「ごちそうカントリー」取材記 (BackNumber)

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 静岡県の民放静岡第一テレビに「ごちそうカントリー」(毎日曜日AM11:40〜AM11:55)という番組があり、私はその番組のリポーターを勤めています。JA提供の番組で、静岡県内の農産物を生産者の方と共に毎週紹介していくものです。今年度で担当5年目になりました。
 最初は農業について知識ゼロだった私が、取材していくうちに野菜の逞しさや弱さ、農業の知恵、自然の営みのすごさを結果として学んでいくことになりました。
 その取材を通して得たもの、感じたことなどを少しずつ書いてみることにしました。筆不精の私が毎週書けるとは思えませんので、書ける時に書くというスタンスでやっていきたいと思っています。
 なお、それぞれのタイトルにある日付は放送日です。
(写真をクリックすると、大きな写真がご覧になれます)

20190908(日)洋菊「マム」(藤枝市)

 −花が完全に開いてから出荷する「マム」−

 取材先は藤枝市大東町の海野大夢さんのハウス。今回のテーマは洋菊「マム」。日本の菊を「和菊」というのに対して、西洋の菊ということで「洋菊」。日本の菊とは違い、色も咲き方も様々です。
 「マム」という呼び方ですが、菊の学名をクリサンセマム(Chrysanthemum)といい、略して“マム”と呼ばれています。
 海野さんのハウスでは、いろいろな種類のマムを一年通して栽培・出荷しています


 咲き方もいろいろで、丸い形でボール状になる「ポンポン咲」、花びらが細長く、外側に開いて咲く「スパイダー咲」(最初のハウス内写真のマム)、他にも八重咲の「デコラ咲」、一重咲の「シングル咲」などあり、2000種類以上はあるそうです。
 1本の茎に一輪だけ残して咲かせるのを「輪菊」と言い、日本の菊が主にこの咲かせ方。茎が枝分かれして、沢山の花をつけるのを「スプレー」(左の写真)と言います、華やかでボリュームが出ることからマムによくある咲かせ方だそうです。

 収穫は背丈が90センチほどに伸びて、花が完全に開いてから。タイミングが遅くないのか伺ったら、「マムは咲いてからの期間がとても長いので、咲いている状態で出荷してすぐに使ってもらえる」というメリットがあるとおっしゃっていました。
 最近では、ブライダルの需要も高まっていて、3日前からさしても首だれしたりしないので、「末永く続く」の願いを込めて使われる方が増えているそうですよ。


 今回は料理は無く「フラワーアレンジメント体験」でした。牛乳パックを容器にして中に水を染ませたオアシス、そこに立体的に茎を刺して形作っていきます。
 牛乳パックを使うところが、簡単に出来そうな上にエコで良いなと思いました。




20190901(日) イチジク(磐田市)

 −赤く色づいたイチジクを湯がいたら緑っぽく− (写真提供:JA遠州中央 内藤真紀さん)

 取材先は、磐田市北島の鈴木文勝さんのイチジク畑。鈴木さんは62歳からの農業スタート。イチジクを守るためのネットとネットを張るための支柱・枠組み作りをほとんど一人で作り上げたという強者。現在75歳でいらっしゃいますが、パワフルでお手本にしたいような方です。奥様も日本100名山の内、70数カ所を踏破されたという、これまた強者。素敵なご夫婦でした。
 不老長寿の果物と言われるイチジクを一日に5〜6個は食べるとおっしゃいますので、イチジクパワーもあるのでは無いかと思いました。

 栽培で工夫なさっていることはたくさんあるのですが、強調なさっていたことはミミズの力。イチジクの植わっている畝の上にはワラが敷き詰めてあり、それをかき分けると直径5mm位の土のかたまりがたくさんあります。「これは、ミミズの糞なんだよ。ミミズは素晴らしい土壌改良生物で、土を食べては土をきれいにしてくれる」とおっしゃっていました。確かに耕す効果もあると言いますものね。また土中の有用な微生物も大切に思っているということでした。

