付きました。ネットをググってみたら、もともと水辺の植物で水を吸いやすくするために茎の中が空洞になっているそうです。
栄養もカルシウムを始め、やはり骨の生成に欠かせないマグネシウムやカルシウムを骨に定着させるビタミンKもたくさん含まれています。また汗と共に失うカリウムやエネルギーの代謝を高めるビタミンB1,B2をたくさん含んでいるので熱い夏を乗り切る強い味方と言えます。
伊藤さんは現在79歳。小柄でとても可愛らしい方です。こちらの問いかけにもハキハキ・シャキシャキ答えて下さいます。空心菜のシャキシャキにも通じますね(^_^)
収穫も楽で、重さも軽い野菜なので栽培・収穫・出荷のすべてが自分に合っているとおっしゃっていました。チンゲンサイやパセリも作っていましたが今は空心菜一本だそうです。
今まで取材した空心菜の収穫法はハサミでカットだったのですが、伊藤さんは手で軽く収穫。15年の年季を感じました。
(撮影:佳那ちゃん)
《おいしいをつくりましょ。》
空心菜とベーコンのガーリック炒め」
作り手は、生産者の伊藤美津江さん
フライパンに油を引いてニンニクを軽く熱し、空心菜とベーコンを炒めて仕上げに塩胡椒して出来上がり。空心菜は茎と葉の部分で火の入り方が違うので、先に茎から炒めるのが大事だとおっしゃっていました。
佳那ちゃんが試食後同じ物を単独撮影用に作って下さるところを、インスタで流せればという意図で全工程を撮影したら4分ほどで完成したので驚いていました。空心菜って火の通りが速いんですね。
味は文句なしの美味しさ。シャキ感と葉の軽いヌメリが美味しさをさらに増していました。
(撮影:JAとぴあ浜松山田さん)
《今回の一枚》
ロケ時に可能な限りチャレンジする写真です。出演して下さった方、JA関係者の方を一枚の中に収めたいという主旨です。コロナ禍でソーシャル・ディスタンスを考えて縦のランダム並びはどうか? という工夫で撮影してします。
撮り手はもちろん佳那ちゃんか志帆ちゃん。今回は佳那ちゃんが頑張っています。私がやろうとすると、画角を気にする余り自分の眉間にしわが寄ってしまいます(^_^;)
二人は手練れです!
(撮影:佳那ちゃん)
(前から伊藤さん、伊藤さんの娘小出ゆりさん、JA水井理佳子さん、JA大石 弥さん、JA山田さん)
−抹茶ドリンクが楽に作れる「シェイカー」が秀逸−
(撮影協力:JA遠州中央広報 石川智浩さん)
取材先は藤枝市岡部町にある小林秀明さんの碾茶畑。碾茶(テンチャ)は抹茶の原料となる茶。とは言っても煎茶などと同じチャノキ。栽培の仕方と製茶方法が普通の緑茶とはちょっと違うのです。写真は抹茶にする前の「荒碾茶」と呼ばれる状態です。
碾茶になる茶葉は、発芽してから直射日光を30日前後、さえぎって育てられます。玉露も日光を遮断して育てますが、こちらは20日前後ですので碾茶の方が長いのです。
茶園に藁等で覆いをし遮光をすることにより茶に葉緑素が増し、柔らかく鮮やかな緑色になります。また、渋味が押さえられ、甘味・旨味が強くなります。
煎茶などのお茶は、乾燥段階で揉みながら乾燥させますが、碾茶は揉む工程はありません。
碾茶は最初にすぐに蒸気で蒸して「散茶冷却機」で下からの風で吹き上げながら冷まします。風で吹き上げるのは重なるのを防ぐ効果もあり、バラバラの開いた茶葉の状態で仮乾燥させていくのです。ダウン(羽毛)の乾燥工程に似ています。
その後「碾茶炉」で200度の熱風で乾燥、葉と茎を分けてさらに乾燥させて「荒碾茶」が出来上がるのです。左のサムネイルをクリックすると「散茶冷却機」の動画が再生されます。
「荒碾茶」は製品工場に運ばれセラミックの臼で挽かれて「抹茶」になります。荒碾茶自体はそのままお湯で淹れても美味しくは飲めません。碾茶は挽くことで初めて、香りや味わいが出てくるお茶です。
ふじのくに茶の都ミュージアム「レストラン丸尾原(マルオバラ)」で抹茶を手軽に楽しめる道具に出会いました。志帆ちゃんが一所懸命振っているのがそれ、「シェイカー」です。
シェイカーを使えばお湯や水としっかり混ざり、どうにでも応用が利きます。「抹茶○○ドリンク]が簡単に作れるのです。
(撮影:JA遠州中央石川さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「抹茶レモンソーダと抹茶ミルク」
作り手は、「レストラン丸尾原(マルオバラ)」店長 櫻井 徹さん
もちろんシェイカー大活躍のメニュー2品を作って下さいました。志帆ちゃんが「抹茶レモンソーダ」(左)、私が「抹茶ミルク」」を試飲しました。
シェイカーで抹茶がしっかり混ざっているのでとてもまろやかです。茶道では茶筅を使いますが、目的は空気をしっかり混ぜ込むこと。それがまろやかさを生み、抹茶の甘味も引き出します。
シェイカーはそれが簡単に出来てしまうのです。欲しくなってしまいました。
《今回の一枚》
番組オープニングシーンでの一枚です。碾茶の製造工程を私がジェスチャーで表現している訳です。写真が何を表しているか…ここまでご覧になった方にはお分かりでしょう。
そうです。「散茶冷却機」で茶葉が吹き上げられている様子を必死に表現していました。JAおおいがわ広報の石川智浩さんが撮影して下さった写真、自分たちでは絶対に撮れないショットだけに感謝に堪えません。
(撮影:JA遠州中央石川さん)
−JA遠州中央ではメイン生産者に女性が多い−
(撮影協力:JA遠州中央広報 長谷川愛美さん)
取材先は磐田市赤池にある大杉久実子さんのハウス。ご夫妻での登場はよくありますが、女性がメイン生産者として登場なさるのは珍しいことです。
大杉さんはチンゲンサイ栽培歴30年のベテラン。30年前はおばあさまと幼い子供たちを抱える主婦でした。夫はサラリーマン、働きたい気持ちはあっても仕事のために家を出るわけにはいかない事情があったのです。
そこへお隣の方が自宅から離れなくても出来る仕事として紹介し教えて下さったのが「チンゲンサイ」でした。チンゲンサイは軽量で栽培しやすいので、女性でも楽に続けられるというのが大きな理由でした。
現在、女性がメイン生産者という農家は管内青梗菜部会の半数以上だそうです。夫が定年退職を機に手伝うようになったというケースもあるというお話しでした。
大杉さんの息子さんも手伝っていらっしゃいます。大杉さんのこれまでの努力が報われているなと感じました。
チンゲンサイは通年栽培。苗から収穫できるまで今の時期だと55日。もっと暖かくなると22日、寒い時期は40〜45日。1年の収穫回数は10回だそうです。忙しいですが効率の良い野菜と言えるでしょう。
(撮影:JA遠州中央長谷川さん)
写真の棒は虫害からチンゲンサイを守るためのものです。「コナガ」と呼ばれる蛾が卵を産み付け、孵化した幼虫がチンゲンサイに食害を与えてしまうため設置されています。
「コナガ」の雌のフェロモンを付けてあり、雄を混乱させて交尾を妨げる効果があるということで、その名も「コナガコン」。「コナガが来ん」という意味のネーミングだそうです。分かり易い!
期待通りの効果があるということでした。
《おいしいをつくりましょ。》
「チンゲンサイの混ぜご飯」
作り手は、磐田市上野部の和食処「なかや」店主深田浩介さん
深田さんは2017年放送の「海老芋」の回でも料理を担当して頂き、2回目の登場です。
深田さんもチンゲンサイは中華のイメージだったので和食でどう使うかかなり考えたそうです。
結果、混ぜご飯という結論に達しました。写真左側です。入っているのはチンゲンサイの他、戻した干し椎茸・パプリカ・塩麹に一晩漬け込んだ鶏肉を焼いたもの・新じゃがの素揚げ・油揚げなど。多くは蒸らし段階で加えます。
干し椎茸と焼いた鶏肉の二つの香りが絶妙なハーモニーを奏で、具それぞれの味が米はもちろんチンゲンサイにも染みて非常に贅沢な混ぜご飯になったと思います。
それにしても素材としてのチンゲンサイのクセのなさ、素直さが印象に残りました。和食にも十分合う食材だと確信しました。
右上の器の中はチンゲンサイの浅漬けです。チンゲンサイの内側の柔らかい葉の部分を漬けたものです。食感も含めてこれは自宅で作りたいと思いました。
《今回の一枚》
前日の雨から一転、青空に恵まれたロケになりました。もっとも、主体はハウスですから青空を活かしたシーンはそんなにありません。せっかくの青空ですから、何とか活かせないかと撮った写真がこれです。
大杉さんのハウスの上空は自衛隊航空機の飛行空域です。この日も青空に飛行機雲が幾筋もありました。そんな空をバックにチンゲンサイを撮ってみました。
余談を一つ。チンゲンサイはアブラナ科ですからとう立ちして出てくる花芽が美味しいのだそうです。苗を冷蔵庫で冷やして植えると花を咲かそうとして「とう立ち」するので、それを利用して食用に花芽を穫ることもあるんですって。 …食べてみたい…
−雨の日は収穫作業しない−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は浜松市北区三方原町の馬鈴薯畑。お話を伺ったのはJAとぴあ浜松馬鈴薯部会青年部の中津川拓哉さん。三方原馬鈴薯ロケは、馬鈴薯部会青年部の皆さんが必ず集まるのが恒例です。
三方原馬鈴薯の特徴は、その白さと薄い皮に豊富なデンプン量。そしてその皮が非常に美味しいことです。中津川さんたちは、三方原馬鈴薯は皮を剥かずにそのまま調理して欲しいと力説していました。今回はあいにくの雨のため収穫体験は出来ませんでしたが、以前伺った時掘り出したばかりの馬鈴薯の白さに驚きを隠せなかった覚えがあります。
ロケ当日は大雨の予報が出ていて出発の時から雨が降っていました。当然ながら傘をさしてのロケ覚悟で撮影に入りました。ただ終始「傘」は避けたいので青年部のメンバー長谷さんの作業場が馬鈴薯畑を臨め、雨もしのげる事からお借りする事になりました。
ただ私たちと中津川さんは屋根がありますが、後ろに立つ青年部のメンバーの場所には屋根が無く傘を差さざるを得ません。
その形で撮影スタートして10分位したでしょうか、雨が止みました。私は思いきって傘無し再スタートを提案したのです。途中で降ったら…と皆は思いました。でもその時はその時、やり直しました。ヒヤヒヤしながらの撮影でしたが、何と予定の撮影はすべて完了出来たのです。しばらくしたら再び雨が…、皆幸運を喜びました。
(撮影:JAとぴあ浜松山田さん)
雨の日や前日までそれなりの量の雨が降った場合は収穫作業はやらないそうです。一番の理由は、濡れた状態は馬鈴薯の皮が傷んだり剥けたりするからという事でした。
また非常に細かい赤土で、濡れると収穫した馬鈴薯にもついてしまいます。土を落とすために洗うとそれはそれで皮が傷んだり剥けたりする恐れがあるので濡れる日は避けたいのです。三方原馬鈴薯生産者は皮にとても気を遣っています。
もう一つ。土が湿っている時に畑に入ると土を踏み固めてしまうからともおっしゃっていました。
(撮影:志帆ちゃん)
《おいしいをつくりましょ。》
「三方原馬鈴薯を使ったエッグガレット」
作り手は、鈴木正子さん・鈴木一江さん・加藤友子さん・和田幸代さん(枠内写真左からの順)
4人はJAとぴあ浜松女性部三方原支部の皆さんです。
フランスでガレットは「円く焼いた料理」を指すそうで、今回は馬鈴薯を薄切りにして円形に並べフライパンで焼いた料理でした。中心部を空けるように馬鈴薯を並べて真ん中に鶏卵を落とすので「エッグガレット」。
味付けは塩胡椒だけですが、たまごを落とす前に同じ中心部で炒めておいたベーコンをトッピングにしたことによって、コクも出て美味しかったです。デンプン量の高い三方原馬鈴薯同士が見事にくっつくのも感動でした。
(撮影:JAとぴあ浜松山田さん)
《今回の一枚》
上の写真でもお分かりのようにガレットの他にもう一品ありました。右上の「馬鈴薯の梅入り春巻き」です。撮影では食べませんでしたが、終了後試食しました。その時の一枚です。
味は二人の表情を見て頂ければご理解頂けると思います。そうです、最高でした!
番組の時間がもう少しあれば…と思いました。
−お茶は淹れた後も栄養分の70%はまだ残っている−
(撮影協力:JA遠州夢咲広報 浅原直樹さん)
取材先は菊川市牧之原の茶畑。次世代を担う若手生産者、斎藤正人さん・二俣和弘さん・牧野哲也さんの3人にお話を伺いました。
今年は3月が暖かかったので、お茶刈りがいつもより1週間以上早く始まったそうです。出来映えは上場とのこと。
枠写真は左から斎藤さん・二俣さん・牧野さん。背景の茶刈り機を運転していらっしゃるのは二俣さんです。
それにしてもお茶の新芽が美しい! 正に「みるい」という言葉がピッタリです。(※「みるい」…新芽の柔らかで瑞々しい中にも、秘めた生命力・強さを感じさせる様)
(撮影:佳那ちゃん)
みなさん茶農家の4代目で、とても仲の良さを感じさせます。伺うと「ライバルではなく運命共同体みたいな感じ」なのだとおっしゃいます。
皆で協力して良いお茶を作って、お茶の先行きも含めて模索していく。そして先祖が荒地を開拓してお茶の栽培を確立し苦労して培ったものを大切に守っていきたいとのことでした。
特に二俣さんは就農して2年目。斉藤さんや牧野さんの教えや協力が支えだとおっしゃいます。お二人がいらっしゃるから就農する気持ちになれたとも語っていました。
(撮影:佳那ちゃん)
(前から二俣さん・JA遠州夢咲浅原さん・牧野さん・JA遠州夢咲営農橋山友城さん)
二俣さんが茶刈り機での刈り取り作業をなさったので、わがまま言って上がらせていただきました。見た目よりも高いので牧之原の広大な茶畑群が見渡せ、二人とも気分爽快でした。
佳那ちゃんは初めてということもあって、「いいんですか?」と言いながらスルスルと上がり運転席へ。見るからに気持ち良さそうです。
時間と二俣さんのお許しがあったら、操縦もさせていただけば良かったかな…と思いました。
(撮影:JA遠州夢咲浅原さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「茶葉入りつくね」
作り手は、村松ゆり子さんと二俣祐子さん
お二人共牧之原茶農業協同組合女性部所属。また二俣祐子さんは二俣さんの奥様です。
作り方は、ボウルに鶏ひき肉と豆腐・ニンジン・茶葉・卵・しょうゆ・砂糖を入れてよく混ぜ合わせフライパンで焼いて完成。
お茶は淹れた後の「茶殻」を使います。「茶殻」と言いますが、お二人によりますとお茶自体の栄養分は70%がまだ残っている状態。そのまま捨ててしまうのはもったいないのです。
食べた感じはあっさり。非常にヘルシーで食べ易い料理でした。お茶の香は淹れた後の茶殻を使うせいか存在は感じますが、ほのかでした。(枠写真は左から二俣さん・村松さん)
《今回の一枚》
茶畑脇での茶葉の撮影シーンです。午前中は穏やかだったのですが、午後になって風が出てきて茶葉とその下に敷いてある紙が飛びそうになりました。手近にある物で風除けをしましたが1枚では無理。最終的にはカメラ方向以外を囲む形に。
スタッフ、ディレクターに佳那ちゃんも参加しての防風作戦になりました。「ごちそうカントリー」はまさに手作り番組です。
−カフェ「茶の庭」の、香りも楽しめるお茶椀が素敵でした−
(撮影協力:JA掛川市広報 袴田真司さん)
取材先は「《カネジョウ》掛川中央茶業株式会社」良質茶研究部会の石川芳弘会長の茶畑。茶畑は個人所有ですが、地区の生産者が共同で製茶工場運営・販売までを一括管理するために設立したのが「掛川中央茶業株式会社」。
茶畑は個人所有でも、茶園管理などを皆で情報共有しながら一貫した品質管理をしているため高品質なお茶を生産出来るという訳です。1943 年に前身「カネ上(カネジョウ)製茶協同組合」が発足していますので、78年の歴史を誇ります。
(枠内写真提供:JA掛川市広報袴田さん)
(左から袴田さん・「カネジョウ」佐々木拓未さん・JA掛川市茶業部松井雷他さん・石川さん)
萌黄色のお茶の新芽を見て志帆ちゃんに「食べた事ある?」と聞きましたら「無い」との返事。許可を得て食べてみました。初夏に近い春の味がしました。軟らかく瑞々しい感触、噛んだ瞬間の爽やかな青い香りと若葉独特の青い味、少し経つとほろ苦さが口いっぱいに広がります。
これが加熱し乾燥と共に揉み上げられると、あの何とも言えない甘味と出汁のような濃厚さが生まれるんですね。
お茶にいろいろ手を加える事で様々な味や飲み方を編み出してきた先人の知恵に脱帽です。
(撮影:JA掛川市袴田さん)
「《カネジョウ》掛川中央茶業株式会社」が経営するカフェ「茶の庭」。こちらで新茶をいただきました。新茶独特の甘味、浮かぶ産毛。仕事真っ最中ですが「ホッ」とする瞬間を貰いました。
そしてスウィーツも。私は写真左の「抹茶ラテ」、志帆ちゃんは「苺と桜のほうじ茶ラテ」をお願いしました。志帆ちゃんは「一段落したら絶対注文する!」と言っていたメニューをゲットしたので大喜びでした。
かき混ぜて崩してしまうのはもったいないのですが、少し目で楽しんだ後はかき混ぜて味わうのがお勧めです。
「抹茶ラテ」のトップ部分は茶畑をイメージしているそうです。
(枠内写真は「茶の庭」の鈴木薫さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「お茶を使ったパスタ」
作り手は、「カネジョウ」婦人部会長の渥美広子さん。
作り方はシンプル。パスタは好みの固さに茹でておき、オリーブ油におろしニンニクとお茶の葉を入れて火を入れ、お茶の葉が焦げないうちに茹でてあったパスタを投入。塩こしょうで出来上がり。
お茶の葉が乾燥バジルのように見えるので、ドライバジルパスタに見えます。味付けが塩こしょうだけ、シンプルな美味しさで、遠くにお茶のほろ苦さが感じられました。
《今回の一枚》
「茶の庭」で新茶をいただいたシーン。新茶を飲んでリラックスした様子が見えますね。二人の前にあるのは「茶の庭」のお茶椀。上が絞ってあるのは香りを楽しんで貰うためだそうです。
今年(2021年)2月18日オープンしたばかりの「茶の庭」。店内にイートイン・スペースはあるのですが、コロナ禍で現在店内での飲食は出来ません。持ち帰りが中心で、飲食希望者はオープンデッキでという事になります。
一日も早い収束を願います。
(撮影:JA掛川市袴田さん)
−花のための茎1本を残し、あとの茎は横向きに仕立てる−
(撮影協力:JAしみず広報 見宮正章さん)
取材先は静岡市清水区庵原町の草ヶ谷 剛さんのハウス。我々の目を惹いたのはまず黄色にオレンジピンクのランダム模様が特徴の「フィスタ」。温度管理など難しいけどしっかり咲くと大輪で人気があるそうです。
そして、左下枠の白とピンクの模様が美しいバラ、品種名は「フラッシング」、1本にたくさんの小粒な花を付ける品種です。
佳那ちゃんの抱えている深紅のバラの花は「ブリランテ」、花束にすると迫力がありますね。
草ヶ谷さんは10年前に結婚。結婚を機にサラリーマンを辞めて奥さんの実家であるバラ農家を継ぐ事を決心したそうです。
ご両親はもちろん大喜び。以来義理のお父さんの教えを仰ぎながらバラ栽培に励んでいます。今はバラ栽培に生きがいを感じているそうです。写真は営農の小笠原穂波さんとの情報交換。
バラと言えばトゲが付きもの。革手袋で手を守っています。かなり分厚い革手袋ですがバラのトゲはそれをも突き通すそうで、手にはたくさんの刺さった痕が。中にはトゲの先が残っている傷もありました。
(撮影:JAしみず見宮さん)
バラの花がきれいに咲くためには、栄養を作り送る「葉」が大事なパーツ。その「葉」を十分に太陽をあてるため、花のための茎1本を残しあとの茎は横向きに仕立てます。仕立てるというと言葉はきれいですが、現実は「折る」に近い作業です。写真で分かるようにほほば真横に曲げています。
花が出荷状態になって収穫したら、その脇から花芽を持った茎が育ちまた花を付けるというサイクルになります。
今回は《おいしいをつくりましょ。》ではなく
《フラワーアレンジメントに挑戦》
先生は、JAしみず「グリーンセンター」の望月彩友美さん。
草ヶ谷さんが栽培されたバラのうち8種類を並べて頂き、好きな組み合わせで作るという体験になりました。
佳那ちゃんは大胆にも全種類を使うという冒険に挑戦。これがまとまりの良い作品に仕上がり、感心致しました。
佳那ちゃん曰く「くんちゃんの方が女子的…」
喜んで良いのかしら?!
(三人の作品を合わせたらハートの形になりました)
《今回の一枚》
草ヶ谷さんのハウス内での縦列集合写真。
いつものように佳那ちゃんの自撮りです。
お一人ずつの写真も大事なのですが、ロケが一段落してからリラックスしたところでの和やかな雰囲気が醸し出される「縦列集合写真」が結構好きです。
皆と一緒というのがより自然な感じを生みますね。
佳那ちゃんの後は草ヶ谷さん、小笠原さん、JAしみず見宮さん。
−牛のストレスフリー飼育で質の高い牛乳をより多く生産−
取材先は函南町丹那の片野恵介さんの牛舎。函南町丹那の牛乳を中心としたテーマ施設「酪農王国オラッチェ」のすぐ隣に位置する牧場です。
「酪農王国オラッチェ」には丹那牛乳生産工場が隣接しています。片野牧場に限らず丹那地区の牧場は近隣に位置しているため、鮮度を損なう事無く牛乳の集荷に対応できるということです。それが良質な生乳を加工できる大きな要因になっているんですね。
片野牧場では「フリーストール方式」という、牛が牧場内では自由に行き来したり横になったり出来る飼育法を採用しています。
牛は非常にデリケートな動物。ストレスフリーを実践することで、質の高い牛乳をより多く生産できるよう工夫されているのです。
囲い内に柵はありません。牛は自由に動き回れます。また横になりたかったら、ウォーターベッドで休めます。写真でズラリ並んでいるのがウォーターベッドです。2つの部分に分かれていて、少し低い部分は前足置き用のウォーターベッドです。
ところで片野さんはこの番組は5回目の出演でした。そして私のSBS時代に「とく報!4時ら」の《くんちゃん中継》でも2回出演されています。私のリポートに7回もお付き合い頂いたことになります。「縁」を感じるお一人です。
「とく報!4時ら」の片野牧場からの中継では、生放送ならではのハプニングがありました。2005.10.31(月)の放送で当時の第3次小泉内閣の組閣ニュースが入り、中継が中断したのです。組閣ニュースが一段落した所でスタジオから再呼び出し。中継を続行しました。
写真はその時のもの。搾乳体験し、絞った牛乳をそのまま試飲しようとして片野さんに「殺菌してからじゃないとダメ」と止められているところです。
《おいしいをつくりましょ。》
「牛乳と春野菜のクリームうどん」
作り手は、野菜ソムリエプロ神尾かほりさん
神尾さんは2020年4月、全国の野菜ソムリエが活動を発表する「第9回野菜ソムリエアワード」で銀賞を受賞した方。この番組にも3回目の登場です。
今回使った素材は「ミルクうどん」と神尾さん自身が栽培された野菜。「ミルクうどん」は丹那牛乳の粉乳を練り込んだうどん。食感は弾力のある柔らかいうどん。一見白いスパゲティにも見える中細麺です。
基本的にはベーコンと「函南めぐり野菜」を中火で少し炒めて、牛乳を入れて弱火〜中火位で火を通し「ミルクうどん」を絡めて出来上がり。優しい味で、春野菜と牛乳とうどんの見事なコラボでした。もちろん普通のうどんでもOKです。
「函南めぐり野菜」は地元のブランド野菜で、丹那で作られた堆肥で作られた野菜であることが特徴。「地域循環型農作物」なんです。
《今回の一枚》
野菜ソムリエプロの神尾さんに付き人がいました。娘さんの桃子ちゃん。この4月から中学2年になりました。野菜などの材料や、下ごしらえした物など持ってくる物が多かったので同行して下さったそうです。優しい娘さんですね。
すっかり仲良くなった志帆ちゃんが、母娘お二人の写真を撮ってあげているところを私が撮影しました。仲の良さが伺える素敵なシーンでした。
−収穫は午前3時半から− (撮影協力:JA静岡市広報 徳田龍亮さん)
取材先は静岡市駿河区古宿の才茂祐二さんの葉しょうがハウス。伺った時刻は午前9時頃。収穫はとっくに終わっていました。
それというのも葉しょうがはデリケートな作物で、温度と湿度の管理が非常に大事。伺った時の温度は37〜38度位・湿度が80%台、蒸し暑さは半端ありません。人間にとっては辛い環境です。なので収穫は午前3時半位から行い、午前中は洗浄・選別・計量・箱詰め作業をするというルーティンになっているそうです。
ロケ中はハウス内の全員が汗びっしょり。私たちも汗が目に入って痛いのなんの。才茂さんはマスクの下から汗が流れ落ちていました。
才茂さんは「蒸し暑い状況になったら、すぐ汗をかいて体温体調を整えるように対応する身体になったようです」とおっしゃっていました。
(撮影:佳那ちゃん)
収穫体験をお願いし、要領を伺いました。基本的なやり方は、5〜6本まとめて握って「しょうが部分」を切らないように少し斜めに引っ張って収穫していきます。割としっかり根を張っていますので、力の入れ具合が難しいなと思いました。
洗浄・選別・計量・箱詰め作業を見学。写真は100g〜110gで一束になるよう測り輪ゴムでまとめていく体験をさせていただいているところです。
(撮影:JA静岡市 徳田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「葉しょうがの牛肉巻き」
作り手は、才茂さんの奥様 才茂靖子さん。
豚肉巻きが一般的ですが、才茂さん一家は牛肉巻きが大好き。毎回は出来ませんが、ちょっと贅沢をしたい時には作るそうです。ただあっという間に無くなり、奥様の口には一つ入るか入らないかだと笑っておっしゃっていました。
作り方は本当に簡単。葉しょうがを薄切りの牛肉でクルクルッと巻いて、フライパンで焼くだけです。これが本当に美味しい!すぐ無くなるのは納得でした。
お酒のアテとしてももちろん最高です(^_^)
《今回の一枚》
葉しょうがの洗浄・選別・計量・箱詰め作業場の前で、穫り立ての葉しょうがを試食させてもらったシーンの一枚です。何を話しているのか定かではありませんが、ロケの雰囲気が伝わってくる写真です。
とにかくロケは笑いが絶えません。「箸が転んでも可笑しい」と年頃の女性を評する時によく言いますが、性別や年代を問わないのでは無いかと思ってます(^_^)
(撮影:JA静岡市 徳田さん)
−タケノコの保存法は、スライスし砂糖をまぶして冷凍に−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 石川智浩さん)
取材先は藤枝市北方の藤田智司さんのタケノコ圃場。きれいな竹林でした。
この辺りのタケノコは「早掘り」で知られています。どのくらい早いかというと、何と11月には掘り始めるそうです。正月料理等の需要にも対応、料亭などでも重宝がられているということで所得向上に大きく貢献しているんですね。
出荷量も県内トップで、JAおおいがわ管内はタケノコの大産地です。
(撮影:志帆ちゃん)
圃場は結構な斜面ですが、伐採した竹を土留めにして段々に整備し、手入れや収穫がしやすいように工夫されています。風通しも良く、晴れていたこともあって春の風が心地よく感じられました。
でも、肥料を施したり収穫したりする時は、この斜面が作業を決して楽なものにしてくれない…と藤田さんは笑っていらっしゃいました。
収穫と言えば、まだ頭を出していないタケノコのある場所を探し当てるのが至難の業。地面のかすかな割れ目や盛り上がりを目標に探します。藤田さんがタケノコのありそうな場所を教えて下さって、そこを掘ってみます。
しかし地面の下は竹の地下茎が入り組んでいます。あったとしても地下茎が邪魔をして、まずは地下茎を切ることからしなくては収穫できません。やはり大変な作業です。
藤田さんの「ここにもありそうだよ」の言葉に、志帆ちゃんは次第に夢中になって掘っていました。
写真からもそのやる気が感じられませんか?(^_^)
(撮影:JAおおいがわ 石川さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「タケノコのお味噌汁」
作り手は、藤田さんのお知り合い鳥山三千代さん。
タケノコは皮をむいて薄くスライスして水から入れて火を通していきます。沸騰してくるとアクが泡となって出てくるので、お玉でしっかり取ります。アクが出なくなったら、味噌を好みの量入れてミツバなどをトッピングすれば完成。
タケノコの香りが非常に高く、まさに春を感じる逸品です。加えてタケノコの炊き込みご飯も作って下さいました。
タケノコを一度に食べきれなかった場合の保存法は、アク抜きしたタケノコを5ミリ位にスライスして少量の砂糖をまぶしビニール袋に1回分を小分けにして冷凍すると良いそうです。砂糖は保存料としても効果がありますが、料理に使う時に砂糖自身が甘味として役割を果たすからということでした。
(撮影:JAおおいがわ 石川さん)
《今回の一枚》
番組PR用に作る15秒のスポット撮影の1コマです。タケノコの炊き込みご飯を、大茶碗(?)一杯を食べきったので、私が「よく食べたね〜」と言うと、志帆ちゃんが「おかわり!」と大茶碗を差し出した瞬間の写真です。
JAおおいがわ広報の石川さんがすかさずシャッターを切って下さいました。もちろん本当の志帆ちゃんは、そんな「大食い」ではありません(^_^)
(撮影:JAおおいがわ 石川さん)
−肉厚で傘に白い亀裂のある最高級品「天白どんこ」−
(撮影協力:JA伊豆の国広報 山下りえさん)
取材先は伊豆市土肥。伊豆はシイタケの名産地、その中でも土肥は「しいたけ大臣賞の里」と呼ばれる名産地中の名産地なのです。それを象徴するように船原峠から土肥に下りる道沿いにモニュメント(写真)があります。
ロケ撮影時に近くに居らした方が、偶然にもお作りになったお宅の方でした。もちろんシイタケ生産者で、通りかかった軽トラックの方もシイタケ生産者。
生産が盛んなのが良く分かりました。
お話を伺ったのはシイタケ生産者杉本勝彦さん。
杉本さんの作る「原木干しシイタケ」は農林水産大臣賞を7回も受賞したことのある逸品。
杉本さんの「天白どんこ」と呼ばれる干しシイタケは、肉厚で傘に白い亀裂が入りとても美しく最高級品。稀少品で高価です。ほとんど贈答用だと笑っていらっしゃいました。
私たちが手にしているのが、杉本さんの「天白どんこ」です。
(撮影:JA伊豆の国 山下さん)
圃場を見回しても美味しそうなのはいっぱいありますが、「天白どんこ」になりそうな肉厚で形の整ったものはそう多くはありません。それを低温乾燥させて特徴的な亀裂を白く美しく仕上げるのは並大抵では無いのだと思いました。
あるサイトに「天白どんこはフカヒレと肩を並べる高級食材である」と書いてありました。
食べてみたい!