 イチジクは一枚の葉の根元の上に一つの実が付きます。そして根元近くから熟していくのだそうです。熟し加減はある程度は色づきでみますが、最終的には実の柔らかさ。耳たぶ位の柔らかさが良いそうです。取り立ての熟したイチジクを皮ごと食し、そのあっさりとした上品な甘さに浸った瞬間は極上でした。
 またイチジクのジェラートも作られました。今年(2019)の9/1発売の新商品です。イチジクの上品な甘さも生かされていました。女性ファンが付くかもですね。

 「おいしいをつくりましょ」はイチジクのワイン煮。驚いたのは、イチジクを湯がいたら赤が薄くなって、緑っぽくなったこと。熱を加えると色づきに逆行するような色変化を起こすんですね。もっとも赤ワインで煮たら赤黒くなりました。白ワインで煮たらどうなるのだろうか? とふと思いました。



20190818(日) ブルーベリー(島田市)

 −ブルーベリーは樹上でしか完熟しない果実−

 取材先は島田市川根町の岡村暢行さんのブルーベリー畑。5代続くお茶農家で、お茶の比較的手の掛からない時期の補完作物として ブルーベリー栽培を始めたそうです。
 ブルーベリーは大きく分けて、収穫時期の早い「ハイブッシュ系」と少し遅い「ラビットアイ系」の2種類があります。ハイブッシュ系は豆腐に例えるなら「絹ごし豆腐」。皮も実も柔らかくなめらかな食感です。収穫時期は6月頃。  対しラビットアイ系は豆腐に例えるなら「木綿豆腐」。皮も実もしっかりしていて食べ応えがあります。7月〜9月が旬。

 収穫の目安は、大きさと色。まんべんなく濃い紫になったものを一つずつ手で穫っていきます。大きいものから熟していくそうで、丁度育ち方のサンプルのような塊があったので撮影しました。それが左の写真。  実に付いている白い粉のようなモノは「ブルーム(果粉)」と言って果実を保護するための物質だそうです。ブドウなんかに付いているものと同じで、食べても全く問題ありません。 というより「新鮮な証し」だそうです。


 ブルーベリーは樹上でしか完熟しない果実。キウイやバナナの様に、収穫してからの追熟がないので完熟したモノを収穫するそうです。
 食べ方としては、酸味が強いものや甘さが勝つものなど個々に違うことがあるので、5〜6個まとめて食べるのがオススメだそう。
 でも、ちょっと贅沢かな?



《おいしいをつくりましょ》は、「ブルーベリーのフラッペ」。収穫時期の早いハイブッシュ系を冷凍で保管しておき、今穫れるラビットアイ系をつぶし混ぜてシロップ代わりにするという贅沢さ。もちろん得も言われぬ美味しさでした。




20190811(日) アイランドルビー(伊東市)

 −アイランドルビーは横に伸びるトマト−

 取材先は伊東市玖須美元和田の増井勲さんのハウス。「アイランドルビー」は2016年にブランド化して本格的に栽培し始めた新しいトマトです。名前の由来は、JAあいら伊豆の「あいら」と伊豆半島のイメージ「ランド」、そして真っ赤な「ルビー」色であることからだそうです。
 本当につややかなトマトでした。



 普通のトマトは上に伸びていくのですが、アイランドルビーは横に広がる品種。カボチャとかスイカを彷彿させますね。なので実が地面に着いてしまうので、底上げして実が地面に着かないようにしています。
 アイランドルビーは普通サイズのトマトとミニトマトの中間サイズです。実の付き方はミニトマトの様にそれなりの数の実が固まって付きます。収量が多いトマトなんですね。
 収穫はハサミを使いません。実だけが簡単に取れます。他のトマト取材ではありませんでした。横に広がる性質とも相まって興味深いトマトです。2年前にも取材しているんですが、その時よりも大玉になっています。話を聞くと、確実な受粉と成長の促進を図るために使っている植物成長調節剤の効果かもしれないとおっしゃっていました。