(撮影:佳那ちゃん)
《おいしいをつくりましょ。》
「原木干ししいたけと大豆の炊き込みおこわ」
作り手は、JA伊豆の国女性部でシイタケ生産者の森野身知子さん。
まず干しシイタケを冷蔵庫で一晩ゆっくり戻しておきます。そしてしっかり浸水させたうるち米・もち米1合ずつ2合に醤油・干しシイタケの戻し汁・カツオ節と昆布のだし汁を加えて炊飯器に用意しておきます。
豚バラ肉を1p幅程度に切り、千切りの生姜と一緒にごま油で炒めます。肉に火が通ったら薄切りにした戻し干しシイタケを加えてサッと炒め、全体に塩をふります。さらに大豆水煮を加えて軽く炒め合わせたら、炊飯器に入れてお米と一緒に炊きあげて完成。「干しシイタケの戻し汁」がキモですね。
シイタケの香り高く非常に美味しいおこわが出来上がりました。
(枠内撮影:JA伊豆の国 山下さん。
左から料理応援隊の森野八重子さん・森野身知子さん・料理応援隊の石渡(イシワタ)富美代さん)
《今回の一枚》
今回の調理担当をお願いした森野身知子さんはSBS時代にお目にかかっていました。
今から16年前の2005年11月21日(月)生放送した、SBSテレビ「特報!4時ら」に出演されていたのです。私の隣が森野さん。そのお隣は今回の料理応援隊のお一人石渡さんでした。
当時の録画記録を探して再生しましたら確かに出演なさっていたのです。記録は取っておくものだなと改めて思いました。
石渡さんの前のフライパンの中は「シイタケの軸のキンピラ」です。シイタケ料理をする時、取り除いた軸を利用する我が家の定番になっています。
−マーマレード作りの砂糖の量は、スルガエレガント全量の47%が最適−
(撮影協力:JA静岡市広報 徳田龍介さん)
取材先は静岡市駿河区の前田征宏さんの倉庫。何故倉庫かというとスルガエレガントは早だしの甘夏系(早生品種)なので、収穫は2月上旬で終了。つまり圃場にはもう生っていないのです。で、現在貯蔵中。
スルガエレガントは爽やかな甘味とまろやかな香りの上品な甘夏の一つです。繊細な面を持つ柑橘で、天候ももちろん摘花・摘果なども気を遣うとおっしゃっていました。
スルガエレガントは、文担系柑橘類の「谷川文旦(たにがわぶんたん)」と大分県の夏みかん「川野夏橙(かわのなつだいだい)」を交配させ 静岡で育成・誕生したモノで、当初は「駿河甘夏」と呼ばれていました。
香り高く味も濃厚、食味がエレガント(上品・優雅)ということで1981年(S56)にJA静岡市が「スルガエレガント」と命名し、商標登録しました。
前田さんのお宅では、日本の農業体験を目的に来日する各国の若者たちを受け入れており、手伝いをしてもらう代わりに食事と宿泊を提供するという活動に参加なさっています。
本当に様々な国からの体験希望者で賑やかだったそうですが、現在はコロナ禍で外国の方の姿はありません。でも二人女子大学生がいらしたので伺うと、関西の学生で本来は海外での体験を考えていたけれどコロナ禍。国内を見渡し、ここにお世話になったとおっしゃっていました。
前田さんはスルガエレガントの他に「不知火(デコポン)」も栽培なさっていますし、6月には「桃」も出荷されるそうです。
(志帆ちゃんの自撮り。前から生産者奥様純子さん・前田さん・営農大塚悠矢さん・JA静岡市徳田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「スルガエレガントを使ったマーマレード」
作り手は、生産者の奥様前田純子さん。
煮たスルガエレガントの皮を千切りにし、実の部分も加えて煮詰めていきます。途中で砂糖を加えますが、その砂糖の量は使うスルガエレガントの47%と決めているそうです。
随分刻むんですねと言いましたら、試行錯誤した結果到達した数字だとおっしゃっていました。
完成して試食しましたら、納得。スルガエレガントの香りを損なう事無く食べ飽きない甘さに仕上がり、クラッカーの塩分ともバッチリの相性となりました。
ヨーグルトに入れても最高とのことでした。
《今回の一枚》
スルガエレガントの栄養について奥様の純子さんにしゃべって頂きました。その中で抗酸化作用を期待できる「βクリプトキサンチン」と言おうとしていらっしゃるんですが、なかなか上手く言えなくて苦戦、意識すればする程魅入られたようにつっかえてしまう…ご自身思わず苦笑なさったシーンです。
周り中笑いの渦になり楽しい一場面となりました。
普段言い慣れない専門用語ですものね。無理はありません(^_^)
(撮影:JA静岡市徳田さん)
−「勘(カン)ピューター」が作り出す高品質タアサイ−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は浜松市西区の中村愼治さんのハウス。タアサイは中国が原産の野菜で、白菜やチンゲンサイの仲間です。
収穫期間は11月下旬からゴールデンウィークあたりまでと結構長い葉物野菜です。12月から2月頃の寒い時期が甘味も増して美味しいとのことでした。
国内の生産量をネットで調べてみましたら静岡県と茨城県が2大生産地。2018年の実績では僅かに静岡県が上だったそうです。
タアサイにはビタミンA(視力維持)、ビタミンC(疲労回復)、カルシウム(骨粗鬆症対策)が多く含まれていて、私の世代にはピッタリの野菜。
高血圧予防によいとされるカリウムや、骨の健康維持に必要なカルシウムやビタミンKなども多めです。
火の通りが非常に早い野菜で、加熱に弱い成分も壊れる量が少なくてすみます。もちろん手早く調理することが大事ですが。
タアサイはアブラナ科の植物。その花芽も菜の花と同じようにとても美味しいそうで、食べてみたいなと思いました。
気温が高くなるとすぐにトウが立ってきてそちらに養分を取られてしまうため、そうならないように温度の管理が必要。なかなか栽培は難しいそうです。「何度くらい?」と伺ったら「勘!」とのお答え。「何度」と答えられない外気温との兼ね合いも含めて微妙な部分があるんですね。
「中村勘(カン)ピューター」が見ての通りの品質の高いタアサイを作っているのが凄いと思いました
(撮影:JAとぴあ浜松山田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「タアサイの和風パスタ」
作り手は、生産者の奥様中村あや子さん。
フライパンにサラダ油を入れて、タアサイ・パプリカ・ベーコンを手早く炒め塩コショウした後、茹でたパスタを入れる。そしてめんつゆとしょうが汁を回し入れて水分が飛ぶように炒めて完成。
短時間で出来る料理です。
タアサイはくせが少なく、どの味も邪魔をすることはありません。葉物野菜の甘味と僅かなほろ苦さがありシャキ感とも相まって美味しい和風パスタに仕上がりました。ターサイはしゃぶしゃぶや鍋物・焼きそば・浅漬けもおいしいとのこと。何にでも合いそうですね。納得できました。
(撮影:JAとぴあ浜松山田さん)
《今回の一枚》
佳那ちゃんが「花束みたいなタアサイの株に顔を埋めてみたい」と宣いましたので、私が「やってみたら」と笑いながら答えたら、いたずらっぽく笑った直後本当にタアサイに顔を埋めました!
その瞬間の写真です。
ただ顔を埋めているだけでなく、タアサイを飲み干している感?もありますね(^_^)
−等級・ランクを教えてくれる機械で効率アップ−
(撮影協力:JA遠州中央広報 長谷川愛美さん)
取材先は袋井市見取の丹羽進さんのイチゴハウス。「きらぴ香」と「紅ほっぺ」を栽培なさっています。取材したのは「きらぴ香」のハウスでした。丹羽さんは「紅ほっぺ」で農林水産大臣賞も獲得したことのある実力の持ち主でいらっしゃいます。
同じいちごでも「きらぴ香」と「紅ほっぺ」幾つか栽培ポイントが異なり、適温は「きらぴ香」 28℃、「紅ほっぺ」 26℃と同じハウスでの栽培は出来ないとのことでした。
(窓枠内撮影:JA遠州中央長谷川さん。
写真左からJA遠州中央営農鈴木秀輔さん・丹羽さん)
「きらぴ香」と「紅ほっぺ」贅沢な食べ比べも体験しました。
「きらぴ香」はその名の通りキラキラつややかな外観とその香りが持ち味で、果肉のしっかりシャキ感も相まってたまらない爽やかさを運んできてくれます。
「紅ほっぺ」は「章姫」の甘さと「さちのか」の酸味を受け継いだ、バランスの良さが素晴らしい。その甘味と酸味のバランスが味の奥深さも感じさせてくれました。
比較写真は《おいしいをつくりましょ。》撮影時のものです。
左写真に秤が写っていますが、下は普通の秤。上にあるのがいちごの等級・ランクを教えてくれる機械です。それも「2L」「3L」など声で…。
やり方は、かごに入っているいちごを取り出すだけです。全体の重さから減算して個体の重さを算出し等級を教えてくれるのです。そしてそのままパッケージ容器に入れていきます。
このマシーンを導入したお陰で、作業効率が格段にアップしました。入ったばかりのパートの方にも、形の基準などを理解してもらったらすぐに本格作業に入れるメリットがあるそうです。
因みに減算だけではなく加算も出来ます。戻したら再びしゃべりました(^_^)
《おいしいをつくりましょ。》
「イチゴのパフェ」
作り手は「太田牧場 MOTA(モータ)の店」パティシエ兼子幸子さん。
カップに「いちごアイスクリーム」を入れ、カップ壁面に「紅ほっぺ」の輪切りを貼り付けます。アイスの上にビスケット等を割り入れ、その上にホイップした生クリームを乗せて小さめの「紅ほっぺ」を飴でくるんだ「いちご飴」と大きめの「きらぴ香」をトッピングしたら完成。
さらに「イチゴソーダ」と「イチゴミルク」も作って下さって、いちご三昧でした。
私もそうですが、志帆ちゃんの嬉しそうな顔が全てを物語っていました。
いちごアイスのいちごはもちろん丹羽さんのいちご。アイスクリームは太田牧場の生乳を使った物ですから中身の濃いこと。半端ない味わいでした。
《今回の一枚》
何のことはない普通の写真のようですが、これは凄い写真です。
誰かに撮ってもらったものではなくて志帆ちゃんの自撮りです。
自分でやってみると分かりますが、自撮り棒も使わず目線はイチゴにありながら、画面にイチゴ・私・志帆ちゃん自身をしっかり入れて自らは自然な表情を演出。
なかなか出来るものではありません。
スマホ扱いの「手練れ」というか「匠」の域に達していますね。
−富士山の湧き水が冬の水かけ菜栽培の守り神−
(撮影協力:JA御殿場広報 杉山大介さん)
取材先は御殿場市の鈴木平作さんの水かけ菜の圃場。水かけ菜は漬け物で食べると御飯にもお酒にもぴったり合う、この季節ならではの貴重な味です。
10月上旬に畝を作って種をまき、収穫は1月末から3月上旬までになります。生の葉がそのままマーケットに並ぶのは珍しく、私も生葉を見るのは初めてでした。
収穫体験の時「そのまま食べてみる?」の一言にすぐかじりました。穫り立ての茎を食べたせいかえぐみは感じませんでした。おひたしも最高だそうです。頷けました。
圃場は夏場もち米栽培の田んぼだそうです。どおりで端の方に稲を刈り取った跡がある事に納得しました。写真の左の部分です。この写真で分かるとおり、圃場の中は水浸しです。富士山のきれいな湧き水が全体を満たしています。
この湧き水が生育に欠かせないのです。水温は1年を通して13度〜14度。冬の外気温は0度近くまで下がります。取材したときも水が動いていない所は氷が張り、畔には大きな霜柱が出来ていました。でも湧き水がゆったり流れる圃場の中は水温が一定で水かけ菜は生育できるのです。
なぜ生葉を見かけないのか? 刈り取った生葉はすぐしおれてしまうので、すぐ漬け込み作業に入るためなんだそうです。たまにファーマーズマーケットに出る事はあるそうで、こんな事もしてみた…と「おひたし」にしたものを試食させていただいたら抜群の美味しさでした。
因みに水かけ菜は菜の花に非常に近い仲間で、当然おひたしに合うわけです。
(窓は佳那ちゃんの自撮り。
前列左からJA御殿場営農湯山修志さん・鈴木さん、二列目JA御殿場広報杉山和則さん・鈴木夫人・JA御殿場広報杉山大介さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「水かけ菜の巻き寿司」
作り手は、和食「農(ミノリ)」の店主池田洋一さん。
水かけ菜を酢飯で巻いた海苔巻き寿司を想像した私は、見事に裏切られました。水かけ菜漬けを海苔代わりに使い、酢飯の中にはマグロを入れた巻き寿司でした。
水かけ菜の塩分でほとんどお醤油は要らないなと思いました。意外な使い方でしたが絶妙な使い方だなと思いました。
もう一品「水かけ菜の油炒め」を作って下さいましたが、御殿場の郷土料理と言っても良い位のものだそうです。少し古漬けになった物を使うとまた美味しいそうです。
(撮影:JA御殿場 杉山さん)
《今回の一枚》
とにかく富士山がきれいでした。快晴の日はありますが、富士山が見える地域のロケとは限りません。たとえ富士山が見える地域だとしても取材場所の位置によっては見えません。
今回のようにロケ地のすぐそばが開けていて、クッキリ見えるのは割と希有な事なのです。当然シャッターをどんどんタップしてしまいます。
佳那ちゃんの表情を見ても嬉しさが伝わってきますよね(^_^)
−切り花はつぼみで切っても開花状態で切っても保つ期間は変わらない−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 石川智浩さん)
取材先は島田市東町の曽根一孝(カズタカ)さん・孝祐(コウスケ)さん親子の「バラ」ハウス。一孝さんのお父さんから続くバラ農家だそうで、孝祐さんは三代目ということになるそうです。
一孝さんもバリバリの現役ですから、孝祐さんは三代目修行中ということだそうです。孝祐さんは子どもの頃からバラ栽培に親しみ、バラ農家を継ぐことを決めたのは中学の頃。自然な流れだったのかもしれません。
栽培に入る前は東京で花卉の仲卸をしていたそうで、首都圏の花の動向・傾向・相場を学ぶという用意周到な息子さんです。
(撮影:JAおおいがわ 石川さん)
ハウスに変わった鍋がセットされていたので伺うと、バラなどの大敵「うどんこ病」対策だそうです。殺虫殺菌剤を希釈して鍋に入れ、ハウス内の電熱器で温めて燻煙殺菌を1時間ずつ夜間3回行うとのこと。もちろんタイマーでの自動燻煙作業です。
「うどんこ病」はカビの一種で葉が白い粉を吹いた状態になります。対策は薬剤の直接噴霧ですが、曽根さんは燻煙も採用しているとのことでした。
(窓写真:志帆ちゃんの自撮り。前から曽根孝祐さん、JAおおいがわ営農土屋寧々さん、曽根一孝さん、JAおおいがわ石川さん)
JAおおいがわでは鮮度を保ったまま運搬、結果花保ち期間の長い切花を供給先に届けるため「ELFバケットシステム(Eco Line Flower Bucket System)」を採用しています。
専用の容器に鮮度保持剤と糖分を入れ、遠くは仙台まで届けるそうです。糖分はより大きく開花する時に必要な成分ということでした。
ただ曽根さんによると、つぼみ状態で切っても開花状態で切っても保つ期間は変わらないとの事でした。欧米では開花したものを買うのが一般的ともおっしゃっていました。我々素人はつぼみの方が保つような気がするんですけど違うんですね。
今回は《おいしいをつくりましょ。》ではなく
《フラワーアレンジメントに挑戦》
テーマは「フラワーバレンタイン」にちなんだアレンジメント。
先生は、焼津市にあるお花屋さん「フラワーハウスよし香」代表の杉本佳巳さん。
とにかく杉本さんの指導の楽しいこと! ずっと笑いながらのアレンジメント作りでした。
今はコロナ禍で出来ない状態ですが、フラワーアレンジメント教室を開いていらっしゃるそうで、生徒の皆さんも楽しく飽きずに学べるのではないかと思いました。花は潤い・癒やしにつながりますから、作る時の楽しさ・明るさがおうちの中に良い空間をもたらすでしょうね。
(撮影:JAおおいがわ 石川さん)
《今回の一枚》
苗床も拝見しました。整然と並べられた苗たち。見ると何個かおきにニンニクが置いてあります。何のためなのか伺ったら、虫除けのためという答えでした。ニンニクには虫除け効果があるそうなんです。
私はけっこう蚊に刺されるのでニンニクを食べたり塗ったりしたら蚊除け効果があるのかググッてみましたが、それは無いようです(-_-)
−はるみは「隔年結果」が強く難しい作物− (撮影協力:JAしみず広報 見宮正章さん)
取材先は静岡市清水区梅ヶ谷の田島久資さんの「はるみ」貯蔵庫。はるみは12月には収穫が終わり、ひと月ほど寝かせて2月から出荷されます。柑橘類の多くと同様に寝かせることにより酸が抜けていき、甘味が際立ってきます。取材は1月末。少し早めでしたが、酸はかなり抜けていてはじける甘さが味わえました。
はるみの栽培の難しい点を伺いました。答えは「隔年結果」。隔年結果とは一年おきに豊作と不作を繰り返す現象で柑橘類や柿、リンゴなどに顕著にみられる現象。「はるみ」は隔年結果が強い作物だそうです。
その隔年結果の対策として、田島さんは収穫の畑を1年ごとに変えているそうです。今年は1・3・5・7の畑で収穫なら、来年は2・4・6・8の畑で収穫という具合。生産者によっては1本のはるみを半分に分け、一年おきで交互に収穫出来るように仕立てている方もいらっしゃるとのことでした。そんな事ができるなんて…スゴイ!
(写真:志帆ちゃんの自撮り。
前から田島さん・JAしみず営農樋沢流斗さん)
田島さんを始めこの地域では、山間の40度近い所もあるという急傾斜地での栽培が多いのです。柑橘栽培で大事なことは土質と水はけ。土質もさることながら急傾斜地は水はけも良く日当たりも良い(お互い影にならない)ので良質な柑橘が育ちます。
ただ急傾斜地の作業は非常に大変です。労働力の軽減と栽培面積の規模拡大を目的にして、現在日本平に「基盤整備地」を作り栽培に取り組んでいるそうです。
《おいしいをつくりましょ。》
「鶏肉のはるみソース和え」
作り手は、
静岡市立清水桜が丘高校3年生の小泉真子さんと荒井琴乃さん
はるみ果汁・醤油・片栗粉を混ぜてソースを作り、鶏もも肉・パプリカ・枝豆を炒めた上に絡め、もう少し火を通して完成。
少しとろみのあるはるみと鶏もも肉の組み合わせがマッチして美味しい出来映えでした。
二人とも卒業後は社会に羽ばたいていくとのこと。荒井さんはJAの職員になるそうで、農業を支えさらに盛り立て下さる事を願いました。
(撮影:JAしみず 見宮さん。窓内左から荒井さん・小泉さん)
《今回の一枚》
出来上がった料理の撮影時の一枚。料理そのものの映像も大事ですが、「箸上げ」と呼ばれる料理を一部持ち上げてアップで観せる映像も大事。視聴者が具体的に「美味しそう!」と思ってもらえるシーンです。
難しいのは手の揺れ。意識すればする程揺れてしまうのが人の常です。ごちカンの歴代女性アナのお仕事として定着しています。そして全員揺れないのです!
写真は志帆ちゃんの箸上げ、いや今回は「スプーン上げ」ですね。真剣さが伝わります。それにしても揺れない(^_^)
−イチゴは「かねめ」が要(かなめ)− (撮影協力:JA遠州夢咲広報 石谷春奈さん)
取材先は菊川市三沢地区の三倉直己さんのイチゴハウス。三倉さんは生産者であると同時に、静岡大学農学部非常勤講師でもいらっしゃいます。
三倉さんのハウスは「紅ほっぺ」の高設栽培で、棚の高さが今まで取材した中で一番高い。伺ったら120p。栽培作業や収穫作業の時に三倉さんが楽な高さを追求した結果だそうです。
栽培は土ではなくロックウール(岩石を溶かして綿状にしたもの)を使っています。これまでの取材ではヤシ殻がほとんどでした。
ロックウールは単価は少し高いのですがうまく利用すればかなりの年数取り替える必要が無いので、結果的には割安でしかも病気になりにくいという利点があるとおっしゃっていました。
栽培のキモは「かねめ」だそうです。「金目(かねめ)」ではありません(^_^)。「か」は「果実」、「ね」は根、「め」は新芽のことで、栄養を供給する順番を表しているそうです。1番目が「果実」2番目が「根」、3番目が「新芽」。
「新芽」や「新芽の元」に栄養を切らさないように育てることが、品質が高く収量も多く期待出来るのとのこと。新芽の状態を常に観察して適切に養分を与えることが大切だとおっしゃっていました。
三倉さんは大学で教鞭も執っていらっしゃるだけあって、とにかく研究熱心。大学とも連携し、得た知識も周りの皆さんに惜しげ無く教えます。
大粒のイチゴが目に付いたので話を伺うと、一番花(最初に咲く花)に実を生らせてしまうとその時は大粒が穫れるけど二番花以降は大粒になりにくい。一番花が咲いたら勇を鼓して全部摘み取ってしまうと、二番花以降大粒がたくさん生るということでした。
大粒に限らず収量を多くするためにも一番花は摘み取った方が良い、とおっしゃっていました。(撮影も手も佳那ちゃんの自撮り)
《おいしいをつくりましょ。》
「いちごたっぷりヨーグルトチーズクリームケーキ」
作り手は、小笠地区女性部の内山委子さんと熊切りつ子さん
内山さんはイチゴ生産者、熊切さんはかつて生産者でいらしたそうです。使うイチゴは当然内山さんのもの。
レアチーズ・生クリーム・ヨーグルト・砂糖をハンドミキサーで良く攪拌し、いわゆるツノが立つまで泡立てます。ガラスの器の底にビスケットを砕いて敷き、その上に作っておいたチーズクリームを絞り袋で敷き詰めます。さらにその上にカステラを敷いてスライスしたイチゴを乗せていきます。カステラが見えない位になったら再びチーズクリームを少し敷き、さらにスライスイチゴをトッピング。彩りに小さく切ったキウイを少し乗せて完成。
イチゴの酸味とチーズクリームの甘さが絶妙に合い、美味しく出来上がりました。
(撮影:JA遠州夢咲 石谷さん。窓写真は左から熊切さん・内山さん)
《今回の一枚》
番組のオープニングで「紅ほっぺ」のヒント出しのため、頬を赤くしました。そのままハウス入りし、生産者の三倉さんに「イチゴじゃなくて梅干しですね」といじられシーンの直後の一枚です。私が自撮りに挑戦しました。
赤い口紅を百均で購入し、佳那ちゃんに塗ってもらいました。それにしても佳那ちゃんの持っているイチゴ、ニワトリのトサカみたいですね。そして大きい!