 このトマトは生食用ではなく加熱用のトマトだそうです。そのままでは酸味が強いのですが、加熱すると甘味と旨味が増すということで、サラダよりも加熱調理した方が美味しいそうです。ただハウスで収穫体験しそれをそのまま生食したところ、皮の固さは感じましたが酸味はあまりありませんでした。撮影用に収穫せずにおいた物だったので過熟状態になったのでは無いかとおっしゃっていました。

 料理担当は伊東市竹ノ内のキッチン&バー「ラグーン」のシェフ小林裕さん。アイランドルビーを使った「花鯛のアクアパッツア」。「アクアパッツア」とは荒れた海上の船で食べる漁師の魚料理で「激しく暴れ狂う水」を意味しているそうです。
 やはり加熱調理で本領を発揮するアイランドルビーの真骨頂が味わえました。塩と水とアイランドルビーだけで花鯛の美味しさを引き出し、上品な魚料理に仕上がっていました。

20190804(日) エンサイ(袋井市)

 −収穫後10日すれば再び収穫出来る− (写真提供:JA遠州中央 内藤真紀さん)

 取材先は袋井市下山梨のハウス。生産者の武田さんにお話を伺いました。今回のテーマ「エンサイ」は「空芯菜」と言った方が分かる方が多いかもしれません。
 元はメロン農家だった武田さん。メロン農家がこの「エンサイ」や「シャンサイ(パクチー)」に栽培転換するケースはこの何年かで増えています。健康ブームやハーブ・スパイスへの関心の高まりが消費を伸ばしているためです。

 驚きはその生命力の強さ・成長の早さ。根元付近を切って収穫するのですが、脇から新しい茎が生長し、10日もすると収穫出来る状態までの大きさになるのだそうです!
 旬は6月から9月ですが、ハウス栽培で一年中の出荷が可能です。多くの産地は水耕栽培が多いのですが、武田さんやその仲間の皆さんは「土耕栽培」にこだわっていらっしゃいます。食感の良さと味の良さが土耕にあると思っているとのことでした。

 「おいしいをつくりましょ」は「エンサイのベーコン炒め」
JA遠州中央森町女性部の皆さんが作って下さいました。
 エンサイはなんと言っても炒め物が定番。
 ベーコンとの相性も抜群です。
調理途中の香りに私も鳥越ANも期待感でウキウキでした。



 茎のシャキシャキ感と、葉の部分の軽い粘り感が絶妙なコンビネーションを奏でます。ベーコンがその塩加減と旨味もあって、ご飯が何杯でもいけそうな素晴らしい美味しさを生み出していました。
 他にも「餃子」「キンピラ」「ふりかけ」も作って下さいました。「エンサイ」はいろいろな料理に生かせます。



20190728(日) 丹那牛乳(函南町)

 −子牛、生後10日はお母さんのお乳で育てる−

 取材先は函南町丹那の「酪農王国オラッチェ」と、隣接する「片野牧場」。今までの取材は搾乳対象の大人の雌牛でしたが、今回は子牛たちと会いました。人間と同様生まれたばかりの子牛にはお母さんの「初乳」が欠かせません。これから生きていくための第一段階に必要な基本栄養と免疫力を獲得させるためです。このため生後10日間はお母さんのお乳で育てます。
 ただ、お母さんの乳房から直接飲ませることはしません。お母さんの乳房は商品である牛乳を搾り出す大事な部位。清潔が何より大事です。生まれた時点ではほぼ無菌状態の子牛といえども、出産直後から周囲のものに触れていきます。口の周りなどにどんな雑菌が付着するか分かりません。従ってお母さんから絞ったお乳を哺乳瓶で飲ませる方法をとります。
 11日目以降は人間で言う「粉ミルク(牛用)」をお湯で溶かしたものを与えます。その方が栄養バランスも良く、最適な生育状態が望めるということでした。もちろん徐々に干し草や栄養ペレット(固形)を様子を見ながら与えてゆき、最終的な乳離れは7ヶ月位だそうです。