−白菜は霜が降りるとより甘さを増す− (撮影協力:JA三島函南広報 奥村彩恵さん)
取材先は三島市三ツ谷新田の宮沢茂さんの白菜畑。箱根西麓三ツ谷地区産ということで「三ツ谷白菜」という名前が付けられた地区自慢の白菜です。
この辺りで穫れる野菜は「箱根西麓三島野菜」と総称されるブランド野菜。従って白菜も宮沢さんを始めとする生産者の皆さんの努力もあって「三ツ谷白菜」という名前が付けられているのです。
宮沢さんは白菜栽培およそ50年の大ベテラン。お父さんの代から作っているとのことで、栽培の歴史を感じさせられます。
近年、温暖化の影響により白菜の生育の進みが早く「えみ」と呼ばれる葉のひび割れが多発していたそうですが、今シーズンは寒波で冷え込みんだため順調な生育だそうです。
冷え込んで霜が降りるとお茶など多くの植物は葉が傷んでしまいますが、白菜は傷むことなく適度に生育速度を落とし、より甘さを増すそうです。
収穫体験した三ツ谷白菜をその場でカットし、真ん中の黄色い葉の部分を食べました。
軟らかくもシャキシャキ感はしっかりあるとても甘い白菜で、私たちのみならずスタッフも次々に手が出る美味しさでした。
箱根西麓の土は関東ローム層という赤土で、水はけは良いが肥料の保持力もあるという野菜栽培に適した土地柄。
また一帯が南向きのなだらかな傾斜地で、日当たり良好・さらに良い水はけを促し上質な野菜作りを可能にする恵まれた地域です。
宮沢さんもこの土地柄に感謝していらっしゃいました。
(撮影:佳那ちゃん。
写真は前から営農望月俊太さん・宮沢さん・広報奥村彩恵さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「三ツ谷白菜とベーコンのミルフィーユグラタン」
作り手は、実家が三ツ谷白菜生産者という主婦の藤井みゆきさん
当然ですが藤井さんは小さい頃から三ツ谷白菜に慣れ親しんでいて、その美味しさを引き出す役割にピッタリの方。
1/4カットした白菜の葉の間にスライスベーコンを挟んでいきます(だからミルフィーユ)。そしてそのままの形でフライパンで白菜の断面を豪快に焼きます。2つの断面を焼いたら最後の葉の部分は火を弱めて蒸し焼き状態にしてしっかり火を通します。
そして幅3〜4センチにカットしてグラタン皿に入れ、ホワイトソースをかけてチーズを散らしオーブンで焼いて完成。
白菜とベーコンの相性は抜群。自分の分はペロリと平らげてしまいました。
(撮影:JA三島函南 奥村さん。写真は左からみゆきさん・春陽(ハルヒ)ちゃん・優凪(ユウギ)くん)
《今回の一枚》
白菜畑での1枚です。
佳那ちゃんとセルフィー撮影していた時のものです。いろんなポーズをしていたら、何となく「いやみのシェー」がしたくなりやってしまいました。
でもうろ覚えでのポーズだったのでググってみましたら、形は別として手と足は合っていて一安心。ただ漫画の「シェー」は見れば見る程とんでもない格好でした(^_^;)
(撮影:佳那ちゃん)
−2020年度から採用された、たまねぎの新ブランド名「はるたま」−
(撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は浜松市西区馬郡町の村松孝洋さん・みどりさん御夫妻(写真)の玉葱畑。対象は「はるたま」です。
「はるたま」は2020年度から採用された新ブランド名で、皮が薄黄色の黄タマネギの新タマネギです。
生食を主目的に栽培されています。食べた瞬間はタマネギの甘味を感じ、しばらくして辛みがやって来る「生食」にピッタリのタマネギです。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
収穫体験をさせて頂き驚いたのはタマネギの大きさ。私の知るタマネギの1.5倍はあります。村松さんは「大きいのを指示したんだよ」と笑いますが、よく見ると大玉の比率がとても高いのです。
「そういう種類?」と伺うと「特別な種類ではなく栽培方法に秘訣がある」とおっしゃっていました。
また玉の形も以前は扁平が主流でしたが、今は丸い形が主流だそうです。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
村松さんの圃場(馬郡町)を含む篠原地区は砂地のため水はけが良く、美味しいタマネギを作るのに適しています。
ただ、水はけが良いと言うことは肥料の保持力も低いということで常に状態を観察しながら施肥調整をしています。手間と根気がより必要なんですね。
作り手の努力と日照時間の長さ、加えて「遠州のからっ風(冬の季節風が山を越えてくるときに強風となって遠州地方に吹くもの)」に鍛えられることで、品質の高いタマネギが出来る訳です。
(撮影:志帆ちゃん。前から村松さん・営農大花さん・営農大久保さん・広報山田さん)
《おいしいをつくりましょ。》
「はるたまの塩昆布和え」
作り手は、生産者奥様の村松みどりさん
もちろん生食が中心。「塩昆布和え」はスライスした「はるたま」に塩昆布・油揚げ・青じそを和えただけ。油揚げは少しあぶってカリッとさせてあります。
「はるたま」は水で晒すなんて事はしません。大事なアリシンが流れてしまいますから。水で晒さなくても辛みが少ないので大丈夫なんです。一般的なタマネギもスライスして15分位空気に晒しておくと辛みがかなり抜けるそうです。
右上にカレーがありますが、試食してみたら中辛位でとても美味しいカレーでした。実は辛口のカレールーに「はるたま」のスライスがたっぷり入っているそうで、「はるたま」の力で辛さが一段階下がるとおっしゃっていました。
(撮影:JAとぴあ浜松 山田さん)
《今回の一枚》
到着直後、圃場脇の倉庫に伺いました。
村松さんが「焼き芋を作っておいたから取りあえず食べなよ」との声かけ。特に寒い中での焼き芋はありがたいこと、この上ありません。
品種は「紅はるか」、しっとりネットリで甘く最高でした。
内緒ですが、志帆ちゃんは2本食べました(^_^)
(撮影:志帆ちゃん)
−就農前はシステムエンジニア− (撮影協力:JA伊豆の国広報 山下りえさん)
取材先は伊豆の国市南條にある高橋純哉さんのハウス。高橋さんは10年前、伊豆の国市の新規就農者支援事業を利用してミニトマト栽培を始めた、いわゆるニューファーマーです。農業を始める前はシステムエンジニアとして活躍。30歳の時に独立してミニトマト栽培農家になりました。
栽培方法は土耕。連作障害について伺うと、トマトに吸収されてしまった肥料分をちゃんと土に戻して元通りにすれば問題ないとおっしゃいます。(写真は高橋さん御夫妻)
ハウスの中にミニトマトのパッケージ作業をするスペースがあります。お手伝いの皆さんが和気あいあいと作業にいそしんでいらっしゃいます。今の時期、外が寒くてもハウスの中は寒さ知らずです。
JA伊豆の国のミニトマト生産量は静岡県下一。管内のミニトマト生産者は56人。その内の55人がニューファーマーです。大半がニューファーマーの皆さんが作っているんですね。
高橋さんの現在の目標は「ニューファーマーを育てること」。次世代のニューファーマーを育てていかなければミニトマト栽培のさらなる発展は無い、と研修生も受け入れています。
写真で私の前が研修生の関野さん。
その前が、JA伊豆の国営農担当の佐藤広弥さん。佐藤さんも実はシステムエンジニアでいらしたそうです。
高橋さんや佐藤さんのシステムエンジニアの知識や経験が栽培ノウハウに役立っているかも…と思いました。
(JA伊豆の国広報 山下りえさん撮影)
《おいしいをつくりましょ。》
「ミニトマトのキッシュ」
作り手は、女性部の井上有子さんと松本俊子さん
お二人共ミニトマト生産者です。
キッシュと言ってもパイ生地やタルト生地を使わず、食パンを台にします。食パンの耳を取り、中の部分を皿に敷いて周りにパンの耳を短く切って壁代わりに立てて並べます。
ヘタを取ったミニトマトをそのまま並べて、間をベーコンで埋めていきます。卵・生クリーム・塩を混ぜ合わせた「卵液」をかけ、チーズを載せてオーブン(200℃)で20〜30分焼いて完成。
甘味を増したミニトマトも美味でしたが、パンの耳がカリカリと香ばしく食パンを台生地にするのも良いと思いました。
《今回の一枚》
ハウスでの一枚です。佳那ちゃんの指先の間に私がいます。
ズラッと並んだトマトの奥で佳那ちゃんに向かって、両手で合図した私を指先でひょいとつまんだように見せた佳那ちゃんの自撮りテクニックです。
楽しい雰囲気の中でロケは進行しています(^_^)
−包装フィルムにアルファベットと四桁の数字− (撮影協力:JA掛川市広報 柴田裕之さん)
取材先は掛川市の佐々木達之さん・林子(シゲコ)さん御夫妻のレタス畑。栽培しているのは静岡県のブランドレタス「うまレタ」。瑞々しくてシャキシャキ食感、レタス特有の苦みも少ないレタスです。
取材した日は快晴でしたが寒波の襲来で寒さは厳しいものがありました。でもその寒さで甘味が増し、最高のレタスが出来上がるのです。作業に寒さは辛いものがあるけど品質を考えたら「この寒さはありがたい」とおっしゃっていました。
(JA掛川市広報 柴田さん撮影)
牛などで広く知られる「トレーサビリティ(追跡可能性)」ですが「うまレタ」にもあります。包装フィルムにアルファベットと四桁の数字が印刷されています。これは生産者固有のもの。消費者には安心を、生産者にはプライドと責任感が求められているのです。従って包装フィルムは農家一軒ごとに発注することになります。
ところでその包装フィルムですが、レタス専用フィルムです。レタスは一般的なラップなどで密閉してしまうと、レタスから蒸発した水蒸気が結露してレタス自身を傷めてしまいます。
さらにレタスが排出するガス(エチレンガス)もレタス自身を傷めるので、余分な水蒸気やガスを逃がすために小さな穴が無数に開いているそうです。
佐々木さんは収穫後、包装フィルムに包むまでの間レタスの切り口に小さく切ったキッチンペーパーを貼っています(写真)。切り口の変色を防ぐためです。
レタスに含まれるラクチュコピクリンというポリフェノールの一種が空気に触れて酸化し、褐色色素を持つ物質に変化するのだそうです。もっとも変色したとしても食べるのは問題ないそうですよ。
ラクチュコピクリンは、切った直後に白い液体としてにじみ出ます。それがミルクのようでラテン語の「牛乳」がレタスの語源になったというのは良く知られた話ですね。
《おいしいをつくりましょ。》
「レタしゃぶ」
作り手は、佐々木林子さんと鈴木陽子さん、平野幸代さん
(生産者の奥様たち)
鍋にお湯を湧かし、豚肉と鶏ガラスープの素を入れ、レタスをしゃぶしゃぶ。ポン酢で食べるわけですが、簡単な上に本当に美味しい! 豚肉の旨味とレタスのシャキシャキ食感が最高にマッチしていました。
もう一品「レタスと塩昆布のチャーハン」も作って下さいました。特徴的だったのは油ではなく、マヨネーズで御飯を炒めること。さらに塩昆布を使い、塩胡椒はしないのも驚きでした。固定観念は駄目ですね。
(JA掛川市広報 柴田さん撮影)
《今回の一枚》
収穫直後のレタスを食べるシーンは番組撮影しませんでしたが、佐々木さんにお願いして試食したシーンです。
レタスは中心付近にある葉が柔らかく甘いのです。下部をちぎり取り、中の葉を取り出して食べました。この写真の直前に志帆ちゃんも初体験。美味しさに感激していました。
(JA掛川市広報 柴田さん撮影)
−石垣・高設・土耕すべてに挑戦する新規就農の若い生産者−
(撮影協力:JAしみず広報 杉山滋朗さん)
取材先は吉田 仁さんの石垣イチゴハウス。吉田さんは現在32歳。5年前からイチゴ栽培に取り組んだ新規就農の方です。
昔おじいちゃんがイチゴを栽培されていたそうですが、亡くなっていてノウハウを聞くことは無かったそうです。
「興味はあったので思い立って27歳の時イチゴ栽培の道を選びました」とのこと。
(JAしみず広報 杉山さん撮影)
私が大口開けて笑っていますが理由は覚えていません(^_^;)
表題にも書きましたが、驚くのは吉田さんが石垣栽培・高設栽培・土耕栽培すべてを手掛けていること!
地に植えるという意味では石垣栽培と土耕栽培は同じですが手のかかり方は違うと思いますし、高設栽培は作業姿勢は楽でも設備費もかかり、水耕栽培ですから液肥管理などを含めたコントロールも必要でしょう。
JAしみずのバックアップがあればこそですが、その挑戦意欲に敬意を表します。
(佳那ちゃん自撮り)吉田さんと、JAしみず&イチゴ部会の皆さん
石垣・高設・土耕すべてを実践している吉田さんですが、石垣栽培が一番大変かもとおっしゃっています。
ただ「石垣栽培は水の切れも良いし、元々の斜面に加えてさらに石垣の傾斜もあって日当たり抜群。旨味・甘味の濃いイチゴが出来るように思う」とおっしゃっていました。
足元には真白に近いシートが敷いてありますが、太陽の反射光でイチゴの色づきを良くすることと、光のかく乱で害虫忌避効果を期待してということでした。
《おいしいをつくりましょ。》
紅ほっぺを使った「カップケーキ」
作り手は、静岡市の「焼き菓子 松羽屋」オーナー竹原和子さん
「焼き菓子 松羽屋」は静岡市の北街道沿いにあるフィナンシェとマドレーヌの専門店で、東京や神奈川の洋菓子店やカフェで経験を積んできた竹原さんが今年2月オープンしたお店です。
静岡の食材を生かしたものを作りたいと、「スルガエレガント」や「紅ほっぺ」「煎茶」を使ったフィナンシェやマドレーヌを開発したそうです。
「紅ほっぺ」は、今回の吉田さんの石垣イチゴ。ずっと吉田さんのイチゴを使っているそうです。
紅ほっぺの風味豊かな「カップケーキ」に仕上がり、ふんわり美味しい大満足のカップケーキでした。
《今回の一枚》
出演者や関係者の皆さんと撮っている「自撮り」の模様を撮った写真です。佳那ちゃんが一所懸命手を伸ばしてシャッターを切っています。
スマホで撮影される方には分かって頂けると思いますが、あれだけ手を伸ばすとシャッターが押しにくい…というより私には押せません。ところが佳那ちゃんも志帆ちゃんもあの体勢から器用に押します!感心しかありません。
因みに私がやろうとすると…指が…攣(つ)ります。
(JAしみず広報 杉山さん撮影)
−「バルク」収納作業はラグビーのパスのよう− (撮影協力:JA富士宮広報 大塩里紗さん)
取材先はJA富士宮青壮年部のキャベツ畑。栽培されているのは「加工キャベツ」
富士宮市内の遊休農地・耕作放棄地の解消のため、若手農家(青壮年部)の団結プロジェクトとして2018年から「加工キャベツ栽培出荷プロジェクト」という活動が始まりました。
栽培しているキャベツは冬に旬を迎える 寒玉系の品種。葉が肉厚でしっかりしているので加熱しても崩れにくいけど食感は柔らかく、キャベツ本来の甘さを味わうことができるということ。業務用の加工キャベツに適したものと言えそうですね。
(JA富士宮 大塩さん撮影)
このプロジェクトは元々 2013年からキャベツ栽培出荷の生産者を募り進めてきた成果の一つで、当然ながらメンバーはそれぞれ別々の農作物を作っている農家。酪農家もいます。
3年目の活動に入り、メンバー間の親睦も深まって一体感が生まれているとのこと。
皆で力を合わせ収穫できた喜びは大きいと語っていらっしゃいました。皆さんとのショットです。
(志帆ちゃん自撮り)
ラグビーやっているみたいな写真ですが、収穫後に協力して「バルク」と言うコンテナにキャベツを詰めているところです。青壮年部の皆さんの連携作業がラグビーボールのパスのように見えます。
でもただ投げているわけではなく、外葉を落としたり整えたり、玉の品質などをチェックする事も同時になさっているのです。
バルクは下の部分がそのままフォークリフトの爪を入れやすいように作られています。加工用出荷としての効率も考えられたものなんですね。
《おいしいをつくりましょ。》
富士宮冬キャベツを使った「もつ鍋」と「富士宮やきそば」
作り手は、青壮年部の石川哲郎さんと長谷川博之さんの男の料理
石川さんはアウトドアが趣味。LPガスボンベとガスコンロ以外はやきそば用鉄板も含めて石川さんの個人持ち。
長谷川さんはイノシシを捕り処理をして食べられる状態にまでする腕の持ち主。二人ともなかなかの人。
どちらもキャベツが生かされた絶品に仕上がりました。
特にもつ鍋のキャベツはトロトロな感じまで柔らかに。
(JA富士宮 大塩さん撮影)
《今回の一枚》
料理の試食のシーン。志帆ちゃんが富士宮やきそばに舌鼓を打っています。コシのあるもっちり麺に、甘いキャベツ、絶妙なコンビネーションに完璧にやられている表情ですね。
本当に美味しくてポッペが落ちそうな感じがとても印象的なショットでした。
撮影して下さったJA富士宮の大塩さんの腕ですね(^_^)
左はJA富士宮青壮年部部長 渡辺 靖さん
(JA富士宮 大塩さん撮影)
−「定点調査」の積み重ねが高品質を呼ぶ− (撮影協力:JAハイナン広報 岡田阿祐美さん)
取材先は牧之原市の大関晴久さんと息子一貴さん親子のミカン畑。栽培されているのは「青島ミカン」
青島ミカンは静岡市の青島平十(ヘイジュウ)さんが見つけ、ハイナンで栽培が始まったた品種。昔はこここから、関東方面などに出荷されていたんだそうです。
収穫は11月下旬から12月いっぱい。今が収穫真っ最中です。出荷は12月中旬から2月中旬ぐらいまで、数週間からひと月は貯蔵するミカンです。貯蔵することで酸味が抜けていき甘味が際立ってくる、静岡を代表するミカンですね。
収穫し立てを味わってみたいとお願いしました。当然酸味が勝つと思って食べたのですが、拍子抜けするくらい甘味が感じられ驚きました。自分で摘んだミカンですから「収穫し立て」です。でも思いがけず「甘い!」
どうやら秘密の一つは大関さんの栽培方法にあるらしいのです。木の根元には配管が施され、水と肥料を適宜与えるとのこと。
正月でも畑を見回り、木の状態によって水と肥料の加減をしているそうです。手のかけ方が違うんですね。料理のコーナー撮影の時、女性部の方から伺いました。
でも大関さん曰く「貯蔵するともっと酸味の角が取れてさらに美味しくなるよ」
そうでしょうね…納得しました。
(JAハイナン広報 岡田さん撮影)
JAハイナン営農の浅野祐司さんによりますと、サポートの一つに「定点調査」というのがあるそうです。
一つの木を選んで、その木を毎年観察し数値化していきます。その値を積み重ねていき、過去の値と比較することで、栽培に反映させていくのです。もう30年以上のデータがあるそうです。
何でも積み重ねが大事ですね。
(JAハイナン広報 岡田さん撮影。左から浅野さん、大関さん)
《おいしいをつくりましょ。》
青島ミカンを使った「ミカン大福」
作り手は、JAハイナン女性部の大石さん・石川さん・小関さん
皮を剥いて筋も取ったミカンを用意し、3袋ずつ白あんで包んでおく。ボウルで白玉粉・砂糖・水を良くかき混ぜラップをかけてレンジ(700W)で3分。さらに透明になるまで練って再びレンジで1分。さらに良くかき混ぜ「求肥」状態にし、白あんに包まれたミカンを包んで完成。
この時期の青島ミカンですから先にも触れたように酸味が勝っています。でも白あんがその酸味と上手く混ざり合って実にコクのある甘さを引き出し、美味しい「ミカン大福」になりました。
(右上枠内JAハイナン女性部 左から小関敏子さん・石川桂子さん・大石明美さん)
《今回の一枚》
「ミカン大福」を試食しているシーンです。食べているのは、それぞれが作ったモノ。私のはミカンが包みきれず「おなかに入れば同じ!」と開き直っているところです。
でも言い訳や悔し紛れではなく、本当に美味しい大福でした(^_^)
(JAハイナン広報 岡田さん撮影)
−小学生たちに未来を託して− (撮影協力:JA富士市広報 望月 綾さん)
取材先は富士市岩本付近の茶畑など。今日の取材対象は、お茶振興を願ってやまない「お茶屋戦隊!茶レンジャー」の皆さん。
若手茶農家7人が立ち上げたユニットです。目的はお茶と富士市の未来の為に活動すること。
左からオレンジ秋山和成さん・ブルー田中敏行さん・グリーン水野直樹さん・パープル西村有平さん・ピンク山田典彦さん・イエロー影山幸史郎さん・レッド村松拓哉さん
ポーズは「Tea」の「T」
(JA富士市 望月さん撮影)
活動の大きな柱が、小学校での「お茶の淹れ方教室」。
取材日は、富士市立富士川第一小学校5年生を対象としたお茶の淹れ方教室を実施しました。
5年1組の教室での「お茶の淹れ方教室」。お湯の入ったポットと急須そして茶葉が用意され、最初は好きなようにお茶を淹れて飲んでもらいました。
次に茶レンジャーの説明通りの淹れ方で飲んでもらったところ、あまりの味の違いに驚き感動する子どもたちの姿がありました。
キモはお湯の温度と茶葉が開くのを待つ時間。
子どもたちに美味しいお茶の淹れ方を知ってもらうことで、お茶文化の継承を願っての活動です。
調べましたら、岩手県雫石小学校でも「お茶の淹れ方教室」を実施したということで、地元だけにとどまらない活動をしていらっしゃるんだなと感心しました。
私たちも受講しました。 (JA富士市 望月さん撮影)
取材途中で富士市南松野にある「FUJIYAMAダイニングえびす」に立ち寄りました。そこは、去年開店したお惣菜テイクアウト専門店です。それぞれお店をお持ちの4人の料理人の方がお惣菜を作り、その場で販売しています。美味しそうな香りが店内に充満しています。その中で「茶レンジャー団子」を見つけました。
煎茶を練り込んだ餅であんこをくるんだ「ごま団子」。
その名の通り茶レンジャーとのコラボ商品です。
しかも取材日が店頭に並んだ初めての日!
《おいしいをつくりましょ。》コーナーで食べました。
あんこ好きの私にはたまりませんでした! (JA富士市 望月さん撮影)
《おいしいをつくりましょ。》
「煎茶を使ったガトーショコラ」と「ほうじ茶ドリンク」
作り手は、イエロー影山幸史郎さんとオレンジ秋山和成さん
料理コーナー久々の男性登場です。
「煎茶を使ったガトーショコラ」イエロー影山さんは、御菓子作りは好きで、時々作っては家族に喜ばれているそうです。煎茶もしっかり生かされたガトーショコラ、そんなに甘過ぎず美味しくいただきました。
「ほうじ茶ドリンク」はオレンジ秋山さん作。「ほうじ茶ラテ」と「ほうじ茶ソーダ」の2種類でした。ほうじ茶に砂糖などを加えたシロップに豆乳を注いだものと炭酸水を注いだもの。個人的な好みは「ほうじ茶ソーダ」でした。(JA富士市 望月さん撮影)
《今回の一枚》
今回新たに登場したキャラクター「妖怪 通りゃんせ」
旅人(?)の行く手に立ちはだかる意地悪な妖怪。
当然ながら茶レンジャーが出現してやられてしまう訳です。
スタッフの間では、この先このキャラクターがどんな風に成長していくのかが話題に。
もっとも今回だけの登場ということもありますが…
−自然薯自体も美味しいけど、ムカゴも絶品−
取材先は島田市湯日の松本高義さん佳克さん親子の自然薯畑。
栽培方法は県内各地で見られる波板を使った「静岡方式」と呼ばれるやり方。ただ、県内でも早い方だと言うことです。
松本さんは、40年程前に山で自然薯を採集し人工的に栽培を始めたとのこと。
息子の佳克さんは会社勤めをしていたのですが、10年ほど前から手伝い始めたそうです。
収穫出来るまでは2年。地上の蔓の先にできるムカゴを植えて、1年後に出来た芋を土と一緒に細長いビニール袋に入れ波板の間に挟み土をかぶせて1年、つまり2年かかると言うことです。
ビニール袋に入れるのはウイルス感染などの病気にかかりにくくすること。波板の間に挟むのは真っ直ぐ伸ばす目的です。自然の状態では自然薯は細く曲がりくねって伸びていきますからね。
ムカゴは自然薯の子ども。種ではないのですが種のような役割をしています。ムカゴを植えてできる芋は言わば「親芋」で、2年目の植え替え後はそれを栄養源とするように脇から新しい芋が生長して本芋が出来ます。私たちはそれを食べているわけですね。
調べてみましたら自然薯の種は出来ますが、種から栽培すると他の品種と自然交配し雑種になりやすいので「ムカゴ」からの栽培が一般的だそうです。交雑すると水分を多く含み本来の粘りや風味が損なわれるとのことです。(手はもちろん佳那ちゃん)
《おいしいをつくりましょ。》
「金豚王のカルビとろろ丼」
作り手は、「とろろ屋ととろ」店長 本杉貴子さん
最初にとろろ汁を作ります。そして金豚王(静岡県のブランド豚)のカルビをフライパンで軽く焼き、塩胡椒した後玉ねぎを入れてよく火を通します。後はタレをかけて絡め、どんぶり御飯にのせて完成。とろろ汁をかけて食べます。
脂身の甘い金豚王ととろろ汁の相性がとても良く、美味しかった!
若い人にも大好評と言うことでした。
本芋の美味しさは勿論ですが、ムカゴがまた美味しい。塩ゆで・素揚げ・炒る、いずれも超美味。酒のつまみに最高です。一緒に炊き込んで「ムカゴ御飯」も良いですね。
今回の〈茶の庭れすとらん「とろろ屋ととろ」〉では「ベーコン炒りむかご」を作って下さいました。ベーコンの塩味がたまらなく合っていました。
《今回の一枚》
収穫された自然薯6本を撮影している私を背景に、佳那ちゃんが自撮りしたものです。それにしてもえらい格好です。思い出せば結構つらい姿勢でした(^_^;)
前回の志帆ちゃんに続いて、佳那ちゃんに後光が差しています。それにしても私の格好はヒドイ…
−「食育」に力を入れているJAみっかび女性部−
(撮影協力:JAみっかび広報 久米 覚さん)
取材先は三ヶ日町の後藤貴紀さんのミカン畑。三ヶ日はミカンの町。至る所にミカンが実っている印象です。
取材対象は「早生ミカン」。表皮も中の袋も薄く柔らかで、剥きやすく食べ易いミカン。味も酸味が少なくて甘味の方を感じさせてくれる、子どもに大人気のミカンです。
県内のほとんどのミカンは収穫後しばらく貯蔵して酸味をある程度抜いてからの出荷になりますが、「早生ミカン」は収穫したその場で美味しく食べることが出来ます。
11月には収穫が終わり、味わうなら秋の一時期。そういう意味でも貴重なミカンです。
三ヶ日でも「由良ミカン」を作り始めたと伺いました。「由良ミカン」は9月下旬〜 10月一杯までの極早生品種。静岡県内で早かったのは沼津西浦ですが、現在は各地で取り組んでいます。表皮も中の袋も早生と同様に薄く柔らかで甘く「早生ミカン」の前に登場させる有望品種です。
三ヶ日では来年か再来年のデビューになりそうです。
(JAみっかび広報 久米さん撮影)
例年ですと特産物直売所に早生ミカンがドーンと箱積みされているのですが、今年は見本しか並んでいません。
新型コロナウイルスの影響で大勢の方に触れられる様な状況には置かないという配慮ということでした。今年は本当に異例ですものね。
早生ミカン自体は出荷量・品質共に申し分ない出来だそうで安心しました。
《おいしいをつくりましょ。》
「ミカちゃんおはぎ」
作り手はJAみっかび女性部「食育研究会」の皆さん
中にあんこを入れたおはぎです。もち米とうるち米を2:1の割合で用意し十分水分を含ませておきます。そこに早生ミカンの絞り汁を加え炊きあげます。それを粒々が感じられる程度につぶし、小さく丸めたあんこを包んで俵状の形に仕上げて完成。
色はミカン色に染まっていますが、早生ミカン自身は遠くで感じられる程で主張は控えめ。ほのかなミカン風味が感じられるおはぎに仕上がりました。美味しかった!