 そして子牛への授乳体験をしました。授乳体験させてくれたのは生後7日目の子牛。もちろんお母さんのお乳です。40Cm以上はあろうかという大きな哺乳瓶、生後7日目とは言っても体重は50Kgはありますから当然の大きさですね。
 まずオーナーの片野恵介さんが授乳の手本を見せてくれました。子牛の顎に手をかけ、いとも簡単に口に乳首を含ませます。子牛はグングン飲んでいきます。でもやってみるとこれが難しい!
 子牛にしても慣れた片野さんと、見たこともない我々では戸惑うのは当たり前ですよね。臼井ANの挑戦では口を開けてくれませんでした。片野さん曰く「口の脇から優しく指を入れて口を開けるように誘導して入れると良い」。私もなかなかうまくいきません。哺乳瓶の乳首からはお乳がほとばしり出ます。何回かのチャレンジで、子牛も根負けしたのか口を少し開けました。ソレッとばかりに乳首を差し込みましたら、何とか飲み出してくれたのです。感動しました。でも何回か吸ったところで口から乳首を外してしまいました。当然ですよね。それ以上のチャレンジはしませんでした。生まれたばかりの子牛に無理強いされたトラウマを与えてはいけませんからね。トラウマになっていなければ…と思っています。



 牛乳を使った料理は「丹那牛乳を使った和風ビシソワーズ」。夏にピッタリの冷製スープです。 野菜ソムリエの神尾かほりさんが作って下さいました。去年に続いて2回目の登場です。




 和風というのはキモに味噌を使うことからです。最初は牛乳に味噌ってどうなんだろう?と思いましたが、飲んでみると味噌が完全に隠し味になっていて主張してきません。むしろ良い意味で牛乳を引き立てていると思いました。具材としてタマネギとジャガイモが入っていて、ブレンダーで細かくしてスープに溶け込んでいることも良かったのかもしれません。本当に美味しいスープでした。
 レシピはSDT「ごちそうカントリー」のホームページでご覧下さい。

20190721(日) しきみ・菊(富士市)

 −菊は夜が12時間を超えると花芽を付ける− (写真提供:JA富士市 望月 綾さん)

 取材先は富士市の瀬さんの「しきみ(樒)」畑と渡邉さんの「菊」の栽培ハウス。お盆時期などにお墓や仏壇に飾る「しきみ(樒)」ですが、富士市のしきみは根付きで出荷するのが特徴です。
 鉢植えで飾るのかと思ったら、何と水だけでお盆時期などをもたせることが出来るんだそうです。しかも出荷時点で根の土は落としてしまい、裸根の状態で流通に乗せるとのこと。ですから花瓶に入れることになります。水は基本的に毎日取り替えることが推奨されていて、きちんと取り替えていれば1ヶ月はもたせることが出来るそうです。強い植物ですね。

 他の産地と違うところは、「根付き」と共にそのまま飾れるように丈は短くそれなりのボリュームある状態に仕上げること。複数の枝を束ねて飾るのではなく、根付き一株で花瓶に飾ることからボリュームが必要になるのです。「しきみ(樒)」は元来細い枝がヒョロヒョロ伸びていく植物だそうで、花瓶飾りに適した丈に抑える目的と枝数を増やす目的の両方で新芽を摘んでいく作業に今の時期は大忙しだとのことでした。出荷できる状態になるのに何と3年かかるそうで、初年度・1年目・2年目・収穫出来る3年目と順番に畑を回しているそうです。

 富士市で栽培されている「菊」は黄色い花の種類です。白い菊は愛知・神奈川など大産地があるため、あまり多く生産されていない黄色い菊の栽培をすることにしたそうです。
 「しきみ(樒)」と同様仏事に使われることが多いため、年間を通して出荷できることが必須。しかも必要な時には一定の大きさの花がまとまった量必要となります。しかし、菊は本来秋に開花する植物。栽培にも工夫が必要になります。
 開花のタイミングは昼夜12時間ずつが境目。日中が長い間は花芽を付けません。夜が12時間を超えると花芽を付けるのだそうです。

 また夜が12時間を超えれば丈が小さくても花芽を付けることもあって、植栽開始直後からLED証明をして日が長いと思わせておきます。出荷規格は切り揃え丈が90Cm。その状態までは花芽を付けさせず丈を伸ばすのです。
 そして出荷の予定日から逆算した適期日に照明を止めるか、シェードを掛けるかして花芽を付けさせる訳です。この方法だと花芽を付ける時期が同じになり、花も丈も揃えられる利点があります。
 つぼみから少し開花しかけた状態で出荷します。小さく見えますが開花するとそれなりに大きい花でした。

20190714(日) まちこと和紅茶(静岡市清水区)

 −桜葉の香りがする清水の新しいお茶「まちこ」− (写真提供:JAしみず 蒲生義隆さん)

 今回の取材先はJAしみずのアンテナショップ「きらり」と静岡市清水区両河内の杉山貢大さんの茶畑。清水のブランド茶「まちこ」と清水産のお茶だけを使った「和紅茶」がテーマでした。

 「まちこ」は一般の多くのお茶にはない「クマリン」という香り成分が含まれています。「クマリン」は桜の葉や明日葉に含まれる成分で、水出しで飲むと桜餅の香りがします。



 「まちこ」は葉の色がちょっと赤みがかっていて、葉も茎もやぶきた茶よりもしっかりした木でした。また病気になりにくく、日当たりが悪くてもよく育つというある意味ワイルドで丈夫なお茶です。杉山さんの「まちこ」を育てている茶畑も、山間の日照時間は短い位置にありました。




 「和紅茶」については今回紅茶として飲むのではなく「かき氷」にして楽しむという趣向でした。「きらり」で去年初めて販売したところ若い世代がこの「かき氷」目当てで来てくれたそうです。  ミルクで抽出した和紅茶に練乳を混ぜて凍らせ、それを削ったかき氷にあんこ・白玉 をトッピングして出して下さいます。



 甘さが欲しい場合用の練乳や、もちろんお茶も添えてあります。削る時の氷の温度も比較的高めの氷点下5〜2度でフワフワな仕上がり、頭へのキーンもありません。氷自身が牛乳・和紅茶・練乳の合体作品ですから、より柔らか感があるのかもしれません。スウィーツ感たっぷりの美味しいかき氷でした。




20190707(日) とうもろこし「富士山麓わくわくコーン」(富士市)

  −雨の後晴れる日が続くとと糖度が上がる− (写真提供:JA富士市 望月 綾さん)

  取材先は富士市の望月太郎さん・陽帆さん(奥様)の畑。3年ほど前に誕生したとうもろこしで、名前は「富士山麓わくわくコーン」。JA富士市でも3年前から栽培を始めた新しい種類のとうもろこしです。甘味が強いのはもちろん、粒の皮が薄くて柔らかく歯に挟まりにくいのが特徴です。
 雨が続くと糖度が下がるそうです。2日雨が続くと糖度は14度〜15度になる。逆に雨の後晴れると糖度が上がるそうです。2日晴れると18度〜19度に、5日晴れると20度を超えるそうです。

  「わくわくコーン」に限らずとうもろこしの収穫は朝早いのが有名です。何故早いのかというと「甘さを逃がさないため」だそう。とうもろこしの糖分は太陽の光を浴びて光合成が始まるとエネルギーとして使われ、甘味自体は減ってしまいます。ただ昼間はエネルギーを使って栄養と糖分を作り出し、暗くなったら実に蓄えていくという仕組み。だから朝暗いうちからの収穫なんですね。
 ちなみに望月さんは朝4時から収穫するそうです。


 JA富士市女性部 大渕支部の皆さんに作って頂いた料理は
  「わくわくコーンのまぜご飯とテンプラ」。絶品でした。
 左の写真は我々がお手伝いで粒をバラしている場面ですが、最初に粒の並びの縦1列を包丁で切り取ってから作業しました。きれいにバラバラにすることが出来ました。



 「富士山麓わくわくコーン」は、
  ・生で食べるとすっきりとした甘さ。
  ・茹でたりレンチンするとこくのある甘さ。
  ・熱を加えたものを一晩冷蔵庫で寝かすと、甘味が落ち着いてなめらかな甘さになるなと思いました。



20190630(日) メロン(牧之原市)

  −実に近い葉が枯れてきたら収穫のサイン− (写真提供:JAハイナン 増田しほみさん)