JAみっかび女性部「食育研究会」は地元の小学校などに出向き活動していて、このおはぎのもち米も子どもたちと育て収穫した物なんだそうです。未来を見据えた地道な活動をしていきたいと語っていらっしゃいました。
(JAみっかび広報 久米さん撮影)
《今回の一枚》
志帆ちゃんの自撮り撮影の一枚です。
素晴らしい晴天で、ミカン畑に差し込む太陽光をいかして撮りたい、ということで志帆ちゃんが工夫して自撮りしました。
志帆ちゃんに後光が差しています。まばゆいばかりのティアラのようにも見えます。
素敵な写真になりました。
横のロートルが邪魔ですね(^_^;)
−上品でフルーティな香りと味の「次郎柿ワイン」−
(撮影協力:JA遠州中央広報 長谷川愛美さん)
取材先は遠州森町の小澤芳巳さんの柿畑。治郎柿のルーツは、江戸時代後期に松本治郎さんが太田川から流れてきた1本の柿の木を持ち帰り、庭に植えたことがルーツです。
ただ明治3年火事でその木は焼失しましたが、根元から新芽が生えてより豊かな甘みのある柿になったことから広まっていきました。
名前ですが「治郎柿」と「次郎柿」両方ありますね。。発見者名を考えると「治郎柿」だと思います。ただ昭和19年に原木を県指定の「天然記念物」に申請した際に「次郎柿」という字で登録されたそうです。詳しい経緯は分かりません。
森町柿部会では、次郎柿発祥の地のPRとブランド化のため、名称を「治郎柿」として出荷しています。
(写真は佳那ちゃん撮影)
「次郎柿ワイン(商品名)」を試飲しました。ワイン造りの本場山梨県に柿を送りワイン酵母を使って作られたものだそうで、上品でフルーティな香りと味のお酒でした。カリン酒や杏酒、仕込み後期間の短い梅酒を想像していただけると当たらずいえども遠からずといった感じでしょうか(^_^)
今回は次郎柿ワインを試飲するということで、車の運転は厳禁。SDTへの往復は家族に送迎してもらいました。
ワインの入ったグラスを手にした二人の写真はJA遠州中央:長谷川さん撮影、グラスのアップは佳那ちゃんの自撮りです。
《おいしいをつくりましょ。》
「治郎柿を使った柿パイ」
作り手は森町柿部会の村松眞砂子さんと藤田裕美さん
柿は皮をむき、いちょう切りにしてバター・砂糖・レモン汁を入れて煮ます。それをパイシートにのせ、オーブンで25分くらい焼いて完成。アップルパイよりもあっさり感があってとても美味しいパイでした。
もう一品サラダも作って下さいましたが、柿とマヨネーズが合うという発見をしました。
(枠写真はJA遠州中央:長谷川さん撮影、前列左から生産者:小澤さん、森町女性部:原田さん、山下さん、尾アさん。後列左から森町柿部会:藤田さん、村松さん)
《今回の一枚》
ロケの合間に試食した治郎柿の美味しさを話していた時のショットです。
「治郎柿は単為結果性が高い種類だから種が無いんだよね」などとしゃべっていました。単為結果とは受粉しなくても実が育つ特性のことです。
(石川ディレクター撮影)
−果肉が黄色のものも、最初は果肉は香| (撮影協力:JA静岡市広報課徳田龍介さん)
取材先は静岡市葵区湯山の森一洋さんの畑。東京ゴールドは、1998年に東京都の生産者が発見し、2013年に品種登録されたキウイフルーツです。静岡市では5〜6年前から取り組んでいます。生産農家は現在32軒。だんだん増えてきています。
東京ゴールドは果肉が黄色い品種。ビタミンCが豊富に含まれています。因みに果肉が告Fのものは食物繊維が豊富だそうです。
東京ゴールドは実が多く生る品種。森さんがかなり摘蕾・摘果をするそうですが、写真のように鈴なりに近い状態になります。生産効率から言ったら非常に優秀な果物ですね。
キウイフルーツは収穫時はあの味ではありません。志帆ちゃんは収穫直後のものを食べたことがないと言っていましたので試してもらいました。
まず硬い、そして渋いというのかエグいというのか何とも言えない味で参っていました。
志帆ちゃんだけでは可哀想でしたので私もかじりましたが、やっぱり参りました。私は2回目でした。
キウイフルーツは追熟が必要です。リンゴと一緒にビニール袋に入れて、室温で1週間位おいておくとあの慣れ親しんだキウイフルーツの香りと味になります。東京ゴールドは甘味が強く、酸味とのバランスも優れた品種ですから美味しく爽やかに楽しめます。
驚いたのはキウイフルーツは、果肉がイエロー種であっても最初はグリーン。グリーンの時に収穫してしまった物は、いくら追熟させても黄色にはならないとのこと。
収穫時期が非常に大切ですね。
(志帆ちゃんの自撮り)
(前から森さん・JA静岡市営農 榮(サカエ)隆明さん・JA静岡市広報 徳田龍介さん・森さんの奥様悦子さん)
《おいしいをつくりましょ。》
作り手はJA静岡市の松島華月さん
「東京ゴールドを使った“サルサソース”」
小さくサイコロ状に切った東京ゴールド・トマト・玉ねぎを、レモン水・塩少々・胡椒を加えてよく混ぜ合わせて完成。
ローストビーフにかけて食べました。サルサというとピリカラをイメージしますが、もともとピリカラである必要は無いそうで、爽やかな食べ易いソースに仕上がりました。
《今回の一枚》
営農 榮さんの収録直後のショットです。
榮さんは2回目の出演で、
「もう2回目だからへっちゃらだね」と言われ
「プレッシャーをかけるのは止めて下さい」
という会話の後でのリラックスした笑顔です。
お疲れ様でした(^_^)
(JA静岡市広報 徳田さん撮影)
−2回の選別で質の高い「絹さやえんどう」を出荷−
取材先は、東伊豆町奈良本にある土屋通男さんの畑。JA伊豆太陽の絹さやえんどうは日本一と言われる品質の高さで有名です。得意先が東京の高級料亭や高級ホテルということからも分かります。
質の高い絹さやえんどうを出荷するために、収穫直後に生産者が選別したあと集荷場で部会員みんなでもう一度選別するという二段階選別を実施しているそうです。
複数の目で見ることによって質の高さがより高い信頼性につながる訳ですね。
こちらで栽培されている絹さやえんどうは「伊豆みどり」というJA伊豆太陽独自の品種で土屋さんも開発に携わったそうです。
今年は新型コロナウイルスの影響で生産者は収入が減って大変です。そこでJA伊豆太陽では今後の作付け資材などの購入資金として活用できるように「農業者緊急支援対策助成金」を全国に先がけて創設し、昨年度の農業収入に対して3%の支援金を出したそうです。土屋さんに伺ったら「本当に助かった」とおっしゃっていました。
伊豆みどりの花は白です。絹さやえんどうも品種によって赤い花もあります。志帆ちゃんが手にしている花がそうです。
伊豆みどりが今収穫期を迎えているのに対し、収穫適期はもう少し後になるそうです。白にしろ赤にしろ花が可愛いので観賞用にも出荷できないかと模索したそうですが、土屋さんは2年で断念したとおっしゃっていました。
「保たないんですよ」と残念そうでした。
《おいしいをつくりましょ。》
作り手はJA伊豆太陽女性部土屋さんと萩原さん
「絹さやえんどうと人参のきんぴら」
さっと茹でた絹さやえんどうと人参を千切りにしておく。そしてごま油で人参を軽く炒め、醤油・酒・砂糖などの調味料でさらに炒めて、茹でた絹さやえんどうを加えて馴染ませて完成。
ご飯のお供にも、お酒のあてにも最高の逸品に仕上がりました。
−詳しいレシピは Daiichi-TV のホームページ で−
(写真左から萩原さん、土屋さん)
《今回の一枚》
志帆ちゃんの自撮りです。ポートレートモードでの撮影です。
ポートレートモードは後をボカしてピントの合った人物を際立たせる効果があります。従って前後の距離によっては、ボカすつもりのないものもボケてしまうことがあります。
これはその典型例。私がすっかりボケています(^_^)
誰ですか?
「志帆ちゃんにピントが合っていればそれで良い!」
とおっしゃるのは!!!(^_^;)
−JA遠州中央と磐田市が「海老芋承継事業」を今年からスタート−
取材先は、磐田市壱貫地にある大箸英之さんの畑。
海老芋は里芋の仲間ですが、一般的な里芋に比べきめが細かくなめらかな食感で煮崩れしにくいという特徴があります。
京都の伝統野菜であり、料亭などでの需要も多いことから一般的な里芋のおよそ3倍の価格であることも大きな特徴です。
(佳那ちゃん撮影)
海老芋にも早生と晩生があることを知りました。
早生品種は、多収量で子芋が大きく孫芋は卵型という特徴があります。
晩生は収量は少なめですが、味の奥深さなどがより感じられ格別な美味しさがあると言うことでした。
今回取材したのは早生。海老芋は親芋のを囲むように子芋が付き、子芋に孫芋が付きます。写真でお分かりのように子芋が大きい。親芋が下に隠れて見えないのですが、子芋の2/3位の大きさでぱっと見は親芋の方が子芋のようです。
JA遠州中央と磐田市は、海老芋の栽培技術を承継してもらおうと今年から「海老芋承継事業」を始めました。後継者確保と特産品のさらなる安定生産を目指しています。
今回の圃場出演者はその研修生二人と指導に当たる生産者二人でした。研修者の遠藤広太さんは元ヤマハのラガーマン、柳沢大地さんは元飲食店勤務という経歴。
実際の生産者の方から栽培方法の基礎、そしてコツや注意事項を教わることが出来るわけですから全く知識経験無くても飛び込めて幸せだとおっしゃっていました。
指導に当たる生産者は、大箸英之さんと鈴木保雄さん。お二人の熱心な指導ぶりは遠藤さんや柳沢さんとの会話から十分に察することが出来ました。
(写真左から磐田市の白幡さん・遠藤さん・柳沢さん・大箸さん・鈴木さん・営農深谷さん)
《おいしいをつくりましょ。》
作り手はJA遠州中央豊岡女性部柳沢さん、水野さん、小出さん
「いわた鍋」
いわた鍋とはJA遠州中央管内の特産品をふんだんに使った鍋。
今回は海老芋はもちろん白ネギ・白菜・椎茸・人参・鶏もも肉で作って下さいました。
味付けは鶏ガラスープと豆乳・白味噌(大さじ1)だけ。でも海老芋から出るコクもあるのでしょうか。味は十分でした。
もう一品「海老芋の揚げ煮風」を作って下さいました。孫芋を揚げて砂糖醤油に絡めただけですが、甘塩っぱいなめらか大学芋といった感がありこれも美味しかった!
−詳しいレシピは Daiichi-TV のホームページ で−
《今回の一枚》
佳那ちゃんが海老芋の葉の下にしゃがんだポーズです。
台風14号と秋雨前線の影響で雨の一日でしたので、葉っぱの下に雨宿り…といったシーンです。
佳那ちゃんの足元に注目。濡れた地面に膝をつくと濡れてしまいますので、右足の膝を左足の長靴の上に置いています。考えましたね(^_^)
ロケ中ほとんど雨でしたが、撮影開始時はほとんど降っていない状態でしたので傘無しでスタート。途中磐田市の白幡さんと営農深谷さんへのインタビュー時に本格的に降り始めました。しかし、それまで傘を差していないのでそのまま撮影。結構濡れていまいました。お二人にも気の毒なことをしました。
−ブランド米「するがの極」と辛味噌のハーモニー−
(撮影協力:JAなんすん広報 大嶋知美さん)
取材先は裾野市深良の志村宏之さんの田んぼ。ただ残念ながら刈り取りはすでに終わっていました。
JAなんすんがブランド米として推進している「するがの極」は、甘みがあって香り高く、粒が大きめでモチモチ感もあるのが特徴の炊き立てはもちろんのこと、冷めても美味しいお米です。
品種は「きぬむすめ」ですから、おむすびとしても好評です。
(志村さんとJAなんすん営農渡邊充利さん)
(JAなんすん 大嶋さん撮影)
志村宏之さんは米作りは25年のベテランですが、その前はタイヤメーカーにお勤めだったそうです。
担当していたのは何と「F1」のタイヤ。世界のF1レーサーとも親交がおありです。取材の合間にレースタイヤについて少し伺うと「本気でしゃべり始めたら、朝までいっちゃうよ」と笑っていらっしゃいました。
F1レーサーって世界でも20人位しかいないんですってね。ギャップの大きさが何とも魅力的な印象につながりました。
まだ刈り取っていない田んぼもありましたので、伺ったら志村さんは作っていらっしゃらないのですが「愛知のかおり」という品種の米。日本酒用の酒米としても使うそうです。
酒米と言えば「山田錦」「五百万石」が思い浮かびますが、裾野では裾野産「愛知のかおり」を使って富士宮の富士錦酒造に依頼して「特別本醸造もののふ」・「純米吟醸酒もののふ」・「純米酒すその」を販売しているとのこと。
いろいろな挑戦をなさっているな、と思いました。
《おいしいをつくりましょ。》
作り手は志村さんの奥様くに江さんと農家仲間勝又とみ江さん
「辛味噌」
簡単に言えば、刻んだ青唐辛子と味噌をフライパンで炒めたもの。青唐辛子は赤唐辛子よりはるかに辛い。刻む時に種を除くのですが、その種を2粒頂いて食べましたら火を噴きそうでした。ただ味噌と一緒に炒めることによって絶妙なご飯のお供になりました。
「するがの極」の美味しさをより引き出し、引き立てる素晴らしい脇役でした。
それにしても「するがの極」の甘味とモチモチ感はお米を食べたという満足感を与えてくれます。
−詳しいレシピは Daiichi-TV のホームページ で−
(JAなんすん 大嶋さん撮影)
《今回の一枚》
営農の渡邊さんと志村さんとの1シーンです。
インタビュー撮影終了後の和やかな様子が分かります。
ひょっとすると志村さんがレースタイヤの話をなさっていた時かもしれません。
全然話が違いますが、志村さんによるとF1レーサーの年収って数10億円なんですって…。そんなことを話していた時だったかなぁ。
(JAなんすん 大嶋さん撮影)
−田んぼに塩、そのミネラル分が米の美味しさをさらに生み出す−
(撮影協力:JA御殿場広報 杉山大介さん)
取材先は御殿場市の小見山益彦(ミツヒコ)さんの田んぼ。「ごてんばこしひかり」が黄金色の「こうべ」をたれていました。
ごてんばこしひかりは「量より質」をモットーに良味米の生産に取り組んでいる米で、今や全国的にも有名なブランド米になりました。
小見山さんは小学生の高学年か中学生の頃にはもう親の米作りを手伝っていたそうですから、半世紀以上《米作り》に携わってきた大ベテランです。
(JA御殿場 杉山さん撮影)
小見山さんは、昨年(2019年)「にこまる」という品種で【第21回米・食味分析鑑定コンクール国際大会in木更津】で金賞を受賞しました。
実は以前、「御殿場新玉ねぎ」の回で新玉ねぎ生産者の一人としても出演された事があり、チャレンジ精神旺盛な方でもあります。
(小見山さんの枠写真は、JA御殿場 杉山さん撮影)
小見山さんは、田んぼに塩をまくそうです。塩といっても精製された食塩ではありません。粗塩や岩塩・原塩といったミネラル分豊富な塩です。そのミネラル分が大事で、お米の食味に大きな影響を与えるとおっしゃっていました。
Webを調べてみたら実践なさっている方は結構多いようです。また連作障害対策としての塩の有用性について記述しているサイトもありました。
(佳那ちゃん撮影)
《おいしいをつくりましょ。》 作って下さったのは、
駿東郡小山町「山久荘(サンキュウソウ)」ご主人 小見山公男(キミオ)さんと若旦那 義史(ヨシフミ)さんと女将 都美子さん親子
作って下さったのは「わさび丼」。ごてんばこしひかりの味を更に引き立ててくれる丼です。
炊きたてのお米におかかを乗せ、すり下ろしたワサビをその上に…まずいわけはありません。
ただ…頭に…つ・ん・抜・け・た!!!
実はわさびは建物の横にあるわさび田で作っているもので、新鮮この上なく爽やかな辛さも半端ないものでした。
(JA御殿場 杉山さん撮影)
《今回の一枚》
番組にお付き合い頂いた皆さんとの1シーンです。
「佳那ちゃんの自撮りに参加して下さい」
の一言で集まって下さいました。スタッフの他に番組制作をサポートして下さる皆さんがいらして成立しているのです。
(先頭から小見山さん・営農内野美里さん、後左からJA御殿場広報の杉山和則さん・杉山大介さん・井上郁子さん)
−落花生が土の中に出来ることを子供たちに教えたい−
(撮影協力:JAあいら伊豆総務課 田 稔さん)
取材先は伊東市池の小川淳一郎さんの畑。正直伊豆で落花生を生産しているとは知りませんでした。小川さんは5、6年前から取り組んでいるそうです。JAあいら伊豆の新しい農産物として取り組んでからは3年ということで、歴史はまだ浅いのです。
(JAあいら伊豆 田さん撮影)
畑からは大室山がよく見えます。大室山は標高580mの火山で、伊豆東部火山群の中で最大のスコリア丘です。スコリアは火山噴出物の中で比較的小さい火山礫や軽石などのことで、小川さんの畑も黒ボク土の下はスコリアです。
スコリアそのものは農業に適しているとは言い難いのですが、降り積もった火山灰に草が生えそれが腐ることが続いて出来た黒ボク土によって農作が成立していると言えそうです。
黒ボク土で農業を成立させるためには相当な工夫があったようですが。
(志帆ちゃん撮影。奥に大室山が見える)
小川さんは、毎年ご自分の孫が通う幼稚園の園児に落花生の収穫体験をさせています。
子供たちの多くは落花生が土の中に生っていることを知りません。そこで小さいうちに体験させたいと数年前から続けているそうです。
小さい頃の体験は良きにつけ悪しきにつけ大人になっても残っていますからね。良いことです!
(JAあいら伊豆 田さん撮影)
《おいしいをつくりましょ。》 作って下さったのは、
伊東市のキッチン&バー「ラグーン」の店主小林裕さん
「落花生のトマトソース仕立てスパゲティ」
トマトは言わずと知れたご当地のブランドトマト「アイランドルビー」。小林シェフは落花生の食感を活かしたいと、切ったりつぶしたりして使わずに殻の中身をそのまま入れています。伊東産の落花生とトマト、最高の相性でした。
−詳しいレシピは Daiichi-TV のホームページ で−
(志帆ちゃんの自撮り)
(前からJAあいら伊豆営農山口杏奈さん・JAあいら伊豆総務課 田 稔さん・レストラン「ラグーン」店主小林裕さん・「ラグーン」スタッフ石川香苗さん)
《今回の一枚》
番組オープニングの1シーンです。
落花生を持ちながら「伊豆で落花生を作っているのを、ごちカンの“地引き網”なのに知らなかった」と私がほざき、志帆ちゃんに「“生き字引”でしょ?」と言われているところです。
(JAあいら伊豆 田さん撮影)
−頼もしい三代目の若き生産者たち− (撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は浜松市東区にある葉ねぎ(ブランド名「おしゃれねぎ」)の栽培ハウス。待っていてくれたのは中野輝一さん(23)、鈴木祐弥さん(26)、大場紗瑛さん(21)の3人。全員三代目の若き生産者の皆さんです。
後継者問題で悩んでいる所が多い中、この地区では多くの農家で若者たちが継ぐことを目的に栽培出荷に取り組んでいるそうです。ハウスではお父さんやおじいちゃんも一緒に作業、和気あいあいのとても良い雰囲気でした。3人は幼なじみ。言いたいことが言い合える関係だと言うことはすぐ伝わってきました。
(JAとぴあ浜松 山田さん撮影、左から大場さん・中野さん・鈴木さん)
根幹にあるのは安定した需要です。葉ねぎの旬は冬です。しかし今は季節に関係なく需要があるためハウス栽培で工夫しながら通年出荷をしています。年間4〜5回のサイクルで回転させているそうです。
JAの販売戦略もあって固定的な需要も確保されていますので、それが良い意味での余裕を生みます。それが大らかな空気を作り出し、良循環を呼び込むのでしょうね。
JAとぴあ浜松の営農阿久津浩樹さんによれば、後継者の就農が続いて若手生産者が増加したので、農業の基礎知識を身に着ける「勉強会」を定期的に実施しているそうです。
そうした活動が三代目の皆さんに確実な知識の裏付けも出来て、より効率の良い栽培出荷へと繋がっていくのでしょうね。
(写真は志帆ちゃんの自撮り、前から中野さん・大場さん・鈴木さん・阿久津さん)
収穫した葉ねぎを洗浄・ラッピング・箱詰めなどをする作業場もこれが個人の施設? と言いたくなる位綺麗で、ここから出荷される葉ねぎへの信頼感は絶大だと思いました。
《おいしいをつくりましょ。》
作って下さったのは三代目の若き生産者の皆さん
「葉ねぎしらすバーガー」
ご飯をバンズ代わりにして、小口切りにしたたっぷりの葉ねぎと釜揚げシラス、マヨネーズ、醤油を和えてはさんだもの。葉ねぎ・シラス・マヨネーズの相性が抜群!1個ぺロッといきました。
−詳しいレシピは Daiichi-TV のホームページ で−
(JAとぴあ浜松 山田さん撮影)
《楽しい一枚》
番組オープニングの1シーンです。テーマが葉ねぎでしたので、私がジャンケンでいつも負けてカモになっているという設定でお約束通り負けてスゴイ顔をしながら「決まり!」のポーズをしているシーンです。
なので私の右手は負けた時の出し手「グー」になったままです。
(JAとぴあ浜松 山田さん撮影)
−新規就農も新しいチャレンジも「あぐりセミナー」−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 石川智浩さん)
静岡県JAでは「あぐりセミナー」という農業実践講座を開催している所があり、今回はJAおおいがわの取り組みを取材しました。
「あぐりセミナー」は初級コースと中級コースがあり、初級コースは1年、中級コースは2年学びます。初級コースは野菜作りの基礎から学ぶコース、中級コースは実践的に栽培するコース。
このセミナーの最終目的はファーマーズマーケットに出荷してもらうことだそうで、ただ学ぶだけで無く販売まで目指しているのが特徴です。
本格的に農業を始める人向けの講座と言えますね。
講師は、大石 孟さん。このセミナーで10年程教えていらっしゃいます。教え子は400人超え。卒業しても何かあるとすぐ電話がかかってくるので大変忙しいそうです。ご自身も農家として畑を管理していらっしゃいますから、その大変さが覗えますね。
現在ご自身が高齢ということもあり、後継の指導者が気がかりだそうです。
(JAおおいがわ 石川さん撮影)
今回受講生代表として取材に応じて下さったのは、石田修司さん。実家が米農家ということで稲作については知識はお有りですが、野菜については初めて取り組んだということです。
講座参加半年で、現在は茄子が収穫期を迎えていました。受講生一人一人に畑の区画が割り当てられ、1年を通じて様々な野菜の栽培方法を教わっていくそうです。
(JAおおいがわ 石川さん撮影)
《おいしいをつくりましょ。》
「ナスと豚肉のはさみ蒸し」
担当はJAおおいがわ女性部の良知富江さんと渡邊智子さん
良知さんは、あぐりセミナー卒業生。現在も農業に精を出していらっしゃいます。渡邊さんは「ナスと豚肉のはさみ蒸し」の考案者。ラップとレンジを使うことによってナスと豚肉の栄養も旨味も逃げない仕上がりになりました。トッピッングに大根おろしと葉ねぎ、味付けは最後にかけるレモンポン酢だけ。それぞれの美味しさが素直に出た逸品でした。(窓は、良知富江さんと渡邊智子さん)
(JAおおいがわ 石川さん撮影)
《楽しい一枚》
受講生代表の石田さんの育てられた茄子を収穫させて頂き、記念写真を撮りました。撮影して下さったのは石田さん。
撮影までお世話になりました。
−ブランド米名は富士宮だけに「うみぁ〜米(コメ)」−(撮影協力:JA富士宮広報 大塩里紗さん)
取材先は富士宮市富丘にある岩田光晴さんの田んぼ。作っているお米はブランド米「うみぁ〜米(コメ)」。品種は「コシヒカリ」がベースで、生産者とJAが2004年に「う宮米生産販売協議会」を結成、現在まで産地米のブランド化を進める活動を続けています。
収穫時期は何と8月下旬からと早い。取材に伺った時は稲刈りの真っ最中でした。逆算すると田植え時期は5月のゴールデンウィークになります。
今年は梅雨の長雨で茎が伸びすぎ、明けてからの猛暑で一気に実ったため急に頭が重くなり倒れたように傾く稲が多くなりましたが、品質は問題ないそうです。
(写真はJA富士宮営農 石川博雅さんと「う宮米」生産者 岩田光晴さん…JA富士宮 大塩さん撮影)
「う宮米生産販売協議会」を結成して16年、徹底した栽培管理と適切な品質検査によって認められた富士宮産の1等米を「うみぁ〜米(コメ)」として販売しているのです。
植えた稲と稲の間隔も少し広めに取ることによって、出来るだけストレスの少ない美味しいお米になるよう工夫なさっています。
とにかく岩田さんの熱意がすごい! 一つ質問すると何倍も答が返ってきます。インタビューし甲斐があるし、何より楽! ありがたい方でした。(JA富士宮 大塩さん撮影)
《おいしいをつくりましょ。》
シンプルに「塩むすび」
担当はJA富士宮女性部の山田春美さんと赤池恵子さん
主食でありながらメインはおかずのイメージ。お米の美味しさをストレートに味わうのは「塩むすび」が一番でしょう。
今回勉強になったのは優しく研いで水に浸けたお米を、炊く前に冷蔵庫に30分程入れておくこと。理由は沸点との温度差でした。温度差が大きければ大きいほどふっくら美味しく炊き上がるのだそうです。そういえば圧力釜を使う場合、沸点を上げることも大きな理由ですものね。
炊きあがった新米はツヤツヤで粒が立った素晴らしいものでした。味?そりゃもう最高でした。スタッフも「何個でもいける!」と吠えていました(^_^) (JA富士宮 大塩さん撮影)
JA富士宮のファーマーズ・マーケット「う宮〜な」の敷地内に「まんま宮ーや」という女性部の調理施設があります。そこで「う宮〜な」に並ぶ総菜の数々を作っているのです。中でも珍しいのが「落花生のお赤飯」、ファンが多いのですぐ売り切れてしまいます。
今回のおむすびも「まんま宮ーや」で作って頂きました。写真は赤池恵子さん山田春美さんです。(JA富士宮 大塩さん撮影))
《楽しい一枚》
JA富士宮広報の大塩さんが撮影して下さった写真の中から、ロケの楽しい雰囲気が伝わってくる一枚を紹介します。
《おいしいをつくりましょ。》の佳那ちゃんの楽しいショット。
私のマウスシールドのアゴ当て部分が喋っているうちに私の口に上がってきてしまい、アゴ当て部分をくわえる形になったので、どうすればそうなるのかをやってみているシーンです。
一所懸命且つ素直で素敵な表情です。
−イチジクの収穫は1日2回、休む間無し− (撮影協力:JAハイナン広報 大石彩加さん)
取材先は牧之原市大江の中村 睦さんのイチジク畑。もともとはお茶だったそうですが今はイチジクも手掛けて7年目。
今年は梅雨の長雨と明けてからの猛暑で作柄はどうかと伺いましたら「長雨でなかなか色づきが良くなかったけれど、明けて猛烈な日差しと暑さで一気に色づいた」とおっしゃっていました。雨が多いと病気が心配だけど、今年は大丈夫だったということで順調な生育になったそうです。
(窓は中村さんと営農浅野さん…JAハイナン広報 大石さん撮影)
春先3月頃に横に這わせたメインの幹から伸びる枝をすべて落とし、切った所から出る新しい枝に実をならせていきます。
枝か伸びながら実をつけていくので当然ながら下から色づき熟していきます。「イチジク」の語源は「一日で熟す」とか「1個ずつ熟す」ので「いちじゅく」→「イチジク」という説もありますが、中国語の発音から来ているというのが本当らしいです。
収穫は最盛期1日2回。午前青かった物も夕方には色づき収穫OK。熟すとなると速いんだそうです。最盛期は雨でも収穫作業、休む間は無いとおっしゃっていました。(志帆ちゃん撮影)
人によっては苦手という方もいらっしゃいますが、イチジクはカルシウムや鉄分など豊富なミネラルやカリウムを多く含んでいて、消化を助ける力も大きい果物。旬の時期も長くないので手に入れば食べるに越したことはありません。皮剥いて食べる人と皮ごと食べる人がいますが、私は皮ごと派です。皮にも味を感じますし、剥いて捨ててしまうのはもったいない!番組での試食ももちろん皮ごとでした。
(JAハイナン広報 大石さん撮影)
《おいしいをつくりましょ。》
作って下さったのはJAハイナン女性部の皆さん
「生ハムとイチジクのチーズバケット」
マヨネーズと蜂蜜を混ぜてバケットに塗り、その上に輪切りにしたイチジク、とろけるチーズの順にのせオーブントースターで5分程焼く。出したら生ハムをかけるようにのせ、イチジク一切れをトッピングして完成。マヨネーズと蜂蜜、イチジクの相性は抜群。目からウロコでした。また生ハムの塩味が全体を引き締める感じで、とても美味しかったです。(料理は志帆ちゃん撮影)
(窓は女性部の赤堀節子さん・増田すみ江さん・岩村章子さん・増田令子さん…JAハイナン 大石さん撮影)
《楽しい一枚》
JAハイナン広報の大石さんが撮影して下さった写真の中から、ロケの楽しい雰囲気が伝わってくる一枚を紹介します。
JAハイナン営農担当の浅野祐司さんの楽しいショットです。営農業務としてのおしゃべりが終わって、素の浅野さんが垣間見えたシーンです。
−富士のブランド落花生「らっかしょ」、中でも人気は「しなす」−
(撮影協力:JA富士市広報 望月 綾さん)
取材先は富士市大渕の望月太郎さんの畑。昔から富士では落花生とは言わず「らっかしょ」という呼び方をしていて、富士ブランド認定品としての呼び名にもなっています。
「らっかしょ」という呼び方は九州の鹿児島や宮崎でも昔からあるそうで、落花生の「生」を「しょう」と読んで「らっかしょう」→「らっかしょ」と縮まったとも考えられそうです。
(JA富士市広報 望月さん撮影)
左は落花生の「花」です。この花が咲き終わると 花の付け根から子房柄(シボウヘイ)と言われるモノが伸びて自ら地中に入ります。そして地中に入った子房柄の先は やがて膨らみさやとなり、そのさやの中で 実が育つのです。「落花生」とは言い得て妙なネーミングですね。
富士市を始め 県東部地区では落花生を茹でて食べる、いわゆる「茹で落花生」がポピュラーな食べ方ですが、地元の人に大人気なのが「しなす」。落花生の未熟な物を指し、特に若い柔らかい物はさや(殻)ごと食べられます。
塩味が中までよ〜くしみて、これがまたバカ旨い。「しなす」だけを販売もしていてすぐに売り切れてしまいます。もちろん地元でしか売っていません。
写真の左が「しなす」です。
《おいしいをつくりましょ。》
「らっかしょのポタージュスープ」名付けて「らっぽた」
担当は富士市立高校・ビジネス探究科の3年生の皆さん
ビジネス探究科では数年前から地元産品を使った料理レシピの考案と販売を考える取り組みをしているそうで、昨年度の卒業生がレシピを考案し、実際に商店街で販売もしたスープです。皆さん自身は夏休み明けに今年度のレシピをまとめて、発表するということでした。