 取材先は牧之原市の静波海岸近く、加藤さんのハウス。大変なのは水の管理だそう。梅雨時など雨がたくさん降るとその水分を吸い上げて、メロンの実が割れてしまうのだと。長雨が続く時は生育具合を見ながら早めに収穫するそうです。
 磐田や袋井と同じように一株に1個の実で中身の充実を図ります。最初は候補を3個に絞るそうです。その後の生育状況を見ながら、最終的に1個だけ残し収穫するとのことでした。

 収穫体験したメロンをそのまま切って頂いて試食。収穫直後はどうなんだろう?と思いましたが、多少の固さはあったものの甘味は十分でした。
 生産者の加藤さんは「やはり1週間くらいおいた方が柔らかくなって食べやすく、よりおいしさを感じられるよ」とおっしゃっていました。



 メロンに一番近い葉を「止め葉」と言うそうです。収穫時期はその止め葉の色が抜けて茶色く枯れてきたらそのサインとのこと。(品種にもよるそうですが)
 交配した時期を記録しておいて、品種による収穫目安日数と葉をしっかりチェック。穫り時を逃さないようにしているそうです。

 半分カットの状態のメロンをスプーンでくり抜きながら、果汁も残さず食べられる「贅沢食い」をしたいな、と思う今日この頃です。

20190623(日) たまねぎ(御殿場市)

  −タマネギの茎が倒れたら収穫時のサイン− (写真提供:JA御殿場 杉山大介さん)

 取材先は御殿場市板妻の勝又さんの圃場。テーマは「新タマネギ」。圃場に着いたらまず軒並み茎が倒れているのにビックリ。強風でも吹いたのかと伺ったら、何とこれは収穫時のサインだそうです。倒れた1週間後が収穫適期とか。非常に親切な野菜ですね。
 新タマネギは4年前からの取り組み。標高が高く冷涼な気候なので、出荷時期が浜松よりは遅く大産地北海道よりは早い。新タマネギの品薄時期を埋める存在として期待されていて、この御殿場産タマネギをブランド化しようと試みています。

 植え付けから、消毒、収穫時の茎切り・根切り、収穫作業などかなりの部分は機械化され、農家の負担を軽くしています。ただ収穫は機械任せには出来ない部分もあり、手で大事に収穫する必要もあるそうです。
 耕作地は水田だった所です。水田としてはもう使わないのかを伺ったら、水田に戻す復田(フクデン)はするそうです。水田に戻すのは大変な作業ではあるけれど、復田して再度水張りをするという工程は土地のリセットになるそうで、連作障害の防止になるとおっしゃっていました。

 「御殿場こしひかり」をベースに地場産品を使った料理コンテスト「ごてんば米コン」も2018年度に6回目を迎えました。
 今回は御殿場産タマネギを必ず使用するレシピを募集。
 その最優秀賞レシピを考案した方と共に料理を紹介しようという回でした。



◎一般部門 最優秀賞は倉敷純子さん。
   「たまねぎ とツナの生ふりかけ」
◎小中学生部門 最優秀賞は北村優津希(ユヅキ)くん小4(現在小5)
   「野さいシャキシャキみんな食べられるハンバーグ」
 入賞者のレシピは 学校給食・保育園給食でも使われるそうで、既に北村優津希くんのレシピは給食で出たそうです。

20190616(日) 函南西瓜(函南町畑毛)

  −受粉は一つずつ手作業で− (写真提供:JA三島函南 木下奈都季さん)

 取材先は函南町畑毛の杉崎さんの畑。テーマは「函南スイカ」。ブランドとして定着してきました。
 驚いたのは育苗開始時期(4月)接ぎ木をするということです。スイカは連作を嫌う植物です。5年は空けなくてはいけないそうですが、現実にはなかなか難しい話です。そこで別の植物の根を土台に接ぎ木をして連作障害を避けるという訳です。さらに普通に接ぎ木した場合、活着率(接ぎ木成功確率)は7割程度なのだそうですが、近年LEDを利用して活着率が9割ほどに増加したそうです。

 虫があまり飛ばない最初の時期は一つずつ人手による受粉です。地面を這うようにする受粉作業が大変だとおっしゃっていました。
 気温が上昇してミツバチなどが飛び交うようになると、自然に受粉して次から次へとスイカの赤ちゃんが誕生していきます。摘果しないと良い玉にはなりません。摘果したものは廃棄処分です。
 摘果した子メロンのように浅漬けにして食べられないか伺いましたら、やっている農家もあるそうです。そしておいしいとのこと。
 子スイカを店頭に出さないのかと聞きましたら、手がかかりすぎるので出来ない、とのことでした。

 函南スイカのランクは「秀」「優」「良」の3つ。ポイントは中に「ス」が入っているかどうか、形がいびつでないか、傷が付いていないかです。傷については目立つものは農家段階ではねられます。
 形は見た目で分かりますが、問題は「ス」が入っているかどうか。函南では叩いてその音で判断します。「ス」が入っていれば低めの音、入っていないものは高めの音がするそうです。実際に並べて比較すると、なるほど分かりました。放送でも音声さんがマイクを近づけて録りましたのでご覧になった方はお分かりになると思います。でも単体だと熟練しなければ分からないと思いました。担当の長谷川さんも最初の研修1年目はとても難しかったそうです。
 味ですが「最低11度以上」という条件になっているので、どのランクも変わらないそうです。「ス」の入ったものはそれだけ熟している証拠で、より甘いんですって。ある方が「自分が自宅用に買うんだったら迷わず「良」を買う」ともおっしゃっていました。おっと、これは内緒ですよ。

 道具の一つに魅せられました。それは「スイカ専用包丁」。刃渡りは40p弱の大きな包丁です。普通の包丁なら一回では切れない大きなスイカが一発で難なく切れます。
 「欲しい!」と叫んだらディレクターの石川さんに、「スイカ以外の何に使うんですか!?」といつものように問われ、二の句が継げなかった私でした。



20190609(日) あしたか牛 (長泉町)

  −個体識別番号管理システム− (写真提供:JAなんすん広報 大嶋知美さん)

 取材先は長泉町上長窪。品質の高い肉牛「あしたか牛」が今回の取材テーマでした。
 あしたか牛の生産者"は、現在 6軒 で、およそ1000頭の肉牛を育てています。肥育期間は牛舎によりますが、訪れた加藤さんの所では生後2か月の子牛を25ヶ月育てて出荷しているそうです。
 どの生き物もそうですが、牛の場合暑さとストレスが生育に大きく影響します。愛情をもって育てることはもちろん、定期的な「血液検査」の実施で健康状態がチェックすると共に、そのデータをもとに講習会などを実施して全農家で品質の高い健康な牛に育てる努力をしています。
 また富士宮牛乳の牛舎もそうでしたが、こちらの牛舎にも「オガクズ」が敷いてありました。排泄物などの水分の吸収も含めて清潔を保つうえで欠かせないと加藤さんもおっしゃっていました。

 それにしても牛は好奇心旺盛です。この連中は危険ではなさそうだと感じたところから寄ってきます。ロケ中に、油断していたディレクターがズボンを舐められて慌てていました(^_^)
 左の写真は鳥越佳那アナが牛をバックに自撮りしようとして、牛の鼻息を感じた瞬間シャッターを切ったものです。
   牛の目がなんとも可愛い!
 牛の鼻息の温かさに、なんとも言えない表情をしている鳥越アナでした。

 牛の耳に付いている番号札ですが「個体識別番号」です。重複することのない生涯唯一の10桁の個体識別番号をすべての牛につけ、各牛にそれぞれの番号を印字した耳標を装着することにより、牛を識別・管理するための番号です。
 牛の生年月日、出生地、性別、品種、親牛のデータ、流通経路等がすべて分かるようになっています。
 実はこの「個体識別番号」は、流通の最終段階である小売店の値札シールにも必ず印刷されています。独立行政法人家畜改良センターの「個体識別番号の検索サイト」に行けば誰でも調べられるのです。
 機会があったら検索してみて下さい。