鍋で玉ねぎをバターで炒め、そこに塩茹でした「らっかしょ」と固形ブイヨン・水を入れ加熱。固形ブイヨンが溶けたらブレンダーでなめらかになるまで粉砕攪拌、牛乳・生クリームを加えて塩で味を調えたら出来上がり。らっかしょの風味が活かされた美味しいスープになりました。
(JA富士市広報 望月さん撮影)
《楽しい一枚》
JA富士市広報の望月さんが撮影して下さった写真の中から、ロケの楽しい雰囲気が伝わってくる一枚を紹介します。
どういうシチュエーションだったか分かりませんが、佳那ちゃんが周りを和ませる一場面です。ごちカンのロケは本当に笑いが絶えません。
−異業種の仕事を手伝って世界が広がった−
今回は農作物そのものがメインではありません。新型コロナウイルスの影響で本業が出来なくなった方が、この期間を逆に利用して他の仕事のお手伝いをした…というお話です。
まずは静岡市葵区福田ヶ谷の大塚ブドウ園に伺いました。全部合わせるとおよそ3000坪のブドウ農園で、販売と観光ブドウ狩りをやっています。お話を伺うと、適度な数に整えるための摘粒(摘果)や袋かけがすべて手作業なので大変とのこと。農園面積も広いですから人手が欲しい。そこでJAに相談したところ「コロナ禍で業務が滞っている旅行代理店の方はどうだろうか」ということで手伝って頂くことにしたそうです。
写真は「瀬戸ジャイアンツ」という品種。皮に複数の柿や桃のようなへこみが出来、皮も薄くて超美味しいそうです。もちろん皮ごと食べられます。旬の9月まで我慢です。窓は生産者の大塚剛英さん
(志帆ちゃん自撮り)
お手伝いなさっている藤田康之さんと森 友佑さんにお話を伺うと
「お客様を案内をすることはあっても作業については知らなかったので、これから経験に基づいて具体的に説明できることが成果の一つです」とおっしゃっていました。
生産者の大塚剛英さんもブドウ狩りが始まると、応対と販売が忙しくなるのでまた来て貰えたら嬉しいとおっしゃっていました。
左から藤田さん、森さん
そして静岡市駿河区南町の和食居酒屋「稲穂」にお邪魔しました。
ご主人の滝田康利さんと奥様の道子さんは自粛期間中、静岡市葵区内牧の製茶工場とお茶農家でお手伝いをなさったそうです。
丁度新茶シーズンだったためお茶農家も人手が欲しかったこともあって、渡りに船だった訳です。
結果、和食店には欠かせないお茶ですが、栽培や収穫・製茶など知らなかったことに次々出会い、いろんな発見があったそうです。
ただ一番は人との出会い。お世話になったお茶農家ではお茶だけでなく様々な農作物も作っています。お茶以外の作物についても話を聞いたり味わうことが出来、とても参考になることはもちろん「静岡市でこんなにいろいろな物が穫れることに改めて感動した」とおっしゃっていました。
(志帆ちゃん自撮り) 滝田さん御夫妻と一緒に
今回は滝田さんに、知り合ったお茶農家であり野菜も作っていらっしゃる工藤さんのトウモロコシのかき揚げを作って頂きました。
始めて食べたのが左に添えてあるモジャモジャした塊。「ひょっとして…?」と伺うと「トウモロコシのヒゲです。下味を付けて揚げてみました」との答え。
あのヒゲは雌しべで、1粒に1本あります。食べてみると下味以外はこれと言って特徴のある味はありません。調べてみると、肌の老化予防・むくみ解消・便秘解消などの効果が期待できるとありました。ヒゲ茶も結構飲まれていることも分かりました。
無駄な物はありませんね。
−ミニ野菜栽培は料理人のリクエスト− (撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は、浜松市南区の京丸園株式会社。代表の鈴木厚志さんにお話を伺いました。天竜川の伏流水(飲用しても大丈夫とのこと)を地下100mから汲み上げ、水耕でミニ野菜を育てています。
現在は「ミニちんげん(菜)」「姫みつば」「姫ねぎ」を栽培。「ミニ野菜」とは、まだ成長しきらないうちの若い状態で収穫することからのネーミング。「姫ねぎ」は葉ねぎの小さい時期の「めねぎ」のこと。「姫みつば」「姫ねぎ」は京丸園の商品名です。
(圃場写真は佳那ちゃん撮影)
※窓は京丸園代表の鈴木さんと奥様の高ウん
取材したのは「ミニちんげん」。普通の2/3位の大きさです。だから料理に使ってもそのままの大きさを活かせちゃう。そもそもミニ野菜を作るきっかけは料理人の方からのリクエストだったそうです。小さいので丸ごと添えることも可能…それが盛り付けの豪華さにもつながるので欲しいというのが一つの大きな理由だったそうです。
今でも全国から注文があるそうで、一日2万株を出荷しているとのことでした。
(写真はJAとぴあ浜松の山田さん撮影)
鈴木さんの経営する「京丸園」は80人ほどの人たちが農作業に従事しています。「ユニバーサル農業」を経営の柱にしていて、高齢者・障害者を積極的に雇用すると共に、担い手不足に悩む農業と雇用を求める障害者のマッチングを図る、いわゆる「農福連携」にも取り組んでいます。
(写真は佳那ちゃんの自撮り)
※前から奥様の高ウん・鈴木さん・広報の山田さん。
《おいしいをつくりましょ。》
作って下さったのは鈴木厚志さんと奥さんの高ウん
「ミニちんげんの冷しゃぶ」と「姫みつばと姫ねぎの彩りサラダ」
作り方は非常に簡単。ミニちんげんと豚肉をしゃぶしゃぶして盛り付け、ドレッシングをかけて完成。ミニちんげん1株丸ごとと豚肉がひと口で食べられるのが特徴。
しゃぶしゃぶする時厚志さんさんが「シャキシャキが良い?」「柔らかいのが良い?」と尋ねるので希望を言ったら、鍋に耳を近づけ「ミニちんげんが教えてくれる」とおっしゃいます。
「え〜っ!」と叫んだら「そろそろ、いいよ」と小さな声が… 顔を見たら澄ましながらもニヤついています。奥さんの高ウんは大笑い。
最高のご夫婦でした。 (写真はJAとぴあ浜松の山田さん撮影)
−苗の定植時期に寒いと芋が変形− (撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は浜松市西区の鈴木忠幸さんの畑。鈴木さんは仲間からは親しみを込めて忠(チュウ)さんと呼ばれているそうです。
サツマイモといえば「秋」のイメージですが、浜松市のカンショ(サツマイモ)は早獲れで有名。4月の上旬から5月上旬にかけて苗付け、7月の頭頃に出荷が始まって8月のお盆頃には終わります。4月の上旬が寒いと芋が変形しやすいので気を遣うそうです。
それが可能になるのも「紅高系」と呼ばれる栽培品種のおかげです。ホクホクでありながら、しっとり系の良さも持っていて食べ易く、甘味も十分ある品種です。
(写真は志帆ちゃんの自撮り)
そもそもメインの作物は「玉ねぎ」。お盆明けには玉ねぎの作付けに取りかからなくてはいけないのです。ただ春からお盆までは畑が空いています。そこでそこをる埋めてくれる作物を検討したところ「紅高系」のカンショが浮かび上がったという訳です。
「紅高系」は高知で開発された品種なので「高系」と名付けられ、「高系14号」が一般的な品種名です。大きくなることと早堀りができることが特徴です。
(写真は志帆ちゃんの自撮り)
※前から生産者の鈴木さん・営農の大久保さん・広報の山田さん。
収穫体験の時にトラクター初体験をしました。トラクターの後部に掘り出し用の金属部品があり、それを下げてから「クラッチ」を操作して動かします。シフト車時代を思い出させる「クラッチ」という言葉でした。
真っ直ぐ走らないと掘られる芋が傷ついてしまうので気をつけて欲しい、と言われたので気をつけるのですが、砂地でハンドルが取られてしまい真っ直ぐ進みません。万が一傷つけたら商品価値がなくなると思うと、想像以上に緊張しました。
2畝体験させてもらいました。
(写真はJAとぴあ浜松の山田さん撮影)
《おいしいをつくりましょ。》 作って下さったのは、
JAとぴあ浜松女性部の加藤さん・大野さん・古橋さん
「さつま芋ご飯」と「レアスウィートポテト」
「さつま芋ご飯」は芋を皮付きのまま1p角に切り、黒ずみ予防のため15分程水にさらしておきます。炊飯器に研いでしばらく水につけておいた米を入れ、昆布・酒・塩を加えて切った芋を均一に並べてスイッチオン。ふっくら炊けて美味しい。
「レアスウィートポテト」は電子レンジで加熱したサツマイモをつぶし、熱いうちにバニラアイスクリームを混ぜて冷やしたもの。それがまさにスウィートポテトなのでビックリ。2つ共最高でした。
−出荷前に測定「糖度検査用ハンディ光センサー」−
(撮影協力:JAおおいがわ広報 石川智浩さん)
取材先は焼津市の田中尊徳さんのハウス。お父さんの徳秀さんと一緒に栽培しています。栽培されているのは<アールス系>品種のマスクメロン。日本で高級メロンとして売られているマスクメロンのほとんどはこれに当たります。
通路に丸いプチプチしたモノが散らばっているので、何かと尋ねましたら「有機質の肥料」とのこと。何故通路にと重ねて尋ねましたら「根が伸びて広く張ってきているので、根元ではなく通路にまく」そうです。伸びた先端部分の吸収力が大事だからですね。
因みに有機肥料はそのままの状態では植物が吸収することができません。土の中の微生物が有機物を分解することではじめて植物の根から吸収される状態になるのだそうです。
静岡県内の他産地と同様、ひと株に一個のメロンを育てます。当然複数の実がなりますが、品質の高いメロンを作るため 一番良い実だけを残し他は摘果してしまうんですね。
摘果したメロンは「子メロン漬け」用に出荷するので無駄は出ないというわけです。私が始めて味わった40数年前は余り知られていなかった「子メロン漬け」も、今は静岡県内のファンが多くなりましたよね。ただ摘果時季は短く販売期間も短いのでマーケットで出会ったらすぐ買わないと店頭から消えていきます。
(写真は佳那ちゃんの自撮り)
※佳那ちゃんの直ぐ後から生産者の田中さん・田中さんのお父さん・その後左側が営農の佐野さん。
メロンの糖度検査用のハンディ光センサーが素晴らしいと思いました。生産者の出荷段階で糖度が測れるのは便利ですね。
思い付きから二人のの頭部糖度を測ってみました。結果、
・私は「糖度25.1、硬度9.83」
・佳那ちゃんは「糖度22.3、硬度7.44」
比較すると私は頭は硬くて中身が甘々だということが判明しました(^_^;) メロン基準ですけどね(^_^)
(写真はJAおおいがわ石川さん撮影)
メロンは食べる2〜3時間前に冷蔵庫に入れて冷やしてから食べるのがおススメだそうです。買ってきてそのまま冷蔵庫に入れてしまうのは厳禁。
メロンには“食べ頃の目安日”が記されていますが、これは目安日までは常温(20〜25℃)で、直射日光の当たらない所で追熟させるのが大事。冷蔵庫に入れっぱなしだと誤差が生じるので厳禁なんですね。
味? 最高でした!
(写真はJAおおいがわ石川さん撮影)
−地域農業を盛り上げる「函南あぐりーず」結成−
今回の取材先は、函南町の芹澤英直さん・遼太郎さん親子のトウモロコシ畑。
作っている品種は「ゴールドラッシュ」と「甘々娘」。
取材したのは「ゴールドラッシュ」でした。近年非常に増えている感のある品種です。実の色は文字通りゴールドで、皮を剥いた時緑色の中から金色が見えた時の感動はなかなかのものがあります。
収穫は3週間前の掛川市の場合と同じように、日の出前の朝4時〜4時半には始まり夜のうちに蓄えられた糖分を光合成で消費されないうちに行われます。
志帆ちゃんが20代の遼太郎さんに「朝早いのは辛くないですか?」と訪ねたら、「辛いです」と素直な答えが返ってきました。
(写真は志帆ちゃん撮影)
函南町の若手農業者を中心に、地域農業を盛り上げる「函南あぐりーず」という販促チームが結成されました。今回の営農担当として出演された塩谷昌英さんがチーム発足の提案者。2年掛かり実現させたそうです。実行力ありますね。
いろいろなイベントに出向いて生産品のPRを行うほか、スーパーや飲食店などとも連携を図って地元農産物の魅力を発信しようと努力なさっています。
(写真は志帆ちゃんの自撮り)
《おいしいをつくりましょ。》
JA三島函南の土原さんと木下さんが二品を。まずは、
「トウモロコシと鶏むね肉のさっぱり炒め」
フライパンで火が通るまで焼いた一口大の鶏むね肉に生姜とそぎ切りにしたトウモロコシを加え2分ほど炒めます。そこにやはり一口大のキュウリとパプリカを加え、鶏ガラスープの素・塩・こしょう・酒・水を合わせたタレをかけて、キュウリが色鮮やかになるまで炒めて完成。トウモロコシの甘さとしょうがのコラボは絶品。
「トウモロコシの炊き込みご飯」
これがまた絶品。焼きトウモロコシ2本をそぎ切りにして実と芯に分け、炊飯器のお米の上にトウモロコシの実を敷き、その上に真ん中で切った4つの芯を乗せてスイッチオン。炊きあがったらふたを開け芯を取ってからバターを60gと醤油を少々入れて溶かし混ぜ完成。
炊きあがったご飯からは焼きトウモロコシの香ばしい香りと、バターの風味が舞い上がります。美味しくないわけがない!
「おかわり」必須の美味しさでした。
−《枝豆食べ比べセット》が楽しみ− (写真提供:JAなんすん広報 大嶋知美さん)
今回の取材先は、沼津市井出地区の井出紀好さんの枝豆畑。梅雨時でもあり、雨の止み間をぬってのロケとなりました。
この地域では二種類の枝豆を栽培しています。出荷時期が違う品種で香りや味わいも異なるので、味の違いを楽しんだり、期間も長く楽しめるというわけです。
現在出荷時期を迎えているのは「月夜音(つきよね)」と呼ばれる品種。6月中旬から出荷されています。もう一つが「湯あがり娘」という品種で、こちらは7月中旬からの出荷になります。
「月夜音」は我々が一番親しんでいる枝豆。ビールに欠かせないおつまみです。「湯あがり娘」は大粒で香りが高い品種ということで、「茶豆のような風味と芳醇な香り」と説明されています。
食べ比べてみたいと思いましたが、なんせ「湯あがり娘」は7月中旬からの出荷。無理でした。
井出さんも所属するJAなんすん枝豆部会では7月中旬以降
《枝豆食べ比べセット》をネットを含めて販売します。
「月夜音」「湯あがり娘」3袋ずつのセットだそうです。
《枝豆食べ比べセット》は良いアイディアだなと思いました。
こうした販売戦略で認知度を高めると同時に販売収益の増加を目指す姿勢が良いと感じました。
収益が見込めなければ後継者も育ちません。
収穫作業は早朝。井出さんは午前4時から4時半には収穫に入るそうです。トウモロコシなどと同じで、光合成が始まると夜間溜まった甘味が消費されるのでその前に収穫してしまうというわけです。
(写真は佳那ちゃんの自撮り)
《おいしいをつくりましょ。》は
「えだまめのかき揚げ」
作って下さったのは枝豆部会の奥様4人。作り方はシンプルそのもの。茹でた枝豆とスライスした玉ねぎを天ぷらの衣に絡めて揚げるだけ。
でもだからこそ美味しい!心底ビールが欲しいと思いました(笑)
枝豆を茹でる時は少しかために茹でるのかキモ。
最終的には揚げることでさらに加熱されますものね。
−トウガンの受粉作業の適時間は午前10時頃−
今回の取材先は、浜松市西区の増田真一さんのトウガン畑。葉と同化してパッと見た目にはどこに生っているのかと思ってしまいますが、穫り時のものから成長途中の物までたくさんありました。
トウガンは受粉してから4週間で収穫出来るそうです。成長が早いですね。
それだけ成長が早いため収穫適期には1日の違いが大きく影響するので、雨の日も収穫作業をするそうです。
左の写真の左側が雄花、右側が雌花です。花の中の雄しべ雌しべの形ではっきり区別できますね。さらに雌花は花の下にトウガンの実の赤ちゃんを持っていて、受粉するとそれが成長し始めるのだということでした。たまたまミツバチが来て写真に収まりました。
トウガンの実の赤ちゃんの写真を見ると分かると思いますが、実にも茎にもかなりの産毛があります。収穫された実にも産毛は残っています。産毛は出荷段階で綺麗に取ります。産毛と書きましたが、結構チクチクするので作業に園芸手袋は欠かせません。
受粉ですが、ハチの活動が始まらないうちは人間の手作業になります。そして受粉が成功しやすい時間帯があるんだそうです。
トウガンの場合、午前10時頃が受粉作業の適時間。因みに増田さんがもう一つ手掛けているカボチャはもう少し早くて午前8時頃とおっしゃっていました。
統計的なものがちゃんとあるそうです。
《おいしいをつくりましょ。》は
「トウガンを使ったカレースープ」
生産者の増田さんとJA営農の井上さんが作って下さいました。男性二人が料理担当。増田さんはちょくちょく料理なさるそうですし、井上さんは野菜ソムリエでもあります。
出来映えは、なかなかのもの。トウガンそのものがクセが無いので、カレースープの食味や風味を損なうこと無く素直な具としての役割を見事に演じていました。
男性だけの料理も、これはこれで新鮮で良いなと思いました。
−トウモロコシの芯を捨ててはもったいない−
今回の取材先は、掛川市の熊谷 健さん・千晴さん御夫妻のトウモロコシ畑。大雨予報の中、取材中は雨が止んでくれたという奇跡的な取材になりました。御夫妻の天気運のおかげかもしれません。
掛川ではトウモロコシの個人栽培はありましたが、何軒かが集まり「ゴールドラッシュ」という品種に絞って栽培を始めたのは5年前。農産物として本格的に取り組み始めてからまだ日は浅いということです。
トウモロコシ畑を拝見して驚いたのは、畝の間に水が溜まっていること。何回かトウモロコシ畑を取材していますが、水が溜まっているのを見るのは初めてでした。
熊谷さんは「いろんな作り方があると思うけど、私は水をタップリやりたい。その方が粒の瑞々しさが増すような気がする」とおっしゃっていました。
熊谷さん同じ土地を水田として使い稲作をするシーズンもあるそうで、春夏は「稲作」と「トウモロコシ栽培」を交互に回していき、毎年秋冬は同じ場所で「レタス」を栽培しています。
トウモロコシの収穫はとにかく朝が早い。この日も午前4時からの収穫だったそうです。夜になって光合成が終わってから昼間作られた糖分を実に貯え、太陽が昇ってからはその糖分を消費するので、日が昇る前の「朝採り」が一番甘くて 美味しいというわけですね。
《おいしいをつくりましょ。》は
「トウモロコシの冷製スープ」
茹でたトウモロコシの実を包丁でそぎ落とし、芯の部分をナベで煮て出汁を取ります。そして実と牛乳と出汁を一緒にミキサーにかけスープ状に。それを鍋に移して温めながらコンソメと塩こしょうで味を調えたものをひと煮立ちさせ、粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やして完成。
キモは芯を煮て作った「出汁」。芯にもトウモロコシの美味しさが詰まっているので捨てるのはもったいないとのことでした。
−コンビニ経営者から農家へ転身−
取材先は、掛川市千浜にある佐々木敦史さんのイチゴハウス。と言っても今回の取材対象はイチゴでは無く、佐々木さんその人。
佐々木さんは農家を始めて9年ですが、その前に関西でコンビニをおよそ10年経営されていたそうです。
野菜や果物を育てる農業そのものにも興味はあったのですが、人を育てることにも興味があり、それまでの「経営」のノウハウを活かして新規就農者(ニューファーマー)を増やしたいと飛び込んだと語っていらっしゃいます。
イチゴの品評会で農林水産大臣賞を、2018年と2019年の2年連続で受賞した佐々木さん。
現在は新規就農支援隊ということで、農林事務所などの協力のもと経営セミナーを行っているそうです。品評会での実績は大きな後ろ盾ですね。
セミナーでしゃべり慣れていらっしゃるからでしょうか。とてもスムーズに答えて下さいました。
佐々木さんの経営の特徴の中の1つに「スタッフの働く環境づくり」というものがあり、各種作業の負担軽減のため各人の体格に合わせた台車が用意され、収穫作業などに大活躍しています。
この台車にはパラソルが付けられるので日差しを遮ることが出来、日焼けも防止できます。
ハウスでも直射日光は届きますからね。直射日光は体力も消耗させます。
またニューファーマーの初期投資を抑えるために、新規就農支援隊の活動の一環として使われなくなった農機具や中古機械・資材の情報を発信して就農しやすい環境作りを整えるようにしているそうです。
全く違う世界から農業に飛び込む勇気と、違う世界にいたからこそ見えてくるもの…それが新しい農業の形を生み出していくかもしれない。そんな期待を感じさせる佐々木さんの素敵な姿勢がありました。
転身の理由を伺うと「コンビニの世界でやりたいことは一応やり尽くしたんです」とのこと。
そう言えちゃうのは凄いな、と思いました。
−和紅茶は、お湯も良いけど「水出し」もオススメ−
取材先は、静岡市清水区の村上博紀さんの茶畑。新東名と清水ジャンクションが一望できる見晴らしの良い圃場でした。
ご存じの方も多いとは思いますが「緑茶」と「紅茶」は同じお茶の木。違いは製法で、刈り取ってすぐお茶にするのが「緑茶」、発酵をさせたものが「紅茶」や「ウーロン茶」など。
茶葉にはもともと酵素が含まれており、その酵素の働きによって収穫後にすぐ発酵し始めます。
その酵素による発酵の進め具合で三種類に分けられ
「不発酵茶」…緑茶
「半発酵茶」…ウーロン茶
「完全発酵茶」…紅茶
だから緑茶にするには鮮度が大事になってくるんですね。
村上さんを始め和紅茶生産者の皆さんは、「水出し紅茶」を勧めていらっしゃいます。
水出し方法のお勧めは、紅茶葉に水を注ぎ一晩冷蔵庫でゆっくり出すのが良いそうです。「緑茶」とほぼ同じですよね。「緑茶よりは少し時間が長めにかかるかな」ともおっしゃっていました。
(写真はご出演の皆さんとJA広報の方)
緑茶もそうですが、新茶、二番茶、三番茶、秋冬番茶では香りや味が違います。村上さんは、「春摘み」「夏摘み」「秋摘み」の三種類に分けています。
香りや味の違いが分かるか不安でしたが、試飲の結果
春摘み…まろやか、渋みほとんど無い、甘味もある
夏摘み…香りが高い、深みが出てくる
秋摘み…良い意味で「渋み」がありこれが好きな人も多いはず
それぞれに特徴があって、気分や体調によって飲みたくなるものが変わってくるような気がしました。
《おいしいをつくりましょ》は
「紅茶と抹茶のかき氷」
どちらも牛乳と練乳と紅茶(or抹茶)の粉を混ぜて凍らせて削ったもの。
二つともフワフワ感一杯で、口に入るとすぐ溶けていきます。それぞれの茶の味が損なわれること無く、でも後味爽やかなかき氷でした。
−静岡水わさびの伝統栽培は「世界農業遺産」と「日本農業遺産」に認定−
取材先は伊豆市の塩谷淳さんのワサビ田。中伊豆の清冽な水に育まれた品質の高いワサビが栽培されています。周年栽培(年間通じて栽培)で植えてから1年〜1年半で収穫します。
水温は1年を通して13度〜15度、井戸水とほぼ同じです。
ワサビをおろすのは「サメ皮」が有名ですが、今は専用のおろし金があります。その名も「サメ吉」。
右の一般的なおろし金とは違い、おろし金の「目」が一方方向では無くいろいろな方向を向いてつけられているので、円を描くようにきめ細かくおろすのに最適です。
因みにおろしたワサビの味は突ん抜ける辛さでした。
中伊豆で明治時代から伝わるわさび田の作り方は「畳石(たたみいし)式」と呼ばれ、地盤を掘り下げ大きな石から小さな石の順に敷き詰め、表面に砂をのせてあります。
これにより、わさびの根に常に新鮮な水が均一に流れ品質の高いわさびができる栽培システムになっています。
この静岡水わさびの伝統栽培が平成29年に「世界農業遺産」と「日本農業遺産」に認定されました。
《おいしいをつくりましょ》は
「ワサビパスタ」
しめじをレンジで3分加熱。そこにすりおろしたワサビとバター、しょう油と少量の塩を加えてかき混ぜ、ゆであがったパスタを和えていきます。
最後にワサビの茎と削り節をトッピングすれば完成。程良い辛さになり絶品でした。
−遠州夢咲のお茶はコクのある深蒸し茶−
今回は新型コロナウイルスの影響で「ごちそうカントリー」始まって以来初めてのスタジオ収録となりました。
JA遠州夢咲の河原崎繁さん、松浦あやかさん、鈴木小百合さんにDaiichi-TVのスタジオにお越し頂き、お話を伺いました。
菊川市の菊川エリアや小笠エリア、旧浜岡町の御前崎エリア、旧大東町の大城エリアを合わせて「遠州夢咲のお茶」と呼ぶそうです。
遠州夢咲のお茶は「深蒸し茶」です。深蒸し茶は普通の煎茶よりも長い時間をかけて茶葉を蒸して作っているので味も色も濃くて、苦みや渋みが少ないまろやかなお茶が特徴です。
今年はここ最近では一番いい出来だそうで、甘いお出汁のようなコクのある期待通りの新茶でした。試飲に心奪われて写真を撮り忘れてしまいました(^_^;)
《おいしいをつくりましょ》は鈴木小百合さんの担当
「お茶を使ったマグカップ蒸しパン」
蒸しパンの素に粉末茶を混ぜて生地を作り、電子レンジで加熱するだけのシンプルな作り方。子供も楽しみながら安全に作れる料理で、ステイホームで自宅時間が長くなっている今素敵な提案だと思いました。
佳那ちゃんの手元自撮りです。
前回から調理シーンではマスクを着用しての収録になっています。左はマスクをしたスタジオでの写真です。二人とも使い捨てではなく、手作り布マスクを着用しています。
これも佳那ちゃんが自撮りしてくれました。
ロケで一番気になるのは天候です。収録日は抜けるような青空。スタジオ収録がもったいないような天気でした。Daiichi-TVの屋上で番組告知スポットなどを収録した時の写真です。
これも佳那ちゃんの自撮り。
「静岡第一テレビ」と書かれた鉄塔が見られるのは現在建築中の新社屋完成迄です。
−ぬまづ茶は「JGAP認証」を取得しました−
取材先は沼津市宮本の小野典也さんの茶園。小野さんは先代も含めて皇室献上茶に選ばれたり、全国の品評会においても好成績を収める実力の生産者。
「ぬまづ茶」は、沼津市内だけでも25軒以上の工場があって、それぞれ煎茶・深蒸し・浅蒸し・ぐり茶などいろいろなお茶を生産しています。品種も「やぶきた」「さえみどり」「つゆひかり」「さやまかおり」「めいりょく」など様々なお茶を栽培されているので、これが「ぬまづ茶」と呼べるものは無いのだそうです。
「ぬまづ茶」は今年「JGAP認証」を取得しました。「GAP(ギャップ)」というは、
・適正な(GOOD)
・農業の(AGRICULTURAL)
・実践(PRACTICES)
を意味し、「JGAP「は、「一般財団法人 日本GAP協会」がこれを認証するものなんです。
151の農場と 25の荒茶工場をまとめ上げて「JAなんすん沼津茶GAP研究会」を立ち上げ、一括で「JGAP団体認証」を取得、国内では最大規模となる「JGAP認証」だそうです。
「JGAP認証」は食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる認証。農業活動の環境に対する影響や従事する人間にとっての安全管理や労務体制なの取り組みが評価されるもので、取得したこれからが大変なのだとおっしゃっていました。
信頼感は増しますよね。
《おいしいをつくりましょ》は
「茶香水餃子」と「お茶きなこ」
強力粉に粉末茶を混ぜたものを餃子の皮にして餡を包んで水餃子、というシンプルな水餃子作りをしました。「お茶の香り」が活きた仕上がりとなり、お茶は工夫次第でいろいろな料理に使えると改めて思いました。
また粉末茶とハチミツを混ぜてこね、小指くらいの太さにまとめて〈きなこ〉をまぶした「お茶きなこ」も素朴な味で美味しくいただきました。
−ニューサマーオレンジは1年近く木にならしておく−
取材先は伊豆稲取の内山國治さんの畑。ニューサマーオレンジという名前は伊豆での呼び方。宮崎県では「日向夏」高知県では「土佐小夏」と言います。
ニューサマーオレンジは4月に花が咲いて5月に実を結ぶというのは普通のミカンと同じですが、収穫するのは翌年の4月中旬〜6月に収穫。1年近く木にならしておくのだそうです。
ニューサマーオレンジは、普通のミカンのように手で剥かないで、包丁でリンゴのように剥いて皮の下の白いわたのような部分を残すようにします。
その後スマイルカットなどで食べるわけですが、この白いわたのような部分が甘くて、実の爽やかさにさらに美味しさを重ねてくれます。
《おいしいをつくりましょ》
「ニューサマーオレンジのゼリー」
果汁を搾って、サイダーと合わせて加熱しゼラチンを加えて、ニューサマーオレンジの皮部分を器にして冷蔵庫で冷やし固めて完成。
ニューサマーオレンジの風味がそのまま活かされていて爽やかなゼリーに仕上がりました。サイダーがポイントだとおっしゃっていました。
稲取で特筆すべきは、稲取漁港直売所「こらっしぇ」。こらっしぇとは「どうぞいらして下さい」というような意味の土地の言葉。伊豆漁協とJA伊豆太陽が連携してやっている農産物と海産物両方を扱っている珍しい直売所です。
−久能葉しょうがの収穫は午前4時前から−
取材先は静岡市久能の松下隆彦さんのハウス。葉しょうがは気温37度〜40度、湿度85%〜90%の高温多湿の環境を好む植物です。
収穫作業は午前4時前から始まります。夜が明けて太陽が顔を出すとハウスの中の気温が一気に上がっていきます。そうなると人間にとっては過酷な状態になるため午前6時頃には収穫作業を終えていなくてはなりません。
そして収穫後は根茎に付いている細かいヒゲ根を、手作業で根気よく取り除いていきます。下の葉はある程度取り除きますが、葉しょうがという名前ですので上の葉は残します。そして洗浄後、規定グラム数で束ね箱詰め。午後3時過ぎまで作業が続きます。
一般的なショウガは“根生姜”と言われ、土の中で大きくなる“根茎部分”を食用としていて、主に 薬味や香辛料として使われます。
今回の主役「葉しょうが」は、根茎が小指程度に成長した段階で、葉が付いたまま 早どりしたものを言います。そのものを野菜として食べるところが違います。
理想の形が「ツバメ形」。中心の根茎から左右均等に根茎が分かれて伸びたもので、ツバメに例えてそう呼んでいるそうです。
《おいしいをつくりましょ》
皆さんと仲良くバーベキューになりました。
バーベキューで肉など脂っこいものを食べた後、葉しょうがを食べると口の中がスッキリして、バーベキュー全体を非常に爽やかなものにします。
脂っこいものと葉しょうがの組み合わせが、新しい形のバーベキュー提案になるのではないかということで、今回のごちそうカントリーは調理というより「バーベキュー大会」になりました。
葉しょうがを使ったジンジャージュースも美味しかった!