20190602(日) 梅 (島田市)

  −1個1個手摘みで収穫− (写真提供:JAおおいがわ広報 石川智浩さん)

 取材先は島田市の伊太(いた)地区。おいしいお茶も採れる所ですが、「梅」で有名な産地なんです。肉厚で香り高い梅が産出されることで知られています。
 この地区はとにかく選別基準が厳しい。少しでも傷のあるものははねられてしまいます。はねられた実を「B級品」として販売してもらいたいと心底思いました。品質には何の問題も無し。風によって葉っぱが擦れただけで傷になってしまうこともあるんですから。
 収穫方法についての私のイメージは木を揺らして地面に広げたシートに実を落とし集めるというものでした。しかし一個一個手で採るとのこと。選別基準を考えると仕方ないのかもしれません。そうは言っても圃場に50本はあろうかという梅の木の実です。かてて加えて栽培場所は30度はあろうかという急斜面。生産者の萩原さん・北川さん共に私と同年代の方たちですから頭が下がりました。

《おいしいをつくりましょ》コーナーは「おいしい梅酒の作り方」
 完熟の梅を使うと濁ってしまうので必ず青いもの(一部に黄や赤が入っているくらいは良い)を使うとのこと。大事なのは梅の実を3〜4時間水に浸けての「あく抜き」。以前作った時に「あく抜き」をしたかどうか覚えていなくて不安になりました。。左の写真は竹串を使ってヘタを取っている様子です。丁寧にヘタを取ることにより、エグ味の無い爽やかな味わいになるとのこと。

20190526(日) 富士宮牛乳 (富士宮市)

  −ノンホモ牛乳に感動− (写真提供:JA富士宮広報 大塩里紗さん)

 取材先は富士宮市下條の佐野牧場。何と言っても楽しみだったのは久しぶりに飲める「ノンホモ牛乳」。「ノンホモ牛乳」とは「ホモジナイズ」していない「ノンホモジナイズ」牛乳のこと。
 「ホモジナイズ」とは搾った生乳に圧力を加え中の脂肪球を均一に細かく砕く加工処理のことで、脂肪分が分離しないように処置をした牛乳。脂肪球が細かくなることで表面積が大きくなり、胃腸での消化吸収が良くなるといわれています。
 「ノンホモジナイズ」は低温殺菌法で、搾りたての成分に近い状態の牛乳を作る方法。
 久しぶりに飲んだ「ノンホモ牛乳」、とにかく美味しかった! 味は濃厚なんだけれどさらっとした口当たり。さらっとしている中にも生クリームの味が口中に広がります。さらに一歩進んで「バターになるぞ!チーズになるぞ!」という風味も感じられます。
 静かに置いておくと脂肪分が他の成分と分離して浮き上がります。まさにその分離した部分が生クリームです。混ぜればいいんですけどね。一般の牛乳はそれを避けるためにもホモジナイズ処理をするという訳なんです。
 でも63度〜65度の低温殺菌に30分かけるので大量には作れません。スーパーで売られている牛乳のほとんどは120度〜130度の超高温で2秒間だけ殺菌する方法ですから効率的には勝負になりませんよね。しかも賞味期限も短い。手に入りにくい訳です。

 佐野牧場は同じ富士宮の観光農場「まかいの牧場」と連携しています。
 乳牛の幼少期、「まかいの牧場」に預けるそうです。「まかいの牧場」は、当然たくさんの観光客の訪れる場所です。その結果、
   → 人に慣れる
   → 人間によるストレスの少ない牛に育つ
   → 牛乳の出る量に変化の少ない状態を作り出せる
   → 品質の高い牛乳を作れる
 牛舎での飼育に関しても、佐野牧場ではより美味しい牛乳を生産するため細心の注意を払っています。温度管理や飼料はもちろん、牛舎に敷くのも単価の高い「オガクズ」を使用。世話をする佐野家次男の佐野圭祐さんはこう言います。
  「1日4回ベッドメイクして清潔を保つようにしています」
 牛舎の掃除をベッドメイクって言うんですね。それだけ大切な牛たちなんですね。

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