−トルコギキョウはリンドウ科− (写真協力:JA富士市広報 望月 綾さん)
取材先は富士市伝法の渡邉勇暁(ユウア)さんのハウス。トルコギキョウはトルコキキョウとも言い、どちらも間違いでは無いとのことです。
渡邉さんは、現在25歳。千葉大学園芸学部を卒業して就農し今年3年目。大学時代はまさに「トルコギキョウ」を学び研究していたそうです。
実家がトルコギキョウを栽培しているのが大きな動機になったそうですが、実践してみると思いがけない壁にぶち当たり、お父さんの教えを仰ぐこともあったそうです。
お父さんは需要に応えるため花の質と量を揃える栽培法。自分は品質や花色など、もうちょっと差別化したものを作りたいと努力しているそうです。もちろんベースにお父さんの安定生産があってのこととおっしゃいます。
珍しい茶色のトルコギキョウがありました。もともと野生種は一重の花なのですが、今は結婚式などで多く使われる八重咲きが主流のようです。品種改良の凄さを感じます。まるでバラのような花ですね。
トルコギキョウは、つぼみ段階での出荷ではなく、花が大きく開いてから出荷します。観光葬祭での需要が多いせいもあって、飾った段階で既に開いていることが大事なのだそうです。花保ちが良いのも、花が開いてから出荷出来る大きな要因です。
《フラワーアレンジメント》
富士市瓜島町「花のむらせ」の村瀬将之さんに教わりました。ブーケのようなアレンジメントというのがテーマでした。
他の先生もそうなのですが、「とにかく自分の感性で…」とおっしゃるので難しかったのは言うまでもありません。でも写真で分かるとおり、楽しさ満載の体験であったことは間違いありません。
ところでトルコギキョウは植物学上の分類ではリンドウの仲間です。ではなぜ「トルコキキョウ」というのか?これがいくら調べても判然としません。
私が個人的に納得出来る説は…
《昭和の初めに「リシアンサス」という名前で紫の品種が日本に入ってきたが、当時の日本では浸透しにくい名前ということで紫色の花で日本人になじみの「ききょう」と付けたのではないか》
でした。
−仕切り壁のない「フリーバーン式」牛舎で美味しい牛乳を−
取材先は函南町丹那の神尾亮太郎さんの牧場。搾乳牛は140頭位で、妊娠中と子牛を入れると250頭飼育しています。
搾ったばかりの生乳は栄養成分が多いので、時間が経つにつれ細菌が増え、酸化し、風味が劣化してしまいます。短時間で生乳を工場に運ぶことができれば、雑菌の少ない良質な生乳を加工できるということになります。
神尾さんの牧場を始め、生産農家と牛乳工場とがとても近い丹那の里は理想的な地区と言えます。
牛舎は牛にストレスを極力与えないように、という意図で仕切り壁のない「フリーバーン式」を採用しています。牛は繋がれることなく自由に動くことができるので、美味しい牛乳につながっているという訳ですね。
牛舎も常に清潔で風通しの良い状態が保たれています。
《おいしいをつくりましょ》は、
「丹那牛乳を使った春キャベツのミルクスープ」
酪農王国オラッチェ・スタッフの渡辺聡さんに作って頂きました。
フライパンで春キャベツ・タマネギ・ベーコン・バターを焦げないように炒め、水を加えて沸騰したら牛乳を入れて中火で沸騰させて完成。何ともさわやかで軽やかなスープでした。
2年担当してくれた臼井佑奈ANは今回のロケで番組卒業しました。臼井ANは「ごちそうカントリー」はとても勉強になった番組です、と言ってくれました。嬉しいですね。
後任は澤井志帆ANです。
−親竹は5年で役割終了− (写真協力:JA富士宮広報 大塩里沙さん)
取材先は富士宮市内房の望月信廣さんの竹林。3年目で収穫、1年休ませて、5年目で2回目収穫。そこで伐採というサイクルだそうです。
素朴な疑問はもっと長い間収穫出来るのでは? ということ。
実は7年目でも収穫出来ますが、収量はその竹の一生のうちに出るタケノコの1割ほどだそうです。それで世代交代させるんですね。
アクが少なくてシャキシャキとしたおいしいタケノコ。
この辺りの土は赤土なので保温や保水効果が優れていてそれがタケノコ栽培に合っているようです。内房たけのこは江戸時代末期に、防災と産物奨励のため伊豆から3本の親竹を移植したのが始まりだそうです。
竹に色テープが巻かれていますよね。
いつ竹になったか分かるように印をつけているのです。伐採と収穫の目安にしているそうです。
《おいしいをつくりましょ》は、
「たけのこステーキ」
タケノコは根元に近い部分を1センチ程の輪切りにしてオリーブオイルを使ってフライパンで焼きます。味付けはしょう油とバターだけ。そのシンプルさがタケノコの美味しさをより引き出してくれていました。
その他、「タケノコご飯」・「タケノコ刺身」・「タケノコメンマ」・「ひめかわ汁」などたくさん作って下さいました。
季節の味だ!
−飼料作りから繁殖・飼育すべてを自分の手で− (写真協力:JA遠州中央広報 内藤真紀さん)
取材先は磐田市見付の野島泰雄さんの牛舎。静岡県のブランド牛「静岡そだち」の認定農場で、全部で約180頭の牛の飼育をしています。雌牛が「静岡そだち」、雄牛は「静岡県産和牛」として出荷されています。
野島さんは繁殖農家でもあります。肉牛農家全体の中でも繁殖農家は1割位じゃないかということです。
何故そんなに少ないのかというと、一言でいえば手間が掛かるからという事だそうです。では何故野島さんが手掛けるのかというと
・品質の高い肉牛を育てる
・質の高い親牛を残す…のが目的。
自分のところで産ませて育てるということは、血統が把握できるということに尽きるそうで、手間は掛かるけど繁殖から手掛ければ、質のいい親、またその牛から生まれた仔牛のことが全て分かるから、血統のいい肉牛を代々続けさせるとが可能になる、ということでした。
タイトルにも書きましたが、堆肥作り飼料作りから肉牛の飼育、繁殖、すべて自然の循環の中で営みとしてやっていて、自分の飼育場である程度完結したいという希望があると仰っていました。
出産の近い母牛は、牛舎外の柵の中で出来るだけストレスの無いよう生活させるという気遣いも見ていて素晴らしい取り組みだと思いました。
《おいしいをつくりましょ》は、
「静岡そだちで作るカップライスサラダ」
透明プラスティックカップにご飯・塩こしょうして焼いた牛肉・パプリカ・カットサラダを層に重ねて盛り付けたもの。混ぜて食べますが、何と言っても「静岡そだち」のコクのある甘い味がすべてを包み込んで美味しく食べられました。イベントなどで出すそうです。
−生産者の仲の良さが素敵なバラを作り出す−
取材先は清水区承元寺の北川慎悟さんのハウス。静岡県のバラは全国2位の生産量を誇ります。清水に加え島田・藤枝・掛川も大きな産地。
北川さんのハウスでは6品種のバラを栽培。品種によって温度・湿度・CO2濃度・日射量など、色々な調整が必要ということです。
病気に弱い品種は湿度のコントロール、日差しが強いと花の色が変わってしまったりするので日差しの調整が必要とのこと。
経験や勘に頼っていた時代と違って、今はコンピュータを使った「環境管理システム」で遠隔操作も含め省力化を図ると同時に、品質の高いバラを栽培しているそうです。
ただそうは言いながらも、長年の経験から得るノウハウが環境管理システムの基本データになっていることは間違いないので、やっぱり最終的には人の努力と英智が大事なんですね。
静岡県花卉園芸組合連合会ばら部会は、非常に仲の良い部会で勉強会やお互いの圃場見学にも積極的で、情報の共有なども気持ちよくスムーズに行われているそうです。
より品質の高いバラが生産出荷されるだろう事は期待出来ますね。
《フラワーアレンジメント》
静岡市葵区鷹匠「フローラ45」の畑中丈昭さんに教わりました。
自由な発想で自分のしたい方向で思うがままに作っていく
…難しいのなんの。
結局畑中先生のアドバイスが作品を作り上げたと言っても過言ではありません。
−麦は大麦・小麦・ライ麦・エン麦の4種に分類される−
取材先は西伊豆町宇久須の藤井文憲さんの畑。イネ科の穀物“麦”は 世界で一番多く作られ、最も古くから栽培されている穀物。大麦・小麦・ライ麦・エン麦(ばく)の4種類に分類されます。大麦も実のなり方などから、二条大麦・六条大麦などに分類され、更に細かく 皮麦、裸麦 などに分類されていきます。
西伊豆の「花麦」は、「大麦」の中の「六条麦」の「はだか麦」で、緑の若い穂を主に観賞用として出荷します。
【二条・六条とは?】
穂の形状の違いから 二条、四条、六条…とかいわれ、麦穂が縦に2列に実るのが「二条麦」、6列に実るのが「六条麦」です。
【皮麦・はだか麦とは?】
実を包む「頴(えい…米のもみ殻に当る皮)」が取れにくいものを「皮麦」取れやすいモノを「はだか麦」といいます。
ビールや麦焼酎の原料として主に使われているのが「二条大麦の皮麦」。
味噌など発酵食品の原料として主に使われているのが「六条大麦のはだか麦」
この時季の春の花と合わせたフラワーアレンジや、結婚式のブーケなどにも人気がありますが、「桃の節句の飾り花」としての人気が非常に高いことでも知られています。
ですので出荷は3月3日迄が勝負だそうです。
畑で花麦の「花」を見つけました。やっぱりイネ科ですね。米と同じように雄しべが頴(えい)の外に出ています。実が入るのはこれからなんですね。主に出荷されるのは実に入っていない状態の時です。
《おいしいをつくりましょ》は
「花麦を使った麦茶と花麦ご飯」
実(米で言う玄米)をフライパンで焦がさない・はぜない程度に木べらでかき混ぜながらあめ色になるまで20分ほど炒ってから冷ます。それを沸騰した湯に入れて10分煮出して「麦茶」の完成。
茶殻を炊飯器のお米の上に置いて均(なら)し、普通に炊くと「花麦ご飯」の完成。
「麦茶」は飲み慣れた物よりマイルドな感じ。「花麦ご飯」は煮出した後なのに香りが高くプチプチという噛み応えもありました。収録後に作って下さった「花麦ご飯おむすび」の美味しかったこと!
食用として流通して欲しいなと思いました。
−受粉用のミツバチも自分の手で育てる− (写真協力:JA伊豆の国広報 山下りえさん)
取材先は伊豆の国市北江間の遠藤誠さんのハウス。「きらぴ香」は平成8年から17年間9回の交配を積み重ねて累計28万株の中から選ばれた優秀な品種。本当に安定した味になりました。
遠藤さんは去年12月に行われた「第30回静岡県いちご果実品評会」で金賞(1席 農林水産大臣賞)を受賞した方です。
遠藤さんは14年前の暴風雨で大きな被害を受けましたが、その時伊豆の国の生産者仲間の皆さんが苗を分けてくれたりして助けてくれたそうです。それに感謝すると同時に恩返しのつもりで頑張ってきた…、それが受賞につながったと思うと仰っていました。
受粉のためにミツバチを利用していますが、一般的な購入ミツバチではなく遠藤さんが(登録申請をして)育てたミツバチだそうです。
ミツバチの生態を知ることでより効率的な受粉方法などを研究することが出来ると仰っていました。
《おいしいをつくりましょ》は
「きらぴ香を使った混ぜるだけムース」
調理担当はJA伊豆の国女性部の飯田美和子さん。
ミキサーに「きらぴ香」と砂糖・レモン汁を入れてなめらかになるまで回し、「きらぴ香」自体もトッピング。口溶けなめらか美味しいムースに仕上がりました。
子供たちも一緒に家族で作ると良いですね。
【箸上げ・スプーン上げ】
撮影の裏側の話題を一つ。料理の試食のシーンで欠かせないのが「箸上げ・スプーン上げ」。口に入れる・咀嚼する・感想をしゃべる、一連の流れの中でまさに食べようとする料理のアップは、見ている人が味を想像するために欠かせない画像です。この番組で「箸上げ・スプーン上げ」を担当しているのが誰あろう鳥越・臼井の両女性アナ。
ドアップですから少しの揺れも大きく感じられます。出来るだけ震えないで保持することがとても難しい。歴代の女性アナは皆安定感抜群の人ばかりです。凄い!
−静岡と長野の産地リレーで安定した供給システム−
取材先は浜松市の西久保武揚さんのハウス。一般には「セロリ」として知られる野菜。元々は英語やフランス語の“celery”だそうで、日本語読みにして、無理やりカタカナで表記する時に「セロリ」の方が言いやすかった…ということらしいです。
農林水産省の野菜の区分でも“セルリー”となっていて、産地の生産者は昔から「セルリー」と言っていたんだそうです。
国内の セルリーの主な産地は、静岡と長野。この2県で、全体の6割以上を生産。年間の総生産量は 長野が群を抜いて多いのですが、冬から春にかけて…つまり冬場の生産量は長野が作っていないため、静岡が日本一多くなるのだそうです。
長野が冬場の栽培をしないのは雪の降る栽培環境や扱っている品種等が理由。それぞれ得意な時期を活かして、長野は「夏場担当」、静岡は「冬場担当」という「産地リレー」をしているんだそうです。
ライバル関係にあるはずの他県の産地、長野と静岡は情報交換や交流会を通じて連携を計っている…何か良い関係ですね。
今回の驚きは「セルリーの種」でした。
写真の中の大きい1個は「ホウレン草の種」、周りにある小さいものが「セルリーの種」です。1mmちょっとしかありません。これが1.5Kg〜2Kgにまで成長するんですから凄い!
西久保さん曰く「野菜の中の《肥大率》は恐らくトップクラスです」。
そうでしょうね。
《おいしいをつくりましょ》は
「セルリーのきんぴらと葉テンプラ(かき揚げ)」
調理担当はJAとぴあ浜松の大谷てる子さん(野菜ソムリエ)と山本一樹さん(食育ソムリエ)のお二人。
きんぴらはもちろん美味しいのですが、個人的には葉テンプラ(かき揚げ)に注目。葉も併せて無駄なく美味しく食べる…最高でした。
−秋に植えた苗で翌年6月頃まで収穫 − (写真協力:JA富士市広報 望月 綾さん)
取材先は富士市水戸島の三浦光義さんのハウス。秋に植えた苗で11月下旬から翌年6月頃まで収穫しています。
何のことはなさそうですが、今ではこれが結構珍しい栽培法。今のキュウリ生産者の多くは、2月頃新しい株に植え替える二期作栽培なんだそうです。
1シーズン1株で通すのは以前は主流だったそうですが、病気や手間のかかり方などを考えると二期作の方が省力化出来るという話でした。
現在1シーズン1株方式は三浦さんと鈴木幹夫さんとの2軒だけ。お二人に二期作にしない理由を伺うと
@先人の技術や工夫を絶やしたくない
A二期作の植え替え期間にも供給できる
ということでした。
長く収穫できるようにするために、一斉に実がならないようにするんだそうです。株の状態を見ながら、順次良いキュウリが収穫出来るように摘花したり日照に合わせたハウスの工夫をしていく。手間のかかり方など二期作よりは難しい部分があるとおっしゃっていました。
《おいしいをつくりましょ》は
「ハウスキュウリと卵のオイスター炒め」
調理担当はJA富士市女性部の「こども食堂」落合恵子さん。
キュウリは柔らかくなりすぎないように、パリッとした食感は残しつつ炒めます。
最後にオイスターソースを絡めて軽く炒めて完成。
オイスターソースのお陰でコクのあるキュウリ炒めになりました。
−子供たちの未来を応援する「しみずみらい応援団」−
取材先は静岡市清水区の井上博一さんの圃場。はるみは清水区興津の「独立行政法人・果樹研究所」で「清見」と「ポンカン」を掛け合わせて誕生した、まさに清水生まれの柑橘です。ミカンとオレンジとキンカンの良さを絶妙に具現化した柑橘と言えるでしょう。
表皮は剥きやすく、果肉を包む薄皮(じょうのう)も薄く柔らかいため薄皮ごと抵抗なく食べられます。
はるみに含まれるβ-クリプトキサンチン・ビタミンC・シネフリン・ペクチン・クエン酸が含まれており
・活性酸素の抑制
・風邪予防
・整腸作用のある
・疲労回復
に期待できるとされています。
井上博一さんは新規就農者の応援にも携わっていて、現在神奈川県藤沢市から半年前に移住してきた渡辺遼平さんにはるみ栽培のノウハウを伝授しています。
元サラリーマンだった渡辺さんは「慣れない部分も多いけれど、本当に分かり易く丁寧に教えてもらっているのでありがたい」とおっしゃっていました。
お二人の素敵な関係が見え、はるみ同様さわやかな印象でした。
JAしみずでは昨年から「しみずみらい応援団」という活動をしています。
具体的には、JAしみずが農家から買い取った農産物を中間マージンを押さえた価格で応援団になって下さった消費者に直接販売。そして売り上げの一部を「あしなが育英会」へ寄付することで、子供たちの未来を応援しようという仕組み。
農家からは市場価格より高値で買い取り、中間マージンを抑えることによって応援団の皆さんには一般の小売価格より安く販売するという双方にメリットのある試みです。
応援団員になる方法ですが、対象商品を購入すると自動的に応援団員になるということです。
−機能性表示食品として認定された寿太郎みかん−
取材先は沼津市西浦平沢の真野高志さんの圃場。とは言いながら圃場にミカンはありません。特に今回対象の「西浦みかん寿太郎」は12月中に収穫し、貯蔵庫で寝かせて2月1日から出荷します。糖度も高いのですが、酸味も強いミカンなので一定期間貯蔵で酸味を飛ばし甘くて味の濃いみかんに仕上げるのです。
平成29年に「西浦みかん寿太郎」と「西浦みかん青島」は機能性表示食品として認定されました。骨の健康に役立つことが報告されています。
《おいしいをつくりましょ》は
「西浦みかん寿太郎とスペアリブのパエリア」
ミカンとパエリアの組み合わせはどうかと思いましたが、ミカンの爽やかさがスペアリブの脂をうまくコントロールしてくれてるのかな、という気がしました。
作って下さったのは、JAなんすんサラダクラブのみなさん。このクラブはJAなんすんの職員の方で構成され、農産物を使った料理をイベントなどでPR活動をしているそうです。 どんな調理法があるのかを含めてPRするのは、消費者としてはありがたいなと思いました。
−キャベツは成長が限界を超えると音を立ててはぜる−
取材先は焼津市の梅原利浩さんの圃場。加工キャベツ専用というわけではなく、2年稲作・1年加工キャベツの3年サイクルで栽培しています。
加工キャベツというのはスーパーなどに並ぶキャベツではなく、レストランやレストランなどに千切りにした製品を販売している加工業者向けのキャベツの事を言います。
我々がスーパーなどで購入するコールスローサラダにも使われています。
加工キャベツは一般的なキャベツと「モノ」としては全く同じ。ただ、加工業者が使いやすいキャベツを作るのです。
一番分かりやすいのが大きさ。家庭消費用は M、Lサイズ(1〜1.3kg)が中心だが、加工用は2kg前後の大玉で葉が密に詰まっているものを出荷するということです。
業務用の加工キャベツは、大玉を出荷するためギリギリまで待って収穫します。そのタイミングが難しく、頻繁に且つ慎重にチェック。理由は限界を超えるとはぜるのだそうです。
はぜる直前やはぜた時はミシミシ・ミリミリ・メリメリという音がするそうで、どんな音か聴いてみたいですね。
加工キャベツは「計画生産・計画出荷」。作る前から既に買取量が決まっています。年度頭に「これだけ必要だから これだけ作ってください」という要請に従って作る「契約栽培」という形が一般的です。
出荷もダンボールは使わず、コンテナで出荷します。経済的ですし、梱包時間の短縮にもなります。
最後にお邪魔したのは加工キャベツを利用している食堂「餃子の美幸(みさち)」。
その名の通り、丹念に手作りした美味しい餃子が評判の店です。
少し小ぶりの餃子は薄皮モチモチで餡が詰まった何個でも食べられる美味しさです。ちなみに標準の「餃子定食」一人前は10個でした。
−風よけに威力を発揮、緑肥「ソルゴー」− (写真撮影協力:JAとぴあ浜松広報 山田茂樹さん)
取材先は浜松市北区根洗町の松井鯉太郎さんの畑。プチヴェールは、ケールとメキャベツから誕生した野菜。メキャベツと同じように茎にポコポコ付いている。メキャベツが葉を巻いているのに対して、中心は少し巻いているが外側は花のように開いている。プチヴェールはメキャベツよりしっかり茎に付いている。
収穫体験ではメキャベツの時よりかなり力が要りました。
「プチヴェール」とは、フランス語で「小さな緑」を意味する名前。ビタミン、ミネラルにβ‐カロテンが沢山含まれていて、栄養バランスに優れた食材だそうです。
プチヴェールを囲むように植物が植えられています。何なのかを伺うと「ソルゴー」というイネ科の一年草で、モロコシの変種でもあるそうです。
松井さんの目的は防風のため。プチヴェールはメキャベツと同様に上の部分が重いため強風に弱く倒れやすいそうです。
興味を惹かれ、ソルゴーについて調べてみました。
@障壁栽培
周りにソルゴーを植えることで、害虫の天敵を誘引する栽培方法
A防風対策
文字通り風よけ
B牛の飼料用
牛は穀類以外に植物の繊維質が必要なので繊維質供給源として
C緑肥作物
連作障害予防と肥料にする目的で栽培し土にすきこむ
D穀物
アフリカや中国では米と一緒にお粥にしたり、麺やパンの原料に
日本では「たかきび」として食べられている
余談ですが「ももたろう」のきびだんごの原料といわれているそうです。
−ニンジン専用洗浄機がある−
取材先は三島市の箱根西麓にある山下幸宏さんの畑。三島人参は鮮やかなオレンジの色合いと味の濃さ、そして何より甘みが強いのが特徴です。
箱根西麓地域の土壌は 関東ローム層と言われる赤土でミネラル分が豊富に含まれています。
また標高50m以上で適度に傾斜がある地形は、水はけや日当たりが良く、標高が高い分 寒暖差も大きいので、高品質で美味しい様々な野菜が栽培できるそうです。
「人参専用洗浄機」があることにビックリでした。考えてみれば1本1本洗っていたんでは効率が悪いですし、手洗いなんて大変です。
かなりの量の人参を一気に入れます。黒くて丸いブラシが回転しながら洗浄していきます。それも結構なスピードでガシガシ洗っていきます。
傷つかないかな…と少し心配になりましたが、洗い上がった後の人参を見ても無傷でした。
それにしてもつややかなこと!
その美しさにしばし見とれました。
山下さんの「生でかじってみたら」の一言でかじりました。
きめの細かい、しっかりした人参です。
はっきり言って固い!
でも、生でも十分甘い!
熱を加えれば柔らかくなった上にさらに甘さが増すのが想像できる生かじりでした。
−良く動く肩ロース・モモの肉色は濃い−
取材先は浜松市南区寺脇町にある「ファーマーズマーケット白脇店」。取材対象の「とぴあ浜松ポーク」はJAとぴあ浜松管内の認定牧場で、決められた生産基準と徹底した環境衛生条件の下で管理・生産されているています。どれだけ徹底しているかというと、飼育場に入ることは余程のことがないと許可されません。取材の場合もカメラマンとディレクターの二人だけがほとんどです。私たちも今回は入れませんでした。
従って今回の私と鳥越ANの取材先は「ファーマーズマーケット白脇店」で完結となりました。
「とぴあ浜松ポーク」は白くてきれいな脂身で肉締まりが良く、キメが細かい豚肉です。肉締まりが良いっていうのは、水っぽくなくてドリップの出にくい締まった肉のこと。
飼料に麦を入れることで脂肪が白くて甘く、肉締まりの良いおいしい豚肉になるそうです。現在、生産者は出演して下さった丸井治さんを含めて5軒。
名称は耳にするけど、具体的にどこの部分かあまり把握していない肉の部位。図を使った解説に「へぇ〜」と「なるほど」が鳥越ANと私の口から思わず出ました。
左の図で確認して下さい。
その部位による味の違いがどんなものか。
「しゃぶしゃぶで食べ比べ」を用意して下さいました。
肩ロース・ロース・バラ・モモの4種類です。
「肩ロース」
肉色が濃い。しっかりした歯応えのある食感。良く動く部位なので筋肉が発達しているため堅めの印象。味もくっきりはっきりとした美味しさ。
「ロース」
肉色はピンク。柔らかい食感。食べ易い。上品な旨味が口の中に広がる。
「バラ」
肉色はピンクで脂肪の白との対比がきれい。赤身の旨味と脂身の甘味が絡み合って美味しい。
「モモ」
肉色が濃い。肩ロースよりも歯応えのある食感で、肉を食べた感が一番大きい。しっかりした肉らしい味がする。
良く動く肩ロース・モモの肉色は濃いということも分かりました。
−美味しいいちごを求め、堆肥も自分で作る−
取材先は焼津市上小杉の増田昌拡さんのいちごハウス。いちご栽培には高設栽培と土耕栽培がありますが、増田さんのハウスは土耕栽培。高設栽培は地面から1m程の高い位置で栽培し、肥料の管理や収穫作業に利点があります。土耕栽培は土に直接植えての栽培で土耕ならでは味わいが生まれるとも言われています。
増田さんは稲わらやもみ殻を主体とした堆肥を自分で作り、肥料コントロールも含め手をかけて栽培なさっています。
栽培品種は「紅ほっぺ」。「章姫(あきひめ)」と「幸香(さちのか)」の交配によって、2002年に誕生した新しい静岡のブランドいちごで、甘さと酸味のバランスが良くこくのある旨味が特徴のいちごです。
ほっぺが落ちるほどおいしいことから命名されました。
食べてみるとしっかりとした歯応えのある実で、しゃきっとした甘味が口に広がります。「これからどんどん甘くなりますよ」とおっしゃる増田さん。シーズン最盛期が楽しみです。
今回は調理では無く、スイーツショップ訪問&試食。
藤枝市青木の「リーベン・ローザ」に伺いました。店内工房でひとつひとつ丁寧に焼き上げるこだわりのバウムクーヘンが評判のお店です。
味わったのは「バウムのフレンチトースト(左)」と「いちごのショートバウム(右)」。前者はフレンチトーストにしたバウムクーヘンの上にバニラアイス、生クリーム、そして紅ほっぺをのせたもの。後者はバウムクーヘンをベースに生クリームと紅ほっぺを丸々のせたもの。
バウムクーヘンやクリームの甘さと紅ほっぺの程良い酸味が抜群のコンビネーションでした。
−メキャベツは元をたどれば「ケール」−
取材先は菊川市吉沢の宇都木惠治さんの畑。生産者グループ「メキャベツ委員会」があって、現在 55人の生産者がいるそうです。JA遠州夢咲管内の菊川・掛川・御前崎などでは、メキャベツの生産量が全国シェアの60%を占めていて栽培面積・生産量共に全国一だそう。
メキャベツは元をたどれば「ケール」。
・ケールの葉が巻くようになったのがキャベツ
・花が発達して食べられる様になったのが
ブロッコリーやカリフラワー
・葉の根元の“脇芽”が発達し 膨らんだのがメキャベツ
1株につき、わき芽は80個くらい実ると言い、まさに「子持ち甘藍」と縁起物呼ばわりされるのが分かります。
収穫はひとつずつ手作業で丁寧に摘んで行きます。体験させて頂くと思ったよりしっかりと茎に着いていて穫っていくのは大変。親指が腱鞘炎になるとおっしゃっていました。また低い位置に生っているので、膝や腰を酷使するとおっしゃっていました。本当に大変だなと感じました。
《おいしいをつくりましょ》は
「メキャベツ入り具だくさん味噌汁」
地元の河城小学校の小学生たちのアイディアが盛り込まれている「ワクワクドキドキ河城弁当」(弁当、味噌汁、お茶の3点セット)という企画弁当の「味噌汁」がまさにこれ。
作って下さったのは、女性部の黒田秀子さんと彦野れい子さん。
大根・椎茸・里芋・ニンジンなどを一杯入れたまさに具だくさんの美味しい味噌汁でした。この企画に参加して、5年生全員のまとまりが非常に良くなった、と話してくれました。
事前打ち合わせ無しで、いきなり「参加して良かった人?」と問いかけたら「ハーイ!」と元気な声が上がって全員の手が一斉に挙がりました。
それを見てもまとまりの良さは充分感じられました。
−オリーブは大粒系よりも小粒系の方がオイルの含油量が多い−
静岡でもオリーブ栽培が出来るんですね。取材先は静岡市の漆畑光則さんのオリーブ畑。漆畑さんはもともとお茶農家、お茶栽培もなさっていますが並行してオリーブ栽培も始めました。オリーブ栽培を始めたきっかけは、他の地域でも問題となっているお茶の需要と価格の低迷、そして生産者の高齢化等で荒廃する茶園や耕作放棄地の増加でした。
ただ、新しい農作物にチャレンジすることによって新しい可能性が生まれるという未来への希望も大きな原動力だそうです。
2015年頃から試験栽培を開始。「駿府オリーブ研究会」を発足させ、昨年から本格的栽培するようになったとのこと。現在会員は8人で約1000本のオリーブを管理しているそうです。今年度は訳3トンの収穫量を見込んでいるということでした。
オリーブは他の植物と違い、化学的な加工や加熱処理をしなくても油分を分離させることが可能な貴重な植物です。言い方を変えれば「オリーブオイルは果実を搾って抽出する天然のジュース」と言っても良いでしょう。
普通は実の大きい方が油分の含有量も多いと思いがちですが、実は小粒系の方がオイルの含油量が多いのだそうです。大粒系のオリーブの実は塩漬けや酢漬けなどの食用に適していると言うことでした。
穫り立てを生で食べたらどうなるのか試してみました。感想は一言「渋い!」。とても食べられたものではありません。
渋抜きの方法は、重曹水・塩水・ワイン・干す・ただの水など様々な方法があるようですが、どれも毎日の管理が必要で根気との戦いのようです。
また完全に渋を抜いてしまうと体に良い成分は減ってしまうそうで、渋抜きの程度やその見極め方が難しい…、渋抜きした塩漬けなどを購入する方が間違いありませんね。
《おいしいをつくりましょ》は「オリーブオイル香るミニピザ風」餃子の皮に釜揚げシラス、塩漬けオリーブ、とろけるチーズをのせてオーブントースターで焼き、仕上げにオリーブオイルをかける簡単レシピ。お酒のつまみにも最高です。
塩漬けオリーブをそのまま使ったオリーブの炊き込みご飯も最高でした。これも食べる時にオリーブオイルをかけて食べます。風味がたまりません。
−冬場はレタス畑、夏場は水田− (写真協力:JAハイナン広報 増田しほみさん)
取材先は榛原郡吉田町の中村浩志さんのレタス畑。サブタイトルにも書きましたが夏場は水田となる所なんです。水田となると水はけの問題が出てくると思いますが、ちゃんと考えられていて地中にはサイド部分にアナを開けた塩ビ管を埋めてあり、管にしみ出てきた水を集めて処理する設備があるのだそうです。
最近そういう設備がある田んぼは各地にあるという話でした。
田んぼでレタスを栽培する利点を伺いましたら、連作障害を防ぐ効果があることと1年で2作物を作ることによる収入の増加を挙げていらっしゃいました。
写真はレタス畑のきわから撮ったものです。稲の刈り取りが終わって、畑にしなかった部分の稲株から出てくる「二番穂」が田んぼだった証拠。余談ですが「二番穂」の実らせたお米を食べることもでき、昔は庶民の大切な食料でもあったそうです。
収穫体験後、穫り立てのレタスを試食しました。一番内側の根元に近い部分です。柔らかいけどシャキ感はしっかりあり、加えてクセの無い爽やかな甘味が口いっぱいに広がりました。
《おいしいをつくりましょ》は、JAハイナン女性部吉田地区の皆さんが作って下さった
「レタスと海苔のさっと炒め」
ごま油で、ニンジンと一緒に大きめにちぎったレタスを炒めてめんつゆを絡め、海苔を振りかけた料理。
手早く作れて風味も良い野菜料理です。レタスのシャキ感を失わない程度の炒め加減が大事です。
−早生みかんは酸抜き貯蔵はしない−
取材先は三ヶ日町の井口 彬さんの圃場。三ヶ日町に限らず静岡県のみかん、特に青島温州などは収穫直後は酸味が強いので水分を少し飛ばした後、管理貯蔵して酸味を適度に抜きます。12月に収穫した青島温州が本来の甘さを楽しめるのは、年明けの1月下旬頃からでしょうか。
しかし早生ミカンは酸抜き貯蔵はしないそうです。いろいろ調べてみましたら皮の色づきと実の熟度が比例しているので収穫直後から美味しいとのこと。
選果場での光センサーによる糖度と酸度のチェックは何度見ても感心します。すごい速さで通過していくみかんを瞬時にチェック出来るんですから驚きです。
JAみっかびでは、最高級のミカエース(特選)・秀・優・良・規格外に仕分けしているそうです。
その後ろにある機械で大きさ・傷の有無などもチェックされ、仕分けレーンを川のように流れながら、それぞれの等級の場所で正確に落とされていきます。
JAみっかびでは毎年みかんを使った新商品を開発していて、今年は「三ヶ日みかん 凍らせてシャーベット」を作ったそうです。三ヶ日みかんの果汁と果肉を使い濃厚かつ爽やかな風味が特徴ということです。この夏販売開始し好評だそうですよ。食べたい時に凍らせて食べる商品で常温での保存が可能。もちろん凍らせた物も販売しています。
味はもちろん絶品! でもカンカンに凍った物を試食したので「旨冷たい!」でした。
最後に撮影の裏側を少し。三ヶ日みかんの圃場は山間の傾斜地が特徴です。日当たり・水はけに優れていることが大きな理由です。ですから水平をとるのが難しい。カメラの雲台には水準器が付いているので良いのですが、左の写真はみかんの生っている木を背景にざる盛りみかんを撮影しようとしています。組み立てテーブルの足の下を見て下さい。何とも微妙なバランスで積んだ石にテーブルの足をのせての撮影です。
−白ねぎの白は土被せで作られる− (写真提供:JAなんすん 塚本早紀さん)
取材先は沼津市宮本の渡邊祐樹さんの畑。説明は「沼津ねがた白ねぎ部会部会」会長の帯金秀充さん。
元々この地域はお茶の生産が盛んなところですが、近年のお茶の需要と価格の低迷もあり、お茶の転作作物として「沼津ねがた白ねぎ」が始められました。推進役は、JAなんすん西部営農センターの足立卓信さん。お茶生産者を説得して5年前から本格的に取り組みました。
去年「沼津ねがた白ねぎ部会」を立ち上げ、現在12軒の生産者が協力して品質の安定と向上を目指しています。
白ネギの栽培は、1月に種をまいて苗を作り、3月に定植、10月下旬から翌年3月まで収穫というサイクルです。
収穫時期の畑は畝がすごく高くなっています。しかし定植する3月には苗を植える場所を少し掘ってから定植します。その後、ネギが伸びるに従って葉の分岐点を上限に土をかぶせていきます。土で太陽光を遮り、根元から葉の分岐点までを白くするためです。白い部分が30Cm位に伸びた頃が収穫時期になります。従って定植時期と収穫時期は畝の状態が逆転しているのです。
土をかぶせるタイミングは20日〜25日。葉の分岐点にかからないように注意深く作業していくそうです。
収穫したてを食べてみました。
最初は辛さは感じませんでした。むしろ白ねぎの甘さを感じ、これなら生でも十分いける!と思った次の瞬間、ツーンとする辛さが襲ってきました。かじったところで生成された辛み成分の「アリシン」のためです。さらにその「アリシン」が目を刺激して涙が出てきます。 「アリシン」は
・ビタミンB1の吸収を助ける
・血管を広げて血行をよくする
・発汗や利尿作用が活発になる
など風邪予防などに有効と言われています。
さらに血圧を下げたり、血栓を防ぐなどの効果があるとも言われているので、ツーンとする辛さはありがたい成分とも言えますね。「アリシン」は揮発性なので、空気にさらしておくとかなり減少します。でもアリシンがあまり少なくならないうちに食べた方が身体には良いでしょうね。
アリシンはメタボリックシンドローム予防の観点からも注目されているそうです。
「沼津ねがた白ねぎ部会」の女性陣が作って下さった料理は、
・ホットケーキミックスに刻みネギを入れて焼いた「ネギ焼き」
・「手羽先のネギ味噌詰め焼き」
でした。「ネギ焼き」は火を通すので辛みもほぼ無くなり、ホットケーキミックスの甘さも相まってネギ嫌いの子供も喜んで食べるそうです。ホットケーキミックスではなく「お好み焼き粉」を使っても美味しいと思います。
また「手羽先のネギ味噌詰め焼き」は想像通り、ご飯のおかずにも良し、お酒のお供にも最高の美味しさでした。
−次郎柿は浜北区も大産地− (写真提供:JAとぴあ浜松 掘内智生さん)
取材先は、浜松市浜北区の足立 操(ミサオ)さんの畑。次郎柿というと森町を思い浮かべる人が多いと思いますが、浜松市浜北区も大産地です。
浜北区北部に入るとそこここに柿畑があり、足立さんの畑の周りは一帯に柿畑が広がっています。この辺りは地下水が豊富なことと、砂質の土壌で柿栽培に適しているのだそうです。ミカンもそうですが「水はけ」が大事なんですね。
現在では特産品「浜北次郎柿」というブランドが確立して、全国にファンがたくさんいます。
次郎柿は江戸時代末期の1840年代に太田川の洪水で漂流していた柿の幼木を、森町の松本治郎氏が拾い育てたのが始まりとされています。ここ太平(オイダイラ)地区には明治中頃に導入、昭和初期から本格栽培に取り組んだそうです。100年近い歴史がありますね。
次郎柿は受粉しなくても実が育つ単為結果性が高い種類です。だから種が出来ません。畑にある次郎柿の木は基本的には雌花だけです。そして受粉無しで結実し、種を作らず大きく育つ「甘柿」という人間にとって非常に好都合な果物なのです。
柿も追熟します。追熟して柔らかくなった柿も大好きという方も多いでしょう。常温でただ置いていても自然と追熟はするそうですが、バナナやキウイなどと一緒で「りんごと一緒に袋に入れる」方法が早いそうです。
りんごから出る成長ホルモンの一つ「エチレンガス」のお陰なんですね。
浜松産の食材でヒット商品を作るプロジェクト「はままつプレミアム」という企画があり、「浜北次郎柿ジャム」という商品も販売されています。浜松産次郎柿100%のジャムで素材の甘み旨みを味わえるジャム、というのが謳い文句です。
ジャムですから次郎柿と砂糖を混ぜ加熱して作ります。食した感想としては、加熱することによって柿の甘味が変化して、次郎柿のまた別の美味しさを引き出している感じでした。
−自然薯作りは二年がかりで−
取材先は、静岡市葵区新間の塩阪利明さんの畑。
自然薯(ジネンジョ)はつる性植物ですから自然の中では周りの物や木などに絡みついて大きくなっていきます。しかし畑ではそこら中に絡みつかれては困りますし、だからといって葉もしっかり育てて光合成をしてもらわなくては自然薯は出来ません。
そこでアーチ状などの支柱を作り、それに絡みつかせて栽培していくというわけです。(左の写真)
我々が美味しいと食べている自然薯は地下茎です。自然のままだと石や木の根などの障害物をよけながら、下へ下へと伸びていきます。そうすると収穫するのも大変です。かなりの深さまで掘らないといけませんし、かなり曲がった地下茎となっていますので形も問題ですし折れやすい。
そこで「ほんやま方式」という、JA静岡市が20118年に特許を申請して2012年に登録された栽培方法で作っています。プラスティックの波板に土を入れたビニール筒を乗せ、そこに種芋を植えてまっすぐ横に育てる方式です。何層にでも出来ることから、塩阪さんの畑では18cm位ずつずらして栽培しているそうです。(写真では分かりにくいかもしれません)
自然薯は地上部分の葉の脇に「むかご」という地上に出来る小芋が出来ます。これが炒ったり素揚げにして塩を少し振りかけて食べると実に美味。実はこの「むかご」が次の自然薯になっていくのです。自然薯の栽培サイクルは、
・晩秋「むかご」を穫って保管
・翌年の春植えて「種芋」として育てる
・晩秋に掘り出し春まで保存
・翌年の春、その種芋をビニール筒に定植
・10月中旬から11月、地上のつるが枯れてきたら収穫
つまりは2年がかりで作っているのです。
多くの種芋は本芋の養分になってしぼんでしまうそうです。
《おいしいをつくりましょ》メインは、定番「とろろ汁」。
もちろん最高に美味しい!!!
ですが、調理担当のJA静岡市丸山花子さんがもう一品作って下さったのが、「自然薯のチーズ焼き」。
フライパンにオイルを軽く引いて自然薯に火を通し、ピザ用チーズかとろけるチーズをのせてオーブンに入れ、チーズに焼き色がついたら完成。味付けは途中でも後でもOK。
チーズもさることながら自然薯がホクホクに仕上がって美味!
自然薯とチーズ、相性は抜群でした。
−トラクター大活躍のハウス栽培− (写真提供:JAとぴあ浜松 山田茂樹さん)
取材先は、浜松市北区初生町の中村雅俊さんのハウス。チンゲンサイの需要は一年中。クセの無い何にでも合う素直な味で人気です。本来の栽培しやすい時期は秋から春にかけての寒い時期。でも需要に応えるため夏場も頑張って栽培しています。
従って苗から出荷サイズまで、すべての段階のチンゲンサイがあります。ただ、高設水耕栽培ではなく土耕栽培ですから収穫出荷した後は再び耕して植栽、そのための畝作りが大切になります。そのため中村さんのハウスの中にはトラクターや畝作りマシーンが大活躍なのです。
トラクター作業のためには広さが求められます。中村さんのハウスはそれありきで作られている施設でした。実際取材している合間をぬってトラクター作業が進められ、そのスムーズさに納得でした。次から次へと収穫していく効率と、中村さんも従業員の方も交代で休みを取ることが可能なのが大きいとおっしゃっていました。「休み」はモチベーションにも影響しますものね。
収穫体験して思ったのは、株の下の根につながる茎の細いこと。それなりの大きさの株ですから細すぎはしないかと聞きましたら、だから露地栽培では強風が吹いた時が怖いのでハウス栽培だという答えでした。
収穫したてのチンゲンサイ、生で食べられないかと伺いましたら中村さんは「生で食べたことは無い」とのこと。許可を頂いて生食してみました。まず「茎」、遠くにかすかな苦みがあるものの水分がほとばしり出て「結構いける!」と思いました。続いて「葉」、噛んだ瞬間からエグミが口の中に広がりました。食べられないことは無いけれど、サラダに登場しない訳も分かった気がしました。
それにしても火を通すと素直な味に変化するんですよね。本当に不思議でした。これも生食して分かったことですから貴重な体験でした。
おいしいをつくりましょは、手軽に電子レンジで作れる「くるくるレンチンゲンサイ」。
1分ほどレンチンして少し柔らかくなったチンゲンサイに豚肉を乗せ、椎茸の軸を包むように巻いて軸を撮った椎茸の上に乗せてレンチン。実に簡単で、しかもチンゲンサイのシャキシャキ感・豚肉と椎茸から出る旨味がコラボして何とも美味しい一品でした。
−赤ちゃん牛は「クツ」を履いて生まれてくる− (写真提供:JA掛川市 柴田裕之さん)
取材先は、掛川市の柴田佳寛さんの柴田牧場。ホルスタイン、ジャージー牛併せて65頭を飼育する牧場です。
柴田さんの飼育理念は「牛と良い関係を築くこと」。牛たちにとって我々は初見の相手。でも牛舎に足を踏み入れた段階から寄ってきます。餌を期待している訳では無く、興味津々の様子。そして落ち着いています。
柴田さんは「安定した良い関係でないと、安定したおいしい牛乳を出してくれないからね」と笑顔でおっしゃいます。
取材の真っ最中、牛の出産が始まりました。柴田さんは「赤ちゃん牛はクツを履いて出てくるんだよ」とニコニコしながらおっしゃいます。どういうことかと言うと、産まれたばかりの子牛は蹄にゼラチンのような柔らかいものがついているのだそうです。
見ると確かに蹄は何かに覆われています。理由は出産前は子宮内を傷つけないため、出産時は産道を傷つけないために、お母さんのための「蹄カバー」つまり「クツ」を履いて産まれてくるという訳です。自然の摂理って凄いですね。「クツ」は立ち上がろうとする中で自然に剥がれ落ちていました。写真は撮りませんでした。
「おいしいをつくりましょ」は、柴田牧場のカフェ「しばちゃんランチマーケット」店長の榛地叶美さんに「ジャージー牛乳を使った牛乳プリン」を教えて頂きました。
ホルスタイン牛乳より脂肪分の濃いジャージー牛乳ですから、濃厚さを演出する生クリームを加える必要は無いそうで、牛乳・たまご・グラニュー糖だけで作って下さいました。出来上がったプリンは濃厚さを感じながらも後味スッキリ、爽やかさの残る美味しさでした。
「しばちゃんランチマーケット」で販売している「牛乳プリン」は全く同じ製法で作っているそうです。ごちそうカントリーで作って頂いたものと同じプリンが味わえるんです。
残念なのは、ジャージー牛乳を購入したいと思っても掛川市近隣でしか販売していないということ。とりあえず行ってみるしかありませんね。ちなみに私は「ジャージー牛乳900ml瓶」(写真)を購入しました。
−御殿場のお米は、日平均積算温度「1,100度」が収穫の目安−
取材先は小山町の遠藤博雄さんの圃場。遠藤さんは“米作りの名人”で、昨年12月の「お米日本一コンテスト」で、最高金賞と県知事賞を ダブルで受賞されました。
小山・御殿場… と言うと「ごてんばこしひかり」が主流だと思っていたのですが、「こしひかり」ではなく「きぬむすめ」で受賞されたのです。
またJA御殿場の営農担当であり生産者でもある齊藤勝俊さんもすごい人で、昨年の11月、飛騨で行われた「米・食味鑑定士協会」が主催する新米の食味鑑定による 国際コンクールで、金賞を獲得した“米作り名人”の一人なんです。しかも「こしひかり」ではなく「ミルキークイーン」で受賞されたのです。
米の収穫の目安を伺いましたら、コシヒカリの場合「出穂」から45日が大きな目安で、最終的には気温で決定するそうです。
稲の茎の中で育まれた稲穂がすべて出ることを「出穂(しゅっすい)」といい、水田の五割の稲が出穂した日を起点「0」として一日の最低・最高気温の平均値を記録していく。それを積算していき目標温度に達した段階を刈り取りの目安にしているそうです。
御殿場市・小山町の目標温度は積算値「1,100度」。「御殿場コシヒカリ」の場合は、出穂から「45日」を目安にしながら積算値「1,100度」に達すれば収穫するそうです。
一般には出穂後の日平均積算温度が約1000℃で(例えば日平均気温が22℃だと出穂後約45日で)成熟期を迎えることから「出穂から45日」を目安にしていますが、御殿場・小山では標高やそれに伴う寒暖差もあり、経験値から積算値「1,100度」というラインを出しているようです。
「おいしいをつくりましょ」は「おむすび」。お米の美味しさをストレートに伝えてくれる大きな柱の1つは、何と言っても「おむすび」。
教えて下さったのは「おむすびマン・くぼ田」こと、窪田善文さん。食で人を繋ぐという意味合いを込めた「おむすび」という呼び方が大好きだとおっしゃいます。
美味しい結び方のコツは、
@よく洗った素手で握ること。
Aぬらした手の平にたっぷりめの塩を振る。
手の平の常在菌と絶妙にコラボして味わいを作り出す。
B手の平に乗る量だけの米を置き、優しく広げる。
C塩むすびであっても、中心部分に「愛情」という具を入れてふんわり握る。空気を含ませることが肝。
D手の平の窪みを利用し、1〜2回転させると三角形になり完成。
とにかく強く握らないことだそうで、今回作って頂いたおむすびは「煮タラコ・紅ショウガ・水かけ菜・塩むすび」でした。
−静岡県の高糖度トマト栽培は「養液ワンポット栽培」− (写真提供:JA遠州中央 内藤真紀さん)
取材先は小山町の「サンファーム富士小山」と袋井市の「スイートピュア倶楽部」。小山は「アメーラ」、袋井は「スイートピュア」。いずれも静岡県の誇る高糖度トマトです。トマト自体はごく一般的な「桃太郎」という品種。それを、与える水と肥料の量をコントロールすることによって、より糖度の高いトマトを作り出そうとするJAと生産者の飽くなき努力とその取り組みを取材しました。
特に水はギリギリまで制限することによってトマトの糖度を極限まで高めた栽培法は、この時期普通のトマトが糖度4〜5なのに対し8〜9以上を目指しています。実際に小山町の「アメーラ」を糖度計で計ったところ、「10.3」が出ました。
高糖度トマトの栽培に大きく貢献しているのが、静岡県農業試験場(現・農林技術研究所)が開発した「養液ワンポット栽培」。養液栽培とは、作物に必要な栄養分を水に溶かした液状の肥料を作物に与えて栽培する方法。
それを1ポットに1本のトマトを植え、養液を管理しながら栽培していくという訳です。1ポットに1本のトマトにすることによって、病気の感染などのリスクを最小限に抑えることが出来、1本1本の管理がしやすくなるメリットがあります。
小山町の「サンファーム富士小山」は、ほとんどがコンピュータ制御の近代的栽培空間。働いている方たちに若い世代が非常に多い施設でした。
袋井市の「スイートピュア倶楽部」は、3軒の生産者が情報交換などの協力体制を作ってより糖度の高いトマトを目指しているグループ。それぞれ後継者が頑張っています。スマホを使って遠隔地からでも、インターネット経由で水・養液の監視と管理をしています。
料理はスイートピュアを使ったグラタン。トッピングだけでなく、クリームソースにもスイートピュアが細かく切って混ぜ込んであります。加熱することによって甘味も増し、高糖度トマトはグラタンにしても美味しさ抜群でした。
−ストレリチアは株で増やす− (写真提供:JA伊豆太陽広報 野村春香さん)
取材先は、南伊豆町の渡辺綱男さんのハウス。取材対象は和名を「極楽鳥花(ゴクラクチョウカ)」という「ストレリチア」です。
まるで人工的に作ったかのような花ですが、南アフリカ原産の熱帯植物で元々自然界にある品種なんだそうです。
しかも日本へは明治時代の初期には渡来していたそうですから、日本でも150年位の歴史がある品種なんですね。南伊豆町でも昭和30年頃から60年以上栽培している花です。
温度管理さえしっかりやれば1年を通して開花させることが出来、一つの株の中で長期に渡って順番に花が咲く植物だそうです。
ストレリチアは種では増やしません。色・形が確実に揃うとは限らないためだそうです。一定の品質を保ちながら増やしていく方法は「株分け」。株の外側の根元付近を広げて株としてまとまっている部分を探し、根を付けたまま切り離して別の場所に植えることによって増やすそうです。
今回は料理はありません。河津バガテル公園の中にある
「フルール&カフェ オルテンシア」のオーナーで、
フワラーデザイナーでもある 後藤清也(セイヤ)さんにフラワーアレンジメントを教わりました。教わるとは言っても「作り方のデモを参考に自由に作りなさい」ということ。守るのは「絶対にデモを真似しない」ことでした。
非常に生命力の強い植物で、切り花も大変長く二週間程もちます。花の出ている元の鞘のような部分の中には、7〜8つの花が折りたたまれて入っているので枯れた花を取り除けば何度もきれいな花を咲かせることが出来るそうです。
日本では「レギナエ」というオレンジ色の品種が一般的ですが、原産地の南アフリカでは白い花の「ニコライ」という種類もあるそうです。
−JAが一括買い取りし、農家の安定経営と生産意欲につなげる−
取材先は、伊豆市日向の佐々木國廣さんの田んぼ。作物は伊豆市特別栽培米「伊豆の恵(めぐみ)」です。伊豆市特別栽培米とは「減農薬」「減化学肥料」で作られたコシヒカリのことで、通常の方法で栽培されている米の基準よりも農薬・化学肥料を減らして生産することを目指した米です。基準を満たした米は「伊豆の恵」として認証され、伊豆市からも助成されるということです。
佐々木さんによると、特別栽培米で一番苦労するのは「雑草との戦い」だそうです。理由は「減農薬」。除草剤はほとんど撒けません。また「減化学肥料」ということもあり、雑草によって米にいく栄養分が少なくなっても困ります。
そのため通常は年一回の「田起こし」を3回やるそうです。「田起こし」とは、田んぼの土を掘り起こして太陽光線に晒す作業の事を言います。目的は、
・殺菌消毒や線虫などの有害生物の駆除
・雑草を漉き込むことによって雑草も肥料分にしてしまう
・田んぼの土を平らにする
・掘り起こしによって土の中に空気が入り込む
・掘り起こしによって土が軟らかくなり稲が根を張りやすくなる
といったことが挙げられます。
今回初めて知ったのですが、通常お米の精算は約2年をかけて行われるそうです。収穫時に仮渡金が支払われ、翌年9月に仮精算、そして翌々年の2月にやっと本精算という流れです。
金額も本精算までは不確定ということで、農家にとっては何とかして欲しいシステムですね。
そこで「伊豆の恵」として認証されたお米は、JAによる一括買い取りすることにしました。そして本精算も検査日の翌日に行うようにしたので、農家の意欲が向上したというわけです。
「おいしいをつくりましょ」は
「伊豆の恵を使った梅しそご飯」
青しそ、ゆかりのふりかけ、ゴマ、そして自家製の梅干しなど、ほとんどの材料が地域の産物。美味しいのは間違いありません。
そして伊豆の恵を炊くのは土鍋。とてもモチモチした炊きあがりで、少し出来たオコゲがこれまた美味しい。それに地元の椎茸のお味噌汁。
スタッフ共々堪能しました。
−花が完全に開いてから出荷する「マム」−
取材先は藤枝市大東町の海野大夢さんのハウス。今回のテーマは洋菊「マム」。日本の菊を「和菊」というのに対して、西洋の菊ということで「洋菊」。日本の菊とは違い、色も咲き方も様々です。
「マム」という呼び方ですが、菊の学名をクリサンセマム(Chrysanthemum)といい、略して“マム”と呼ばれています。
海野さんのハウスでは、いろいろな種類のマムを一年通して栽培・出荷しています。
咲き方もいろいろで、丸い形でボール状になる「ポンポン咲」、花びらが細長く、外側に開いて咲く「スパイダー咲」(最初のハウス内写真のマム)、他にも八重咲の「デコラ咲」、一重咲の「シングル咲」などあり、2000種類以上はあるそうです。
1本の茎に一輪だけ残して咲かせるのを「輪菊」と言い、日本の菊が主にこの咲かせ方。茎が枝分かれして、沢山の花をつけるのを「スプレー」(左の写真)と言います、華やかでボリュームが出ることからマムによくある咲かせ方だそうです。
収穫は背丈が90センチほどに伸びて、花が完全に開いてから。タイミングが遅くないのか伺ったら、「マムは咲いてからの期間がとても長いので、咲いている状態で出荷してすぐに使ってもらえる」というメリットがあるとおっしゃっていました。
最近では、ブライダルの需要も高まっていて、3日前からさしても首だれしたりしないので、「末永く続く」の願いを込めて使われる方が増えているそうですよ。
今回は料理は無く「フラワーアレンジメント体験」でした。牛乳パックを容器にして中に水を染ませたオアシス、そこに立体的に茎を刺して形作っていきます。
牛乳パックを使うところが、簡単に出来そうな上にエコで良いなと思いました。
−赤く色づいたイチジクを湯がいたら緑っぽく− (写真提供:JA遠州中央 内藤真紀さん)
取材先は、磐田市北島の鈴木文勝さんのイチジク畑。鈴木さんは62歳からの農業スタート。イチジクを守るためのネットとネットを張るための支柱・枠組み作りをほとんど一人で作り上げたという強者。現在75歳でいらっしゃいますが、パワフルでお手本にしたいような方です。奥様も日本100名山の内、70数カ所を踏破されたという、これまた強者。素敵なご夫婦でした。
不老長寿の果物と言われるイチジクを一日に5〜6個は食べるとおっしゃいますので、イチジクパワーもあるのでは無いかと思いました。
栽培で工夫なさっていることはたくさんあるのですが、強調なさっていたことはミミズの力。イチジクの植わっている畝の上にはワラが敷き詰めてあり、それをかき分けると直径5mm位の土のかたまりがたくさんあります。「これは、ミミズの糞なんだよ。ミミズは素晴らしい土壌改良生物で、土を食べては土をきれいにしてくれる」とおっしゃっていました。確かに耕す効果もあると言いますものね。また土中の有用な微生物も大切に思っているということでした。
イチジクは一枚の葉の根元の上に一つの実が付きます。そして根元近くから熟していくのだそうです。熟し加減はある程度は色づきでみますが、最終的には実の柔らかさ。耳たぶ位の柔らかさが良いそうです。取り立ての熟したイチジクを皮ごと食し、そのあっさりとした上品な甘さに浸った瞬間は極上でした。
またイチジクのジェラートも作られました。今年(2019)の9/1発売の新商品です。イチジクの上品な甘さも生かされていました。女性ファンが付くかもですね。
「おいしいをつくりましょ」はイチジクのワイン煮。驚いたのは、イチジクを湯がいたら赤が薄くなって、緑っぽくなったこと。熱を加えると色づきに逆行するような色変化を起こすんですね。もっとも赤ワインで煮たら赤黒くなりました。白ワインで煮たらどうなるのだろうか? とふと思いました。
−ブルーベリーは樹上でしか完熟しない果実−
取材先は島田市川根町の岡村暢行さんのブルーベリー畑。5代続くお茶農家で、お茶の比較的手の掛からない時期の補完作物として ブルーベリー栽培を始めたそうです。
ブルーベリーは大きく分けて、収穫時期の早い「ハイブッシュ系」と少し遅い「ラビットアイ系」の2種類があります。ハイブッシュ系は豆腐に例えるなら「絹ごし豆腐」。皮も実も柔らかくなめらかな食感です。収穫時期は6月頃。
対しラビットアイ系は豆腐に例えるなら「木綿豆腐」。皮も実もしっかりしていて食べ応えがあります。7月〜9月が旬。
収穫の目安は、大きさと色。まんべんなく濃い紫になったものを一つずつ手で穫っていきます。大きいものから熟していくそうで、丁度育ち方のサンプルのような塊があったので撮影しました。それが左の写真。
実に付いている白い粉のようなモノは「ブルーム(果粉)」と言って果実を保護するための物質だそうです。ブドウなんかに付いているものと同じで、食べても全く問題ありません。
というより「新鮮な証し」だそうです。
ブルーベリーは樹上でしか完熟しない果実。キウイやバナナの様に、収穫してからの追熟がないので完熟したモノを収穫するそうです。
食べ方としては、酸味が強いものや甘さが勝つものなど個々に違うことがあるので、5〜6個まとめて食べるのがオススメだそう。
でも、ちょっと贅沢かな?
《おいしいをつくりましょ》は、「ブルーベリーのフラッペ」。収穫時期の早いハイブッシュ系を冷凍で保管しておき、今穫れるラビットアイ系をつぶし混ぜてシロップ代わりにするという贅沢さ。もちろん得も言われぬ美味しさでした。
−アイランドルビーは横に伸びるトマト−
取材先は伊東市玖須美元和田の増井勲さんのハウス。「アイランドルビー」は2016年にブランド化して本格的に栽培し始めた新しいトマトです。名前の由来は、JAあいら伊豆の「あいら」と伊豆半島のイメージ「ランド」、そして真っ赤な「ルビー」色であることからだそうです。
本当につややかなトマトでした。
普通のトマトは上に伸びていくのですが、アイランドルビーは横に広がる品種。カボチャとかスイカを彷彿させますね。なので実が地面に着いてしまうので、底上げして実が地面に着かないようにしています。
アイランドルビーは普通サイズのトマトとミニトマトの中間サイズです。実の付き方はミニトマトの様にそれなりの数の実が固まって付きます。収量が多いトマトなんですね。
収穫はハサミを使いません。実だけが簡単に取れます。他のトマト取材ではありませんでした。横に広がる性質とも相まって興味深いトマトです。2年前にも取材しているんですが、その時よりも大玉になっています。話を聞くと、確実な受粉と成長の促進を図るために使っている植物成長調節剤の効果かもしれないとおっしゃっていました。
このトマトは生食用ではなく加熱用のトマトだそうです。そのままでは酸味が強いのですが、加熱すると甘味と旨味が増すということで、サラダよりも加熱調理した方が美味しいそうです。ただハウスで収穫体験しそれをそのまま生食したところ、皮の固さは感じましたが酸味はあまりありませんでした。撮影用に収穫せずにおいた物だったので過熟状態になったのでは無いかとおっしゃっていました。
料理担当は伊東市竹ノ内のキッチン&バー「ラグーン」のシェフ小林裕さん。アイランドルビーを使った「花鯛のアクアパッツア」。「アクアパッツア」とは荒れた海上の船で食べる漁師の魚料理で「激しく暴れ狂う水」を意味しているそうです。
やはり加熱調理で本領を発揮するアイランドルビーの真骨頂が味わえました。塩と水とアイランドルビーだけで花鯛の美味しさを引き出し、上品な魚料理に仕上がっていました。
−収穫後10日すれば再び収穫出来る− (写真提供:JA遠州中央 内藤真紀さん)
取材先は袋井市下山梨のハウス。生産者の武田さんにお話を伺いました。今回のテーマ「エンサイ」は「空芯菜」と言った方が分かる方が多いかもしれません。
元はメロン農家だった武田さん。メロン農家がこの「エンサイ」や「シャンサイ(パクチー)」に栽培転換するケースはこの何年かで増えています。健康ブームやハーブ・スパイスへの関心の高まりが消費を伸ばしているためです。
驚きはその生命力の強さ・成長の早さ。根元付近を切って収穫するのですが、脇から新しい茎が生長し、10日もすると収穫出来る状態までの大きさになるのだそうです!
旬は6月から9月ですが、ハウス栽培で一年中の出荷が可能です。多くの産地は水耕栽培が多いのですが、武田さんやその仲間の皆さんは「土耕栽培」にこだわっていらっしゃいます。食感の良さと味の良さが土耕にあると思っているとのことでした。
「おいしいをつくりましょ」は「エンサイのベーコン炒め」
JA遠州中央森町女性部の皆さんが作って下さいました。
エンサイはなんと言っても炒め物が定番。
ベーコンとの相性も抜群です。
調理途中の香りに私も鳥越ANも期待感でウキウキでした。
茎のシャキシャキ感と、葉の部分の軽い粘り感が絶妙なコンビネーションを奏でます。ベーコンがその塩加減と旨味もあって、ご飯が何杯でもいけそうな素晴らしい美味しさを生み出していました。
他にも「餃子」「キンピラ」「ふりかけ」も作って下さいました。「エンサイ」はいろいろな料理に生かせます。
−子牛、生後10日はお母さんのお乳で育てる−
取材先は函南町丹那の「酪農王国オラッチェ」と、隣接する「片野牧場」。今までの取材は搾乳対象の大人の雌牛でしたが、今回は子牛たちと会いました。人間と同様生まれたばかりの子牛にはお母さんの「初乳」が欠かせません。これから生きていくための第一段階に必要な基本栄養と免疫力を獲得させるためです。このため生後10日間はお母さんのお乳で育てます。
ただ、お母さんの乳房から直接飲ませることはしません。お母さんの乳房は商品である牛乳を搾り出す大事な部位。清潔が何より大事です。生まれた時点ではほぼ無菌状態の子牛といえども、出産直後から周囲のものに触れていきます。口の周りなどにどんな雑菌が付着するか分かりません。従ってお母さんから絞ったお乳を哺乳瓶で飲ませる方法をとります。
11日目以降は人間で言う「粉ミルク(牛用)」をお湯で溶かしたものを与えます。その方が栄養バランスも良く、最適な生育状態が望めるということでした。もちろん徐々に干し草や栄養ペレット(固形)を様子を見ながら与えてゆき、最終的な乳離れは7ヶ月位だそうです。
そして子牛への授乳体験をしました。授乳体験させてくれたのは生後7日目の子牛。もちろんお母さんのお乳です。40Cm以上はあろうかという大きな哺乳瓶、生後7日目とは言っても体重は50Kgはありますから当然の大きさですね。
まずオーナーの片野恵介さんが授乳の手本を見せてくれました。子牛の顎に手をかけ、いとも簡単に口に乳首を含ませます。子牛はグングン飲んでいきます。でもやってみるとこれが難しい!
子牛にしても慣れた片野さんと、見たこともない我々では戸惑うのは当たり前ですよね。臼井ANの挑戦では口を開けてくれませんでした。片野さん曰く「口の脇から優しく指を入れて口を開けるように誘導して入れると良い」。私もなかなかうまくいきません。哺乳瓶の乳首からはお乳がほとばしり出ます。何回かのチャレンジで、子牛も根負けしたのか口を少し開けました。ソレッとばかりに乳首を差し込みましたら、何とか飲み出してくれたのです。感動しました。でも何回か吸ったところで口から乳首を外してしまいました。当然ですよね。それ以上のチャレンジはしませんでした。生まれたばかりの子牛に無理強いされたトラウマを与えてはいけませんからね。トラウマになっていなければ…と思っています。
牛乳を使った料理は「丹那牛乳を使った和風ビシソワーズ」。夏にピッタリの冷製スープです。
野菜ソムリエの神尾かほりさんが作って下さいました。去年に続いて2回目の登場です。
和風というのはキモに味噌を使うことからです。最初は牛乳に味噌ってどうなんだろう?と思いましたが、飲んでみると味噌が完全に隠し味になっていて主張してきません。むしろ良い意味で牛乳を引き立てていると思いました。具材としてタマネギとジャガイモが入っていて、ブレンダーで細かくしてスープに溶け込んでいることも良かったのかもしれません。本当に美味しいスープでした。
レシピはSDT「ごちそうカントリー」のホームページでご覧下さい。
−菊は夜が12時間を超えると花芽を付ける− (写真提供:JA富士市 望月 綾さん)
取材先は富士市の瀬さんの「しきみ(樒)」畑と渡邉さんの「菊」の栽培ハウス。お盆時期などにお墓や仏壇に飾る「しきみ(樒)」ですが、富士市のしきみは根付きで出荷するのが特徴です。
鉢植えで飾るのかと思ったら、何と水だけでお盆時期などをもたせることが出来るんだそうです。しかも出荷時点で根の土は落としてしまい、裸根の状態で流通に乗せるとのこと。ですから花瓶に入れることになります。水は基本的に毎日取り替えることが推奨されていて、きちんと取り替えていれば1ヶ月はもたせることが出来るそうです。強い植物ですね。
他の産地と違うところは、「根付き」と共にそのまま飾れるように丈は短くそれなりのボリュームある状態に仕上げること。複数の枝を束ねて飾るのではなく、根付き一株で花瓶に飾ることからボリュームが必要になるのです。「しきみ(樒)」は元来細い枝がヒョロヒョロ伸びていく植物だそうで、花瓶飾りに適した丈に抑える目的と枝数を増やす目的の両方で新芽を摘んでいく作業に今の時期は大忙しだとのことでした。出荷できる状態になるのに何と3年かかるそうで、初年度・1年目・2年目・収穫出来る3年目と順番に畑を回しているそうです。
富士市で栽培されている「菊」は黄色い花の種類です。白い菊は愛知・神奈川など大産地があるため、あまり多く生産されていない黄色い菊の栽培をすることにしたそうです。
「しきみ(樒)」と同様仏事に使われることが多いため、年間を通して出荷できることが必須。しかも必要な時には一定の大きさの花がまとまった量必要となります。しかし、菊は本来秋に開花する植物。栽培にも工夫が必要になります。
開花のタイミングは昼夜12時間ずつが境目。日中が長い間は花芽を付けません。夜が12時間を超えると花芽を付けるのだそうです。
また夜が12時間を超えれば丈が小さくても花芽を付けることもあって、植栽開始直後からLED証明をして日が長いと思わせておきます。出荷規格は切り揃え丈が90Cm。その状態までは花芽を付けさせず丈を伸ばすのです。
そして出荷の予定日から逆算した適期日に照明を止めるか、シェードを掛けるかして花芽を付けさせる訳です。この方法だと花芽を付ける時期が同じになり、花も丈も揃えられる利点があります。
つぼみから少し開花しかけた状態で出荷します。小さく見えますが開花するとそれなりに大きい花でした。
−桜葉の香りがする清水の新しいお茶「まちこ」− (写真提供:JAしみず 蒲生義隆さん)
今回の取材先はJAしみずのアンテナショップ「きらり」と静岡市清水区両河内の杉山貢大さんの茶畑。清水のブランド茶「まちこ」と清水産のお茶だけを使った「和紅茶」がテーマでした。
「まちこ」は一般の多くのお茶にはない「クマリン」という香り成分が含まれています。「クマリン」は桜の葉や明日葉に含まれる成分で、水出しで飲むと桜餅の香りがします。
「まちこ」は葉の色がちょっと赤みがかっていて、葉も茎もやぶきた茶よりもしっかりした木でした。また病気になりにくく、日当たりが悪くてもよく育つというある意味ワイルドで丈夫なお茶です。杉山さんの「まちこ」を育てている茶畑も、山間の日照時間は短い位置にありました。
「和紅茶」については今回紅茶として飲むのではなく「かき氷」にして楽しむという趣向でした。「きらり」で去年初めて販売したところ若い世代がこの「かき氷」目当てで来てくれたそうです。
ミルクで抽出した和紅茶に練乳を混ぜて凍らせ、それを削ったかき氷にあんこ・白玉
をトッピングして出して下さいます。
甘さが欲しい場合用の練乳や、もちろんお茶も添えてあります。削る時の氷の温度も比較的高めの氷点下5〜2度でフワフワな仕上がり、頭へのキーンもありません。氷自身が牛乳・和紅茶・練乳の合体作品ですから、より柔らか感があるのかもしれません。スウィーツ感たっぷりの美味しいかき氷でした。
−雨の後晴れる日が続くと糖度が上がる− (写真提供:JA富士市 望月 綾さん)
取材先は富士市の望月太郎さん・陽帆さん(奥様)の畑。3年ほど前に誕生したとうもろこしで、名前は「富士山麓わくわくコーン」。JA富士市でも3年前から栽培を始めた新しい種類のとうもろこしです。甘味が強いのはもちろん、粒の皮が薄くて柔らかく歯に挟まりにくいのが特徴です。
雨が続くと糖度が下がるそうです。2日雨が続くと糖度は14度〜15度になる。逆に雨の後晴れると糖度が上がるそうです。2日晴れると18度〜19度に、5日晴れると20度を超えるそうです。
「わくわくコーン」に限らずとうもろこしの収穫は朝早いのが有名です。何故早いのかというと「甘さを逃がさないため」だそう。とうもろこしの糖分は太陽の光を浴びて光合成が始まるとエネルギーとして使われ、甘味自体は減ってしまいます。ただ昼間はエネルギーを使って栄養と糖分を作り出し、暗くなったら実に蓄えていくという仕組み。だから朝暗いうちからの収穫なんですね。
ちなみに望月さんは朝4時から収穫するそうです。
JA富士市女性部 大渕支部の皆さんに作って頂いた料理は
「わくわくコーンのまぜご飯とテンプラ」。絶品でした。
左の写真は我々がお手伝いで粒をバラしている場面ですが、最初に粒の並びの縦1列を包丁で切り取ってから作業しました。きれいにバラバラにすることが出来ました。
「富士山麓わくわくコーン」は、
・生で食べるとすっきりとした甘さ。
・茹でたりレンチンするとこくのある甘さ。
・熱を加えたものを一晩冷蔵庫で寝かすと、甘味が落ち着いてなめらかな甘さになるなと思いました。
−実に近い葉が枯れてきたら収穫のサイン− (写真提供:JAハイナン 増田しほみさん)
取材先は牧之原市の静波海岸近く、加藤さんのハウス。大変なのは水の管理だそう。梅雨時など雨がたくさん降るとその水分を吸い上げて、メロンの実が割れてしまうのだと。長雨が続く時は生育具合を見ながら早めに収穫するそうです。
磐田や袋井と同じように一株に1個の実で中身の充実を図ります。最初は候補を3個に絞るそうです。その後の生育状況を見ながら、最終的に1個だけ残し収穫するとのことでした。
収穫体験したメロンをそのまま切って頂いて試食。収穫直後はどうなんだろう?と思いましたが、多少の固さはあったものの甘味は十分でした。
生産者の加藤さんは「やはり1週間くらいおいた方が柔らかくなって食べやすく、よりおいしさを感じられるよ」とおっしゃっていました。
メロンに一番近い葉を「止め葉」と言うそうです。収穫時期はその止め葉の色が抜けて茶色く枯れてきたらそのサインとのこと。(品種にもよるそうですが)
交配した時期を記録しておいて、品種による収穫目安日数と葉をしっかりチェック。穫り時を逃さないようにしているそうです。
半分カットの状態のメロンをスプーンでくり抜きながら、果汁も残さず食べられる「贅沢食い」をしたいな、と思う今日この頃です。
−タマネギの茎が倒れたら収穫時のサイン− (写真提供:JA御殿場 杉山大介さん)
取材先は御殿場市板妻の勝又さんの圃場。テーマは「新タマネギ」。圃場に着いたらまず軒並み茎が倒れているのにビックリ。強風でも吹いたのかと伺ったら、何とこれは収穫時のサインだそうです。倒れた1週間後が収穫適期とか。非常に親切な野菜ですね。
新タマネギは4年前からの取り組み。標高が高く冷涼な気候なので、出荷時期が浜松よりは遅く大産地北海道よりは早い。新タマネギの品薄時期を埋める存在として期待されていて、この御殿場産タマネギをブランド化しようと試みています。
植え付けから、消毒、収穫時の茎切り・根切り、収穫作業などかなりの部分は機械化され、農家の負担を軽くしています。ただ収穫は機械任せには出来ない部分もあり、手で大事に収穫する必要もあるそうです。
耕作地は水田だった所です。水田としてはもう使わないのかを伺ったら、水田に戻す復田(フクデン)はするそうです。水田に戻すのは大変な作業ではあるけれど、復田して再度水張りをするという工程は土地のリセットになるそうで、連作障害の防止になるとおっしゃっていました。
「御殿場こしひかり」をベースに地場産品を使った料理コンテスト「ごてんば米コン」も2018年度に6回目を迎えました。
今回は御殿場産タマネギを必ず使用するレシピを募集。
その最優秀賞レシピを考案した方と共に料理を紹介しようという回でした。
◎一般部門 最優秀賞は倉敷純子さん。
「たまねぎ とツナの生ふりかけ」
◎小中学生部門 最優秀賞は北村優津希(ユヅキ)くん小4(現在小5)
「野さいシャキシャキみんな食べられるハンバーグ」
入賞者のレシピは 学校給食・保育園給食でも使われるそうで、既に北村優津希くんのレシピは給食で出たそうです。
−受粉は一つずつ手作業で− (写真提供:JA三島函南 木下奈都季さん)
取材先は函南町畑毛の杉崎さんの畑。テーマは「函南スイカ」。ブランドとして定着してきました。
驚いたのは育苗開始時期(4月)接ぎ木をするということです。スイカは連作を嫌う植物です。5年は空けなくてはいけないそうですが、現実にはなかなか難しい話です。そこで別の植物の根を土台に接ぎ木をして連作障害を避けるという訳です。さらに普通に接ぎ木した場合、活着率(接ぎ木成功確率)は7割程度なのだそうですが、近年LEDを利用して活着率が9割ほどに増加したそうです。
虫があまり飛ばない最初の時期は一つずつ人手による受粉です。地面を這うようにする受粉作業が大変だとおっしゃっていました。
気温が上昇してミツバチなどが飛び交うようになると、自然に受粉して次から次へとスイカの赤ちゃんが誕生していきます。摘果しないと良い玉にはなりません。摘果したものは廃棄処分です。
摘果した子メロンのように浅漬けにして食べられないか伺いましたら、やっている農家もあるそうです。そしておいしいとのこと。
子スイカを店頭に出さないのかと聞きましたら、手がかかりすぎるので出来ない、とのことでした。
函南スイカのランクは「秀」「優」「良」の3つ。ポイントは中に「ス」が入っているかどうか、形がいびつでないか、傷が付いていないかです。傷については目立つものは農家段階ではねられます。
形は見た目で分かりますが、問題は「ス」が入っているかどうか。函南では叩いてその音で判断します。「ス」が入っていれば低めの音、入っていないものは高めの音がするそうです。実際に並べて比較すると、なるほど分かりました。放送でも音声さんがマイクを近づけて録りましたのでご覧になった方はお分かりになると思います。でも単体だと熟練しなければ分からないと思いました。担当の長谷川さんも最初の研修1年目はとても難しかったそうです。
味ですが「最低11度以上」という条件になっているので、どのランクも変わらないそうです。「ス」の入ったものはそれだけ熟している証拠で、より甘いんですって。ある方が「自分が自宅用に買うんだったら迷わず「良」を買う」ともおっしゃっていました。おっと、これは内緒ですよ。
道具の一つに魅せられました。それは「スイカ専用包丁」。刃渡りは40p弱の大きな包丁です。普通の包丁なら一回では切れない大きなスイカが一発で難なく切れます。
「欲しい!」と叫んだらディレクターの石川さんに、「スイカ以外の何に使うんですか!?」といつものように問われ、二の句が継げなかった私でした。
−個体識別番号管理システム− (写真提供:JAなんすん広報 大嶋知美さん)
取材先は長泉町上長窪。品質の高い肉牛「あしたか牛」が今回の取材テーマでした。
あしたか牛の生産者"は、現在 6軒 で、およそ1000頭の肉牛を育てています。肥育期間は牛舎によりますが、訪れた加藤さんの所では生後2か月の子牛を25ヶ月育てて出荷しているそうです。
どの生き物もそうですが、牛の場合暑さとストレスが生育に大きく影響します。愛情をもって育てることはもちろん、定期的な「血液検査」の実施で健康状態がチェックすると共に、そのデータをもとに講習会などを実施して全農家で品質の高い健康な牛に育てる努力をしています。
また富士宮牛乳の牛舎もそうでしたが、こちらの牛舎にも「オガクズ」が敷いてありました。排泄物などの水分の吸収も含めて清潔を保つうえで欠かせないと加藤さんもおっしゃっていました。
それにしても牛は好奇心旺盛です。この連中は危険ではなさそうだと感じたところから寄ってきます。ロケ中に、油断していたディレクターがズボンを舐められて慌てていました(^_^)
左の写真は鳥越佳那アナが牛をバックに自撮りしようとして、牛の鼻息を感じた瞬間シャッターを切ったものです。
牛の目がなんとも可愛い!
牛の鼻息の温かさに、なんとも言えない表情をしている鳥越アナでした。
牛の耳に付いている番号札ですが「個体識別番号」です。重複することのない生涯唯一の10桁の個体識別番号をすべての牛につけ、各牛にそれぞれの番号を印字した耳標を装着することにより、牛を識別・管理するための番号です。
牛の生年月日、出生地、性別、品種、親牛のデータ、流通経路等がすべて分かるようになっています。
実はこの「個体識別番号」は、流通の最終段階である小売店の値札シールにも必ず印刷されています。独立行政法人家畜改良センターの「個体識別番号の検索サイト」に行けば誰でも調べられるのです。機会があったら検索してみて下さい。
−1個1個手摘みで収穫− (写真提供:JAおおいがわ広報 石川智浩さん)
取材先は島田市の伊太(いた)地区。おいしいお茶も採れる所ですが、「梅」で有名な産地なんです。肉厚で香り高い梅が産出されることで知られています。
この地区はとにかく選別基準が厳しい。少しでも傷のあるものははねられてしまいます。はねられた実を「B級品」として販売してもらいたいと心底思いました。品質には何の問題も無し。風によって葉っぱが擦れただけで傷になってしまうこともあるんですから。
収穫方法についての私のイメージは木を揺らして地面に広げたシートに実を落とし集めるというものでした。しかし一個一個手で採るとのこと。選別基準を考えると仕方ないのかもしれません。そうは言っても圃場に50本はあろうかという梅の木の実です。かてて加えて栽培場所は30度はあろうかという急斜面。生産者の萩原さん・北川さん共に私と同年代の方たちですから頭が下がりました。
《おいしいをつくりましょ》コーナーは「おいしい梅酒の作り方」
完熟の梅を使うと濁ってしまうので必ず青いもの(一部に黄や赤が入っているくらいは良い)を使うとのこと。大事なのは梅の実を3〜4時間水に浸けての「あく抜き」。以前作った時に「あく抜き」をしたかどうか覚えていなくて不安になりました。。左の写真は竹串を使ってヘタを取っている様子です。丁寧にヘタを取ることにより、エグ味の無い爽やかな味わいになるとのこと。
−ノンホモ牛乳に感動− (写真提供:JA富士宮広報 大塩里紗さん)
取材先は富士宮市下條の佐野牧場。何と言っても楽しみだったのは久しぶりに飲める「ノンホモ牛乳」。「ノンホモ牛乳」とは「ホモジナイズ」していない「ノンホモジナイズ」牛乳のこと。
「ホモジナイズ」とは搾った生乳に圧力を加え中の脂肪球を均一に細かく砕く加工処理のことで、脂肪分が分離しないように処置をした牛乳。脂肪球が細かくなることで表面積が大きくなり、胃腸での消化吸収が良くなるといわれています。
「ノンホモジナイズ」は低温殺菌法で、搾りたての成分に近い状態の牛乳を作る方法。
久しぶりに飲んだ「ノンホモ牛乳」、とにかく美味しかった! 味は濃厚なんだけれどさらっとした口当たり。さらっとしている中にも生クリームの味が口中に広がります。さらに一歩進んで「バターになるぞ!チーズになるぞ!」という風味も感じられます。
静かに置いておくと脂肪分が他の成分と分離して浮き上がります。まさにその分離した部分が生クリームです。混ぜればいいんですけどね。一般の牛乳はそれを避けるためにもホモジナイズ処理をするという訳なんです。
でも63度〜65度の低温殺菌に30分かけるので大量には作れません。スーパーで売られている牛乳のほとんどは120度〜130度の超高温で2秒間だけ殺菌する方法ですから効率的には勝負になりませんよね。しかも賞味期限も短い。手に入りにくい訳です。
佐野牧場は同じ富士宮の観光農場「まかいの牧場」と連携しています。
乳牛の幼少期、「まかいの牧場」に預けるそうです。「まかいの牧場」は、当然たくさんの観光客の訪れる場所です。その結果、
→ 人に慣れる
→ 人間によるストレスの少ない牛に育つ
→ 牛乳の出る量に変化の少ない状態を作り出せる
→ 品質の高い牛乳を作れる
牛舎での飼育に関しても、佐野牧場ではより美味しい牛乳を生産するため細心の注意を払っています。温度管理や飼料はもちろん、牛舎に敷くのも単価の高い「オガクズ」を使用。世話をする佐野家次男の佐野圭祐さんはこう言います。
「1日4回ベッドメイクして清潔を保つようにしています」
牛舎の掃除をベッドメイクって言うんですね。それだけ大切な牛たちなんですね。